2004年07月06日(火) |
総理大臣杯 1回戦 富国大−国士大 静産大−青学大 |
この日は一日休みである。朝からダラダラ読書を楽しみ、それから映画館にハリー・ポッターをようやく観に行く。土日はまだまだ混んでいて観づらい。第1作を観たときはキャストが原作イメージにあまりに近くて驚いた。平凡キャラのロンはともかくハリー・ポッターやハーマイオニーは絶妙で、特にエマ・ワトソンがハーマイオニーの設定よりも年下とは信じられなかった。イメージよりも知的だ。原作のボケ風味は薄かったが。ただ現在は随分外見が成長してしまった。設定年齢と大して変わらないキャストだが、少しつらくなってきたんじゃないだろうか。予告編でマルフォイをcockroach呼ばわりして殴ったハーマイオニーのセリフがどう訳されるかと思っていたが、まあまともだった。
総理大臣杯1回戦の日は出来るだけ休みを取ることにしている。なぜなら私にとっては同じく平日開催の近畿中学総体やJユースカップ準決勝よりもある意味興味深い大会だからだ。基本的に地方勢重視でカードを選ぶ。今大会の場合富士大や広島経済大にも注目だが、部員14人の富山国際大を目当てに西京極に向かう。
プログラムに人工芝の広告がある。岐阜経済大の素晴しいグラウンド写真がある。へえ、力入れてるんだ。予選はどうだったんだろ?と見てみると…………。1回戦0−7対中部大(汗)。
もともとこの大会は6月の昼間に行なわれてきた。しかし各地で春もリーグ戦が採用され始めたため現在では7月に開催せざるを得ない。そこで暑さを避けるために今年からナイトマッチが採用されることになった。
北信越地区の大学サッカーは少し前まで実にレベルが低かった。何しろ地元の強豪高よりも弱いのだ。近年の高校勢の充実と比べて大学にあまり見るべきものはなかった。以前のこの地域の最強校は金沢大だ。何故か?単に地域最大のマンモス大学だからだ。他の大学が熱心に活動していなければ規模の大きな大学が強い。バスケなどでも明らかだ。しかし最近は福井工業大や新潟大など地元の高校よりも強いところも出てきた。そして新手の富山国際大。今秋から1部昇格、そして全国大会出場。注目するには十分だ。
ゲーム前の運営レベルが気になる。スタメン放送の出身チームの際に水橋高校を「みずのはし高校」と読むのはまだいい。しかし「アローズ北陸高校」はどうだろう?JFLを知らないだけならともかく、全く予習もしてないとは。学歌斉唱は今年は行なわれないようだ。
総理大臣杯 1回戦 富山国際大−国士舘大 7月6日(火)西京極陸 16時 ピッチ良 晴 弱風
富国大 国士大 −−小野木−−森川−−− −−−金子−−加藤−−− −−−−−廣田−−−−− −−−−−清水−−−−− 上澤−荒井−−橘−−藤木 −蒲原−−柴崎−−養父− −−−関−尾道−田中−− 片山−片岡−−竹内−橋本 −−−−−山本−−−−− −−−−−吉岡−−−−−
富国大は3−5−2で両サイドが引き気味。バランス意識は高い。トップ下廣田(1年・富一)は左利きのゲームメーカーで強烈なFKあり。小野木(1年・富山国際大付)が長身CFで森川(2年・水橋)も柔軟で身体能力の高い選手。後方からパスを繋ぎ、最終的に前線の3人の能力に託す。スタメンの出身校は富国大付3人、水橋2人、富一2人など富山出身者が10人を占める。
国士大は4−4−2で中盤はダイアモンド型。SBは守備的でMFを追い越すことは少ない。SHが開き、清水(4年・ヴェルディユース)のポジションも高く、やや中央が薄い。金子(2年・東福岡)が長身CFで俊敏な加藤(3年・東北)が周囲を動く。養父(2年・弥栄西)がFK担当。GK吉岡と片山、柴崎が左利き。
序盤は意外にも富国大がショートパスをつないで攻め込む。パススピードも距離もないが正確につないでゴール近くまで迫る。が徐々に国士大が激しい守備でパスを封じ、強く長いパスでチャンスを作る。5分の時点でどうやら富国大は富一と同等かやや落ちるレベルにあることが分かった。フィジカルが高校レベルで、しかも寄せが非常に甘い。FWに出たパスに寄せるものの当たりに行かず、国士大のポストプレーがほぼ成功。これでは自陣に押し込まれてしまう。中盤の守備も甘く、サイドチェンジも容易に許す。10分、LB片山の左クロスを金子がヘッド、左ポストに当たりゴールイン。最初のシュートだった。何点入るかと思ったが国士大のエンジンもかからず攻める割にはチャンスが少ない。金子の高さ、蒲原のスピード、清水のテクニック、柴崎の正確なゲームコントロールなど個々の能力では圧倒しているがバランスを意識し過ぎて攻めが薄いのと、一人一人の距離が遠いために崩しきれない。ミスも多い。24分には富国大が決定的な左クロスを上げるシーンも。36分養父の右クロスがファーに流れ蒲原へ、ペナ中へ切れ込んだところを藤木が倒してしまいPK。これを清水が決めて0−2。やや最初の藤木の守備も甘かった。故意のファウルではないので警告はなし。42分には右サイドで養父と前方に入った清水のワンツーで養父が中に切れ込む。清水に対する守備がルーズな上に中のカバーも遅い。養父がペナ外から左足シュート、GK山本も捕り損ねてゴールイン。0−3。
国士大はハーフタイムで清水を下げて半田(1年・市原ユース)を投入。1・2回戦は連戦なので後半の国士大の課題はスタミナの消耗を抑えて警告を受けないようゲームを進めることになる。開始からボールを支配する国士大に対し、富国大はファウルが増え、藤木・田中が早々に警告を受ける。11分、左を基点に(富国大は二人で囲みながら二人とも見ているだけ!)中へ繋ぎ加藤から右の養父へ、切り返し左足シュートが決まり0−4。パスの渡る先に人はいたのだが全て淡白な守備だった。12分、富国大・尾道がドリブルを倒し警告。13分、国士大・金子と交代すべく菅原がタッチ際に立つ。すると放送で「〜に代わり〜が入りました」いや、まだ入ってない、入ってない。20分、富国大・上澤→前原。前原が右ストッパー、田中が左WBに回る。右利きなのでクロスの際は必ず切り返す。23分、富国大が相手陣深くで左スローイン。田中がペナ内の小野木へ、国士大・竹内が集中を欠いた守備であっさり小野木が反転しゴールライン際に切れ込んでクロスを廣田が蹴りこんで1−4。25分、国士大・養父→土屋。左MFに入り蒲原が右に回る。26分、国士大の誰かに警告。35分、富国大・森川がカウンター時のドリブルが長く国士大・竹内に体を入れられ、そのまま飛び上がってぶつかり警告。36分、国士大・加藤から土屋への絵に描いたようなポストシュートが決まり1−5。富国大ストッパーはもう少し抵抗できたと思うのだが。40分、国士大、遅攻で中央の柴崎が右の蒲原へ展開、ドフリーで広大なスペースを与えられた蒲原が右45度からドリブル開始、GKと1対1となりきっちり決めて1−6。ロスタイム、国士大・蒲原のパスを受けた半田がペナ外右45度から左足でカーブをかけた絶妙のシュートが左ポストに当たりゴール。1−7。さらにロスタイム、半田のパスを受けた菅原が左足ミドル、ブラインドだったがGK山本一歩も動けずゴール。1−8。大差で終了。
首をかしげる得点シーンが多かった。ごく普通のゴールは先制点くらいか。半田のビューティフル・シュートも狙い済ます時間があってのこと。国士大の内容が良かったわけではなかった。いや、悪かった。国士大の場合、別に内容が悪くても問題はないのだが……。富国大は選手を集めているようだが部員14人では厳しい練習が出来ず、高校レベルを超えることは難しい。北信越地区のレベルアップの旗手とまでは言えまい。ただ重要なのは、このレベルで、真剣にサッカーに取り組むチームが増えたことだ。1部リーグが真摯な活動を続けるチームで占められればいずれ全国レベルの大学も出てくるはずだ。
富山国際大 GK山本裕次郎(2年・富山国際大付)、DF田中智博(2年・富山国際大付)、尾道翔(3年・西浦)、関隆宏(2年・富一)MF藤木卓也(3年・水橋)、橘秀仁(4年・水橋→アローズ北陸)、荒井達也(3年・富山工)上澤寛顕(2年・富山商)、廣田学(1年・富一)FW小野木康浩(1年・富山国際大付)、森川雄二(2年・水橋) ベンチ入り GK江戸健吾(4年・金津)、石田悠太(1年・水橋)DF前原雄太(2年・富山国際大付)
国士舘大 GK吉岡広介(4年・東海大菅生)、DF橋本尚樹(4年・郡山)、竹内彬(3年・向上)、片岡洋介(4年・西武台)、片山奨典(3年・国見)MF柴崎晃誠(2年・国見)、養父雄仁(2年・弥栄西)、蒲原達也(3年・国見)、清水康也(4年・ヴェルディユース)FW加藤浩史(3年・東北)、金子央朋(2年・東福岡) ベンチ入り GK鈴木智幸(1年・浦和東)DF杉森陽介(2年・星稜)、小林公平(2年・藤枝東)、MF半田武嗣(1年・市原ユース)、土屋貴啓(3年・岐阜工)FW小比賀慎(3年・北海)、菅原康太(1年・室蘭大谷)
第2試合の審判・選手が入場し、整列すると校歌斉唱を行なうという放送が流れる。第1試合ではなぜ流さなかったのか、とか普通校歌ではなく学歌と言わないか、とか思いながら待つが、なかなか流れない。そしていきなり途中から流れ出し、すぐに終わる。静産大の選手たちも釈然としない表情だった。そして青学大の番だがやはりなかなか流れない。そして役員の学生が選手たちに走り寄り、斉唱が行なわれないまま何事もなかったかのように選手たちがピッチに散らばる。つくづく情けない運営である。
総理大臣杯 1回戦 静岡産業大−青山学院大 7月6日(火)西京極陸 18時15分 ピッチ良 晴 弱風
静産大 青学大 −−−松下−−塚本−−− −−−篠原−−松江−−− −−−−−櫻田−−−−− −−−−−扇塚−−−−− 牧野−安藤−−佐野−犬塚 −下地−−田中−−船津− −−河住−竹山−辻−−− 高澤−宮崎−−島本−三角 −−−−−浅井−−−−− −−−−−橋詰−−−−−
静産大は3−5−2。3バックはゾーンで、相手FWへのクサビをしっかり潰す。ボランチは安藤が守備的。技術の高い佐野が前方を伺う。主将の櫻田は左利きのゲームメーカーでゲームのペースをコントロール。決定的なパスを出し、大きな展開も出来る選手。FK担当。松下は小柄ながらキープ力がある。どちらかと言えばポスト役が多いが良く動く。
青学大は4−4−2のダイアモンド型。一応ゾーンだが島本がストッパー的に松下につくことが多い。宮崎が主にカバー役。トップ下の扇塚は常に決定的なパスを狙う。昨年の関東2部アシスト王松江はバランスのとれたタイプだが、基本的にはシャドーストライカーか?
0分、(記録上は1分となる)静産大・犬塚が右サイドを股抜きで突破しまったくのフリーでクロスをファーの松下がボレーで決めてあっさり先制。静産大は後方からパスを繋ぎ青学大を崩しにかかる。ただ足元へのパスではなく、全員が少し動きながらパスを受け、味方の忠実なフォローや前方の選手を追い越す動きも多い。まるっきりジュビロ・スタイルで求めるレベルは高い。青学大はポスト役の篠原や松江が潰され足元にボールが入らない。動きに工夫がなく、完全に読まれてしまっては強靭な篠原もつらそう。しかも18分には主将の三角がラフプレーで一発退場。20分、FKから櫻田が左クロス、竹山がファーに流れながらヘッドを逆サイドネットに決めて2−0。25分、青学大・篠原→松井がRBに入る。4−4−1の形。静産大の攻勢が続き青学大はどうすることも出来ない。松江はボールを受ける動きがいいタイプではなく、裏を取れるわけでもポストプレーに秀でているわけでもなければスピードもごく普通。他の選手が松江を囮に飛び出せればいいのだが、下がりすぎて前線との距離が長く、松江を孤立させてしまった。こうなるとハーフタイムまで耐えるのみ。
ハーフタイムで青学大・高澤→佐藤、下地→田坂。3−4−2に変更する。宮崎がSW、島本が右、松井が左ストッパー。田坂が左MF。佐藤・松江の2トップ。あまりポストプレーにこだわらず、サイドからドリブル主体で崩す攻撃が増える。その中心は田坂で忠実な守備からすぐに攻めに切り替える動きは見事。FKも蹴る。一方静産大はペースも落ち足元パスが目立つ。前半ほど一方的にパスを回せない。15分、田坂の右CKが中にこぼれ、佐藤が蹴りこんで2−1。スタミナ的にはきつい青学大だが、田坂や田中の奮闘で互角の展開に持ち込む。21分、静産大・塚本→大空。明らかに守備的な交代。さらに33分、松下→樋本。樋本は左サイドからドリブル突破を何度か見せる。ロスタイムに青学大の総攻撃をカット、カウンターから樋本が左をドリブル、中の犬塚へと繋ぎ最後は右フリーの大空が決めて3−1。静産大が勝利。
静岡産業大 GK浅井俊光(3年・磐田ユース)DF河住一仁(3年・浜名)、竹山満(3年・磐田ユース)、辻真光(3年・磐田北)MF犬塚友輔(3年・磐田ユース)、佐野博敏(3年・磐田ユース)、安藤栄太(4年・静岡学園)、牧野泰直(2年・静岡学園)、櫻田和樹(4年・静岡学園)FW松下和麿(4年・初芝橋本)、塚本浩史(4年・柏ユース) ベンチ入り GK柴崎邦博(2年・保善)FP秋葉信秀(1年・市原ユース)、松井直(1年・市立船橋)、大空昌宏(4年・日大藤沢)、牧田良生(4年・富士東)、小川貴弘(2年・川崎F)、木戸吾郎(1年・静岡学園)、樋本敏晃(2年・高松商)
青山学院大 GK橋詰卓実(3年・上田西)DF三角健太(4年・八千代)、島本隆史(3年・市立浦和)、宮崎弘(3年・市立船橋)、高澤尚利(2年・浦和ユース)MF田中基彦(3年・多摩)、船津達哉(3年・国学院久我山)、下地奨(1年・ヴェルディ・ユース)、扇塚耕一(2年・静岡北)FW篠原一生(3年・城北学園)、松江克樹(3年・市立浦和) ベンチ入り GK池田有志(2年・桐蔭学園)、FP清水豊(3年・浦和ユース)、対馬浩之(3年・広島ユース)、田坂祐介(1年・広島ユース)、内田一城(2年・市立浦和)、佐藤陽介(4年・国見)
帰宅後すぐに運営について関西学連にメールを送ろうとしたが、メアドを公開していなかった。そういえば今までに送った記憶もない。しょうがない。そのうち電話するか。(どうせそのまま忘れる)
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