サッカー観戦日記

2004年05月30日(日) クラブユース選手権関西予選 G大阪−C大阪 京都−V神戸

この日は鶴見緑地で関西学生選手権準決勝、萩谷で総体決勝リーグ第1日、そして万博でクラブユース選手権(U−18)ブロックリーグの最終日と全国の掛かったゲームが目白押しである。総体は初日だから全国総体出場が決まることはない。大学は勝てば総理大臣杯出場、しかし負けても3決がある。クラセンはサンガが予選突破を決めていてあとは状況次第だが、負けても街クラブに勝てば予選突破という状況。萩谷第1試合・万博のはしごも考えたが、万博に絞ることにする。関西学生選手権の方は今年は捨てた。決勝もテレビ観戦の予定。

5月とも思えない暑さにボ〜〜ッとしながらバスに乗る。日本庭園前を出て次は公園南口、と思っていたら右折して公園西口へ行ってしまった。阪大病院前行きに乗ってしまったらしい。仕方なく30℃を超える中トボトボと歩く。キックオフ30分以上前に到着のはずだったのに、10分前を切っていた。

予選はJの4クラブによるリーグ戦で上位2クラブが勝ち抜き、下位2クラブが街クラブとプレーオフを戦う。既に京都が突破、G大阪(勝ち点3)は引き分け以上で突破濃厚、C大阪(勝ち点1)は勝たなければならない。


クラブユース選手権(U−18)関西予選 ガンバ大阪−セレッソ大阪
5月30日(日)万博人工芝 13時  晴 並風


G大阪               C大阪
−−−渡部−−出口−−− −−−岡村−−今口−−−
−−−−−−−−−−−− −−柿谷−−−−中山−−
岡本−−與−−倉田−松岡 篠原−−−中浜−−−井戸
植田−池田−−金−−森一 −−田所−武田−宇佐美−
−−−−−東−−−−−− −−−−−島並−−−−−

G大阪は伊藤・安田がU−17代表、横谷がケガで不在。4バックにドイスボランチの布陣はいつも通り。1年生倉田がスタメン。出口がポスト役で渡部がウラを積極的に狙う。與がFK担当。

C大阪は3−5−2。ボランチの多い田所とWB得意で線の細い宇佐美をストッパーにCF兼用の左利き武田がSW。WBタイプの中浜がボランチ、ともにシャドーストライカー・タイプの中山・中学生柿谷が2列目に入る。今口を含めるとシャドー・ストライカーが3人いるようにも見える。左WB篠原はタテ突破よりも正確なミドルパスやFK得意なタイプ。元DF岡村がCF。選手層が薄い分選手の適性にあった起用が出来ない感じである。

序盤からG大阪がじっくりパスを繋ぎC大阪が守る予想通りの展開である。C大阪とすれば一定の時間帯を守りきりG大阪が緩むのを待ちたいところだったが、7分中に入った松岡から左の渡部へパス、すぐタテに突破しクロスと思いきや角度のないところから決めてあっさり先制。思い切ったいいシュート。10分、G大阪が正面20mFKを得る。C大阪のカベは4枚で足りない感じ。與の左スミへのシュートは島並好セーブ。13分、島並がパントキックをミスし、目の前の松岡の側頭直撃、そのままタッチを割る。18分、C大阪・篠原の左FKから右ポスト直撃、ラインギリギリに落ちる。C大阪押し込めず。19分、松岡から出口へ、C大阪DF陣の甘さを突いてドリブルシュート、決まって2−0。23分、G大阪カウンター出口が下がって受けて反転、右を松岡がフリーで上がっていく。ベンチから「右!」と声が出るが出口は左に出す。そこにもフリーの渡部。ベンチから「そっちまで空いてるのか」との声。渡部が持ち込みシュート、外れる。決定機。C大阪はDF陣が出口・渡部に大苦戦の上、中盤もバランスが悪い上にパワー不足で潰せず厳しい展開が続く。中山・柿谷はFWをしょっちゅう追い越すが、中盤がスカスカになりがち。26分には中で作って右を上がった森一へ、完璧にサイドを崩しファーの出口が決めて3点目。28分には森一の好フィード、DFのウラをとった渡部だがトラップが大きくシュートならず。29分には松岡から岡本がウラへ、渡部のトラップは長く、シュートならず。G大阪・渡部は好調でC大阪の甘さもあってウラを狙い放題、その分出口も生き2トップが見事に機能している。DF陣はよせが甘い気もするが、CF岡村はきっちり抑えている。岡本はコンディションが悪そう。残り10分、双方チャンスを掴めずに終了。

シュート数は8対3(公式記録では8対6だが、簡単にブロックされたものもカウントしている)、枠内シュートは4対0とG大阪ペース。C大阪はこのまま大量失点の可能性が高いゲーム運びだ。

ハーフタイムでC大阪は井戸と今口を下げて植田と宮山を投入。植田が右ストッパーで宇佐美を本来の右WBに上げる。またMF宮山が入り柿谷がトップへ。やはりバランスの修正を図った。

0分、G大阪・岡本のスルーパスが渡部へ、GK島並が飛び出してブロック。決定機。4分、C大阪・篠原→沢田。右WBに入り、宇佐美が左へ。猫だまし?良く分からない時間帯での交代。6分、柿谷がとりあえず後半初シュート。後半も序盤はG大阪ペース。8分、出口がループは惜しくも上のネット。決定機。9分、渡部がオフサイドをかいくぐってウラを取る。11分、カウンターから右の松岡へ。ループはGK島並キャッチ。決定機。15分、C大阪のCKの際にG大阪・岡本→平井。不調だったし仕方がないか。このCKからのカウンターから松岡の右クロスを出口がファーでドフリー、外す。決定機。徐々にC大阪も形を作れるようになる。中盤のバランスが良くなって宇佐美・沢田の両サイドが機能してくる。しかしクロスの精度は低い。22分、C大阪右CK、宮山のボールをファーで巨漢武田がマーカーに競り勝ちヘッドを決める。3−1。迫力があった。さすが武田。23分、C大阪3連続シュート、3連続ブロック。24分、C大阪右FK。柿谷のボールは正確に岡村の頭へ、GK東横っ飛びキャッチ。決定機。直後に柿谷の正確な右アーリークロスがニアへ、金がCKへ逃げる。柿谷は下がる時間帯が増えたがキック精度の高さを武器に活躍。C大阪は前半のクロス精度の悪さが消え、沢田・宇佐美からきっちりしたボールが入る。30分、C大阪DFウラへのいいダッシュを繰り返していた渡部が足を攣る。32分、渡部→酒谷を左のハーフ、平井をFWに上げる。33分、C大阪・宇佐美の左クロスをファーの沢田シュート、右に外れる。決定機。34分、G大阪カウンター、松岡が中にドリブル、出口が右に動いて受けシュート、左に外れる。酒谷はフニャフニャとした技巧的な突破を繰り返す。股抜きも。38分、C大阪・沢田→河崎。交代出場の沢田もまずまず活躍。39分、與がC大阪・中山をファウルで止めてFK。與はラフプレーで警告。このFKで柿谷のボールを東はかぶってしまうがC大阪は誰もおらず、クリア、さらに右クロスが流れたボールをファーの宇佐美が左スミへシュート、今度は東が好セーブで防ぐ。決定機。ロスタイム、手元では44分(40分ハーフ)にG大阪カウンターで松岡が右から中にドリブル、右に切り返し右スミに20m強のシュートを叩き込みトドメの4点目。結局4−1で終了した。

G大阪の完勝だったが、前半終了時にはC大阪がこのまま大崩れして惨敗するのではないかという不安でいっぱいだった。よく立て直した。G大阪では渡部がこのゲームのMVPだと思う。出口も良かった。交代出場の酒谷も含め中盤から前は軒並み好調、守備陣はまずまず、といったところ。C大阪では中学生の柿谷が完全にチームの中心選手となったようだ。

公式記録




クラブユース選手権(U−18)関西予選 京都サンガ−ヴィッセル神戸
5月30日(日)万博人工芝 15時  晴 並風


京都S               V神戸
−−−沈−−−松田−−− −−−柳川−−久門−−−
−−−−−鳥本−−−−− −−−−−−−−−−−−
阪部−村田哲神田−村田圭 曽我部−安里−長瀬−澤井
−−堀−−澤崎−加地−− 青戸−増田−−大森−吉岡
−−−−−河原−−−−− −−−−−紀氏−−−−−

京都は声が出せる長身細見の澤崎をスイーパーに小柄でSBもできる加地と、潰し屋もカバーも出来て、スピード十分の堀がストッパー。ボランチは村田哲郎が下がり目で神田が上がり目。ガッチリした体つきの鳥本が比較的自由に動く。松田・沈はともにスピードがあり、前線の3人のコンビは抜群。

神戸はいつもの4−4−2。中盤から関西Jユースでは随一の組織的なプレスをかける。長瀬が上がり気味。もはや柳川はCFに定着した感もあるが、もともとCBで、ゴツイ選手。

京都がパスを繋ぎ、神戸がプレスを仕掛けて奪ってからのカウンターを狙う予想通りに立ち上がり。序盤は京都のパスワークが上回り、鳥本からの長短のパスがFWに入る。5分には神田から松田へクサビが入り、ウラに落として沈がGK紀氏と1対1のチャンス、紀氏好セーブ。8分には右に開いた鳥本があっさり青戸をかわしてクロスもFWに合わず。11分、押し込んだ状況でハーフ付近に下がった鳥本からペナ外の沈へミドルパス、松田に落としすぐにウラへダッシュ、リターンはわずかに合わず。神戸は安里・長瀬が鳥本を捕らえきれず、中の勝負で後手を踏む。曽我部は攻撃面でセンスが光る。しかし守勢時には厳しそう。15分には神田から鳥本と繋ぎウラへのパスに松田が走るところを大森が倒す。警告はなし。右45度25mFKを阪部がファーに上げる。紀氏難なくキャッチかと思いきや下にこぼしてしまう。誰かが蹴りこみ京都先制。公式記録では阪部の得点となっているが、これは誤りだと思う。神戸も18分、動きのいい曽我部の左クロス、スルスルと上がって中でフリーだった安里のシュートは当たり損ねる。決定機。21分、京都・加地が自陣バックパスをミスし澤崎を通り過ぎてペナ5m外の安里の足元へ、堀が素早く戻り安里にはシュートを許さないが、柳川に落ち着いてパス、これを難なく決めて1−1の同点。共に致命的なミスによる失点で振り出しに戻った。23分、京都・阪部が狙い済ましたロングパス、松田がいいタイミングで走りこむが紀氏が飛び出してカット。決定機。26分、またも京都が神戸のウラへパス、紀氏キャッチミス沈シュート、DFがライン上クリア。決定機。神戸は一向にプレスが落ちないし、局面での激しい守備もできる。一方京都もインサイドの個人能力とパス回しでプレスに勝負。また高い位置を保つ神戸最終ラインの裏を松田・沈が狙っている。ポストプレーは少な目。絶えず27分、神戸のボールキープで増田が京都FWをかわして前に持ち出すところタッチが長く鳥本にカットされて倒す。警告。29分、ハーフ付近の京都のFKで澤崎からペナ外左の阪部がダイレクトボレー、ブロックを誰かがシュート、紀氏好セーブ。決定機。31分、京都・阪部の左クロスがポスト直撃。33分、京都・村田哲郎がケガした模様。プレーは可能。終了間際にも京都の左からのロングフィードに松田が巧みなトラップ、シュートはGK正面。

この暑さの中、神戸のプレスが最後まで持つのか微妙だが良く頑張っている。澤井・曽我部の両サイドハーフも実にタフだ。澤井のスタミナは知っているが曽我部のそれは意外だった。シュート数は6対5(公式8対4)だが京都が押し気味で決定的も多い。神戸は曽我部の突破力以外に攻め手がない。澤井は守備重視だが攻撃面ではこの日イマイチ。パッサーがおらず柳川の足元にも、久門が狙うスペースにもボールが出ない。後半勝負と言うにはスタミナを消耗している感じである。京都は「残り45分頑張ろう」と気合を入れて出陣。ちなみに40分ハーフのゲームである。

後半開始すぐ曽我部が素晴しい突破を見せる。青戸も思い出したかのように気迫あふれる上がり。立ち上がり5分に勝負を賭けたかのような神戸の勢いだ。が、チャンスには至らない。そして7分、フリーで受けた松田から沈へのスルーパスが通り、左上に決めて京都が2−1と勝ち越す。ここで神戸は吉岡→伊藤をFWに入れる。柳川がCBに下がり大森がRB。京都も阪部→木下。より守備のいい選手。10分にも松田が抜け出しかけるがシュートならず。12分、神戸・澤井→林。曽我部が右のハーフに回り、林が左。澤井は守備でよく貢献したが得意の正確なクロスがなかった。京都も鳥本→杉野。徐々に鳥本からの好パスが減っていた事と攻撃の活性化が狙いか?杉野はボランチに入ることもあるが、基本的には中央からの細かい攻撃を得意とする選手。神戸・林は快速を武器にかき回す。曽我部も動きが落ちない。しかし京都は左の木下・堀の守備力がモノを言い曽我部の突破は許さず。1年生林は名前通りに速し。小柄ながらタテの突破力は見事。味方とは合っておらず、決定機の山を築くというわけには行かなかったが、昨年の木下に続きいい外部出身者が入った。23分、ドリンクタイム。京都は交代選手がマークの相談をするなど控え選手一丸となって戦っている。ここで神戸・久門→木村。再開後少し遅れて京都・村田圭吾→大村。大村は快速アタッカーであり、京都は攻めの姿勢を変えない。神戸のプレスも衰えず、膠着気味ながら緊張感は十分。30分、京都・村田哲郎→三戸。ケガしながら頑張った。神田が下がり目のボランチ、三戸が上がり目。32分、激しい守備を繰り返していた柳川に警告。34分杉野のミドルがバーを叩く。神戸は再び柳川を前線に上げて最後のパワープレー。37分、京都・沈→澤田。ロスタイムにはウラの松田へパスが出るがGK紀氏が飛び出してカット。結局京都が2−1で逃げ切りブロック完全優勝で全国行きに花を添えた。

白熱した好ゲーム。京都の個人能力や層の厚さがモノを言った内容。堀の守備は完璧だったし村田哲も攻守に安定感抜群。神田・松田も最後まで動きが落ちず神戸プレスをものともしなかった。神戸も驚異のスタミナでこの暑さの中最後までプレスを貫き、裏へのパスも紀氏の飛び出しなどで防ぎきった。曽我部は突破力が最後まで落ちなかったし、林もいい。澤井も本来は危険なクロッサーで、これにケガで出場しなかったCF木下が加われば面白そう。

公式記録




やたら暑く、直射日光も浴びたが風が吹いていたので体感温度は気温ほどではなかった。UV対策は不十分だったがそれでも日焼け止めは塗っていたので肌に痛みはない。が、帰宅すると汗疹ができていた。う〜む。


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T.K. [MAIL]