2004年05月29日(土) |
J2 第15節 京都−山形 |
アジア最強の2部リーグ・J2は甘くない。J1中位以上の戦力を誇りカップ戦なら優勝の可能性があるような大本命でさえ、序盤は快調に勝ち星を重ねていても結局は研究されて勝てなくなり大苦戦、というパターンに陥るものだ。
さてA代表(候補含む)経験者6人を擁する今年の大本命・京都の場合は全く新しいパターンとなる。つまり開幕から全く勝てない。14節を終わってわずか4勝。J2のレベルも随分上がったものだ。機能してなければどれほど戦力が充実していようとも勝てないのだ。サンガというより銀河軍団(レアル)みたいだ。
今年の4勝の相手は札幌・仙台・山形・水戸と北国?のクラブばかり。いや単に京都がポゼッション・サッカーに強いだけのことだが。信頼度の高いデータにより今節の山形戦には確率的には100%勝てると決め付けて西京極へ向かう。暑いのでかき氷を買ってバックスタンドへ。ゲーム前には同志社大チアリーディング部が「天国と地獄」に乗って登場し盛り上げる。サンガのゲームでは常連なのに同志社大サッカー部のゲームでは見たことがない。そりゃそうだよね。なるべく多くの人に練習の成果を見て欲しいよね。それ以前におこがましくてサッカーから応援の依頼自体が来ないよね。
マッチデープログラムにはユースのことも載っている。なになに、2勝で現在ブロックトップ。30日の神戸戦で全国行きが決まる・・・・・・だって?いや、すでに2勝で全国行きを決めてるんですけど。キックオフ時に鳥肌が立つ。続いて震えも来る。結構緊張していたらしい。
J2 京都−山形 5月29日(土)西京極陸 14時 ピッチ良 晴 並風
京都 山形 −−−黒部−−田原−−− −−−中村−−大島−−− 松井−−−−−−−−熱田 −−−−−星−−−−−− −−−石丸−−中払−−− 高橋−永井−−大塚−林− 鈴木悟−手島−辻本鈴木和 −−レオ−古川−小林−− −−−−−西村−−−−− −−−−−桜井−−−−−
山形は好調な京都の2トップを警戒して3バックに変更。屈強なレオナルドと小林がストッパー。インサイドは大塚が下がり目から左右に展開し、永井が機を見たドリブルで仕掛ける。星がトップ下でFK担当。エース大島と組むのはデーニではなく中村。FWの連携はいい。
開始から山形が鋭く攻め込む。ポスト直撃弾やCKからピタリあったヘッドも。自陣からショートパスを繋ぎ、無理だと戻し、ストッパーもスペースがあれば持ち上がり、しっかりボランチがカバーに戻る。2トップも連携の基礎がしっかりしており、要するに京都よりも連携がしっかりしている。しかし林・高橋の両サイドの突破力がそれほどあるわけでもないし、永井のドリブルも2人、3人とかわせるほどでもない。大塚も展開力以外に目立つものはなく、星もタメが作れるわけではない。つまり傑出した個人能力がなく、連携力で勝負するしかないのだ。サイドからクロスが入れば大島の高さが生きるのだが。中村も身体的な速さを生かせず。対する京都は2トップの黒部と田原の動きが再三重なるなど、山形2トップと連携力は雲泥の差だ。またこの日はクロスの精度が低くせっかくの制空力も生きない。レオナルドは空中戦で健闘。攻撃時にミスが多く裏にも弱そうで3バック要因というか、外国人選手としてはやや物足りないが、京都の攻めが単調なために良さが前面に出た。22分、京都のカウンターのドリブルを小林が倒し警告。ピンチを防ぎ味方が戻る時間を稼ぐプロフェッショナルファウルのはずだが、ここで小林は相手FKを遅らせる鉄則を忘れ、また高橋も全速力で戻らず、すぐのFKを熱田に展開、まったくのフリーでファーにクロス、中払のヘッドが決まり京都先制。28分にも京都のカウンターを逆サイドまでカバーの林が倒し警告。これで得た右FKで中払のボールを黒部が落とし田原が右足で決めて2−0。黒部にたぶん小林が体を寄せ切れなかった。31分には右CKで中払がこのゲーム2度目のミスキックをニアで跳ね返されるが、左足でファーへ、なぜか黒部が全くのフリー。決めて3−0。山形は守備の致命的なミスばかりで3失点。前半で勝負はついた。黒部の正面フリーのシュートも。
不調の松井をHTで下げるかとも思ったが両チーム交代なし。山形はパスワークでサイドを完全に崩すシーンも何度となくあり、さすがに2位にいるクラブは違う。京都は連携で崩すことが出来ず、早めのクロスなど2トップの強さが頼りの攻撃。58分には山形が中村を諦めデーニを投入。キレはあるが足元でしかボールを受けられず大島との連携も悪く、むしろ攻撃面で京都に与える脅威が減った。受け方が上手ければ1対1に弱い京都DF陣には危険な存在になりうるのだが。62分に京都・熱田→ビジュをボランチに入れて中払をRHに回し守備面を強化。70分山形・林→秋葉をトップ下、星を右WB。72分京都・田原→原。77分に山形・大塚→根本がFWに入る。秋葉がボランチでデーニが下がり目のFW。根本はかつての爆発的な得点センスを感じさせる動きを見せ、ケガからの完全復活も近そうだ。鋭いシュート、大島を囮に鋭い飛び込み。山形の中では大島と並び個の力で何とかできるタレントだけに復活すれば面白い。86分に京都・松井→冨田。出来は非常に悪かった。西村監督とすれば休ませるよりも使い続けて連携面での向上を図った采配だったか。結局3−0で京都が完勝した。
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