2004年04月24日(土) |
関西学生春季リーグ 第4節(とりあえず雑感のみ) |
関西学生春季リーグ 第4節 桃山大−大院大 4月24日(土)長居第2陸 12時 ピッチ並 晴 強風
桃山大 大院大 −−−−森−−東條−−− −−−笹垣−−成−−−− −−−−−−−−−−−− −−−−−佐々木−−−− 大西−−姜−−井上−柳田 衣斐−橋垣戸−岡島−石櫃 尾崎−江添−−木村−重光 −−林田−上田−丸谷−− −−−−−田中−−−−− −−−−−土屋−−−−−
王者、といっても昨秋は低迷した桃山大はDF・MFともライン状に並んだ4−4−2。全日本大学選抜でもレギュラーの主将江添(4年・玉野光南・特別指定)、木村(2年・広島皆実)のCBコンビは関西最強クラス。LB尾崎(1年・大分Y)RB重光(3年・明徳義塾)とクレバーなSBもいて関東勢に引けを取らないDFライン。快速SHを活かしたシンプルな攻めが予想されるが副島新監督の好みか意外と中でパスを繋ぐ。バネのある長身CF東條(3年・初橋)をポスト役に森(4年・草津東・関西学生選抜)がスピードを活かしたい。
1部復帰2期目の大院大は上田(1年・広島皆実)を余らせる3−5−2。ストッパーは小柄だが激しい守備で体格をカバー。ボランチ岡島(2年・清商)と橋垣戸(3年・G大阪・関西学生選抜)は激しい守備で相手を潰す。佐々木(4年・塩釜FC)がFK担当。FWは強靭な笹垣(2年・磐田Y)がポスト役となって下がったスペースを主将の成(4年・東京朝鮮)が突く。4年生は3人だけという若いチーム。
開始1分、空中戦のこぼれを東條シュート、右に外れる。初橋の田中先生が観戦しているためか、東條は気迫十分。3分、大院大・佐々木の右FKをゴール正面でフリーの上田が打点の高いヘッドを叩き込み大院大があっさり先制。佐々木の精度の高いキックはこの後も桃山大を苦しめる。桃山大はもう少し上田に抵抗したかった。序盤は互角のペース。大院大はボランチが実に激しく、次々とパスカットを狙う。失敗するとファウルで止めることも多い。DFの押し上げもあり守備はよく機能。攻撃では必ず笹垣がボールサイドに寄って起点になり逆サイドのWBがスペースを伺う形が徹底されている。桃山大も江添が笹垣を潰しに行くのでフィジカルに長けた両者の対決シーンが随所に見られる。クロスはFWを囮にボランチが狙うことが多い。桃山大は中で繋ぐ意識が強いがあまり選手の個性と噛み合っていないサッカー。また守備力も落ちている。今は「攻撃的なサッカー」への転進のさなかなのだろう。SHも快速を活かせず、止む無く東條にハイボールを入れるのだが、空中戦ではほとんど勝てず、桃山大は攻撃の形にならない。森がウイングプレーで打開を図る。14分、激しい守備を繰り返していた林田が東條に対するラフプレーで警告。19分、桃山大カウンター、大西が高速ドリブルで自陣から持ち出し森が左サイドを破りゴールライン際クロスもDFカット、さらにフォローの大西がファーに上げるがクリア。大院大カウンターから成が角度の無いところからシュートも右サイドネット。22分、ハーフ付近の競り合いで大西が相手の足を引っ掛けて警告。ワザとではなく、まあ止むを得ないもの。24分、大院大・石櫃のタテ突破を江添が止めてFK。佐々木のいいキックも何とか桃山大クリア。桃山大にいいキッカーがいないだけに佐々木のキックが光る。桃山大はキッカーを大西から姜に変えるがいいボールは飛ばない。中盤での潰しあいが続いた35分、大院大が両チーム通じて初のオフサイド。桃山大は終始ラインを押し上げていたのだが成・笹垣が思い切って裏を突かないのでオフサイドにはならなかったのだ。一方桃山大・森は駆け引きの上でオフサイドを免れている。39分、大院大CKで佐々木からファーの石櫃シュート、外す。決定機。44分、大院大、佐々木のパスをペナ外左で受けた笹垣が木村を体でブロックしながらノーステップで強シュート、わずかに左。決定機。ロスタイム、桃山大・東條のヘッドのこぼれを姜がロングボレーも上に外れる。ロスタイムタッチ際で尾崎に笹垣が後ろからのタックルで警告。無駄なイエロー。前半は0−1で終了。
メモではシュート数6対7だが公式記録は3対6となっている。つまり桃山大のシュートはほとんど大院大がブロックしており、決定的なものではないということ。ハーフタイムで桃山大・重光→下山(2年・名東)。特に重光は不出来でもなかったが、今期初ベンチ初スタメン。もしかして故障明け?
後半も潰し合いで始まる。東條は開始すぐファウル2回。3分、大院大・佐々木のFKはGKに向けて蹴り味方に逸らせるボール、味方に合わずGK田中キャッチ。4分、桃山大も左CK、しかし姜のボールはニアであっさりクリア。このゲーム、桃山大はセットプレーの精度があまりに低い。ハーフ付近のFKでも佐々木が蹴る時は桃山大が目の前に一人壁に立つのと好対照だ。5分、大院大、石櫃へのパスを読んだ江添が安易に飛び込みかわされるところを倒し警告。6分、桃山大カウンターで柳田が中へドリブル、ボールが長くなり大院大ボール。立ち上がりは桃山大がいい。しかし大院大も守備意識が強く、佐々木がサイドまで追い掛け回すなど、桃山大を中盤では自由にさせない。このためSBは上がれず、どうしても薄い攻めになってしまう。10分、桃山大・東條のポストから裏の柳田へ、しかし上田が倒し警告。16分、桃山大・井上が「とりあえずこの辺で撃っておけ」という感じのロング。可能性皆無。17分、桃山大、ハーフ付近の左FKでFK担当ではない尾崎のキック、油断していたかペナ内でのルーズなマークを突き森が正面フリーでヘッド、これが決まり1−1の同点。大院大としては悔やまれる失点。これで勢いに乗った桃山大は個々が積極的なプレーを見せるようになる。一方の大院大は激しい守備は続いているもののWBの上がりが無くなり、タテ一本の攻めは桃山大DFラインに通じない。シュートも撃てないという非常に苦しい展開。21分、桃山大・尾崎、東條→櫛田、今井。櫛田はLB、今井はボランチに入り井上がトップに上がる。FWとして東條ほどのキレやバネはないが、力強く競り勝てる選手。桃山大がはっきり押す展開にはなったが決定機は相変わらず奪えない。26分、大院大・岡島がラフプレーで警告。31分、大院大・成→渡辺(2年・高松商)。高校時代は上手いポジショニングとクロスの光るSHだったが大院大ではFW登録なのでどういう起用をするのかと思ったら、笹垣をCFに渡辺が右、佐々木が左の3トップに変更。36分、大院大・石櫃の右クロスをピンポイント・ニアで笹垣シュート、サイドネット。決定機。37分、・大桃山大西→奥田。40分、桃山大・木村に警告。44分、桃山大・櫛田の左クロスを井上左足ボレーも左に外れる。決定機。ロスタイムにも桃山大がFKからチャンスを掴むが得点ならず。1−1で終了。
激しい潰しあいだった。ともに決定機に乏しく引き分けは妥当だと思う。桃山大はスタイルの大転換が上手くいっていない、というかまだ時間が掛かりそう。柳田や大西が中で細かいプレーに四苦八苦。ポゼッションサッカーのある程度の完成はまあリーグ戦の間は無理だろう。
大院大は守備はいい。新興チームがのし上がるためには激しい守備は不可欠。阪南大も桃山大もそうだった。FKという武器もあるし残留だけが目標なら今のやり方で十分だろう。 しかしFWがフォアチェックと上がったボランチの囮役に忙殺させるような現状では、流れの中からの得点は難しい。
公式記録
阪南大 近畿大 −−−長峯−−外山−−− −−−浅野−−江口−−− −−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−− 佐藤−駒野−−松岡−松浦 佐藤−馬場−−小寺−石橋 旗手−寄井−−深谷−大杉 吉居−江本−佐々木−柿田 −−−−−山口−−−−− −−−−−井上−−−−−
53分:佐藤からのタテのフィード、阪南大DF2人が横に並ぶミスを突いて浅野が抜け出して決める。0−1。 85分:小寺のパスをペナ内右で受けた石橋が反転ドリブルシュート。0−2。 この時点で帰ったので後は知らない。
近畿大はチームをよく立て直していた。一方阪南大は頑張ってはいたが非常に出来が悪い。 初ベンチ初先発のルーキー佐藤は機能せず。近畿大を甘く見た起用か?相手フィードに大杉と深谷が正面衝突なんてシーンも。チームとしては機能していたのだが・・・・・・。
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