2003年08月14日(木) |
クラブユース選手権(U−15)準々決勝 ヴェルディ−サンフレッチェ広島ほか |
ホテルに戻りニュースステーションをつけたまま爆睡し、気がつけば十時間経っていた。体力も戻り気持ちよくJ村に向かう。この日は秋雨前線(梅雨前線?)の影響で朝から雨模様だがピッチ管理の行き届いているJ村ではゲームに大きな影響はなさそう。帰りはバスを使う予定なので切符(590円)を買ってJ村へ向かう。バスでは第1試合には間に合わない。電車の関係でこの日も1時間の余裕を持ってJ村に到着。既に関西勢は全滅しており、観戦の機会も、また観戦者からの情報もなかなか入らない広島のゲームを観ることをあらかじめ決めている。ベスト8のうち、広島と清水を除く6チームが関東勢。
クラブユース選手権(U−15)決勝トーナメント準々決勝 ヴェルディ−サンフレッチェ広島 8月14日(木)Jヴィレッジ 11時 ピッチ良 雨 並風
ヴェルディ 広島 −−−森本−−木村−−− −−−横竹−−平繁−−− −新福−−−−−高橋賢− −−−−−−−−−−−− −−−柴田−−村杉−−− 植野−竹林−保手濱−天根 落合−笠松−−金沢−古川 梅本−林−田中翔−高橋勇 −−−−−中根−−−−− −−−−−山木戸−−−−
ともに強力なFWを持つ。ヴェルディ・森本君は圧倒的な身体能力と技術を兼ね備えU−15レベルでは別格の存在だし、広島も平繁君や2年の横竹君も身体能力と決定力を兼ね備えたストライカー。このようなゲームではチャンスメーカーがキーマンとなる。
カウンターからの森本君のシュートで幕を上げたこのゲーム、ヴェルディが出だしから持ち前の技術でボールをよく回し、引き気味の広島の守備を一枚一枚はがしにかかる。広島は明確にカウンター狙いで、あまり守備をしない2トップの能力に賭ける。しかしタテパスはヴェルディ守備陣もきっちり読んでおり、直線的カウンターにはほとんど入れない。6分に平繁君をCB金沢君が倒して警告を受けたプレーくらいか。そこで光ったのがLH植野君の突破力で高い技術で2,3人かわすシーンも見られた。しかしヴェルディもRH高橋賢人君がきっちり下がり、RB古川君やボランチの村杉君と連動して植野君・梅本君のサイド攻撃をケアする。広島RH天根君は頑張っているものの攻撃面ではあまり目立たない。9分、森本君が巧みなトラップでマーカーを外し左足シュート、これがGK山木戸君の体に当たりゴールインでヴェルディ先制。ここでヴェルディは一旦ペースダウンし、無難なパス回しから早目にトップに預けるシーンが多くなる。一方右サイドの守備は一段と堅くなり、広島・植野君の突破をある程度抑えるようになる。一度完全に突破されそうなシーンもあったが、高橋賢人君がファウルできっちり止める。もちろん警告。広島は自慢の2トップが前を向けず、唯一の惜しいシーンも、平繁君の右CKがヴェルディCB笠松君の頭に当たってあわやOG、というくらい。ヴェルディ1点リードでハーフタイムへ。
前半はシュートシーンこそ少ないものの、期待通りの濃い内容だった。若干ヴェルディペースか。双方とも守備が抜群に良い。運動量の落ちる後半は攻撃面でも双方の持ち味が発揮されることになった。
後半ヴェルディ・木村君→皆川君。大会屈指のスーパーサブで抜群のスピードを誇る選手。後半序盤のヴェルディはマークの集中する森本君を囮に皆川君が爆発的なダッシュを見せ、チャンスを作るシーンが見られた。2分、皆川君が抜け出し、フリーでクロス、ファーで高橋賢人君が落とし、村杉君が。6分にも裏をつく攻めからCKを奪う。広島は植野君の突破もなく、攻めが行き詰まっていた9分、ヴェルディのサイドチェンジのトラップがブレたところを、天根君がカット、平繁君に預け自らはダッシュ、平繁君がタメて再びペナ内フリーの天根君へ、ファーに流し込み広島同点に追いつく。これであからさまに調子に乗った天根君は前半同様きっちり守備はしつつ、味方からボールを引き出し植野君以上にチャンスを作る。2トップも反転して前を向き突破するシーンも出て、一転広島ペースのゲームとなった。19分にはCB笠松君が足を攣って小坂君に交代、ますますヴェルディは苦しい。こんな時間帯に隣のピッチから「東京♪」と元気な歌声が!午後からのゲームに備えてピッチに出てきたFC東京の選手たちだった。謙信が信玄に塩を送った逸話の様に、苦戦のヴェルディに対する、強いライバル関係を超えた暖かい友情?そうではなく、ただ歌ってただけで、状況を把握すると沈黙。FC東京に見放されたヴェルディの苦戦は変わらず、1−1で後半終了。
延長2分、広島はカウンターで左の植野君へ、平繁君から横竹君、ドリブルから20m以上の思い切ったミドルを叩き込みVゴール。横竹君は初シュート。つくづく身体能力の高い選手である。ゲーム後広島の歓喜の歌声が続いた。
延長まで観戦したのでバイキングにはありつけず。待っていては第2試合が始まってしまう。面白いゲームを観られて精神的には満腹だが。やむを得ず昼食は弁当。第2試合ははしご観戦。ひとつはJFL時代からのライバル、フロン・ガス戦とならず、川崎Fを破った養和とFC東京の都大会決勝の再現となった。
クラブユース選手権(U−15)決勝トーナメント準々決勝 三菱養和−FC東京 8月14日(木)Jヴィレッジ 13時30分 ピッチ良 雨 並風
養和 東京 −−−神村−−田中−−− −−−蛯原−−蓮見−−− −−−−−森−−−−−− −−−−−宮坂−−−−− −児島−−仙石−−冨塚− −寺島−−中野−−稲葉− 藤本−−林−−杉本−渡津 森村−高橋−−吉村−椋原 −−−−−佐藤−−−−− −−−−−権田−−−−−
立ち上がり風上の養和がタテの速い攻撃で攻勢に出る。LB藤本君やボランチ仙石君は力強いフィードがあり、ロングも威力十分。6分右CK藤本君から仙石君の打点の高いヘッド、惜しくも外れる。10分には藤本君が30mロングを放つ。12分、東京、抜群のキック力のGK権田君のパントキックを蛯原君が右に流れて受け、ペナ右コーナー付近の稲葉君へ、ワンタッチでマーカーを外し右に切れ込み左スミへ流し込み先制。以後は東京が支配するもののサイドをなかなか崩せず、中央は養和の粘り強い守備が光る展開に。養和は東京守備陣を崩せず、かといって高さでは高橋君・吉村君のCBコンビに歯が立たず、神村君のスピードか、20m以上のミドルを狙うしかない状況となる。23分に仙石君がミドルを放った程度。東京もチャンスを作れなかったが、相手にチャンスを与えず、後半は風上に回ることもあり、このまま逃げ切る公算大と見て、もう一つのゲームに向かった。
クラブユース選手権(U−15)決勝トーナメント準々決勝 横浜Fマリノス−清水エスパルス 8月14日(木)Jヴィレッジ 13時30分 ピッチ良 雨 並風
横浜FM 清水 −−−斉藤−−高橋−−− −−−町田−−山崎竜−− −−−−−森谷−−−−− −−−−−−−−−−−− −武田−−大久保−幸田− 小出−長沢−−池田−田村 丸山−石川−−田代−岩田 桑原卓−佐野岩本−桑原彬 −−−−−守屋−−−−− −−−−−山崎晃−−−−
前半は1−1。開始すぐ清水が先制したものの横浜FMがペースを掴み、終了間際に同点に追いつく展開。前日のゲームを観るかぎり清水優位が予想されただけに意外だ。
後半は中盤での潰しあいが続き、双方とも決定機がなく、膠着状態に陥っていた。10分清水は前日に続きRH田村君→小泉君。小泉君の突破力を軸に清水ペースとなり、足の止まった横浜FMを清水が左右に揺さぶりチャンスを作る。横浜FMは選手層が薄いのか、交代もなく、失点は時間の問題となった。20分、ロングボールに抜け出した山崎竜男君→小出君と渡り、正確なクロスを長沢君がスタンディングヘッドで決め清水勝ち越し。残り10分間横浜FMは決定機も奪えず、清水ペースのまま終了した。
再び養和−東京戦に向かう。なんと2−2となっている。東京の選手交代は宮坂君→萩原君、稲葉君→山同君、蓮見君→加藤君。養和はなし。東京は好GK権田君のミスがらみで2失点したらしい。ゲームとしては東京ペースだったものの養和の好GK佐藤君がこの日は大当たりだったそうだ。
延長に入り東京の猛攻。しかし養和GK佐藤君が信じられないような反応を見せる。普段のプレーなど知らないが、これほどのGKが全国的に無名だったとは!東京は攻めてもせめても得点できず、結局PK戦。全国屈指の好GKを擁するチーム同士の見ごたえあるPK戦は、イーブンの5人目、東京のキッカー権田君の強烈なキックは佐藤君のどてっ腹に突き刺さり失敗。しかし養和の5人目も失敗し、7人目で養和が失敗、東京がベスト4進出を決めた。
さて、東京にはバスで向かうはずが、渋滞ということなので、18切符を使って鈍行で向かうことになった。行きで590円無駄に使ってしまった。びしょぬれなので車内で着替えてのんびり過ごす。翌日の近畿国体には東京で一泊+新幹線が楽だが、貧乏旅行を選択し、ムーンライトながらで関西に戻る。ところが同行者の一人が夏祭りとか話していて何のことだと思っていたら、翌日からコミケだという。コミケに向かう「ながら」の通勤ラッシュの話もあり、そこらの怪談よりも寒い。コミケラッシュの流れに逆らって無事関西にたどり着けるのだろうか?
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