サッカー観戦日記

2003年05月31日(土) 総体兵庫予選 準々決勝 滝二−御影工  市尼−県西宮

何十年ぶりかで5月に本州上陸を果たした台風の影響でキックオフ時間を1時間半遅らせた総体予選準々決勝。会場の滝二は高台にあり、いかにも風の強そうなところだ。台風は広島を通過しているはずだが、とりあえず雨は降っていない。



総体兵庫予選 準々決勝 滝川第二−御影工
5月31日(土)滝川第二高校 11時30分 クレー 晴 台風


滝二               御影工
−−−岡崎−−瀧原−−− −−−山口−−大谷−−−
−−−−−長谷川−−−− −−−−−−−−−−−−
−−新井−中根−柏木−− 松岡−井上−−川尻−柏田
山上−河本−−三村−岡田 大矢−石澤−−山本−村田
−−−−−上杉−−−−− −−−−−中山−−−−−

滝二の選手名には全く自信がない。トップ下の7番を長谷川としたが、キャプテンマークをつけているし新井のような気がする。総体プログラムは市販していないし、写させてもらえないことが多い。この日は強風でそれどころではなかったが。交通ダイヤは特に乱れていないが個人的に台風の影響を受け、キックオフに間に合わず、前半は半分も過ぎてからの観戦となってしまった。両校はプリンスリーグにも参戦しており、「事実上の決勝戦」と言う声もあった。さて、到着してすぐスコアを聞くと、すでに御影工が先制している。ショートパスをつなぐ滝二とタテに速い御影工という予想通りのゲーム運びが進む。御影工はCF山口へのロングボールのこぼれを大谷が狙う。井上の左足のフィードもよかった。

ハーフタイムで滝二は山上→中杉を投入。LBに5番柏木、ボランチ8番中杉、右に7番長谷川、トップ下10番新井、左に13番中根という大転換を図る。後半も滝二がぼるを支配するが、御影工もクロスには強く、長身SW2番山本、4番石澤がことごとく跳ね返す。山本は好カバーも持ち味。11分、滝二・10番新井→18番盛本を右にいれ9番瀧原をCFに16番岡崎を左に置く3トップ。7番長谷川をトップ下に戻す。両ウイングがドリブルで崩す。16分、滝二・2番三村の深い位置からのロングスローを誰かがそらし、7番長谷川が決め、1−1の同点となる。御影工は井上のミドルパス、松岡のドリブルくらいしか攻め手がなくなり苦しい。18分、滝二・13番中根がドリブルで突っ込み、こぼれたボールを9番瀧原が撃つが、枠外。7番長谷川も何度も突破し、23分にもサイドを破り好クロス、GK中山も好飛び出しではじき出す。27分には御影工・村田が警告2枚で退場となってしまい、御影工は完全に自陣を固めるしかなくなる。が、28分、井上がスルスルとあがり、ミドル。決まったと思ったがGK上杉が素晴しいキャッチ。滝二も終了間際のチャンスを決められず、延長戦となる。

その延長前半、不愉快なことが起きてしまう。御影工の選手がハーフウェーライン付近で痛む。GKが手で保持していたボールをあまりゴールラインから離れていないタッチに蹴り出す。ハーフ付近には観戦者が多いために気を使ったのだろうが結果的には甘い行動だった。滝二は当然プレゼントボール。しかし、GKに戻して、元の状態にするわけでもなく、ゴールキックにするわけでもなく、なんとゴールライン付近の相手スローインにしただけで、しかも全員でプレスにいく構えである。ベンチの黒田先生からも制止の声はかからない。以前96年のヨーロッパ選手権でオランダが同様の振る舞いに出た際に解説の田嶋さんは「汚い」を連発した。ゲーム中の瞬間的なラフプレーならまだ仕方が無い。しかし滝二は一人二人ならともかく、ベンチも含めた全員がこのような汚い行動に出るのだ。サッカーにケガはつきものだ。だからこそ、敵味方を問わずサッカー仲間に対する最低限の配慮として、少なくともプレーが止まった状態でタッチにボールを蹴り出す行為、それに対ししっかりプレゼントボールを返す行動は義務といっていい。高校生にもなって「知りませんでした」では済まされないし、黒田先生が知らないわけもない。滝二のこの行為を見るとサッカーを愛する者として怒りを感じるよりも情けないやらやるせないやら・・・・・・。御影工としては絶対に奪われてはならないケースだったが、滝二がこのスローインを奪い、ペナ正面へつなぎ、そこでファウル、得たFKを決め、その後も安定してボールを支配し、ベスト4入りを果たした。


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T.K. [MAIL]