サッカー観戦日記

2003年05月10日(土) クラブユース選手権(U−15)大阪予選 G門真−吹田JFC千里丘  G大阪−高槻FC  関西学生春季リーグ第8節 関学大−大産大

この日は万博から萩谷へとはしごしなければいけないので車を使った。


クラブユース選手権(U−15)大阪予選 敗者復活戦 ガンバ大阪門真−吹田JFC千里丘
5月10日(土)万博人工芝 10時 晴 無風


このゲームの勝者は関西大会進出、敗者は予選敗退が決まる大一番。

吹田JFC千里丘は2年前全中で準優勝した千里丘中が母体となったクラブ。日本発の本格的なニュータウン作りで知られる千里ニュータウンは当然ながら住人の年齢バランスが極端で、万国博覧会から約30年経ち一時は爆発的に増えた学生も今や学級数が当時の半分以下と言う状況で、千里丘中も単独ではチームの維持が困難となり、昨年度は全国どころか三島地区内ですら苦戦していた。そこで今年度からは中学サッカー部としてのチーム登録をやめて、前年度から登録している吹田JFC千里丘として一本化して大会にエントリーしている。千里丘中の生徒は平日の多くは中学サッカー部として練習し、週末はクラブとして練習と言う形をとる。

一方G門真は以前は門真スポーツクラブと言う名前だったがG大阪の傘下に入ったクラブで独立採算制を採っている。G大阪は他にG堺もあるが、門真からはモノレールで十分G大阪の練習場に通えるためか人材がG大阪に流れ、G堺ほどは人材が集中していない印象がある。

吹田JFC千里丘        G門真
−−−山本−−田中亮−− −−−持留−−寺東−−−
−−−−−隅内−−−−− −−−−−−−−−−−− 
−−厨−−足立−谷川−− 大前−河村−−山本−牧−
遠藤−寺西−−井上−岡田 中本−小林−−門−−及川
−−−−−高田−−−−− −−−−−外山−−−−−

吹田JFC千里丘(以下千里丘)の選手名はガンバカップのプログラムから。寺西君ではなく海山君かもしれない。エースの登君は出場しないがこの日の2トップも強力だ。ボランチの足立君はガッチリした体つきで身体能力が高く、キック力を生かした展開やロングシュートもある。ただ膝にサポーターを巻いている。3月末にも同じところを痛めていて、気になるところだ。CB二人は大柄で空中戦にめっぽう強い。トップ下の隅内君も強い。

千里丘のキックオフシュートで幕を開けたこのゲーム、千里丘中として全国で揉まれた伝統からか、ゲームの入り方が上手く序盤からガッチリペースを握る。5分、右クロスにファーへ走りこんだ遠藤君がループシュート、惜しくも外れる。G門真も13分大前君の綺麗なクロスを持留君がループで狙うが外れる。18分、千里丘・隅内君のスルーパスに山本君が素晴しいスピードでタテに抜けて受け左足シュート、外れる。G門真は両SBが1対1に強く千里丘のサイド攻撃を少しずつ封じ始める。千里丘はSHが上がるタイミングを次第に掴めなくなり足立君の展開力が生きなくなってくる。またG門真のSHの大前君・牧君がクレバーで上手いポジショニングで千里丘SHを消し始める。大前君は足も速く、キックも正確だ。しかし千里丘もタテへの速い攻めで対抗。22分、千里丘・足立君のミドルはGK外山君ナイスキャッチ。24分、G門真、相手スローインを直接カットし、最後は持留君がシュート、ポストを叩く。27分、千里丘・山本君が速いドリブルで二人かわし左足シュート、GKキャッチ。28分、G門真カウンターから牧君の右クロスに河村君が落ち着いて決め先制。千里丘中・遠藤君→田中翔君。29分、千里丘・田中亮君がスピード十分の突破をみせるが最後はGKに止められる。

後半の入りはG門真が上回った。いきなりのクロスでCF寺東君が寺西君に競り勝ち、流れを引き寄せる。寺西君は普段滅多に競り負けることがないのか、千里丘に動揺が走ったように見えた。5分、G門真・持留君のタテ突破から左足シュートが決まり2点目。しかし7分、千里丘・足立君が正面から力強いミドルを決め1点差に迫る。8分、G門真・牧君の右クロスを持留君トラップミス、しかしこれがDFの虚をつき結果的に絶妙のトラップとなりシュート、しかし井上君がブロック。10分過ぎからG門真ペースとなる。中盤の守備が早くなり、千里丘にショートパスをつながせない。足立君はやむなくタテに早い攻めに出るが、決定機は作れず、G門真の支配時間がどんどん長くなるのだった。さらに15分頃足立君が足を攣り、千里丘はますますピンチとなる。18分、G門真・寺東君のファーをよく見ていた右クロスを山本君がつなぎ、持留君が落ち着いてダイレクトで決め突き放す。26分には大前君がスピードで相手二人をぶっちぎりとどめの4点目。直後に足立君が完全に足を攣って動けなくなりピッチの外に出て、そのまま試合終了。足立君の健闘には感動した。最高のコンディションでのプレーできなかったことが惜しまれる。


クラブユース選手権(U−15)大阪予選 準決勝 ガンバ大阪−高槻FC
5月10日(土)万博人工芝 11時30分 晴 無風


G大阪          高槻FC
−−−角原−−寺本−−− −−−原恭−−中野−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−佐藤−−−−−
安本−倉田−−堺−−星原 上野−南辰−−森本−春藤
下平−−原−−池田−野口 −−加藤−藤原−津田−−
−−−−−久保見−−−− −−−−−原武−−−−−

高槻のスタメンのうち中野君・佐藤君・加藤君・津田君・原武君の5人が2年生。3年生もナイキ大阪大会(1年生大会)時には決勝進出している。(そしてG大阪に大敗)2年生もナイキ大阪では準決勝でG大阪に身体能力差を活かされ0−10と大敗しているが技術は高い。

G大阪は2トップに長身CF寺本君とやはり高さのある角原君を起用。左利きの快速・星原君はこの日は右サイド。

高槻FCは寺本君に加藤君がマーク、角原君には津田君がマーカーにつく。開始直後にG大阪・下平君がロングスロー。身体能力の高さに高槻FCの表情が変わる。2分、G大阪・ゴールキックから星原君が思い切ったシュート、GKキャッチ。4分、下平君と安本君の連携で左サイドを崩し中へ入れるが堺君のシュートは枠に飛ばず。7分、高槻FC・原恭章君ドリブルで左を突破しクロス、跳ね返されたボールを森本君が右に展開し春藤君がいいクロス、しかしGK久保見君がなんとか触る。9分、G大阪・安本君左サイドからアウトにかかった30m以上あるロングシュートがサイドネットに突き刺さる。信じられない!14分、G大阪、浮き球をデンジャラス気味に星原君が落とすが笛は鳴らず。これを寺本君が決める。18分、高槻FC・春藤君→石井克君。上野君が右WBに回り石井克君は左WBに入る。G大阪の左サイド攻撃のケアか?G大阪は2トップにボールが収まる。高槻FCのDFはしっかりカバーリングポジションを取っているのだが、G大阪はスピードに物を言わせてカバーの選手もろともちぎるシーンが何度もあるため、足元へのボールに思い切った守備が出来なくなってきている。空中戦は最初から勝負にならないが足元にまでボールが収まっては高槻FCは苦しい。21分、G大阪・角原君が大きなフェイクでマーカーを外し、ナナメ前にマーカーをスピードで外す走る寺本君にパス、これを決めて3点目。23分、高槻FC原恭章君が細かいフェイクで池田君をかわしペナに進入するところを倒されFK。森本君のシュートは外れる。27分、高槻FC・津田君→八木君が角原君のマーカーに入る。高槻FC・原恭章君はG大阪・池田君に何度も仕掛け、優位に立つ。石井克君は星原君の左足を止め、右足でクロスを上げさせる守備で無力化させる。ロスタイム、高槻FC中野君右45度の決定的シュートはわずかに左に外れる。直後のカウンター、野口君が左の寺本君へ放り込む。高槻FCはDFとGKの連携ミスでDFはボールを追わず、GKが遅れて飛び出す。寺本君のシュートに藤原君がクリアに行くがボールはサイドネットに突き刺さり4点目。

ハーフタイムに星原君→井谷君。後半2分、高槻25mFK、原恭章君のシュートはゴール上。4分、G大阪・寺本君からDFをスピードで外した井谷君へパス、これを決め5点目。通常なら十分なカバーリング距離を取っていたのだがスピード差が大きすぎた。10分にもG大阪・寺本君のゴールが決まる。以後高槻FCは選手を次々と入れ替える。藤原君をトップに上げ、DFは石井雅君をSWに南聖哉君と八木君で組む。比較的身体能力の高いDF陣に変えてから守備が安定した。トップ下にも山本君と次戦をにらんだ布陣か?20分間スコアは動かず終了した。この結果G大阪は昨年の3位決定戦で敗れた雪辱を果たし、決勝進出と関西大会でのシード権を獲得した。




関西学生春季リーグ第8節 関学大−大産大 
5月10日(土) 萩谷 14時15分 ピッチ良 晴 無風


関学大          大体大
−−−原崎−−大黒−−− −−−森前−−廣津−−−
−−−−−玉置−−−−− −−−−−−−−−−−−
上貝−古村−−鈴木−佐伯 原田−荒木−−梁−−夏田
−−守生−春川−山口−− 椿本−前田−−趙−−丸尾
−−−−−水田−−−−− −−−−−古田−−−−−

2部降格の可能性もある関学とすれば勝って楽になりたいゲーム。一方すでに残留を決めている大体大は落ち着いてゲームに望める状況にある。応援の控え部員を見ても殺気立つ関学とリラックスムードの大体大と好対照。リーグ終盤には毎年見かける光景だ。

関学大はボランチに古村を起用。大型ながら柔らかいプレーが魅力で攻撃力を買われた起用だと思う。春川をSWに、右にはスピードを活かしたクレバーなディフェンスでユニバー代表も射程圏内の山口、左には守生が入る。切れ味鋭い突破から弾丸クロスを上げる上貝もユニバー代表クラスだ。FWは原崎・大黒とドリブラー二人が並ぶ。

大産大はポスト役の森前の1トップ気味で強引なドリブルもある点取り屋・廣津が下がり目でプレー。中盤は荒木がやや守備的で梁は積極的に上がっていく。

前半は双方互角の中盤での潰しあいで、あまり見所が無かった。こういう展開は大体大の計算どおりというか、勝ち点3が欲しい関学大としては面白くないはずだ。ケガもあり玉置が30分で橋本に交代。このまま我慢比べを続け終盤勝負狙いか、関学大はハーフタイムでの選手交代はなし。

後半4分、大体大は右CK椿本のボールに大外から前田がファーに走りこんでドンピシャのヘッドを決め大体大が先制。関学大も攻撃意識が高まり大黒が何度も単独ドリブルを仕掛けるが決定機を作るには至らない。逆に梁を中心とする大体大カウンターを浴びてしまう。10分、関学大・大黒→亀ケ渕鼓。ドリブラーを下げストライカー投入。12分、関学大左CK上貝弾丸クロスを山口ヘッド、惜しくも決まらず。21分、大体大・疲れの見える森前→川越。同じタイプの長身CFだ。24分、大体大・梁ドリブルから右の夏田に出し、クロス、川越フリーだったがヘッドはわずかに届かず。25分、関学大・右サイド佐伯→長身CF小松。大体大に中盤で上手く守られているので放り込み狙いの交代。25分、関学大のCK、亀ケ渕鼓から小松ヘッドも大体大GK古田好セーブ。28分、関学大の左アーリークロスに小松がニアへ勇気ある飛び込みを見せるが、届かない。小松はポストに激しく激突し、ケガが心配された。大体大GK古田もサッと駆け寄る。と、思いきや小松を通過して激突でずれたポストに駆け寄り、元の位置に戻す。見事なギャグセンスとマリーシアぶりである。一瞬スタンドから笑い声が上がる。大体大の控え部員(二人面白いのが前に立ってリード)も古田を笑う声が上がる。(小松を笑ったわけではないが、挑発的)これに対し関学サイドからは「いてまうぞ、オラー」と関学ボーイらしい紳士的な声。実際に襲い掛かる気配はない。どうやら小松も無事なようだ。よかった、よかった。31分、関学FKを小松難しいヘッド、惜しくも決まらず。小松は果敢なプレーを続ける。すごい根性だ。35分、大体大・椿本から逆サイドへクロス、夏田が中に落としゴール正面の廣津へ、DFも必死にブロックに行くが廣津は冷静にスルーし、原田が落ち着いて決め2点目。絵に書いたようなゴール。43分には関学のシュートのこぼれの浮いたボールを古田はなぜかキャッチせずヘッドでクリア。古田にはある種の余裕と独特のユーモアがあるが、このゲームではそれが色濃く出た。44分、関学大は原崎がPKを決めるがここまで。結局2−1で大体大がシナリオ通りのゲーム運びで勝ち点3を加えた。

関西学生選手権に向けて大体大はチーム状態もよく、特に守備が安定してきているか?ここまで完封勝ちはないが、大崩れしなくなっており、この日の守備もしっかり最後まで秩序を保っていた。トーナメントではGKも含めた守備陣の健闘次第では総理大臣杯の出場も狙えそう。

一方の関学大は特に悪い点があるわけでもないだろうが勝てない。問題点を強いて挙げるならクロスに対する守備が甘い気がする。阪南大のサイドアタックを完封してはいるが。具体的・明確な改善策がなさそうな状況下で残留をかけ最終戦に望む。選手たちは神経が滅入るだろうな。


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