サッカー観戦日記

2003年05月03日(土) クラブユース選手権(U−18)関西予選  交野FC−フェルサ  フジタ−樟葉

この日の会場のいきいきランド交野には車が一番楽な交通手段だが、この日は高槻ジャズストリートに行く約束があるので、京阪交野線を利用した。サッカーも音楽もライブ至上主義者なので全国からジャズバンドの集まる機会を逃すわけにはいかない。

クラブユース選手権(U−18)関西予選 予選リーグ 交野FC−フェルサ
5月3日(土)いきいきランド交野 10時 クレー 晴 無風


交野FC           フェルサ
−−加賀城−−川口−−− −−−小林−−寺西−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−山形−−−−−
金振−松本−−石橋−津田 小茂田−村井−浜上−菊野
大崎−細見−−疋田−奥野 −−田中−柴田−中村−−
−−−−−山田−−−−− −−−−−半田−−−−−

名門・交野の中盤はかなり流動的で津田が左サイドに来たり、金振がトップ下に入ったりとかなりの自由を与えられている。石橋が引き気味。松本がバランスを考えたポジショニング。細見がSW。津田がFKを蹴る。

予選初出場のフェルサは2トップの能力が目立つ。まずまず正確なキックの小林とスピードがある寺西。

序盤から技術に優る交野がボールをつないで攻める。金振と津田がかなり自由なポジションをとり、ドリブルやスルーパスを狙う。が交野には囮になる動きなど、ボールのないところでの動きが乏しい上、あまりチームプレーを意識した選手も少なく、「自分が、自分が」というプレーが目立った。相手を格下と甘く見ていたのかもしれないが。疋田が小林をマーク、寺西には石橋が下がって対応する。フェルサは技術がイマイチでDFはシンプルにクリアを繰り返す。15分、フェルサのカウンター寺西のスピードを活かした突破に疋田たまらずファウル。得たFK小茂田から小林が疋田のマークを外してドンピシャのヘッドでフェルサが先制。22分、フェルサ菊野警告2枚で退場。小林が右に入り、寺西の1トップとなる。フェルサの両アウトサイドのクロスはまずまず。寺西の突破には交野もファウルせざるを得ないシーンも。20分、フェルサのFK、小林から寺西のヘッド、マーカーの大崎がきっちり体を寄せて防ぐ。フェルサは村井と浜上が辛抱強い守備でインサイドを自由にさせない。しかし山形はコンディションでも悪いのか、運動量が少なく、カウンター時にも起点になれない。31分、交野は川口に代えて9番投入。CFに入る。直後加賀城がうまく右サイドに流れてボールを受け、クロス、ニアを取った9番のシュートは惜しくもサイドネット。加賀城はこの後もサイドに再三いいタイミングで流れて受けてクロスという形を見せた。疋田はなかなかいいストッパー。序盤で相手のプレーを飲み込むと、後は確実なマークを見せた。カバーリングもよかった。松本はクレバーなチームプレーヤー。前半は交野ペースで終了。

後半4分フェルサは動きの重い10番山形を下げ、9番を投入する。5分、フェルサ村井が左を突破しクロス、正面でフリーの寺西にぴったり合うが、ボレーは当たり損ね、こぼれたところを小林が打つがDF必死のブロック。13分、交野、正面25mFK津田のシュートをGK半田はじき、詰めた松本と激突。20分、交野、加賀城またも右に流れて得意のウェーブの動きで受けてアウトに掛けたシュート、惜しくも外れる。23分、SW細見、警告2枚で退場。石橋が下がって4−3−2の布陣。30分、交野、交代出場の19番のスルーパスに反応した金振が決め、ついに追いつく。フェルサは前半から奮闘した村井と浜上への負担が重かったか、運動量も落ちて厳しい状況となった。直後には加賀城のシュートがバー直撃。34分には交野LB大崎が決めついに逆転。実力に優る交野は残り時間にあまりバランスを考えず攻勢に出る。しかしロスタイム、フェルサ、カウンターから寺西に出て得意の高速ドリブル、左サイドから中に切れ込み右足ミドルが右スミに決まり2−2の同点。交野の選手は全員がっくり。さらにフェルサ、小林の右クロスに寺西が胸で落とし9番決定的シュートはわずかに外れる。結局引き分け。

個人の能力では交野が上回ったが、チームの意思統一で優るフェルサが健闘を見せた。村井・浜上は献身的なプレーで中盤を支えた。ある程度技術も備えカウンターの起点にもなった。そして精度の高い小林のキック、スピード豊かでまだまだ伸びそうな寺西。初出場ながらそれなりにしっかりしたチームだった。

交野は個々の選手がバラバラにプレーしている印象を受けた。特に中盤。パスを回さず、中盤を支配している割に、相手を消耗させることが出来ず、フェルサのスタミナを持たせてしまった。また1点リードの残り時間に守備を忘れて攻撃に出てしまいみすみす勝ちゲームを逃してしまった。個々の選手は一芸を持っている。多分J以外のトーナメントのベスト4には今年も入るだろう。その先に進むためにはもう少しチームプレーを意識しないと厳しいと思う。


クラブユース選手権(U−18)関西予選 予選リーグ フジタ−樟葉
5月3日(土)いきいきランド交野 11時30分 クレー 晴 無風


フジタ              樟葉
−−−米原−−森川−−− −−−炭永−−田辺−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−南本−−−−−
浦東−稲積−−村橋−東膳 −−青山−芦田−大口−−
光野−加藤−−岡崎−ノブ 赤峰−米田−−野崎−木崎
−−−−−西井−−−−− −−−−−中村−−−−−

フジタは昨年のチームもなかなか強力だったが、そのメンバーがほとんど残り一段と力をつけている。登録1年目の樟葉には厳しすぎる相手だ。伝統的に守備意識が高く、カウンターを得意とするクラブ。細かく具体的なコーチングや正確な読みと潰しが売りの岡崎、よく声を出し、展開力もある主将稲積、同じく展開力がありFK得意な村橋、左足FKがあり右サイドから中に入るプレーが得意の東膳、動き出しの速さの光るリアルストライカー森川と好選手を揃える。

序盤からフジタの猛攻、それも守備でも集中を切らさない全くスキのない猛攻である。2分、右CK東膳の左足から急激に落ちるボール、ニアに飛び込んだ森川の右足ボレーであっさり先制。直後のゴール正面FKで樟葉が壁の調整に気をとられているスキに東膳が直接左足であっさり決める。フジタが試合巧者というよりも樟葉はスキだらけだった。樟葉は炭永が引いて田辺の1トップに変更し、守備を固める。加藤の放り込みに樟葉DFヘッドをかぶる、これを予測していたかのように森川が拾って決め3−0。樟葉はチーム1の技術を持つ主将青山をトップ下に入れ、2トップに戻し真っ向勝負の形をとる。おそらく東膳に対する守備から解放し、攻撃の形だけでも作りたい、ということだろう。20分過ぎにはLB光野の左足クロスがニアをとった森川にピンポイントで合いヘッドが決まる。さらにRBの22番(ノブ)の右クロスを稲積が落とし森川にはわずかに届かないが、これが絶妙なスルーとなり待ち構える米原が決め5点目。30分LB光野のクロスがDFを振り切った森川に合うがシュートはGK中村好セーブ。終了間際にも光野のクロスがファーの東膳にピタリとあうがヘッドは外れる。

前半のフジタは東膳がキレキレで面白いように突破していた。SBのクロスが正確でスピードもあり、しかも森川がDFを簡単に外し、樟葉としてはどうすることも出来ない展開になってしまった。

後半も展開は変わらず。7分浦東のスルーパスを受けた稲積が横にはたき、正面20mのシュートを森川が決める。9分RBのアーリークロスをいいタイミングでファーに入った森川が空中でのバランスのいいヘッドで決める。13分、右クロスを森川ヘッドで決める。24分CK浦東のボールを東膳ヘッドで決める。終了間際にもゴールが決まりフジタは10−0と圧勝。

相手との実力差はあったがフジタの個々の能力の高さは際立つものだった。今年は全国に行く力は十分ある。Jとの対戦が楽しみだ。


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T.K. [MAIL]