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2003年01月27日(月) |
Big Joke(2 of 3) |
付き合っていくうちに、彼のある一面に気づいた。 自分が知らない分野に私がとびこんでいこうとするとき、 彼はとまどいのような怒りのような表情をするのだ。
私と彼は、興味があるものの方向は似ていた。 私はその中で広く浅くいろいろなことを知りたいけれど、 彼は少し範囲は狭いものの広く深くいろいろなことを知りたいのだ。 でも、彼の範囲は少し狭いので、どうしても私の知りたい部分と 彼が知りたいけど切り捨てている部分が重なってしまうことがある。 そういうとき、彼は私にいかにそれが無駄なことか 説こうとするか、別の話題に切り換えようとする。
とはいえ、私は無駄でも好きなものは好きなので、 彼と会わないときにそのことの情報をいろいろ仕入れたりする。 私は自分のほうで楽しめればいいと思うけど、 彼は、自分の知らないことを私が知るのは あまりうれしくないようだった。
でも、彼がそういうことをするのは、 私の「あなたって何でも知ってるのね」という言葉が 彼の負担になっていたことが理由だったと後で知った。 彼は、私の前ではなんでも知っていたかったのだ。 それを打ち明けて以来、彼は私の前でも 知らないことは知らないというようになった。 でも、その時の彼はとてもくやしそうだ。
私は、会話の中から彼の嫌いなもののキーワードを 覚えておいて、もしそれが自分の好きなものであれば 彼の前ではその話題を絶対出さないことに決めた。 彼と一緒の時は、彼が楽しめるようにしたかった。 彼が一番でいられるように。 彼が笑っていられるように。 彼が嫌うものの中には、知らないから否定するくらいしか 意見の言いようがないものもあるようだけど、 私が好きでも嫌いでも、今、一緒に分け合えないものなら 何の意味もないのだ。
心の中の「私の好きなものを好きになれなくても、 普通は努力くらいしてくれるんじゃないの?」 という言葉には耳を貸さないでおいた。
そんな彼と、いつしか結婚の話が出るようになった。 正直に言うと相手が誰であれ、そんな気持ちになれなかった。 相手を両親と対決させないといけないのだから。 でも彼は、何を言われても自分なら大丈夫だと私に答えた。 いろいろ話をするうちに、ちょっとずつそういう気持ちも出てきた。 対決してもいいなんて言ってくれる人、他にはいないだろう。
もし、一緒に住むとしたら何をもっていこうかな。 そう思って自分の部屋においてあるものを眺めた。
この本は−−だめ。 このCDは−−だめ。 この服は−−だめ。
・・・・・・
私が持っていきたいと思っていたのは、 彼に見せたら軽べつされそうなものや 家の都合で置いていかないといけないものばかりだった。 でも、これはもっていけない。 じゃあ、私が今まで手にいれてきたものは 全部無駄なものだったってこと?
好きならもっていかなくてもいいじゃないという気持ちと、 本当にこれでいいのだろうか?という気持ちが頭の中で ぐるぐる回り始めた。
彼の声を聞きたいと思ったけれど、 その頃、彼は実家に帰省していた。
To be continued...
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