凪の日々



■引きこもり専業主婦の子育て愚痴日記■

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2006年11月13日(月) おいしいパン

友達のKちゃんが夕方遊びに来てくれた。

Kちゃんは今月からパン屋さんのパートに出ている。
パン屋さんといっても大学構内の店なので、当然学校が休みの土日祝日はお休みで、おまけに夏休みも冬休みも春休みもあるという素晴らしい条件。
う、うらやましい…!

「それじゃ売れ残りのパンとかもらえるわけでしょ?欲しい〜頂戴〜」と言ってたら、律儀なKちゃんは「今日は旦那が飲み会で遅いから今から持ってきていいですか?」と仕事が終わってからお裾分け分をうちに持って来てくれた。


Kちゃんは私と同じ田舎。旦那様は転勤族。
「今度の異動で暁ちゃんちの近くになるよ」とやってきて四年。
異動してきた当初は私がアイが入園した年だったので、「昼間一緒に遊べるね!」と喜んでいた。
その後、私がアユム妊娠。
「私も(次の異動前に)ここで子供作ろうかなぁ」というKちゃんと「その時はうちの出産用品とか全部まわすよ!」と話してた。

アユム出産後、しばらく連絡が無かった。
気を使ってくれているのかな、と思っていた。
「ご無沙汰しています」の後「子宮外妊娠で手術して入院してました」のメール。


「一年たっても妊娠しない時は受診を」と言われたKちゃんは、その後一度も病院へ足を運ばなかったらしい。
「子供は欲しいけど、自然にまかせてでいいかな、って。出来なかったら夫婦だけの人生でもいいかなって」と、無類の子供好き夫婦のKちゃんは言う。

でもアユム達と遊ぶ度に「ほんとは欲しいんだけどねぇ。女の子可愛いよねぇ」とKちゃんは言う。
そのたび、「一回受診するだけしてみたらいいのに」の言葉が喉まで上がってくるけれど、子供好きのKちゃんが子供無しの人生も止む無し、と思っているのだから、それなりの理由があるのだ、と思って我慢していた。
無神経な質問はするもんじゃないし無責任な事は言うもんじゃない。

だから、「働く事にしたんです」と聞いたときは、本当に良かったと思った。
Kちゃんの声が弾んでいたから。

両手にどっさりとパンを持って来てくれたKちゃんは、一つ一つ取り出し説明してくれながら、次々と職場の話をしてくれる。
室内は物凄く熱い事。今からこの暑さじゃ夏はどうなるんだろうという話。
痩せそうだけど、パンを貰うから、プラマイゼロで変わらないかも。パンが60種類もあるんですよ。名前と値段とレシピを覚えるのが大変で。要領がいいおばちゃんは忙しくなるとレジに入ったっきりで替わらないんですよ。フランス料理のシェフみたいな格好して作ってるんです。帰りには髪がぺしゃんこになるんで帽子が脱げなくなるのが悩みで。大学生がパンを前に「やべ!まじやっべ!うまそっ!!」なんて叫ぶのがおかしくって。おばちゃんは「若者の言葉が分からない〜!!」って頭かかえてて

若者ばかりの職場ってのもいいよね。
人生で一番楽しい大学生の姿を見ていると、エネルギーのお裾分け貰いそうで、こちらも元気になる感じ。

ひとしきり話して、いつものようにアイとアユムと遊んでくれると、Kちゃんは元気に帰っていった。


今年のクリスマスは、Kちゃんにあったかそうな帽子をプレゼントしよう。
昨日お店でみたコーデュロイのキャスケットはどうかな。
自転車通勤じゃ脱げちゃうのかな。ニットの方がいいかな。

あれこれ考えながら頂いたパンを食べる。
Kちゃんが汗だらけになりながら、マネージャーさんに「コーン乗ってないよ!」と注意されながら作ったチリトマトパンは、普通にお店で買うパンより、何倍も何倍もおいしく感じた。





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