凪の日々
■引きこもり専業主婦の子育て愚痴日記■
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アイが年中の時だったか年少の時だったか。 ビデオ屋でふと見つけた「葉っぱのフレディ」を借りてみた。 話題の絵本だったが、読んだ事が無かったのでビデオだけどちょっと見てみようかな、といった感じ。
アイが「どれみちゃん」だか「かーどきゃぷたーなんとか」だかのビデオを見終わった後、「次、お母さんにビデオ見せてね」とフレディを流してみた。 アイがどういう反応するかな?とちょっと興味あったし。
ビデオが始まると、内容はまぁ想像通りのゆったりまったりした展開。 さっきまでのギャグとスピードとノリのアニメと明らかに違う世界。 こうしてみると、TVのアニメってテンポといい言葉といい音といい 幼児向けとはいえ子供には結構刺激があるんだなぁと感じた。 このテンポはアイにはつまらないかもしれないなぁ。 そう思って傍らのアイを見ると、あにはからんや、画面を凝視している。 あら、意外と興味持つもんなんだ。 感心してとりあえず二人で画面を見ていた。
話が進み、フレディが力尽きる場面。 アイは静かに大粒の涙を流していた。 終わると無言で私に抱きつく。 「ふれでぃかわいそう」と声を上げて泣き始めた。 ほぉぉぉ。泣くのか。幼稚園児でも。
ビデオを見てアイが泣いたのは初めてだったのでこれまた驚いた。 凄いぞフレディ。
だからといって、命の永遠性とか話すのもまだいまひとつ理解しにくかろうと思い、特に説明はせず、「そうだね、かわいそうだね。でもフレディは最後は幸せだったんだよ。アイちゃんは優しいね」とだけ声をかけて抱きしめたまま泣くだけ泣かせておいた。
今年、アイは舞い散る落ち葉を見て「フレディはまだ木についているんだよね」と木々を見上げる。 アイの中で、あの話がどういう風に理解されているのかはわからないけれど、何かは残っているよう。
アユムがもう少し大きくなったら、今度は本を買ってきて読んでやってみようか。 アユムは泣くだろうか? そしたら、アイに慰めてもらおう。 「フレディは幸せだったんだよ」とでも言うだろうか? そして、アユムの中に、絵本と、姉に慰めてもらった記憶とが残るとちょっといいかもなぁ。
暁
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