凪の日々
■引きこもり専業主婦の子育て愚痴日記■
もくじ|前の日|次の日
たたんだ洗濯物をしまう。 なんとなく、溜息をつきながら洗濯物に顔をうずめる。
洗いたての固い生地を頬に感じながら、 ふと、「最後に誰かの胸なり背中なりに顔をうずめたのって何年前だっけ」と思う。 覚えていない。 いつだったっけ…もう思い出せない。 それでも、誰かの胸に、背中に、その生地を頬に感じながら、 泣いたり、安心したり、心ときめかせていた事があったはずだ。
洗濯物に顔をうずめたままぼんやりしていると 背後から聞こえる小さな足音。 見つけた、と言わんばかりの小さな声を上げ、 私の背中に顔をうずめるアユム。
ああ。もう。思い出さなくてもいいのかもしれない。 私の背中を、胸を、覚えておいて貰えばいいのか。
それはほんの少し、甘く、淋しい。
暁
|