ことばのかけら
桜子



 月光

どうでもいい
消えてなくなったって構わない
どうでもいい
願わくば滅茶苦茶になってしまいたい

・・・思えば思うほど
私は私を守って 逃げる
闇を求めて
独りを求めて

逃れられない
走っても 走っても
月は遠のかないように

いつだって
この醜さを照らされる
思うより強い光によって
私は私を見せ付けられるのだ

2006年04月23日(日)



 てのひら

たしかめる

このてのひらにあるモノを

じっと たしかめる


ああ

それは

こんなにも・・・ 思うよりも ずっとずっと

脆くて

優しくて

弱くて

柔らかい


ゆっくり 大切に

あたためてゆこう

私は 両手で それを包み込んだ

2006年04月13日(木)



 春雨

打ってくれ

そんなに優しく降り注ぐだけじゃ

また懲りずに居てしまうから


春雨がにじむ

全ての若草の輪郭に

春雨はにじむ

ただ 絹糸がかすっただけのように

記憶にも残らないくらい 柔らかく・・・

2006年04月12日(水)



 

分かり合えた
仲直り、できた
ずっとずっと気になっていた
心に引っかかっていたものがとけてゆく

わたしたちは
それぞれの
課題を背負って
それでもまだ 歩いていくなら

おだやかに
にこやかに
和やかに。

2006年03月18日(土)



 愛など・・・

胸くすぐる
かろやかな心持ちなど
おそらく
とうに消え去って

打算と
空気になった惰性の中
わたしたちは暮らしてる

2006年03月17日(金)



 白昼夢

「ほんとう」に
いちばんちかい ゆめをみた

目を覚ます現実世界
人ごみにまぎれて
誰かに隠れて
眠くなるような陽射し
けだるさにまかせて
甘い夢を見る

真実と理性を失わず
だのに
ただ だらりと手ぶらで
勝ち取ろうとしているんだ

「ほんとう」に
いちばんちかいゆめ
記憶が呼び起こす経験
見ない振りしている 現実


2006年03月14日(火)



 焼き鳥親父

寒風の中
火をおこす
少しコゲの入った赤い団扇
それを操る
たくましい
職人の腕

キャンバスに
貴方の輪郭を縁取るならば
パステル・・・
クレヨン・・・
あぁ
暖をとらせてくれた
七厘の中の炭でいいかも知れない

少しずつ
無口だった貴方が
口を開いていく
冷えていた体も
じょじょに温まる

美味しかったよ
また来ますね
顔中いっぱいの表現で
また、客寄せさせてね!

2006年02月14日(火)



 護りゆくもの全てに感謝をこめて

ささやかに
暮らせたら
それでいい・・・

この頃、ずっと守ってきたモノ

・・・本当に護りたいモノは何?

ぽろりと
笑われちゃうような真実の気持ちを打ち明けた
一生懸命
援護してくれた仲間達

ときに手厳しく
「待ち」の姿勢を正す友人

何よりも・・・

攻めて行きたいの
前へ行きたいの
いっぺんでいい
たったいっぺんでいい

この心にある願いを・・・
願いから現実へ
この気持ちこそを
今は大切にしていきたい

一歩を
恐れず
歩むの

・・・もう やってみずに居られないのだから
正直に

2006年02月13日(月)



 ご褒美

キツいよね
頑張ってンのにね
理不尽なことも 沢山あるね

おかしいね
一生懸命なのにね
思うようには 働けないね

キラキラしてた
「あの頃」の夢を諦め
選び 手にしたものは・・・
ちょっと苦い

だからこそ・・・
ほんとうに、ほんとうに極まれだけど
心の通じる瞬間が嬉しい
「続けていてよかった」
そう思える

「頑張り」は、毎月
お金、という形で還って来る
・・・サテ
どうやって活かそうかな。

明日はもうちょっと
もうちょっとだけ
「信頼」も得られるようになれたら、いいな・・・

今の、夢

2006年02月04日(土)



 剣 -ツルギ-

あの人が楽しそうに笑う
キラキラ光った
美しいものに囲まれて

あの人がほくそ笑む
姿の見えない
得体の知れないもの手に入れて

・・・どうしてよ

心から喜びなさい

どうしてよ

羨ましいなら認めなさい

どっちにしても素直じゃない
心ン中で
剣が暴れだす

・・・どうしたの

イヤなら歩きなさい

どうしたの

つまづくのすら認めない

どっちつかずじゃ始まらない
心ン中で
剣が暴れだす



もうイヤだよ・・・

2006年01月31日(火)
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