「硝子の月」
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2006年05月31日(水) <輝石> 瀬生曲

「またこの国の記憶を見てたの?」
 まるでこちらの思考を読んだかのように、笑みを含んでルウファが問う。
「別に……見ようと思って見てるわけじゃない」
 反発するように少年の声は不機嫌なものになった。
「そう?」
 窓枠に腰掛け直しながら、彼女は小首を傾げる。高く結った紅い髪がさらりと揺れる。


紗月 護 |MAILHomePage

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