500文字のスポーツコラム(平日更新)
密かにスポーツライターを目指す「でんちゅ」の500字コラムです。

2002年08月11日(日) 帽子の数字、やめませんか

 昨日、阪神の矢野とホワイトが骨折した。一昨日は濱中が骨折。なんと2日間で3人が骨折という、呪われているとしか思えない異常事態だ。
 阪神は今シーズン、故障者に泣かされてきた。野手では片岡、赤星の骨折、矢野、桧山の脱臼、ホワイト・坪井の捻挫などなど。投手でも、星野、安藤、藪と続き、阪神はまさに野戦病院の様相を呈している。
 阪神では今季、故障した選手の背番号を帽子に書き込んできた。始めのうちは「故障者の分まで頑張る」「チーム一丸となって優勝を目指す」姿勢の表れとして好意的に捉えていた私も、一度もその数字が消えることなく今に至ると、そろそろこの習慣はやめにした方がよいのではと思えてきた。
 もし「故障者の分まで」と思うのなら、プレーで彼らの分を補ってみせるだけでいい。プロなら、あいつがいないうちに大活躍してレギュラーを奪ってやるというのが本来の姿だろう。早く帰ってこいよなんていうのは、偽善だ。矢野の代役・吉本は、前回のようにまた39を帽子に書き込むのだろうか。
 プロは仲良しクラブではない。チーム一丸となって戦うことと、帽子の数字とは必ずしも直結するものではない。



2002年08月09日(金) 片岡を非難する前に

 7日のスポーツ紙に、ある試合前のトラブルについての記述があった。不振を極める阪神の片岡に対し、ネット裏の観客から「試合に出るな」「引退しろ」という口汚いヤジが浴びせられ、片岡が大声で応戦して一触即発の雰囲気になったというのだ。
 確かに今シーズン、片岡がポイントになって負けた試合が目立つ。ネット上の阪神ファンの掲示板などを見ても、批判は数多い。白状すれば、私自身、あまりのふがいなさに、半ば悪口めいた書き込みをしてしまったこともある。
 しかし、これらの書き込みは同時に、彼への期待度の大きさをも示している。今、首位に大差を付けられた状況で、もし本気で逆転を目指すのなら、開幕時のような爆発的な勢いが必要だ。だとすれば、それは片岡抜きでは達成されまい。もし、片岡が今のトンネルを自力で脱し、故障で離脱しているアリアスと桧山が復帰し揃って活躍すれば、再浮上も期待できる。逆にこの中の誰が欠けても、最高の結果は望めない。
 ならば、阪神ファンよ。片岡を非難する前に、彼の一日も早い復活を願おうではないか。FAになった時、数ある誘いの中から、彼はこのチームを選んでくれたのだから。


長らくお休みしました(8/9)

 5月17日の書き込みを最後に、長らくお休みをしてしまいましたが、おととい(7日)久々に、何の予告もせずに復活(!?)しました。
 以前、読んで下さっていた皆さんも、いい加減しびれを切らせて、「もう退会したんでしょ」とか思われたかも知れませんが、また、できる範囲で更新していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 言い訳になりますが、本業がずっと忙しく、職場で仕事の合間に書くというのもままならない状況でした。飛び飛びになら書けなくもなかったのですが、中途半端に再開するのも嫌だったので、今まで伸びてしまったというわけです。
 気がつけば、W杯も終わり、ペナントレースも秋の気配が漂うようになってしまいました。ビッグイベントに頼れない状況ではありますが、地道に小ネタを見つけて書いていきたいと思います。



2002年08月07日(水) ペナントレースの分岐点

 6日、阪神が片岡のエラーで負けた。順位は4位と今季初のBクラス転落。首位とのゲーム差も絶望的だ。開幕当初の熱狂ぶりも、次第に冷めつつある。
 こうなった原因としては、中軸として期待された片岡の不振や主力選手の相次ぐ故障など、いくつかの要素があろう。だが私には、6月15日を境に全ての歯車が狂ったと思えてならない。
 この試合の前まで、阪神は32勝23敗1分の首位。ただし、直前2カード連続で負け越し、ひところの勢いが弱まりつつあった。一方、この時点で1ゲーム差の2位・巨人は、13日のヤクルト戦で0-5の劣勢を5本塁打でひっくり返してサヨナラ勝ちを収めていた。それも高津を打ち崩して。この両者が15日からの直接対決2連戦を迎えたのである。
 阪神は8日に投げた藪が中6日でいける態勢にあった。だが先発は中13日の横田。その横田は3回1/3で自責点4のKO。中継ぎも打たれて8-11の敗戦を喫した。16日は藪が先発したものの、延長戦の末3-4で連敗し、首位を明け渡してしまった。
 結果論で言うのではない。大切な首位攻防戦であることを考えれば、また、ここに至るまでの両チームの勢いを考えれば、15日はエース級を先発に立てるべきだった。13日には阪神も延長戦を制し1-0で勝っていて、この日勝てば、再度勢いを増す可能性があった。横田は前回登板の1日のゲームで移籍後初先発して勝っているとはいえ、軟投派の投手。一発のあるG打線には、どうしても位負けする。ここは力で相手をねじ伏せられる投手の出番ではなかったか。
 ついでに言えば、15日に藪で勝てば、16日は谷中も中4日でいけた。17・18日がW杯日程で休みだから、中継ぎ総動員でがむしゃらに勝ちにいけたはずだ。それが連敗となり、緊張感が一時的に途切れた。このあと阪神は泥沼の8連敗。貯金を一気に吐き出した。7月を5割で乗り切って持ち直しただけに、返す返すもこの「采配ミス」が悔やまれてならないのである。


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