500文字のスポーツコラム(平日更新)
密かにスポーツライターを目指す「でんちゅ」の500字コラムです。

2002年02月05日(火) 審美眼への挑戦状

 フィギュアスケート、シンクロナイズドズイミング、新体操などの「採点競技」では、技の難度や正確性の他に、動作の美しさや表現力、プログラム構成なども評価の対象になる。「技術点」「芸術点」と採点自体を分けているものも多い。
 技術点は、素人でもある程度見慣れればその優劣がわかるようになる。問題は芸術点だ。これは競技経験のある人とない人とではかなり差が出ると思われる。いわゆる「審美眼」は、長年その競技に携わって初めて身に付くものだ。美術品の鑑定が一朝一夕にはできないのと同じである。
 芸術点をさらに素人から遠いものにしているのは、インプットと呼ばれる過程である。これは数多くの競技会や各々の競技会の前に行なわれる公式練習などを通じて、「自分がいかに正確な技術や高い芸術性を備えた選手か」を審判員に印象付ける作業である。これを知らないと、採点に対して「えーっ」と思う事が多くなる。
 採点競技ではポッと出の新人は現れにくい。だから本当は恩田がいくらトリプルアクセルを本番で成功しても、表彰台は殆どありえない。だが、ゼロに近い可能性が時に覆るのもスポーツの面白さである。


観客の後押し(2/5)

 採点競技は素人にわかりにくいと書いた。でも実は、採点する審判自身も良く分からない時があるのではないかと思う事もある。例えば審判によって評価が割れた時など、それが身びいきによるもの(自国の選手を勝たせる作為など)か、単純に好き嫌いなどによるものかわからない。
 例えばフィギュアではシングルやペアなどに比べて評価の難しいアイスダンスなどは、主だった競技会のトップ3は殆ど指定席だという。意地悪な見方をすれば、「審判も人間だし、他の審判員から奇異に思われないよう安全パイを選択したくなるのね」とも・・・。時には選手自身もおかしいと思うようで、不満を表明する事もある。
 そんな採点に自信のない時には、観客の声援に惑わされる事もありがち。自国開催の大会などではその後押しがメダルを分けたりもする。観客を味方につける「技術」の有無も一流選手には不可欠と言えるかもしれない。



2002年02月04日(月) 熱望!立教大学・長嶋茂雄監督

 1月末、東京都内で行われた全日本大学野球連盟の監督会議で星野監督が講演した際、こんな発言があったという。
 「今は野球界が一つにならなくてはいけない。連盟はいくつもなくたっていい。極論だが、おれが明治の監督をやったり、長嶋さんが立教の監督をやれるようにならないと。」
 いいアイディアだと思う。今、六大学野球の人気が低迷し、早慶戦でさえ空席が目立つという。そんな中、長嶋監督が母校・立教のピンストライプのユニフォームで神宮に登場となったら、観客動員は大幅増が見込める。それだけでなく、プロ野球での様々なノウハウを身に付けた指導者が関わる事で、選手の実力アップやケガの防止が望めるというメリットもある。
 アメリカでは、プロの名監督がカレッジフットボールやバスケットボールのコーチに就任するのはごく当たり前。日本でもプロの一線級だった人が大学や社会人、高校などの指導者になって、野球という競技や母校・地域社会に「恩返し」をする機会が与えられていい。その方が野球人気・実力ともに底上げする事に繋がるのではないか。プロアマの障壁が一日も早く取り除かれるよう望みたい。


 < 過去  INDEX  未来 >


でんちゅ [MAIL]

My追加