つたないことば past|will
里の外れから白い煙が上がっている あそこは火葬場だ 誰かを火葬しているのだ だったら忍ではなく、一般人だろう 今日は風がないから、白い煙は長い煙突を抜けて 真っ直ぐ空へ上ってゆく こうして人間は空へかえってゆく 僕たちは? 僕たちは何処へかえってゆくの? 誰かの目に触れることなく、 誰かの手で埋葬されることなく、 朽ちてゆく僕たちは、 どこへかえるの? 忍として生きることを選んだときから 人として死ぬことを放棄した僕たち それでも空へかえることを願わずにはいられない
子供の頃の夢って何だったろうとある日突然気になったんだ。 忍者じゃなかったような気がする。何だろう? とってもとってもなりたくて、一生懸命頑張ってたはずなのに なんだか忘れてしまった。 大人になってゆくってそう言うことなのかもしれない。 成長と引き換えに記憶をなくしてゆく。 どうしようもないことだけど悲しいじゃないか。 だからそんなに急ぐなよ。 いきなり大人になろうとするなよ。 なあ、
空が青いと思う 風が強いと思う それを全部受け止めて僕はここにいる 生きている ここにいるよ 僕はここにいるよ ここで笑ってるよ ここで怒ってるよ ここで泣いてるよ ここで生きてるよ 力いっぱい叫びたい 僕は生きてるんだ
はっきり言って今まで幸せって事がよくわからなかった。 いつだって俺は家のために修行修行で、子供らしいことなんて 何もさせてもらえなくて、 でもそれが嫌だったとか後悔してるとかそういうわけじゃない。 結局は自分のためだったし、何より刃向かう力もなかったから そうするしかなかったんだ。 今はどうなんだろうと考えてみた。 うるさい仲間と胡散臭い教師に囲まれて、毎日意味があるのか どうか怪しい修行をしたり、ランクの低い任務をこなしたり。 イライラする。 でも楽しくないわけじゃない。 こういうのも嫌いじゃない。 悪くない。 じゃあこれは「幸せ」なんだろうか? これはいつまでも続くのか? それはないと思う。 絶対。 幸せを得たときから終わりも得ているなんて。 なんて、儚い。
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