つたないことば
pastwill


2001年10月25日(木)  緩やかな監獄

逃げられないわけじゃない。
逃げようと思わないだけ。

その、

まるで有刺鉄線を張り巡らしただけの緩い監獄のような。

望んだのは俺。
叶えたのは君。


2001年10月22日(月)  限定環境


俺はいつだって限定環境が欲しかった。
いつもの冷静な自分ではなく、在りのままで生きていられる場所が。

あんたと居ることでその場所を手に入れたかどうかは分からない。

ただ、この温かさや感触はとても心地良い。
俺にとってそれはとても必要に思う。

なあ。
あんたは?

たとえ偽りでも必要だから生きてるんだって信じたかったんだ。


2001年10月12日(金)  手紙

今日はいっしょにサスケの部屋を掃除した。
といってもほとんど物なんかないけど。
ぼくは勝手にタンスをあさってはサスケのちっちゃい頃の服とか
引っ張り出して怒られた。

そんな中から出てきた古びた一つの封筒。

悪いとは思ったけど、とりあえず中を見る。
中には同じく古びた便せん。
上の方がちょっと破けていて、何も書いてなかった。
ただ一ヶ所、黒く塗りつぶされたところを除けば。
宛名が書いてあったんだろう。

「ねえサスケ」

「なんだよ」

「これ、誰宛て?」

「・・・忘れた」

きみは勝手に手紙を見たぼくを怒らなかった。
でも忘れたっていうのはウソだね。
この手紙を誰のために書こうとしたのか。
きっときみはずっと覚えてた。

宛先も知らないあの人へ、きみはどんな気持ちでこれを書こうと
思ったのかな。

ぼくは聞くこともできず、ただ黙っていた。
きみもそれっきり話さなくなり、黙々と掃除をしている。


ごめんね。


忘れたフリしてれば開かない傷もあったのにね。



2001年10月03日(水)  アオ


ねえ 君はいつまで子供でいられるんだろうね



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