衛澤のどーでもよさげ。
2007年11月28日(水) YesかNo波。

私がこの数年「過眠」と「不眠」を交互に迎えている、という話はこの頁でも何度か書いていますので、その何度かに行き当たったみなさんはこのことを御存知のことと思います。今年は初夏から初秋まではとても体調がよろしかったのですが、その後、一〇月に入った途端にどかんと過眠期がやってきて、眠っている時間が起きている時間よりも大幅に多い日を二箇月近く過ごしました。

かようなことをこの頁で申しますと不安になってしまう方もおられるかもしれませんが、過眠期に入ってからも、一本たりとも締切を過ごしてしまった原稿はありません。締切厳守は私の数少ない取り柄の一ツですから、逸する訳にはいきません。

とは言え、不眠かつ頭が冴えているなら仕事もできますが眠くて眠くてかつ身体に力が入らない状態では仕事も碌にできませんし、それが続いては締切厳守も危うくなります。最初は持病である鬱病の周辺症状かと思っていた過眠・不眠ですがあまりに程度がひどすぎるというので、かかりつけの心療科から紹介状を出して貰い、睡眠専門外来で検査をして貰いました。
検査は採尿、採血、心電図、脳波。
心電図は電極をクリップや吸盤で身体にくっつけますが、脳波は頭髪が邪魔をするのでそのような器具ではくっつけられません。どうやってくっつけるかというと、特殊な糊でくっつけるのですね。検査終了後に糊をアルコールで拭き取ってくれますが、糊独特の「ぺたぺた」感と痒みは逃れられないもののようです。この記事を書き終えたら入浴しようと思います。

もともと私は人目がある場所―――電車やバスや、同室者がいる旅行先など―――ではとても寝られない人間だったのですが、過眠症状には敵わず、脳波検査中に眠ってしまいました。眠れる訳がないと評判のMRI検査でも寝たことがあります。そのときは徹夜明けでした。
そして、次は「寝る」検査を受けます。PSG(終夜睡眠脳波ポリグラフィ)検査とMSLT(安静時脳波)検査です。どちらも身体に電極をつけて眠っている間にデータを取る検査です。これ等二ツの英文字の検査は現在予約が一杯一杯で、私の予約日は何と来年三月末です。

英文字の検査までに「睡眠日誌」なるものを毎日つけるように冊子を渡されました。午前〇時から二四時までの棒グラフが予め印刷されていて、眠った時間を塗りつぶしていきます。熟睡感や目覚めの気分や、日中の眠気も五段階評価で記録していきます。
これ等検査によって睡眠の質や睡眠障害の質を明らかにして、対処方法を探すのだそうです。その対処方法は薬物による場合もあるし、光療法や行動療法である場合もあります。どれが私に適しているかはまだ判りません。
いまの私にできることは、睡眠日誌を毎日つけることと、日中の眠気をできるだけ我慢することです。眠気と戦いつつ仕事を続けます。

電車で片道一時間ほどの病院(そこまで行かないと「睡眠専門」の病院がない)に行って四ツの検査を受けた帰りに書店に立ち寄り、よしながふみさんの「きのう何食べた?」を購入。同じ作者の「西洋骨董洋菓子店」や「大奥」を読んだときは「ああ、如何にも女性の作風だな」と思ったのですが、今日、「きのう何食べた?」を読んで「この作者はほんとうに女性だろうか?」と思いました。
冷静に考えると私は「よしながふみ」という作家さんにお会いしたこともなければ御写真を拝見したことすらありません。誰一人私に「よしながふみさんは女性である」と言ってはいないんですよね。む。

「きのう何食べた?」は、弁護士と美容師の四十路ゲイカップルが主人公の、淡々とした御料理漫画で、講談社の青年誌「モーニング」に月一回連載されています。
……何となくこの説明は間違っているような気もしますが、当たらずとも遠からずだと思います。淡々としているのはよしながさんの作風かもしれません。漫画としても料理本としても愉しめると思います。スペクタクルもいいけどシンプルなのも、と「御節もいいけどカレーもね」っぽいことを思っている物語読みさんにおすすめです。


【今日のお買いもの】
冬チロル

2007年11月24日(土) 記号。

御無沙汰しておりました。いろいろ事情があってずっと眠っていました。どういうことかは今後半年以内にこの頁で御話できると思いますので、気になる方は気長にお待ちください。気にならなかったら忘れてください。

さて、今日はちょっとしたがっかり報告。
仕事で記号を使うことが、ときどきあります。稀れに文字の代わりに記号を使うこともあります。FEPに入っていない漢字をどうしても使いたいときには「〓」という記号を使います。この記号には「下駄」という名前があります。大抵のFEPでは「げた」と打ち込んで変換キイを押すと「〓」が出てきます。「〓」を使うことを「下駄を履かせる」と言いまして、一旦下駄を履かせておいて、FEPでは出せなかった必要な文字をデジタルで作成したり活字を探し出して貰ったりします。

それはちょっとした予備智識として頭の片隅に置いといて頂きまして。

或る媒体に文章を掲載する場合において、「使用しない方が望ましい」単語というものがあります。使用しない方が望ましいのだけど使用せざるを得ない場合、或るいは、使用すべきではないのに使っている背徳感を表現したい場合などは「伏字」というものを使います。単語の中の数文字を記号に置き換えるのです。
その伏字に使う記号は出版社によって編集部によって決まっている場合もありますし、著者が勝手に決めていい場合もあります。伏字についての規定がある場合は予め著者に知らされているものです。

予めのお知らせがなかったもので私はこだわりの伏字「×」を使用した原稿を或る編集部にお渡しして、今日その原稿の掲載誌が手許に届いたのですが、こだわって使用した「×」が著者(私)に無断で「●」に訂正されていました。
「×」こそが××を表すのにもっとも適した記号であると信じているので、とってもがっかりのしょんぼりです。「●」が沢山あると誌面がうるさくなりますしね。

二度と伏字を使うまい、と心に決めたのでした。


【今日の靴下】
指なしのアンクルソックスは、中で足指が泳いで落ち着かない。

2007年11月18日(日) 時間差で。

昨日、同居猫の爪を切って貰うために動物病院へ行きました。我が家の同居猫は私一人で爪を切ってやれるほどおとなしくありません。
いま御世話になっている病院で爪切りして貰うと六〇〇円支払うことになりますが、両前腕が傷だらけでひりひりしながら数日過ごすことを考えれば安いものです。

と思って出掛けて行ったら案の定、診察台の上で同居猫がはげしくイヤイヤしまして、医者先生が大決断しました。
「麻酔」
軽い麻酔注射(一時間程度で切れるくらいの)をして爪切り。四〇〇〇円也。

四〇〇〇円四〇〇〇円四〇〇〇円(残響音含ム)。

そのダメージが一ト晩経ってから現れたみたいで、私は今日一日ぐったりと疲れていました。朝なんか起きられなくてねえ。
大阪の(人間の)病院へ行くための電車賃が同居猫の爪切りですっ飛んでしまいました。


【今日の二者択一】
ちょっといい理髪店で月一回の散髪と安価な理髪店で月二回の散髪。

2007年11月17日(土) やってみよう。

ふれあい人権フェスタ2007」に行ってきました。毎年地元でいま頃の時期に開催される人権フェスタですが、今年は国との共催だとかで橋下徹弁護士の講演や藤原紀香さんのトークショーがあったりで、例年の数倍の人出。出展ブースも地元NPOのみならず各地方の物産なども並び、大きな催しとなっています。
特設ステージ袖から見た藤原紀香さんはうなじがきれいでした。うなじしか見えなかったんです。人だらけで。

会場の各種NPOブースを巡って、そのうちの一箇所で妊婦を体験してきました。

体験妊婦

ピンク色の妊婦スーツの総重量は約七キログラム。赤ん坊がだいたい三キログラムくらいで、ほかに胎盤や羊水などを含むと七キログラム程度にはなるのだそうです。妊婦スーツは身体にぴったり装着できる設計で、大きな乳房と胎児が入っているに相当する大きなお腹がついています。
その重さや、乳房やお腹がふくらんで視界が悪くなることにも大変で驚きましたが、妊婦体験ブースの係員のお姉さん方がまるで救急隊員のように手際よく素早く妊婦スーツを着せてくれたのがやけに印象的でした。

こういう機会があるのだから、妊婦になったことがない人はどんどん体験しておくべきだと思います。特に男性。ぼーっと生きていたら生涯体験できないだろうことが体験できる絶好の機会ですよ。いいこともよくないことも、一度は経験しておいた方がいいと思うのですよ。その方が人生有意義ですよ。
老人体験ブースもあったのに、通り過ぎてきてしまいました。体験してくればよかった。人権フェスタは明日も開催だから、もう一度行ってこようかな。


【今日のとても思う】
税金をよろこんで払おう。

2007年11月16日(金) 保たない。

牛乳は日持ちしないのが困る。

いつも買って直ぐになくなるんだ。

2007年11月14日(水) 理由。

仕事用の座椅子を取られてしまいました。


こんな訳で、仕事ができません。
という、言い訳。

カメラのピント調節機構が駄目になってきました。本体にもガタがきているので機種変更を考えなくてはなりません。


【今日の思わずぎょ】
ゲームの仕事の依頼が入りました……別名義宛てに(´д⊂)

2007年11月12日(月) 坊さん。

知らない人から頻繁にメールが届きます。英語のメールも沢山来ます。知っている人からでも日本語を使わないメールは読みもしないでごみ箱に入れます。言わんや知らない人のメールをや。

今日などは「奥様会」などという謎の組織からメールが届きました。何でも「奥様会」の代表者が替わるらしいです。恵美さんから住職さんに……「奥様会」なのにお坊さんが代表になるんですか、尼僧さんだろうか。
そう思ってもう一度よく見てみると、住職さんではなく佳織さんでした。

あはは。

ごみ箱へぽい。


【今日の別途】
薬用リップクリームを購入して以来口唇に塗ったことがありません。

2007年11月09日(金) 解き得る謎かは。

牛乳はどうしてこんなにも旨いのだろう。


みんなもっとうしをほめて!

2007年11月07日(水) ぐちゃぐちゃの。

相変わらず過眠過食が続いています。もう一ト月以上。倦怠感や急激な脱力、苛々や焦燥感等も顕れてきて、最早や静観もならぬと思ったので定期通院日には二日ほど早いけれどかかりつけ医に相談に行ってきました。
そしたらば、水曜日がそのような曜日なのか今日はたまたまなのか病院は混雑していて、かかりつけ医先生もさっさと診察を済ませたい様子。だけどこちらもほとほと困っているので相談にやってきたのであって、自分の診察の順番が来たからには訴えることは訴えねば。

しかし寝過ぎたり寝られなかったりで頭がぼんやりしていて、話し言葉も巧く口から出ないような状態でもあるので、症状を予めメモ書きにして持って行ったのですが、それに書き出したすべてを訴えることもできませんでした。
「決まった時間に寝て起きてください」とか「昼間は寝ないでください」とか通り一遍のことを言われましたが、それができるのであれば困って相談に来たりしませんって。起きたくても起きられない寝たくても寝られない考えたくても考えられない仕事をしたくても仕事できない、そんな状態が長く続いて困っているのです。
とは言ってもかかりつけ医先生も「それは薬ではどうにもできません」と仰っていたし、「次回通院時までに睡眠専門医に紹介状を書いておきます」と言ってくだすったので今日のところは取り敢えず「それで御願いします」ということに。

帰宅してから、眠いけれど眠ってしまうと今度は起きられなくなってしまうし、睡眠のリズムを正常に戻すためにも夜まで寝ないようにするため、過眠について幾らか自分で調べてみました。仕事ができればいいのですが、そこまで意識がはっきりしていないので調べもの止まりです。
そして、まさしくこれ、というものに行き当たりました。反復性過眠症
「数日間から2週間程度傾眠状態が続き、この間通常毎日15時間以上昼も夜も眠り続けます。注意の集中と持続が困難で、記銘力も低下、放置するとすぐに眠り込む」、「傾眠期に食欲の著しい高進と過食」なんてドンピシャリです。
この症状には「クライン(クライネ)・レビン症候群」という名前があるのですね。もしかしたら、私はこれかもしれない訳ですな。「病相期が始まると治療は困難なことが多く」……「薬ではどうにもできません」というのはこのことをかかりつけ医先生は仰っていたのでしょうか。いまは通り過ぎるのを待つしかないということですね。

あと一箇月経った頃には睡眠専門医に診て貰って、その結果が判っているかもしれません。たったいまはどうにもできませんが、いまの自分の状態を端的に表す名前が存在していることが判っただけでも、何だかほっとしました。


【今日の次第にあらわになる事実】
サテライトってSANKYOに買い取られちゃったのか……いいことだったのかもしれないけれど。だからCR機なのね。

2007年11月05日(月) ねむねむ。

過眠が続いています。一日二四時間のうち、起きている時間よりも眠っている時間の方が大幅に多い日が一箇月ほど続いています。眠りたくて眠っている訳ではなくて、それだけ眠らないと身体を起こすことも儘ならないのです。

持病の周辺症状の一ツに睡眠障碍があります。眠りたいのに眠れなかったり、眠りたくないのに眠くてたまらなかったり。これまでは一過性のもので割りと短期間で終わっていたのですが、どうも今回は長引きすぎのように思います。

そういえば睡眠発作様の症状は時折出ているし、脱力発作もときにあり、睡眠麻痺や熟眠困難なんてしょっちゅうです。いよいよ睡眠専門外来の門を叩く必要があるかもしれません。
仕事が立て込んできているし、ほかにやりたいことも沢山あるので、いまのところ不眠は許容できるのですが、起きられないのは困ります。眠くて起きられないのではなく、身体が重怠くて力が入らなくて起き上がれないので、決して惰眠を貪っている訳ではないと言えるでしょう。

また(検査)入院するのかな。わーい(病院・検査大好き)。


【今日の変化】
一箇月前に購入した低反発座布団が現在は無反発座布団に。

2007年11月03日(土) 報告。

創聖のアクエリオン」、全話見終えました。最終話のラスト一〇分間は涙が止まりませんでした。
全話見た上で直ぐさまDVD-BOXを予約しました。

ヲの道(広島県じゃないよ)まっしぐら。ヲ話できるヲ友達募集中。


【今日の流石に達磨さん】
超合金……定価二〇七九〇円(税込)……その上プレミア……。

2007年11月01日(木) ろーりんすとん。

いやもう坂道を転がり落ちる石っころのように。
いま更ながら急転直下猪突猛進の勢いですっ転んでいます「創聖のアクエリオン」に。試しに第一話だけ、と思ってストリーミングで見てみたら、これがおもしろくて止められない。仕事放りっぱなしで早くも第一六話まで見てしまいました。いま八千年過ぎた頃です。もっと恋しくなってきています。
今日付の当記事は、最早やひとり言です。ヲにありがちなことですからそこはさらっと流してください。

主役メカがまったくの機械ではなく半生命体のロボットであることや独立ユニット型コクピットに全方向スクリーンディスプレイ、パイロットは一〇代半ばの少年少女に限られること、半生命体である機械とパイロットが共鳴しなければ充分な能力が発揮されずときにはパイロットが強制射出されることがあることや、モチーフにカバラ(セフィロトの樹、逆さまの樹)や心理学、脳科学などが取り上げられていること等、「新世紀エヴァンゲリオン」と重なる部分もあり、「エヴァ」の庵野秀明監督が最新劇場版公開に当たり述べた「エヴァ以降のアニメーションでエヴァよりも新しいアニメーションはなかった」というコメントは確かにその通りかもしれない、と思っていたのですが、「合体」という要素を主軸として三機の機械が合体してその組み合わせによりロボットが三形態をなし、かつ搭乗パイロットにより三形態のロボットがかたちのみならぬ個性を持つという点で「アクエリオン」は「エヴァ」を越えたのでは、とも思うようになりました。
ああ、現在のぼせているような状態なのでヲらしく語り放題で句点が著しく少ない文章を書いてしまいました。よろしくない見本ですね。
誤解がないように記しておきますと、「エヴァ」と「アクエリオン」は似た作品ではありません。決定的な違いがあります。「アクエリオン」はギャグの比重がとても高く、また爽快なまでの荒唐無稽さをはらんだ作品です。

主役メカの発進プロセスを丁寧に見せるという点では物語後半に近付くに従って「アクエリオン」は等閑になってきていてメカフェチには少々寂しい次第ですが、戦闘シーンには主題歌が、アレンジされたインストルメンタルではなくオープニングで使用されているそのままが流れるのが旧来のロボットアニメーションの流れを汲んでいて「燃え」ます。
またパイロット(「アクエリオン」では「エレメント」と称する)が総員一一名いて、戦況によって誰がどの機体に搭乗するかが異なり、つまりは誰もが主人公になり得るというところが愉しみを多重構造にしています。実際、主人公だけでなくサブキャラクタたちが物語の核となるエピソードも多数あり、往年のように一年五二本のシリーズであれば多くのボトルショー(物語全体の構成に大きく影響しない一話完結エピソード)を盛り込めたことでしょう。
何より、私はまだ第一六話までしか見ていませんが、これほど主人公が頻繁に鼻をほじり、あまつさえほじった指先に付いたソレを食べてしまう場面が出てくるロボットヒーローものをこの三〇と数年の間、ほかに見たことがありません。あ、いや、これは別に特筆すべきことでもないのですが、思わず突っ込んでしまった部分なので。第一話では脇を駆け抜けようとした小動物(ドブネズミ?)を引っ掴んで生きたまま食べてしまった主人公ですからね。

もしかしたら、私にはめずらしく主人公が一番好きな作品かもしれません。二〇代半ばになるくらいまでの私ならきっと好きにならなかったタイプのキャラクタなのですが、現在の私のツボを突いています。「バカみたいに沢山がつがつ喰ってせわしなく動きまわってどんな場所でも直ぐ眠れる」という野性の強さを持った男の子って、物語の作り手としても受け手としてもとても好きです。作り手の立場から言えば、主人公にしておけば制作過程であんまり苦しまずに済みます。作者を無視して勝手に動きまわるだろうタイプなので却って作り手を苦しませることもあるでしょうが。
第一印象で一番好きだと過日申しました黒髪短髪眼鏡のインテリ少年は、それはもうヴィジュアル面からです・ます文体の話し言葉から地味さ加減から何から何まで私のヲ心を掴んで離さないということは本編を見る前も見ているいまも変わりはありません。一五年くらい前までの私なら文句なしに彼が一番好きだったでしょう。主役メカ搭乗時よりも基地内でオペレータをしているときの方がしっくりくる地味さも大好きです。いっそずっとオペレータやってろよと思うくらい。実はオペレータってロボットアニメーションでは主人公の次くらいに台詞が多いんですけどね。
ほかのエレメントたちも「こいつはちょっと……」というキャラクタがいなくて、設定よりもキャラクタで物語を引っぱっていくタイプの作品で、ライトノベル世代には受けがいいのだろうなという印象を、私はこの作品に持っています。その分、SF成分が少なめになってしまうのでSFファンにはもの足りないかもしれませんね。

この作品には、名言が多数登場します。アクエリオン運用部隊の司令官不動が毎話一ツ以上格言めいたことを言うほかに、各話の主軸となるキャラクタが事件を通して懊悩を克服するときに口にする言葉は笑えるようで核心を突いたものが多いのです。
中でも第一一話で麗花という不幸体質少女が発する「どうせ逃がれられないなら、この不幸、とことん窮めてみせる!」、「思い知れ、不幸のどん底!」は名言中の名言ではないかと思っています。このエピソードはおじさんちょっと涙ぐんじゃったな。「自分だけが不幸だなんて思うなよ」的な台詞は多くの作品でいろいろな人物が言っているでしょうが、麗花の不幸レベルが並大抵ではないことと「不幸」という「負」を「窮める」ことで「正」のエネルギーに変換してしまうこととが相まって、他に見られない魅力を生み出しています。
第一五話の「誰かに支えて貰うためには先ずすべきことがある、それは倒れきることだ、倒れきらねば支えて貰うことはできぬ」という意味の不動司令の台詞は常々私が考えていることと重なって深々頷きました。

第一六話からオープニング曲が変わり、いよいよ後半戦です。第一話でいなくなったきりの彼が再登場の予感。「ボケ姫」「野良犬」と呼び合うツンデレカップルの行方、異端であることの発覚を怖れる兄妹の運命、一万二千年の過去と現在、現在と来るべき未来との関わりが気になるところです。
もうストリーミングで見ている場合じゃないな、とか、DVDが全巻発売されているのにどうしてDVD-BOXがないのだろう、とか、DVD-BOXを見つけたと思ったらパッケージに書かれているのがタイ文字でやっばいやっばい、とか、いろんなことを考えつつ、きっと近日中に最終話まで見終えると思います。

あんまりおもしろいとサブストーリイとか構成したくなっちゃうんだよねえ。本業と工程は同じなんだけど、先ず本業に励みませんとね。
「永遠」は信用ならないけれど、「一億と二千年」にはほのかな信憑性を感じる不思議を思いつつ、本日はここまで。


【今日のちょっぴり憂鬱】
靴下を履かなければならない季節がやってきた……。


エンピツユニオン


Copyright © 2004- Soh Ezawa All Rights Reserved.