浅間日記

2014年10月13日(月) 嵐の夜に

台風19号。雨がジャンジャカ降っている。
裏の山はいつか崩れるから、用心のため、今夜は寝ずの番を決め込んだ。




どんな自然災害でも、第一報は淡々と伝えられる。
少し前の御嶽山噴火のニュースも、ラジオからそうして流れた。

御嶽山が噴火した。この上なく気持ちの良い秋晴れの休日に。

それだけのことです、と言う感じでアナウンサーが言った。


被災の全容が明らかになるにつれ、そして救助活動が活発になるにつれ、
災害の大きさは拡大される。
物語が紡がれる。

もうそれは、御嶽山自身の活動ではない。



8名の発見されない遺体を見つけるために、
何千人もの人々が噴煙のあがる火口に向かう。
自衛隊の活動が映される。

それは、そうした様を眺めることも含めて、
もう人間社会の活動なのである。



新聞ででかでかと報道されている写真を見て、

お母さんがもし山や海で死んでも、探さなくていいからね、とYに言う。

自分はそれでいい。

でももしYが火口で死んだら、死に顔を一目見たいという気持ちを抑えきれないかもしれない、と思う。

でもしかし、と、再び思い直す。

手も足もバラバラになって、焼けただれたような最期を確認するよりは、
可愛い姿のYがあの山に眠っていると思う方が良いかもしれない。

わからない。

今のところは、心を強くしてそう思うべきなのだろう、ということにした。

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2005年10月13日(木) 冬支度
2004年10月13日(水) 奴らの足音のバラード・秋冬編


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