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■ 父がなくなった
父のかたちがなくなった。
私の心には、ちゃんといるのだが。
父らしく生きることができたのは、交通事故にあうまで。
そこからは、どんどん能力を落としていった。
やっていることもよくわからない。
その中で、庭の柿の木を倒して、細かく切ってゴミに出してしまった。
なぜそんなことをするのか、と母は悲しんでいた。
なぜ、そんなことをするのと、父に聞くと、お母さんでは処分しきれなくなるだろう? と言っていた。
母は、柿の木を切らずにおいてほしいのに、と言っていた。
数年たったあとに、母がしみじみと、お父さんに来ておいてもらってよかった。
自分だけでは、管理も、処分もできなかった、と言った。
それを聞いて、ちちはやはり母のことをわかっていたのだな、と妙に納得した。
7歳も年の離れた夫婦だからかな、泣けるぜ。
2021年08月05日(木)
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