今月2回目の子守も無事終了。 甥っ子は一寸洟が垂れていたものの、頗る元気であった。 食欲は相変わらず旺盛。保育所では有名な食いしん坊で、食の細い余所の子の親から妹は羨ましがられたとか。 好物は、御飯と納豆と豆腐と茄子の味噌汁、あと果物。 ポンカンを剥いて、甥っ子と半分ずつ分けて食べていたら、甥っ子の方がペースが速かったので気付いたのだが、こいつもしかして噛んでないんじゃ……。 ちゃんともぐもぐ噛んでね、お口の中が空っぽになってから次を食べるんだよ、と指導したが、これは毎朝急いで流し込むように食べさせられているせいだと思う。しかも与えられる一口一口が大きいし。
今回の甥っ子 ・語彙が増えた。 それもあれも全て「これ」、美味しいと「んま!」。美味いじゃなくて美味しいと言えるようになって欲しい。 動物は全てワンワン、空飛ぶものは烏も蝙蝠もピッピ或いはチュンチュン。 物を落とすと「おちた」、見付けると「あった」と言う。自動詞と他動詞、現在形と過去形の区別はまだ出来ない ・「チュー」と言いながら、縫い包みにキスをする。そしてそれを今度は私に「チュー」と言いながら押し付けて来る。なんか湿ってるからやめて ・「もこもこもこもこ」或いは「まかまかまかまか」と早口で言うのが楽しいらしい ・イヤ!と拒絶の意思表示が出来る ・型合わせとか嵌め込みタイプの玩具(参照例)で遊べるように。以前は中身を取り出してガラガラやるだけだったが、正しい色と形を見付けて嵌め込む事が出来るまで成長した。 しかし中身が詰まって思うように入らないと、癇癪を起こす。こういう所だけは私や妹に似てるなあ……
先日保育所で、画用紙の鯉幟に目玉のシールを貼る作業があったそうで、「こういうのって、子供達の性格が出るんですよね」と先生が仰っていた。 他の子の鯉幟は、目玉が山羊のように横長だったり飛び出ていたりしている中、甥っ子の作品は、ちゃんと所定の位置に正しく目玉が収まっていた。 こういう所は、妹に似ていない。今は兎も角、子供の頃のあの子は、出来上がりに拘らないタイプだったからな。 甥っ子は一寸繊細な感じ。実験や観察が好きな研究者タイプと見た。
最終日は、妹が早朝から出張に行ったので、私が甥っ子の世話を任されたのだが、大人しくしているのをいい事に炊事洗濯にかまけて放置していたら、甥っ子が突然泣き出した。 何事かと思ったが、どこか痛い訳でもなさそう。 朝から母親はいないし、朝食後はTVの前に一人にされていて、悲しくなったのかも知れない。暫く座って抱っこしてヨシヨシと頭を撫でていたら落ち着いた。 支度を済ませて、じゃあ保育園に行こうね、と乳母車を引っ張り出すと、甥っ子は俄然元気になった。 しかし保育園に到着すると、えっここで降りるの?と騙されたような顔をしていた。こちらとしては騙したつもりは無かったのだが、甥っ子は休日だった前日同様、長いお散歩に連れて行って貰えてワンワンにも会えると期待していたらしい。 期待が裏切られたショックは大きかったようで、保育所の中に入って先生に抱っこされても、全く笑わなかったし、何も言わなかった。 「あらー、まもちゃん(仮)どうしたの? 今日はいつもと違って随分静かねえ」と先生に心配されても、泣きそうな顔をして黙っているだけだった。 その様子はとても不憫で、家に連れ帰って一緒に過ごそうかとも思ったが、昼飯の支度もうんこおしめも出来れば保育所にお願いしたいという気持ちが勝った。 甥っ子の世話は保育所にお願いして、洗濯の続きをしに私だけアパートに戻ったのだった。 連絡帳によると、私が去ってから、甥っ子は暫く泣いていたらしい。平日のようにお友達が沢山いれば、また違ったのかも知れないけれど。 次回はもっと可愛がってもっと遊んでやらなきゃなーと思った。
先月、不動産屋に電話した時の事。 「もしもし、AハイツB号室の春です。今回も異動が無かったのでこのまま住み続けますけれど、火災保険の期限が切れるので手続きをお願いしたいのですが」 と私が話している間、不動産屋はずーっと、 「ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ」 と言い続けていた。
彦美かよ!!
主人が、嫌な夢を見たという。
見ず知らずの女性が、今日から私が貴方の妻ですと自己紹介した。 いや、もう結婚してるんで。っていうかシオンは?シオンはどこ?と訊いたら、 シオンさんはもういません。私が今日から貴方の妻になりますので、どうぞ宜しく。と言われてしまった。 その女性の隣には、マツコ・デラックスが座っていたので、こちらは……?と女性に尋ねると、こんな答えが返って来た。 「それは私の夫です。一緒に暮らしますが、私は貴方の妻なので、どうぞお気になさらず」 えっマツコも一緒に暮らすの? そのやり取りの間、マツコは椅子に座ったままじっと動かず、一言も言葉を発しなかったという。
美人だったのか不細工だったのか、主人の新しい妻に興味津々で訊いてみたけれど、マツコの印象が強過ぎて、女性の顔も服装も何にも覚えていないという。 夢から覚めて、私がいるのを確認して、ああ夢で良かったと安堵したそうである。 という事は、現実に多少の不満はあっても、私が妻で良かったという事だと解釈して良いのだろうか。 多分そうだな。うん。
2016年04月19日(火) |
代わりの車がやって来た |
先日、駐車中の車をぶつけられた。 ぶつけたのは主人の義弟で、向こうからちゃんと申告して来たし、ぶつけたと言っても擦り傷程度だし、相手は裕福ではないし、修理せずにこのままでいいんじゃない?と主人は言ったが、私は反対した。 仮令錆びない部分だとしても20cmほど塗装が剥げているのはみっともないし、割れ窓理論から言っても直しておきたいのだ。 主人は義弟の事は好きではないが、可愛い妹が経済的に苦労しているのを知っているので、修理するにしてもうちで持とうと言うが、私はそれにも反対した。 ぶつけたのが余所の車じゃなくて良かったと思うし、正直に申告したのは評価する。 しかし、相手が貧乏なのはこちらの責任ではない。義弟だっていい大人なのだから、自分のした事には責任を持って貰わないと。 車を擦ったのは、主人の甥の大学入学祝いで集まった時だったので、お祝い事に水を差したくないという主人の気持ちもわかる。 しかし食事会を提案したのは私だったので、料亭の料金はこちら持ち。おまけに向こうも物入りだろうからと、お祝い金も渡したのだ。 それなのに、更に修理代まで? 私がぶつけたんなら兎も角、ぶつけられたのに?ハァ? 心が狭いと言われようが構わない。 筋が通らない、と私は思ったのだ。
保険で修理費用を出すと向こうは言って来たが、そうすると保険料が高くなるからいいよ、と主人は断ってしまった。 私も保険を使うのが一番な気がしたのだが、事故った事が無い(というより保険を使った事が無い)ので、そこは主人に従った。 正規の車屋さんに見積もって貰ったら、8万近くかかるという。思わず「たっか!」と言ってしまった。 「補修しても、痕が凸凹しますから、目立つんですよ。だからその部分を総取り替えすると、どうしてもそれぐらいはかかってしまいます」 と言う車屋さんに、 「パッと見目立たなけりゃいいのよ。なんか、ピャピャって塗って傷が無くなる奴とかあるじゃない? ああいうの無いの?」 と訊いてみたのだが、それでも5万はかかるという。そんなに高いのかよ、車用の修正ペンって! 修理の場合を想定して、欲しかった色じゃなくて一番安い色の車を買ったというのに。何なのよ、もう! 憤慨しながら主人に報告すると、やっぱり正規の車屋さんは高いねえという事で、知り合いの伝手を辿って、修理して貰える事になった。 漸く代車の手配が出来たという事で、本日車を持って行って貰った訳だが、その代車と言うのが、軽自動車なのは仕方無いとしても、
くっさ!!
ドアを開けた途端に煙草臭くて、そっ閉じ……これには乗れませんわ。 という訳で、買い物には歩いて行く事になりましたとさ。 徒歩圏内にスーパーがあって助かった。
主人が先日、知り合いの子供に会ったそうだ。 以前から優秀だったが、現在は某旧帝大の学生で、海外の留学先から帰国したばかりという事もあり、土産話を聞かせてくれたという。 外人は、大抵何かしらの宗教の信者である。 留学先は中東で、イスラム教徒の学生が多かったそうな。 日本では政治と宗教と野球の話はタブーと言われるが、当然向こうは違う。 「君はどこの信者?」と訊かれたので、特に信仰している訳でもないけれど、無宗教だと答えると色々と面倒らしいと聞いていたため、取り敢えず仏教徒だと答えると、そこからが大変だった。 「仏教徒は仏像を拝むんだろ? 偶像崇拝イクナイ!」に始まり、あれやこれや宗教議論を吹っ掛けられたという。
そもそも、仏教は宗教ではない。神を信じて崇拝するものではなく、どのように生きるべきかを説いた哲学である。 仏像は仏の像、つまり悟りを開いた仏陀の像であり、神ではないから偶像崇拝ではない。 信者は彼のように悟りを開きたいと願うから、仏像に頭を下げるのだ。師を敬って頭を下げるのと同じである。 大体、お前んとこのイスラム教が偶像崇拝を禁じているからって、その価値観をこっちにまで押し付けんな! 人間50年も生きればそれぐらいの知識というか雑学は身に付くものだが、未成年の彼には無理であった。 宗教なんて興味無いから知識も無いし、面倒だから仏教徒だと答えただけなのに、こんな事になるなんて。 正直、クッソ面倒臭え……!と思ったそうである。 そしてしみじみ思ったという。宗教に関して曖昧な日本は、なんて素晴らしい国なんだと。
最近の若者は内向きで、海外に出て行こうという気概が足りない!と若者の気質を心配する声が老人から聞かれるが、若者の気質の問題だけではないと、彼等は何故気付かないのだろう。 日本ほど、食べ物が美味しくて治安が良くて衛生的な国は無い。 レストランでチップを取られる事も無いし、言葉も通じる。これ以上の国は無い。 寧ろ、海外が以前ほど魅力を持たなくなったという事ではないのだろうか。 知らない子だけれど、彼が若いうちに外国に行って、日本の素晴らしさに気付けて良かったと思った。
東日本大震災の時もそうだったが、天変地異が起こると、人はこれを天罰や神罰と捉えてしまう事がある。 しかし世界を見渡せば、個体差はあるものの、日本人ほど大人しくて、非常時でさえ秩序を守ろうとする民族は珍しいという。 海外では何かあるとすぐに、混乱に乗じて暴動やら略奪やら放火やら始まるらしい。日本人としては考えにくい事である。何故そうなるのか、理解に苦しむ。 普通に考えると、日本より民度の低い国は幾らでもある。罰を下すなら、そちらが先だろう。 以上の事から考えると、天災が天罰であるとは考え難い。 逆に、天災が多い日本では、罰が当たらないようにと人々が行動した結果、こういう気質になったとも言えよう。
などと、熊本地震に関連して、色々と考えてしまった。 一神教は高等宗教であるという人もいるらしいが、一神教を信じている連中が果たして高等であろうか。寧ろ荒唐に思える。 エクアドルでも大きな地震があったけれど、日本のような耐震基準とか、地震に備えるシステムは、他の国ではなかなか広まらないのだろうな。 神様は、彼等に何をしてくれるのだろうか。
義弟は熊本に単身赴任している。 前々から妻子を熊本に呼び寄せたがっていたのだが、今回の地震でその目論見はパァに。逆に、さっさと本州に帰って来いと言われる始末。 私が妹の所に滞在中の木曜の夜に電話があり、ひとまず無事だというので、私から主人にもそう伝えておいた。 そしたら主人は心配して、自分が震災に遭った時はどうだったかなあ、何が必要だったかなあなどと考えていて、その夜はよく眠れなかったらしい。 遠くの人間が心配してもどうにもならないし無駄だよねとばかりに、私も妹も朝までぐっすり眠ったというのに、何この温度差は。 私から見ると義弟は妹の夫で、且つ私と血の繋がった甥っ子の父親であるが、主人にしてみれば、義理の義理の弟に過ぎない。完全に赤の他人である。 それなのに、私達以上に義弟の身を心配するなんて。 「貴方って心優しいのね……」 と感心したところ、主人はこう言った。 「うん、君達姉妹は通常運行だね。全くぶれないのが寧ろ凄いよ」
でも絶対、それって褒めてないよね。
今月1回目の子守は4日間で終了。 甥っ子は中耳炎も治って頗る元気で、保育所から呼び出される事も病院に連れて行く事も無かったので、今回はかなり楽であった。
ものの本によると、離乳食は1歳半で卒業だという。 甥っ子はとっくに奥歯も生え揃ったので、大体大人と同じ物を食べられるのだが、未だにおっぱいから卒業出来ない。 無理に断乳させようとしたら泣き叫び過ぎて中耳炎になった経緯があるのと、寝かし付けが面倒という事で、妹は寝る時だけは甥っ子の好きなようにさせているらしい。 添い乳を習慣にしていると、私が寝かし付けなきゃならない時に困るんですがね……。 卒乳が出来ない甥っ子だが、食欲は旺盛である。 自分の食事を平らげた後も、大人の皿にまで手を出す。 頂き物の、ピリ辛の肉味噌が載った饂飩に酢を垂らして、刻み葱と胡瓜を混ぜて食べるという郷土料理を大人組が食べていたら、饂飩大好きな甥っ子は自分にも食べさせろとばかりに騒ぐ騒ぐ。 あまりに煩いので、どうせピリ辛だし口から出すだろうと思い、試しに1本だけ与えてみたところ、 本当に食べるの?と目を丸くする私の顔をにやにや見ながら、得意気につるーんと啜ってしまった……大丈夫か?お前。 大人の私でさえ、最初から卵を混ぜ入れないと食べられないぐらいの辛さなのに。 流石に刺激的だったのか、2本目を欲しがる事は無かったけれど、これには私も妹も大層驚いた。 翌日は中辛カレーも、ピリ辛スパゲッティも、口から出す事無く美味しそうに食べ、もっともっとと要求して来た。(そして私の分が減る) 当然お腹はパンパンに。この、見慣れたシルエットは……あれだ、うちの主人だ。
今回の甥っ子 ・「シッチ!」と言うので、おしっこ?と思ったら、ピタゴラ「スイッチ」の事であった。番組のテーマ曲に合わせられれば完璧なのだが、曲が終わってからシッチ!と言う。ワンテンポ遅いのが残念。私にTVのリモコンを手渡して「シッチ」と言うのは、ピタゴラスイッチを見たいという意思表示である ・自分の股間だけでなく、私の股間まで指差して「チンチン!」と言う。付いてないよ! 後で主人に報告すると「子供は目に見えないものも見えるというからね。バレてしまったかー」……それってどういう事かね? ・保育園で教わったのか、何やらステップを踏む事が出来る ・実家との電話の最中に、じーちゃ!と言って、父の相好を崩させていた ・キーボードを出して電源を入れてやったら、椅子から身を乗り出して手を伸ばして、鍵盤の端まで弾こうとしていた。一寸前までは、目の前の精々2オクターブぐらいにしか興味を示さなかったのに、視野が広がって来たという事なのだろうか。88鍵を買い与えて良かったと思った
最終日の朝、食事が済むと絵本を出して、私に手渡して来た。 妹との会話からなのか雰囲気からなのか、私がもう帰るのだという事を察知した模様。 膝の上に載せて何回か絵本を読んでやってから、登園の支度をして妹に手渡そうとすると、何故か嫌がって抵抗。 仕方が無いので私が抱っこしたまま3人で駐車場に向かい、車に乗せてやったが、なかなか私から離れようとしなかった。 懐かないよりはましだが、眠い時だとお母さんじゃなきゃイヤー!って泣く癖に、面倒臭いなあもう。
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