アマゾンから荷物が届いた。 またCD買ったのか……。 今回の引越しでかなり処分したのに、再びコレクションを増やす気かと思ったら、音楽CDではないらしい。 じゃあ何?と訊いたら、主人は箱を抱えて 「えへへへ」 と笑っていた。
中身はゲームのソフト……またやるんですか。 ドラゴンクエストだか、ファイナルファンタジーだかのロール・プレイングものなんて、パズルやシューティングが好きな私には、さっぱりわからない。 TVゲームが始まると、TVを見られなくなるから嫌なのよねー。 セーブしなきゃいけないとかで、止めて欲しい時に止めてくれないのも、本当に迷惑。 どんなに人気のゲームでも、私を苛付かせる時点でクソゲーだ。 そんな私を尻目に、いそいそとゲーム機の電源を入れる主人。 「キャラの名前、何にしようかな。シオンがつけてもいいよ」 と言うので、主人からコントローラーを取り上げた。 「よーし、じゃあね。これでどうだ」
う ん ち
「何故うんち……これは酷い」 「だってこないだ、私のおでこに『うんち』って書いたでしょ。お返しだ!」 「それは寧ろ仕返し……まあ決定ボタン押してないからいいけど」 「うんちが駄目なら、これはどうだ」 と再びコントローラーを手にする私。
ジ ー サ ン
ふふん。 「……まあいいか、『じいさま』と書かれるよりは。じゃあシオンはお供ね。『バーサン』って名前にしてあげる」 「嫌だ。断る」 私がバーサンだったら、あんたはヒージーサンだ!
TVのCMを見ていて。 ふわふわの赤ん坊が出ていた。 「あ、シオンがいる」 と主人。 「それは、可愛いって事? それとも、儚げで、守ってあげたいって事?」 と私が訊くと、 「ううん、ほわほわの
薄 毛
って事★」 わはははは、と2人で笑った後で、主人が言った。 「笑いの中に、殺意を感じたよ。消極的な殺意」 流石、勘が鋭いね。
携帯電話店に行った。
現在の携帯電話を使い始めて3年が過ぎた。 殆ど使う事は無いのだが、1度通話すると、その日のうちに充電しないと翌日には切れてしまうようになったので、電池を交換して貰う事にした。 店員さん曰く、 「綺麗に使って下さっているようで、有難うございます」 と……しかしそれ言葉の裏に、 「イマドキこんな機種使ってるとか(笑)しかも新品同様(笑)電話やメールくれる友達もいないのか(爆)」 という本音が隠れているように思えてならない私は、捻くれ者だろうか。 後で主人にそう訊いたら、 「うん、シオンは相当捻くれているよね……捻くれ過ぎて、ぐるりと一回転しちゃった感じ」 とよく判らない事を言われた。
電池交換だけで買い替えはしなかったが、今のところ、反応が遅くて苛々する事はあっても、どうにも困るほどのものではない。 それに、これよりも可愛い機種が売られていないのだ。 最近の携帯は、スタイリッシュ方面の物ばかりで、可愛いのが無い。 どれも角張って、スマートなのばかりで、詰まらない。 あらこれ一寸可愛いかも?と思って手に取ったら、高齢者向け携帯だったり。 世間の方向性は、どうやら私と逆を向いているらしい。
主人は主人で、薄くて軽い携帯が欲しいと言う。 以前はあったらしい。薄型携帯。 しかし主人が言う事には、どこぞの携帯評論家が「薄いのはキーが打ち難くて使い辛い」と言ったせいで、最近の主流は厚みのあるタイプになってしまったらしい。 「メールなんてそんなに使わないんだから、こっちには関係無いんだよ! 元の薄型主流に戻してくれ。重たいのは持ち歩きたくないんだ」 と主人は文句を言う。 嗚呼そうね、私達って、世間の流れから取り残されているのね。 ところで今回コース変更をして貰ったが、家族割引だか家族間通話無料だかというのは、自分で申告しなきゃならなかったのね。 NTTは不親切だと以前思ったが、同じところから派生したドコモもやっぱりそういう点で不親切だと思った。 だいたい、あんな複雑な料金プラン、表を見るのも嫌だっての。どのプランが1番お得かなんて、ど素人には区別付かないし、いちいち店舗に行くのも面倒だし、何を考えているのかねドコモは。 店員さんの態度はとても良かったのに、システムはまだまだだと思った。
録画予約を忘れて、観たかった映画を逃してしまった。 というのも、全て主人のせいである。 私がTVを見ていないと、「ゲームやっていい?」と訊いて来るのだ。 ゲームというのは、プレステ2である。 今時プレステは5ぐらいまで進化しているらしいが(嘘)、新しいの買う程の事でもないと言い、未だ2で遊んでいるのだ。 仕事から帰って来て、時には疲れた体に鞭打って晩飯を作り、妻に付き合って映画を観る主人に、少しは自由を与えてやらないとぐれるかも知れないと、甘い顔をして「いいよ」と言ったら最後、就寝までずっとゲームをやっている。 プレステの何が嫌って、セーブポイントまで終わらないという事。 そうだ、録画予約しなきゃ、と思った時にTVを占拠されていると、後でやらなきゃと思っていても忘れてしまう。 早く壊れればいいのに>プレステ
今日はゲーム禁止ね!と、夕食後は以前録画していたドラマを観た。 主人は一寸不満そうだが、貴方の大好きな小日向さんと池上さんが出ているからいいでしょ。 わうわうのドラマW「第三のミス〜まず石を投げよ〜」黒木瞳主演。 手術中の患者の死亡は、医療ミスなのか?というミステリー。 話は割と面白かった。話はね。 しかし黒木女史の演技って、今までちゃんと観た事が無かったけれど……もしかして下手? 下手だよね? CMにもよく出ていて、歳を取っても人気女優みたいな位置付けだけれど、演技が上滑りしている。 ひょっとすると、役柄が彼女に合っていなかっただけかも知れないが。
ドラマW、見た数はまだ少ないが、結構面白い。 「蛇のひと」も「一応の推定」も良かった。特に後者は、柄本さんがいい味出している。 しかし連続ドラマの方は、殆ど観ていない……途中で飽きるのだ。 「空飛ぶタイヤ」などは結構評判がいいらしいけれど、1回目で挫折した。 仲村トオルが怒鳴っている印象しか残っていない。誰かが怒鳴り続けるという場面が苦手なのかも、私。 自分が怒鳴る分にはいいのだけれど。矛盾してる?
2010年05月27日(木) |
ドラマ「チェイス〜国税査察官〜」 |
録画していたのを、やっと観終わった。 最近地上波ドラマは殆ど観ていないが、これは割と楽しみに観ていた。 税金を支払わずに済むように腐心する金持ち達と、そんな連中から如何に税金を徴収するかという国税査察官組との戦いなのだが、「マルサの女」のような軽いノリではなかった。 税金と経済の話中心なので、社会科が苦手な私には、何が何だか。 しかも横文字が多い。題名からして横文字だし。 スキームって何だっけ……むかーし昔の英単語の記憶を手繰り寄せる。確か、「枠組み」だっけ? そんな感じで考えているうちに、どんどん話が進んで行く。待って、置いてかないでー。
観終わっても、何だかよく判らなかった。 というのも、あれ?あれ?と最後まで解決されない疑問が多かったからである。私だけかね。 江口洋介演じる査察官の娘って、未成年だよね? 保護者の同意無き未成年の商取引って、後から無かった事に出来るんじゃなかったっけ? 親の金を勝手に持ち出したなら尚更じゃないのか? 外国で生まれた子供に相続させて税金を逃れるという所までは理解出来たが、その先の、名義変更だけで所有権を移転させるって可能なの? それもまた外国だから、相続税はかからないの? 誰か教えてー。 結局、痒い所に手が届かないままに終わってしまったドラマだった。
調べたところ、NHKオリジナルらしい。 原作本があれば、それを読んで補足する事も出来るのだが、オリジナルではそうも行かないので残念。
面白かったは面白かったが、結構苛々した。 春馬査察官の鈍感さに苛々。 その娘の反抗期っぷりに苛々。 一文無しになったら途端に実家に戻って父親と和解するとか、キャッシュ(現金)過ぎんだろ、このゆとり……。 全体的に解説が判り難くて苛々。 爆発シーンでは、嗚呼、お金が燃えちゃうよ!とやきもき。
最終回で全貌がわかると期待していただけに、がっかり感も大きかったなあと。 「脱税請負人vs国税査察官」だけでは話が詰まらないと思ったからなのか、請負人の過去を絡めて描いたため、風呂敷を広げ過ぎてどうにも収拾が付かなくなってしまったようであった。 面白かっただけに、残念。
2010年05月26日(水) |
映画「少年メリケンサック」 |
世間では持て囃されている宮藤官九郎だが、私は余り好きではない。 一昨年のTVドラマ「流星の絆」がクソだったからだ。 あれは悪ふざけにも程がある。 嗚呼この人は、他人の作品に手を加えるより、オリジナルを作った方が向いているだろうな、と思った。
で、クドカン・オリジナルの「少年メリケンサック」を観た。 私は全然観る気無かったのに、わうわうで放送されると知った主人が観たいと言い、録画しておいたのだ。 食わず嫌いは良くないと、先日の「鴨川ホルモー」で学習したばかりなので、一緒に観てみた。 嫌なら途中で脱落したらいいんだし。
これが、案外面白かった。 酒を片手に観たからかも知れないが、結構笑えた。 話自体は馬鹿馬鹿しいし、感動する話でもない。 でも、私の好きな下らない小ネタが鏤められているのは、私にとってポイント高い。 佐藤浩市は二枚目俳優で通している(顔は私好みじゃないけれど、世間の評価はそうなのでしょ)のにお腹が弛んでいて、嗚呼この人も普通の中年なんだと安心したし。 それに、宮崎あおい。 「篤姫」の演技も私は好きではなかったし、どっちかと言うと不細工風味なのに、何故この子が人気が高いのか、不思議であった。 でもこの映画を観て、初めて彼女を可愛いと思った。 主人も同感だったらしい。 宮崎あおいの魅力を存分に惹き出した、彼女のための映画だったのかも。
ところで、劇中登場するスターTELYA役、私はてっきり阿部サダヲだとばっかり思っていたのに、田辺誠一だったとは。 あの人、お化粧似合わないのね……ちっともいい男じゃなくなってしまっているし。 わざと三流感を演出したのかも知れないが、それならいっそ、はじめから阿部サダヲで良かったのではないだろうかと思った。
どこに行っても煙草臭いのは、勘弁して欲しい。 先日など、スーパーのレジ打ち係が酷く臭かった。 休憩で一服して、すぐに仕事に入ったのだろう。 煙草飲み本人は鈍感だから判らないのだろうが、こちらは煙草嫌いなだけに鼻が利く。 早速、お客様相談室とやらに投稿しておいた。 数日後、同じスーパーに行ったら、偶々同じ人のレジに当たってしまったが、まだヤニ臭かった。 ただ、先日の吸いたての匂いとは違っていた。 あれは相当吸う人なのだろう、体に匂いが染み付いてしまっているようだ。 主婦のパートと思われるが、あれじゃ家の中も相当煙草臭いだろうな。 きっと子供も同じ匂いがするのだろう。 家族が家の中でガンガン喫煙する家庭の子供は、やはり煙草臭いものだ。 子供から煙草の匂いがするって、相当吃驚だけれど、実際に存在するからな。
隣近所には、医院が多い。 窓を開けると、送迎の家族だろう、駐車場で煙草を吸いながら待っていたりするので、本当に迷惑だ。 車の窓を閉めて、密室状態で吸って欲しいものである。 この間など、車の外で煙草を吸って、その吸殻を側溝に捨てているジジイもいた。 死ね。とっとと死ね。
ジジイだけではない、ババアも吸う。 一見普通の田舎のばあちゃんなのに、手押し車を路肩に停めて、縁石に腰を下ろして一服しているのを散歩中に見た時は、なんつーかもう。 しかも、吸殻は漏れなく側溝に。 吸殻だけではなく、手にしていたその他のごみまで一緒に、蓋の間から中に押し込めていた。 ……そんな所にごみ捨てるとか、最悪。 通りすがりに思わず、口から出ていた。 ババアはきょとんとしていたが、私はごみを見るような目付きでババアを見返した。
そんなジジババがいるから、当然その子供世代も推して知るべし。 主人の通勤コースに、とある会社がある。 そこを通ると、かなりの確率でそこの会社員に遭遇するが、その殆どが歩き煙草。 しかも会社に入る前に、吸殻を会社前の側溝にポイするのだそうだ。
どんだけ民度低いんだよ。 もう嫌だ、こんな土地。
期限の迫ったポイントがあったので、交換する事にした。 直接交換出来る景品の中には、余り欲しい物は無かったので、カタログで頼む事にした。
カタログって楽しい。 アクセサリー、鞄、食器……目移りして困る。 カタログ見本の中に、洋服にも和服にも合いそうな素敵な鞄があったのだが、残念ながらそれは1ランク上のカタログであった。ゲットするにはポイントが少し足りず。 まあネットで探せばいいや、と買う気満々で検索したのだが、
無い。
涙を呑んだのだった。 まあいいや、欲しい物ばかり買っていたら、お金がもたないもんな。 カタログも、欲しい物より必要な物優先で選ぶ事にした。 必要な物……1泊用のボストン鞄かな。ボロくなって捨ててしまったから、新しいのを買わねばと思っていたのだ。 でも、それは私しか使わない。 主人の稼ぎで溜めた主人のポイントだ。 2人で使えるような物にしないと。 私は、インテリアの小物でもいいかなと思ったのだが、主人の意見も聞いてみよう。 まあ、いつも通り、彼が選ぶのは食べ物と決まっているのだけれど。 カタログを見せて訊いてみたら、案の定、彼が挙げた候補は全て食べ物だった。 チョコレート、肉、中華……どれにしようか。 「宮崎牛にしよう。口蹄疫のせいで、口に入るのはこれが最後かも知れないよ」 と主人が言うので、第1候補は宮崎牛しゃぶしゃぶ肉にした。 宮崎牛が駄目だった場合の第2候補は、私の物にしていいよと言われたので、ボストン鞄を指定。 どっちが来るか判らないけれど、届くのが楽しみだ。
前述の、スーパーで見掛けた客の嫌な素行に関して、主人に愚痴を言ったその夜の事。 多分関連があるのだろう、嫌な夢を見た。 嫌というか、恐怖だった。
私はスーパーの雑誌コーナーで立ち読みをしていた。 対面時の雑誌立てなので、雑誌立てを挟んで向かいにも人がいる。 あれは明らかに普通の人とは違うなあ、若い女の子なのにと思って雑誌に目を落としたその時、ふっと向かいにいた筈の少女が消えた。 あれ?と思って顔を上げると、その少女は、私の左真横にいた。 一瞬で高速移動したのか! 驚いた私は、思わず右に跳び退った。 彼女の手には、チェーンソーが握られていた。 白い刃は回転はしていなかったが、私をびびらせるには充分だ。 そこでナレーションとともに映像が流れた。 床に夥しい量の血が、チェーンソーで半分に切断された人間の体から流れ出ており、被害に遭ったのは太った中年女性で、その場に居合わせただけの客であったという。 女性は一命は取り留めたものの、現在も半身不随、加害少女は刑法39条により無罪放免になったという話だった。 何でそんな危険人物が野放しにされてるのさ! 少女はチェーンソーを持って私を追いかけて来る。 こっち来んな!
という、実に疲れる夢であった。 腰の上で体を切断されたのに死なないというのも不思議だが、まあ夢だから。 こんな話をすると障害者団体から猛抗議されそうだが、所詮夢の話だし、所詮は夢でも私は怖かったので仕方ない。第一、見たくて見た訳じゃなし、私に責任は無かろう。 目覚めた序でにトイレに行って、からからに渇いた口を水で潤して寝床に戻ってからも、怖さは完全には消えなかった。 このまま眠って、悪夢の続きを見たらどうしよう。 そんな事を思っていたら、また怖くなって来たので、主人に抱き着いた。 「ねえねえ、怖い夢見たの」 主人はよしよしと頭を撫でてくれて、指でくるくると私のおでこを撫でた。 くるくる……ん? 「なんて書いたの?『んち』しか判らなかったんだけれど」 「うんち」 うんち!? なんでうんち? 返事は無かったが、うひゃひゃと笑ってしまった。
翌朝、主人に訊いてみた。 「ね、昨夜、わたしのおでこに『うんこ』って書いたの、覚えてる?」 「違う。『うんこ』じゃなくて『うんち』」 覚えているという事は、寝惚けていたんじゃないのか。 「何故うんちなのっ」 「シオンがうんちなら、臭いから怖い夢も寄って来ないよ、って」 あれは、『私=うんち』という意味だったのか……。 微妙な気分になったが、確かにあの後怖い夢は見なかったな。 もしかしてそのマジナイ、効いたのか!?
お手頃価格で美味しい果物があるので、車で行くスーパーだけではなく、徒歩圏内のスーパーも結構利用している。
ある日、そのスーパーに行くと、他の客が目に付いた。 普通のお客とは違う、一種異様な雰囲気。 知的或いは精神障害者だと思われた。 それだけなら別にいいのだが、その客、豆腐売り場で、
陳列された商品を端から1つずつ、 指でぷにぷに確認していた。
何を確認していたのかは判らない。 それがお豆腐だけなら、百歩譲って、鮮度を調べていたのかも知れないと思えない事も無いが、豆腐→油揚げ→がんも→と渡り歩いているのはアウトだろう。 それって、子供ですら許せない行為である。 見ず知らずの他所の子供がやっていたら、 「買わないんなら触るんじゃないよっ」 と迷わず注意するだろう。 しかし相手は大人。中身は兎も角。 どんな反応が返って来るか、私には未知の領域である。 うへぇ……と思いつつ、見守る事しか出来なかった。 そういう時に限って、近くに店員いないし。 でもバイトの女の子じゃあ、どうにも出来ないかなあ。 勿論犯罪ではないけれど、他のお客には不愉快である。 少なくとも、私はもうここで豆腐類を買う気にはなれなかった。
それ以来、他所で買った豆腐でも、パッケージごと洗ってからでないと、開封出来なくなってしまった。 案外繊細なのね、私。
また硝子製品が1つ消えた。 今度はデザート用の器。 これは結婚した時に、実家の納戸に眠っていたのを、親から貰って来た物だ。 どこかからの頂き物だそうで、家に来てからは毎日のように活躍していたため、壊れてしまうとちょっとしょっく。 2人家族なのに3個セットだったから、困る事は無いのだけれど。 今回は床に落とした訳ではなく、洗い物をしていた時に他の食器にぶつけてしまい、結構大きな罅が入ってしまった。 私がしょぼんとしていると、主人があーあと言い、 「シオン、最近よく物を壊すよねえ」 と余計な事を口走ったので、物凄くカチンと来て、言い返した。 「はあ? そりゃ貴方と違って、私は全部洗って棚に仕舞うまでが仕事なもんで、食器に触れている時間が永うございますからね。割る確率だって貴方と比べたら高くなるのは当然じゃないの? 算数苦手なの? 頭弱いの?」 「そうじゃなくて、シオンは物の扱いが乱暴だから……」 「へえそう、私のせいだって事ね。じゃあ貴方が食器洗って、見本見せてよ。言っておくけれど、ちゃんと汚れを落とさないと意味が無いんだからね? 勿論、目が悪いからよく見えなかったとか言う言い訳は無しよ。さあどうぞ!」 捲くし立てているうちにヒートアップしてムカついたので、スポンジを流しに叩き付けようとしたその時、主人が口を開いた。 「駄目〜。お皿洗うのはシオンの仕事☆ だって洗い物嫌いなんだもん……」 上目遣いでこっちを見る。 ……。
可愛いんですけどー!
「反則! 50近いおっさんが可愛い振りして、ずるいぞ! そうやって私の怒りを殺ごうという腹積もりなんだろ! そうはイカの[ピー]」 「やめなさい、そんなの女性が口にする言葉じゃありません! てか可愛いってなんだよ、そんなの意識して出来る訳無いでしょ」 えっじゃあ、無意識に可愛い仕草をしているのか! 正確には、私が可愛いと思う仕草だが。 しかしそれで結果的に私の攻撃を躱しているという事は、自然に身に着けた技なのか。 それはそれで、防衛本能って凄いと思った。
そもそも引越しなんて嫌だったのよ。 良かったのは、持ち物を整理して、不用品を処分出来た事ぐらい。 夏は暑いらしいし、今から憂鬱。
私自身、田舎生まれの田舎育ちだから、都会じゃないのは別にいいのだけれど、民度が低いのはとても気になる。 まず、どこに行っても煙草臭いのだ。 4月のはじめ、運転免許証の住所変更のために、警察署に行った時点でげんなりした。 警察署の中が、煙草臭い。 大都市ではないので小さな建物で、係の警察官が手続きしている間、私は大部屋の入り口付近の長椅子に腰掛けて待っていたのだが、どこからか煙草の匂いがするのだ。 流石に今の時代、公的機関は建物内分煙の筈だが……と思って部屋の中を見渡してみても、誰も吸っている様子は無い。 ではどこから漂って来るのだ? 首を回して後ろを見ると、入り口ドアが全開になっており、そのすぐ脇に喫煙所が設けられているのが硝子越しに見えた。
意味ねええええ
喫煙所にドア付けろよ、ボケが!と舌打ちしながらドアを勢い良く閉めた。 誰も気にしないという事は、ここにいる全員喫煙者なのか、この状態が当たり前という事なのだろうな、とげんなりした。 住所変更して貰い、一応確認のために免許証を裏返してみると、
一文字抜けてるし
その場で指摘して直して貰ったが、そのもたもたしてやる気の無さそうな様子から、担当者が能無しなのが見て取れた。 何で自分で書いた物を確認しないの? 何でそんなに時間かかるの? アンタ馬鹿でしょ? と言いたいのを堪えて、まだ漂う煙草臭にも耐えながら、出来上がりを待った。 今度は間違ってはいなかったが、字が汚いし。 やっぱ馬鹿だろ、こいつ。 こういうのが、税金泥棒って言うんだよ。
警察署だけではなく、飲食店まで煙草臭いのだ。 一歩踏み込んだ途端、その匂いに辟易して、注文せずに踵を返した事だって、1度や2度ではない。 健康増進法で受動喫煙の防止という項目が設けられているが、所詮努力義務に過ぎないのだ。 外国人参政権より、全面分煙or禁煙の義務化を法案にして通して欲しいんだけれど。 酷い店だと、店主が客席でぷかあ〜と煙草をふかしていて、私が入り口ドアを開けたら、慌てて起き上がって煙草を揉み消していた。 勿論、私がそんな煙草臭い所で飯を食う筈も無く、そのままドアを閉めて他に行ったけれど。 寿司屋の店主が外で煙草吸っている店もあったなあ。勿論店には入っていないし、その様子を見かけただけだけれど、後でネットの口コミを見たら、評価が凄かった。 何でも、客の目の前で大将とおかみさんが喧嘩を始めたとか。どんなショーだよ全く(笑)。
ショーと言えば、煙草臭くはなかったし、味も良かったが、2度と行かねと思った店。 蕎麦が苦手な私でもアラ美味しいと思って食べていたのに、店主らしきジジイがウザい事、この上なし。 自分で仕切りたいタイプなんだろうな、ジジイだし、いちいち客に品物を勧めるのは、田舎のおっちゃんらしくて微笑ましいと思えない事も無いのだが、歳取ったパートさんに対する態度が酷かった。 「一寸、○○さん、これ早く片付けて!」 とか 「○○さん、お客さんが待ってるでしょうが、全く!」 とか、飯が不味くなるから指導はバックヤードでやれや!と怒鳴ってやろうかと思ったぐらい。 ただ、蕎麦は良かったから、あのジジイが死んだ頃に食べに行こうかね。 ジジイの城が死後も残っていたらの話だが。
6月から高速道路料金を最高でも2,000円にする!とか言っていたくせに、
前原国交相が前言撤回。
期待させておいて、それはないわ。 今更断念しましたとか、あっさり言わないでよ〜がっかりだわ。 小沢の圧力に屈したとか、色々と言われているけれど、そんなの知るもんですか。 次の選挙で落ちちゃえばいいのに、前原も小沢も。
言っておくが、私は高速無料化には反対である。 ただ、一寸安くなるといいなあと思っているだけなのだ。 通院の度に、交通費だけで往復で5,000円以上かかるのは、一寸きつい。 持っていないからETC割引とか関係ないし。 そもそも通院は平日だし。 というか、お仕事で高速道路を使う人に配慮があってもいいとは思うけれど、レジャー目的の高速利用者を優遇する必要は無いと思うのね。 寧ろ、公共交通機関の利用を促進すべし。 私だって本当は、電車かバスで通院したいのだが、病院が自動車通院前提としか思えない場所にあるため、仕方なく高速を飛ばして通っているのだ。 というか、引越しと同時に近場の病院を紹介して欲しかったのに、その辺りだと漢方医がいないんだよねーとか言われるんだもの、ホント困るわ。 せめて皮膚科と歯医者は、今の治療が一段落したら、近場の医院を紹介して貰わないと!
決心した。 蒸し暑くなる前に、今日こそ、ピアノを動かすぞ!
主人と意見がぶつかったので、彼の意見を優先させたのだが、やはり電子ピアノは居間の隣の部屋に置きたい。 そして、いずれは居間との境の引き戸を取っ払って、1つの部屋として広く使いたい。 んで、ここをミシン部屋にするんだ〜♪ というのが私の目論見。 その第一歩として、ピアノを動かさねばならない。 先日は失敗した。うちのピアノは側面を下にしないと、現在置いてある部屋のドアを通れないのだ。 くっそー、こんな面倒な事になるのなら、やはり私の思い通りの配置にすれば良かった。 それでも主人に譲ってしまったのは、私が我を通した結果不都合が生じた時に、彼に「それ見た事か」という顔をされるのが非常に嫌だったからに他ならない。 ムカつくし、悔しいのよ!
で、頑張ってみた。 使い古しのバスタオルを床に敷き、コードを挟まぬように気を付けながら、タオルの上にピアノを倒す。 持ち上げるのは大変だが、床の摩擦係数が小さいので、横から力を加えれば、ピアノは動く。 塩ビ床なら無理だった技が、本物のフローリングのお蔭で使えた訳だ。 よいしょよいしょと引き摺りつつ、ドアにぶつからないように廊下に押し出し、ずるずると居間に出る。 そこでよいしょと天地を元に戻し、居間の隣の部屋にずるずると押す。 部屋の隅に設置して、床掃除をしたら、オシマイ。 頑張ったよ、私!
夕方、帰宅した主人は驚いていた。 「シオン、1人でこれ動かしたの……大丈夫だった?」 「うん、頑張ったの! でね、腕を酷使したので今日はもう力が入らなくて、お願いしたい事が……」 という訳で、晩御飯は主人に作って貰ったのだった。ワーイ♪
最近の若い世代の女優やモデルは、見た目がたいした事無いのが多いと思う。 宮崎あおいとか、新垣結衣とか、蒼井優とか。 特に新垣結衣嬢は、演技力も酷かった。せめて女優を名乗るのなら、もう一寸何とかしないと。 最近のスターは、一般人でも手が届きそうなのが良いとされるそうだが、私の意見では、オードリー・ヘプバーンのような、一般人とはまるでかけ離れた別世界の住人のような、溜息が出るほどの美貌の人じゃないと、見ている方としてはつまらないと思うのだ。
とは言え、日本の芸能界にも、山田優嬢のような、嗚呼あの顔いいなあと見惚れてしまう女性はいる。 少し前のエビちゃんも良かった。 女優さんだと、常盤貴子(この人は個人的には余り好きな顔じゃないけれど)や鈴木杏樹や石原さとみのように、顔はいいのだけれど体型が微妙な女性もいるが、モデル出身ならスタイルも良くて羨ましい。 TVで見る山田優ちゃんが美しいので、 「いいなあ。私もあんな顔だったら、人生違っていただろうなあ」 と呟いたところ、 「そうか……シオンは今の人生に不満なのだな」 と主人に言われてしまった。 いや、不満と言うよりは、別の人生もあったのではないだろうかと。 「でも、シオンはシオンだからいいんだよ」 と主人の口から有難いお言葉が出たと思ったら、続きがあった。 「シオンがとびきりの美貌の人だったら、天狗になり過ぎて、手に負えなくなるよ。かと言って不細工だったら、今度は逆に卑屈になるから、今ぐらいが丁度いいんだって」 「……」 何だかとっても、納得した。 「でも、シオンが山田優みたいな顔だったら、結婚しなかったかもな」 「腰が引けちゃうから?」 「いや、あの顔、好きじゃないから」 えええええ〜〜〜〜〜? 理由を訊いても、よく判らないけれど苦手だと言う。 私ゃ、そっちの方に吃驚だよ。
2010年05月16日(日) |
大人の修学旅行その2 3日目 |
楽しかった修学旅行も、本日が最終日。 朝から、数年振りの宿酔いである。 ……昨夜は2時まで飲んでたからなあ。 結婚相手の事やら、年度末で退職した仕事の事、旧友達の事、色んな話で盛り上がった。 彼女は結婚したら、向こうの親と即同居するらしい。 働かなくてもいいから、親と一緒にいてやってくれと言われたらしい。歳だし、日中1人にしておくのが色々と心配のようだ。 彼女も真面目な性格なので、余り無理するなよ、嫁には介護の義務なんて無いんだからね、と言っておいた。 幾らいい姑でも、ずっと一緒にいたら息が詰まらないのだろうか。 結婚して最初のうちは、色々と無理してしまうものなのよ。花嫁なんて皆ドリーマーなんだから。 次第に冷静になって現実が見えた時、どう判断して行動するかは、その人次第だが。 何かあったら相談して欲しいな。勿論何も無いといいけれど。
朝食を摂ってから、彼女の車で隣町へ行った。 ショッピング・センターで地元のお土産を買ったら、お昼の時間になった。 ……私も引っ越して来たばかりで、どこに何があるかよくわからないため、取り敢えず、駅の近くなら何かあるだろうからそこに行こうという事に。 一番確実なのは、ホテルのレストランだ。 駅の近くなら、それなりのホテルがあるだろうという判断に基づいての事だったが、駅前駐車場で車を降りて吃驚。 駅前が、ゴースト・タウン化しとる……! 自宅付近も駅前なのに人がいないと思ったが、隣町は更に激しかった。 文字通り、人っ子一人いないのだ。 「アイアム・レジェンド」ごっこが出来るレベル。 1人だったらどうしようかと本気で思っただろうが、2人なら心強い。 歩き始めてすぐ、一軒目のホテルを発見した。 しかし、電気が点いていない&エスカレーターが動いていない……これ、階段じゃないよね? 上ってみる勇気も無く、次行ってみよー。 途中で居酒屋のランチでもいいかと妥協しかけたが、チェーン店のものなら多分、全国何処でも一緒だろうし、高が知れている。 暫く歩くと、駅前商店街の終着点付近に、もう1軒ホテルがあった。 ここは一応営業中らしい。 ドキドキしながら中に入って行くと、人がいたので一安心。 しかしお客は我々2人だけ。 本格的に腹が減って来たので、ここで昼食を頼んだ。 味は悪くなかったので、まあいいだろう。
そこでまた一頻りお喋りをした後、駅まで戻って、彼女は車で実家へ、私は電車で自宅へと別れた。 嗚呼、楽しい3日間だった! やっぱり気心の知れた友人っていいね。
2010年05月15日(土) |
大人の修学旅行その2 2日目 |
お宿は、他に宿泊者いないの?というぐらい空いていた。 翌朝、朝食会場で2、3組見掛けたので、我々だけじゃなくて良かったと思ったが、それでも少ない。 綺麗な割りにお手頃価格だし、結構いいお宿だと思うのだけれど、やはり不景気なのかしら。 潰れないといいなあ、と思った。
美味しい料理とお風呂を堪能して、2日目は神社仏閣巡り。一応修学旅行なので、それらしい事もしないと。 入場料は無料。先日、仲人さん宅で、無料券を頂いてしまったのだ。早速使えてラッキー♪ 新婚さんの頃に主人に連れて来て貰ったが、あまりよく覚えていないのだ。元々こういうのに興味が無いのかも知れない。 新緑の頃で、緑が綺麗だ。桜もまだ、ちらほらと残っている。満開の頃ならどんなに美しいだろう。 外国人観光客もいた。皆、手に写真機を持っている。 ……そういや私、デジカメ忘れて来たわ。荷物を最小限に纏める事しか考えておらず、そこまで気が回らなかった。 この頃の携帯電話にはかなり高度な写真機能が付いているが、私の携帯は今時700番台シリーズ。写真機能はかなりしょぼい。 その代わり、友人が写真を撮ってくれた。 私の鐘撞き写真を。 お金を払うと、鐘を撞いてお願い事を出来るシステムがあったのだ。 「一攫千金」や「世界征服」だと、きっとカミサマに却下されるだろうと思ったので、散々迷った末に、「みんな健康に長生き出来ますように」とお願いした。無難過ぎただろうか。 結構きつい坂を上り下りして、途中で昼食を摂って2箇所回った後、再び車に乗って我が家へ向かった。
自宅ではお茶をしながら、先日録画した「ガラ・コンサート・イン・ワルシャワ」を鑑賞。 大好きなピアニストが二重顎になっていて、2人ともショックを受ける。 でも演奏は超一流! 他の大御所ピアニストが、見事に霞んでしまうほど。 これはDVDに焼いて、永久保存版にしないと! 聴いていて、やはりショパンはいいと思った。 うちの主人と聴いても、反応がイマイチなのよね。あの人、そもそもピアノに興味無いから。 なので、専門教育を受けた友人のコメントは、勉強になる。 私は学が無いので、うっとりと聴くだけだが、彼女の話を聞くと、嗚呼そうなのかーと面白い。 いつかまた、2人で生演奏を聴きに行きたいねえ。
2010年05月14日(金) |
大人の修学旅行その2 1日目 |
朝、主人を送り出してから、掃除と部屋の片付けと掃除を済ませ、電車に飛び乗った。 駅で落ち合って、近況報告をしながらお昼を食べた後、友人の車で温泉地へ。 持ち込みOKとの情報を得ていたので、途中でスーパーに寄って、酒とつまみを買うのも抜かり無く。 宿に到着して、お茶菓子を食べながら昔話に花が咲く。 「そう言えばA君、今、大変らしいよ」 A君というのは、我々共通の学生時代の友人なのだが、彼女は今でも時々メールを交換しているという。 そういや彼は元気なのかね、と訊くと、元気無いみたいよとの返事が返って来た。
大学院を出て某省庁に就職したものの、数年で退職、その後はアルバイトで食い繋ぎ、家庭を持って再就職したと思ったら、リーマン・ショックの煽りを受けて失職したとの事。 そりゃ、大変だわ……。 「最初の仕事、辞めなきゃ良かったのに……馬鹿だなー」 「ホントそうだよね。何も辞める事無かったのに。折角公務員になったのにさー」 他人事ながら、馬鹿だ、勿体無いと惜しんでしまう。 彼には彼なりの思いがあって辞めたのはわかるが、その判断が正しかったとは、我々にはとても思えない。 「そうだ、シオンちゃん、メールしてみる?」 と言われたので、彼女の携帯を借りて、ちんたらメールを打ってみた。 (普段携帯でメールなど殆どしないため、打つのに時間がかかるのだ) [久し振り。お元気ですか。今ぽんちゃんと一緒にいます。シオン] すぐに返事が来た。 [おお、秋さん久し振りです。結婚して苗字が変わったと、山さんから聞きました。今ふたり一緒にいるって、どうしたの?] 失業者相手に「温泉に遊びに来た」と優雅な事を言うのもどうかと思ったが、嘘を吐いても仕方が無い。 [今、温泉にいます。大人の修学旅行ってやつ。私は秋姓から春に変わりましたが、ぽんちゃんも苗字が変わるよ。山さんじゃなくて川さんになるそうです] てか、ぽんちゃん、結婚の事A君に話していなかったのかよ。 「そう言えば、まだ言っていなかったね」 と彼女。親しい人にしか報告していないらしい。 でも私、引っ越しました葉書を学生時代の友人に出す際、ぽんちゃんの結婚も吹聴しちゃったわ……情報漏洩してごめん。 送信の仕方がイマイチわからなかったので、いちいちやりとりを見せて送信して貰っていたが、彼女は「大人の修学旅行」という言葉が気に入ったらしい。 「いいねえ、これ。使わせて貰うわ」 と言っていた。 大本はどこか知らないが、うちの主人が使っていたのよー。
つーかA君、早く仕事見付かるといいね……。 嗚呼、どうして最初の仕事を(以下無限ループ)
2010年05月13日(木) |
バチェラー?パーティー |
急な話だけれど、
お友達が遊びに来る事になりました!ワーイ♪
恐らく独身最後の旅行になるのかなあ。 ストリッパーは呼ばないけれど、バチェラー・パーティーみたいなノリで。 週末、うちの主人は2泊3日でお出掛け。 その間、友達と温泉行って、うちに泊まって、こちらも2泊3日の日程でお出掛けするのだ。 うちに2泊でもいいかなとも思ったのだが、2泊しても見るべき所は無いし、土曜日の午後にならないと駐車スペースが空かないので、1日目は街中に行ってどこかに泊まる事にした。 最初は街中のホテルにしようかと思ったのだが、お稽古仲間に相談したら、温泉にしなよと言う。 温泉かあ……それもいいな。 大きいホテルだと団体客が煩いし、隠れ家的な宿だと結構なお値段がする。 どこにしようかなあと思っていたら、その人が「ここが良かった」という宿を勧めてくれた。 大き過ぎず、お手頃価格だったので、そこに予約を入れた。 嗚呼楽しみ。
お稽古仲間とはお茶をして、沢山お喋りをして別れた。 普段、人とこんなにお話しをする事なんて無いので、楽しかったー!
買い物に行ったら、スーパーで尿意を覚えたので、トイレに入った。 用を足して個室のドアを開けると、私とほぼ同時に誰かが個室から出た模様。 手洗い場でぶつかるかな、と思っていたら、その人物は何の水音もさせずにさっさとトイレから出て行ってしまった……。
後姿をチラッと見ただけだったが、子供だった。
私は手を洗ってから、店内に戻った。 顔は見ていないが、服装は覚えている。 目で探すと、その子は遠くない場所にいたが、私が近付くと何故か逃げる。 走って捕まえるのもどうかと思ったので、「一寸待って」と声をかけた。 彼女は素直に呼びかけに応じ、立ち止まってこちらを見た。 いつもの詰問調にならないように気を付けながら、なるべく優しく言ってみた。(努力するほどの事なのか) 「ね、貴女、さっきトイレにいたよね」 「はい」 「でも手を洗わなかったでしょう? 戻ってちゃんと洗ってらっしゃいな」 トイレの後で手を洗わないのは駄目だという事は判っているようで、彼女はばつが悪そうに俯いて、小さく「はい」と返事をすると、小走りにトイレに戻って行った。
何年か前に、TVで見た男子トイレの映像を思い出した。 あれはアメリカだったと記憶しているが、トイレで用を済ませた後、水場をスルーして手を洗わない人、しかも大人が、実際に半数ほどいたのだ。 手を洗って拭くという動作が、面倒臭いらしい。 ……男性なら余計に手を洗って欲しいのだけれど。水だけではなく、石鹸でごしごしと。 ああいうのは、教育によるのだろうなあ、自分は良くても他人には迷惑だし、逆の立場を考えたら洗うべきだと考えないとはなんという想像力の欠如だろう、と思ったものだった。 私がスーパーで見かけた子供は小学校中学年ぐらいの年頃だったが、悪い事だと判っていて、どうして洗わなかったのだろう。 面倒だったからだというなら問題だが、後ろの個室から私が出て来たために吃驚したのかも知れない。 でも世の中の親達にはお願い。 トイレの後には必ず手を洗うように躾けてね!
主人とスーパー・マーケットに、買い物に出掛けた。 服なら兎も角、食品売り場でウィンドウ・ショッピングはしない私。 それに対して彼は、あれこれ見て回るのが大好きで、デパ地下なども滞在時間が永いため、一緒にいると私は疲れてしまう。 今日も私は目当ての物を買ったらさっさと帰るつもりだったのだが、主人が魚を買った後も肉売り場を見て、お惣菜コーナーでも足を止めていた。 「これ美味しそう」 と主人がお惣菜を差して言うので、私は心の中でやれやれと溜息を吐いた。 「今日はもう買ったでしょ。そんなに色々と見ていたら目移りするし、次々買っていたら食べ切れないでしょ」 「食べ切れるもん、大丈夫だよ」 と口を尖らせる主人。子供か。 勿論却下である。 「そんな事言ってるから、いつまで経っても痩せないのよ!」 そう言い捨てて私がさっさと歩き出すと、シオン、自分が思うように痩せないからって、人に当たっちゃ駄目だぞう〜などと言いながら主人が付いて来る。ムカつく……! 「ほら、馬鹿な事言っていないで、豆乳とヨーグルト買って帰るよ」 と乳製品売り場に行くと、売り子さんが試食を配っていた。 「美味しいチーズですよ、どうぞ〜」 主人が取ってくれたので、私も食べてみた。 「まあまあ美味しいね。モッツァレラか」 と御馳走様をしてその場を離れると、売り子のおばちゃんが次のお客に試食品を手渡しながら言っているのが聞こえた。 「美味しいモッツァル…チーズですよ〜」
モッツァル・チーズ? 思わず振り向いてしまった。 主人の袖を引っ張る。 「今の、聞いた?」 「うん……」 その後もおばちゃんは、1度も正確な商品名を言う事が無かった。 「違う! モッツァルじゃなくてモッツァレラ!」 と少し離れた場所で突っ込みを入れる主人に、そんなに気になるならおばちゃんに言って来なよ……と勧めたのだが、それは嫌だと言う。 「どうして自分の目の前にある商品名を、ちゃんと読まないんだろう」 「うーん、多分片仮名が苦手なんだよ……だって、モッツァル・チーズと言い切らずに、モッツァルと言った後にゴニョゴニョとなんか言い淀んでいたもの」 と会話を交わしている間も、おばちゃんはずっと「美味しいモッツァル…チーズですよ、どうぞ〜」と言っていた。 嗚呼、気になる……。 そう呟いたら、シオンが言って来りゃいいじゃんと主人に言われた。 でも私も嫌よ。 人が少ない時間帯なら兎も角、引っ切り無しに客が試食しているその場で指摘する勇気は、流石に無いかなー。
久し振りのゲームに熱中していたら、後ろで主人が、 「シオンが悪魔と交信している……怖いよう」 と怯えた。 どうやら、熱中し過ぎて、「チッ、クソったれ」とか「死ねよバカが」とか、顔に似合わぬ台詞を口走っていたらしい。 ごめん、集中し過ぎて気付かなかったよ! 今のナシね!と言ったのに、 「シオンが、シオンが悪魔になっちゃうよう。あ、元からか☆」 ……なんかムカつくわあ。
主人と遠出した。 テーマパークと言うのかな、展示があったり、乗り物があったりする広い所に連れて行って貰った。 長い通路はひんやりしていて、夏はここに住みたいと思うほど。 涼しい所から外に出たら、とても暑く感じられた。
建物の外の、少し山になっている所には、スライダーとかいう乗り物コーナーがあった。 乗り物いいなあと思って見ていたら、子供だけじゃなくて、家庭のお父さんらしき人も乗っているではないか。 大人も乗っていいんだ!と思うと、何だか嬉しくなってうずうずしたので、主人にねだってみた。 「ねえねえ、あれ乗っていい?」 いいよと許可を貰ったので手荷物は主人に預け、500円玉を握り締めて受付に向かった。 リフトに乗って、山の上へ向かう。 最後にスキーでリフトに乗ったのは、いつだったろう。 リフトに乗るのも久し振りだが、雪の無い所でリフトに乗るのは初めてで、一寸緊張した。 何しろ、スキーを履いていないので、足の下が滑らないのだ。転ばないように気を付けなければならない。 終点に着くと、携帯で主人に電話した。 「今から降りるから、写真撮ってね!」 私は普段メールも電話も殆どしないため、携帯電話の扱いに慣れていない。未だにどこに何の機能が眠っているのか、把握出来ていないのだ。 そんな次第でモタモタしていると、私の後方のリフトに乗っていた子供が到着してしまったので、慌てて橇へと走る。 係員のお兄さんからブレーキなどの操作方法の説明を受け、ドキドキしながら橇に乗った。 山の上から景色を楽しみながら降りて来るつもりだったが、実際に乗ってみると、とてもそんな余裕は無かった。 風を切るのは気持ちがいいが、スピードが出ると、金属製のハーフパイプから橇ごと飛び出してしまうのではないかと言う恐怖心に襲われて、ついブレーキをかけてしまうのだ。 カーブに差し掛かる度にのろのろと曲がっていると、後ろから子供の乗った橇が近付いて来る音がした。 子供は大人より恐怖心が薄いのか、凄いスピードだ。 お先にどうぞと言いたいところだが、一方通行の単線なのでそれは無理。 必死でブレーキを緩める私。もう景色どころではない。 主人が向けてくれるカメラの前でリアクションを取る余裕も、当然無し。 ゴールは後ろの子供とほぼ一緒であった……最後はゴツンとぶつかられたし。 「進路妨害してたぞ」と笑う主人に、「だって後ろの子が速いんだもん〜」とぎゃはぎゃは笑いながら答える私。 子供の親も笑いながら、最後にぶつけちゃってすみませんと言って来たので、こちらこそ遅くてすみませんでした……と謝っておいた。 子供には悪い事をした。もっとスピード出して楽しみたかったろうに。
でも楽しかった! 主人が撮ってくれたゴール写真は全て、子供とのツーショットになっていたけれど(笑)。
引越し葉書を刷った。 普通は4月中にやるもんだと思うのだが、訳あって5月にずれ込んでしまった。 早く刷ってよ、と言っていたのに、主人のやる気が出なかったのだ。我が家はいつもそう……。
主人の仕事関係用の転勤葉書を刷り終わり、親戚友人関係用の引っ越しました葉書を作る事にした。 ゴーストタウンぽさの漂う、街中の写真を付けようとの私の提案は、主人に却下された。 じゃあどうすんのよーと口を尖らせると、考えとくよとの返事。 私がお風呂から上がって来たら、 「こんなのどう?」 と見せられた見本が
すんごく可愛いー!
私がお風呂に入っている間に、フリー素材を拾って来て、適当に作ってくれていたらしい。 いいね! これとってもいいよ! と私が大賛成したので、すぐに決まったのだった。
というか、こんなに早く出来るのに、どうして4月のうちにやらないの……年賀状もそうだったよね。
目医者に行って来た。 今まで処方されて使っていたのはインタールだと自己申告すると、 「じゃあお薬変えてみましょう」 と言われた。 しかしインタールの前に処方して貰った目薬が、形状の問題で気に入らなかったので(効果は兎も角、ここ!と思ったところとは違う所で雫が垂れるのだ。イラチの私には相性が悪過ぎた)、その話をしたところ、 「お薬の名前、わかりますか?」 「……」 しまった、覚えていない! 記憶の糸を辿って、 「ええと、アズノール(それはうがい薬或いは胃薬もしくは塗り薬)じゃなくて、ロヒプノール(それは睡眠薬)じゃなくて、でも確かそんな感じの名前……」 とモゴモゴ言っていたら、目医者さんから助け舟。 「パタノールかな」 「そう!それです!それでした!」 という訳で、目出度く別の薬を出して貰えた。 会計のおじさんは、医院隣りの薬局に処方箋を出して欲しそうにしていたが、うちのすぐ近くに薬局があるので、勿論そちらを利用するつもりで、おじさんの要望はスルーした。
コンタクト・レンズを選ぶ際に、ワンデー・アキュビュー・モイストを勧められたが、普通のとお値段以外にどう違うかが判らない。 そういや妹がモイスト使っていたっけ、と思い出し、電話してみた。 モイストだと使用感がどこか違うのかと訊いてみたら、 「うーん、モイストな感じ……?」 と、さっぱり要領を得ない。 妹も、よくわからぬまま使っていたらしい。 電話代が無駄になっただけであった。 役に立たないなあ、もう!
歯が取れた。 現在治療中の、仮歯が。 取れたのは烏賊を食べている最中だったが、原因はお煎餅だと思う……凄く硬いお煎餅だったのだ、美味しかったのだけれど。 紹介されて1回行った完全予約制の歯医者だと、いつ治療して貰えるか判らないと思ったので、今度は近所の歯医者に行った。 とっても近所で、歩いて1分。 身内経営っぽいし患者も多くて儲かっていそうなのに、建物も設備も古い。建て替えないのかな。 担当してくれたのは、おじいちゃん先生。 昔の人だから、ゴム手袋は嫌なのだろう、素手で治療してくれた。 今日は取り敢えずでここの医院にしたが、今後も通うかどうかは微妙……。
目が痒いので目医者にも行きたいのだが、ネットで探したところ、歯医者ほど近所には無いようだ。 大体の当たりをつけて、散歩がてら範囲を広げて探してみたら、一応ぎりぎり徒歩圏内にはあった。 しかし総合病院なのに、掛け持ちの医者なのか曜日によって休診だったり、開業医でも午後休診だったりして、一寸不便。 人口が少ないから、午後開業していても客(患者)が来ないのだろうな。 もう少し歩いてみたら、午後も開業のところがあったので、今度ここに来てみようと思った。 コンタクト・レンズも残りが少ないし、近々来なければ。 そういや主人も眼鏡を作り変えたいとか言っていたな……只でさえ特殊な目なのに、老眼も来ている筈。 うわあ医療費かかるう!
2010年05月05日(水) |
きょうは1日ショパン |
今年はショパン・イヤーらしい。生誕200年なのだそうだ。 で、5月5日にNHKでショパン特集番組をやると聞いていたので、録画してみた。
何このクソ番組。
メインは演奏会と思いきや、芸能人や有名人をスタジオに招いての、ただのトーク番組であった。 何なのよー! こんなんなら、10時間ぶっ続けでクラシック倶楽部やってくれた方が100倍良かったわよっ。 進行は私の嫌いな甲高い声の山崎バニラだし、つまらんスタジオ・トークはすっ飛ばして、演奏部分だけ見て、さっさと消去した。 実にくだらん企画であった。 税金と受信料使って、こんな番組作ってんじゃないよ。 製作責任者はど素人かよ。首吊って死ね。 皆様の公共放送が、聞いて呆れるわ。
番組最後に、ショパンの曲でどれが好きかという視聴者投票をやっていたが、1位はp協1番……時期的にのだめの影響か(映画版で劇中使われていた曲)。 視聴者も俄かばっかりだというのが丸判りの結果で、最高(低)に詰まらなかった。 BS-hiだし、ショパン好きを満足させてくれるようなコアな番組を期待していたのに、がっかりだぜ!
あっでも、小曾根さんの演奏は良かった。 (小曾根真さんはジャズ・ピアニストで、国内で天才少年として持ち上げられていたら天狗になっちゃったのが、アメリカ修行から帰って来たら一転、すげー腰が低くなっていたという……向こうで揉まれて苦労なさったのかしらね、という、以上主人の受け売り。だって私ジャズ知らないもん) それでもやっぱり凄い人で、私などは聴き慣れたショパンのピアノ曲を下手にアレンジされたら物凄く嫌ーな気分になるのだが、小曾根さんのアレンジはそんな抵抗を全く起こさないものだった。 こんなのショパンじゃないわっムキーとなる私ですら、あらこれ素敵じゃないの〜と聴き惚れる始末。
それと、小山実稚恵さんがショパンについて語っていた内容は、結構面白かった。流石プロのショパン弾き。 曰く、ショパンはどの曲を取ってみてもショパン、と。 ショパンはピアノが好きで、誰かに弾いて欲しいとかそういうのではなくて、自分が弾きたいと思う曲を好きなように作っていたのだろうなあ。 だからショパンの曲はショパンっぽいのだ。 うちの主人なんかは、ショパンのそういう金太郎飴的なところが好きじゃないとか言うのだが、私はショパン好きよ! 聴いていたら、自分でもまた弾きたくなって来た。
実家に行った時に買ったお菓子を持って、仲人さんちに行って来た。 お歳暮とお中元だけは欠かさず贈っていたが、お会いするのは結婚式の前後以来か。
丘の中腹に建つお宅は、結構立派なお家だと記憶していたが、何しろ前回訪れたのは何年も前の真冬。 寒くて吹雪いていて、雪と同じ塀の色しか覚えていない。 そこからほんの目と鼻の先にお引越しなさったとの事で、訪ねて行ったら確かに目と鼻の先だった。 何故こんな近所に新しく家を?と思ったら、土地は気に入っているのに以前のお家は日当たりが悪くて寒かったから、日当たりの良い方に家を建てたのだとか。 そんなにあっさり土地も買えるなんてすげーと思ったら、話の内容から察するに、元々この辺りの地主のようである。 主人と同業の筈の元上司なのになんでお金持ち?と疑問だったが、そういう訳だったのかー。 しかもお屋敷、以前よりグレードアップしているし。 何この豪邸……一応余所行きっぽい格好では来たが、お着物の方が良かったかしら?と思ってしまうぐらいの豪邸。 ほえー、欄間すげー襖の絵もすげーと、目を見張ってしまった。 障子の開け放たれた縁側からは、1枚の絵画のように街が一望出来る。 その絵の中に、ちょこちょこと小さな子供が……お孫さんであった。息子さん夫婦が丁度遊びに来ていたらしい。 主人は以前から顔馴染みだというので、話が弾んでいた。 私は一生懸命鼻糞をほじくっていた下のお孫さんが気になったのだが、アラアラとお祖母ちゃん(奥様)に咎められて、照れたように顔を隠す仕草が可愛くて面白かった(笑)。 何故かお土産に奥様お手製のお菓子ほか色々と頂いてしまい、豪邸を後にしたのだった。 主人は私の実家と比べて、自分の実家なんて竪穴式だと自虐ネタを言うが、あの豪邸を見たら本当にそう思えるから凄い。 まめに掃除や手入れをしないといけないから大変だろうなあ。 それを考えると、幾ら素敵でも、私にはあんな豪邸には住めないわ(笑)。 お手伝いさんでも雇えれば別なのだろうけれど。 でも、お家いいねえ……まだまだ先の話ではありますが。
出発前には七部咲きだった桜は、帰って来たら殆ど無くなっていた。 連休ど真ん中が見頃だったらしく、一寸悔しい。 でっでもいいんだもん、帰って来る時に桜吹雪の中を走って来たから……うわあん。
隣町で花祭りがあるというので、主人と出かけてみた。 行ってみたら、なんと入場無料! どうして?と思ったら、入ってみて納得した。 お花無いよー。 どうやら、連休に間に合わなかったらしい……花が咲くのが。 だから入場無料か、なるほど……と、緑の会場を散歩して帰って来たのだった。 まあ、いい運動にはなったかな。
帰りに、事故車を見た。 十字路で、高齢のご婦人グループの車に、家族連れのワゴンが後ろから突っ込んで停まっていた。 昨日は国道で横転したトラックを見たけれど、行楽帰りの事故だと、特に気の毒だと思う。 楽しかった思い出が、一気にしょぼんと萎んでしまうのだから。 父ちゃんも母ちゃんも気の毒だし、子供等も可哀相だが、追突されたご婦人達も気になった。 大きな怪我は無いようだが、鞭打ちになっていないだろうか。 ていうか、幾ら車通りが多くない道でも、晴れているのだし、運転手以外はさっさと車外に出た方が良いのではないかと思ってしまった。 そして夕食の買い物をして家に帰るまでにもう1件、事故を見かけた。 こちらも大事はなさそうだったが、うちも巻き込まれないように気を付けなければと思ったのだった。
往きは高速だったので、復路は主人に譲って下道を行く事にした。 なので、午前中に実家を後にして、峠の蕎麦屋でお昼にした。 割と美味しい。これは当たりだった。 昔この辺に美味しいお団子やさんがあった筈……という主人の記憶を頼りに寄り道をして、お団子を買ったり、道の駅でソフト・クリームを食べたり、時間をかけて帰宅した。 私だったら、過去の自分と最短時間を競うように、とっとと高速で帰るのだが、主人はこういうのが楽しくて、好きらしい。 いいよいいよ、今日は私が譲歩したのだから、急ぐ用もないし。
主人は道の駅に寄ると、必ずソフトを食べたがるのだ。子供か。 「ソフト幾つ買う?」 これは、私の分も買ってくれるというのではなく、主人がまるまる1つ独り占めしたいという意味である。 しかし私は、道の駅に寄る度、ソフトを1つずつ食べてはいられない。お腹が痛くなってしまう。 なので返事は決まっている。 「1つでいいよ。2人で半分こしようね」 主人は不満げだ。 「シオンが1人で1つ食べられなかったら、その分食べてあげるのに」 うん、でもそうすると、貴方は1つ以上食べる事になるでしょ、そんなに食べるとぽんぽ痛くなるから半分こにしましょうね、と言って聞かせて、主人も渋々従うのであった。
お金も時間もかかるが、高速だともっとお金はかかるのか。 そして連休なので、この日は上りも下りも渋滞していたらしい。 下道で正解だった訳だ。
里帰りして、妹と買い物に行った。
妹の仕事は忙しい。 休みが少なく、夜の夜中まで仕事をする事も珍しくない。 今回も普通なら連休だというのに、 「1日と2日、連続で休みを取れたよ!」 と。 連休じゃなくても普通に土日は休みなんじゃ……お前、騙されてるだろ。
その代わり、沢山稼いでいるようで、一緒に行ったお店では、あれもこれもと沢山の服をお買い上げ。 単価の高いお店なのに、十何万も買うなんて、何と言うお大尽。 数年前までは、洋裁が趣味の私の失敗作を喜んで着ていた貧乏学生だったのに……。 一方私は、厳選の上に厳選を重ねて、2着だけ買った。 一寸いいかなーと思っても、 「これだったら、あの型紙をアレンジして、作れない事も無いな」 と考えて、自分では到底作れそうに無い物を買う……つもりだったが、1着は可愛くてどうしても欲しかったので買ってしまった。 自分では作れそうに無いカーディガンは、とても目の細かい薄手の素材。 妹は、お姉ちゃんよく似合う〜と言いつつも、 「でもお姉ちゃん、すぐにその辺に引っ掛けて、ムキー!て言いそうだよね。なんか、その情景が見えた」 としっかり落とすのも忘れない。 うん、それはお姉ちゃんも危惧しているよ……気を付けて着ないとな。
戦利品を抱えてホクホクしながら、帰りにスーパーに寄った。 頼まれた買い物をしていると、妹が 「お姉ちゃん、見て。あそこに凄い人がいるよ……!」 と小声で言って来た。 凄い人って何だ?と思って、妹の視線の先を探すと、そこには何と、
頭にカーラーを巻いたままの おばちゃんが!
勿論(?)、エプロン姿だ。 「い、いつの時代の人よ……随分、昭和テイストだな」 「リアルサザエさんって感じだね……まさか本当にいるとは」 2人とも、この地に永く住んでいたが、こんな人を見たのは初めてだったため、とても吃驚してしまったのであった。 帰宅して、 「ねーねー、そこのスーパーでね……」 と親に報告したのは言うまでもない。 昼寝したまま取り忘れたという感じでもなかったのだが、一体あの人はどうしてあのまま出かけてしまったのだろう。
|