2008年08月24日(日) |
北京奥林匹克 その2 |
真夜中までかけて、全試合を見るという勢いの人もいたらしい。 我々はそれ程の熱狂振りではなかったが、居間にいる間は、殆ど観戦していた気がする。
良かったねえと思ったのは、ソフトボール。 私の記憶によると、前回のアテネの準決勝で、オーストラリアにエラー負けを喫したのだ。 頭上に飛んで来たボールを捕れば、日本が勝てた試合だった。 しかし不幸な事に、その野手は一寸太めで背が低かった。 精一杯伸ばした彼女のグローブは無情にもボールに届かず、彼女はゴロンと後ろに引っ繰り返ったのだった……あの場面は今でも覚えている。 眩しかったのかも知れないし、捕れなかったのは彼女のせいではない。 ただ、可哀相な負け方だった。 だから今回、有終の美を飾れたのは、本当に良かったと思う。 おめでとう。 それと、柔道で銅メダルに終わった夫人についての、 「僕には金色に輝いて見える」 という谷選手の言葉も良かった。 いい亭主じゃないか。 奥様的には、ここ感動ポイントよ!
残念だったのは、柔道の塚田真希選手。 惜しかったねえ……この子には本当に勝たせて上げたかったよ。 それなのに、試合直後のインタビュアーときたら、 「残り、11秒でした」 って、馬鹿かこいつ。 あれは岩崎恭子だったか、2度目の五輪で成績が振るわなかった時、やはり競技直後にインタビュアーが 「残念でしたね」 とぶちかましたのを髣髴とさせた。 労いの言葉もなく、第一声がそれってどうよ? インタビュアーは、まずその辺りを勉強してから出て来いと憤慨した事であったよ。 嗚呼まったく、不愉快だ。
五輪に限らず、スポーツに関して思うのは、日本人には粘りが足りないという事だ。 日本語に「諦めが肝心」という言葉はあるが、それにしたって諦め良過ぎだろ。 卓球、野球、羽球など、何れももう一歩のところでメダルを逃している。 気迫で負けちゃ駄目じゃーん。 メダルなんて関係無い、参加する事に意義があるというなら、それでもいいけれどさ。
大人になったなあ、と思ったのは、水泳の北島選手と、レスリングの伊調姉妹。 前回のアテネ五輪では、一寸心配だったよおばちゃん。 それがこんなに(精神的に)立派になって……うるうる。 北島選手に至っては、どう見ても謙虚なタイプじゃないから、天狗になって駄目になるかと心配していたが、よくやった。 野球みたいな事にならなくて、本当に良かった。
なんだかんだ言って、結構楽しませて貰った日々であった。 あとは、これからの北京と、帰国者の健康状態に注目。
2008年08月23日(土) |
北京奥林匹克 その1 |
我が家は2人ともインドア派で、運動はやるどころか観戦すらしない(偶〜に主人が蹴球を見る程度か)、筋金入りの運動嫌い夫婦である。 北京五輪だって、興味無いし、あんなに色々と危ない所で開催するなんて狂気の沙汰だと思っていたのだが。 何だかんだ言って、色々と観戦してしまっていた(笑)。 普段絶対見ないような卓球とか見ちゃっていたもんなー。 恐るべし、五輪マジック。
でもやっぱり、マラソンは見る気がしない。 絶対体に悪いよ、あんな運動。 選手の体型を見たら、そう思うって。(うちの主人も別な意味で不健康な体型だが) 野球やソフトより、マラソンを廃止した方がいいんじゃないのー?と、マラソン大会大嫌いな元子供は思うのだ。 野球と言えば、酷かったらしいな。 とどのつまり、敗因は監督の采配だろう。星野さんは、これからCMの仕事が減るんだろうか。 元々野球好きではないので、一試合も見なかったが。 そう言えば、甲子園も見なかった。 春先に聞いた話では、五輪と重なるから、TV局の都合で甲子園の日程を例年より後ろにずらすという事だったのに、思いっ切り重なっていたような……。 あの噂は何だったのだろう。
あと、シンクロも苦手だ。 見ていると苦しいのよ……選手と一緒に息を止めちゃうんだもん。(←馬鹿?) シンクロと言えば、解説の人が心なしか、中国に対してピリピリしていたような(笑)。 やはり、ヘッド・コーチの井村女史に、思う所があるのかしら。 彼女に対しては、裏切り者!みたいな声も聞かれたが、中国だけじゃなくてスペインでも日本人コーチが活躍しているし、腕を買われての事なら寧ろ光栄で素晴らしい事なのではないだろうか。 ライバル国の人に頭を下げて教えを乞うなんて、三顧の礼って感じで、如何にも中国っぽくていいじゃない〜♪ でも、スペイン・コーチの藤木麻祐子女史はさほどでもないのに、井村女史だけが叩かれ気味なのは、彼女が日本を出る際に何か一悶着あったのではないかと憶測してしまう。 ワイドショー好きとしては、五輪選手一人一人のこれまでの歩みなんかより、その辺りの事情を知りたいわあ★と思うのである。
頭痛は治まったが、体調は戻らず。 相変わらず、頭が重い。 そしておまけに今日は、筋肉痛。 昨日の草むしりで、1時間半しゃがみっ放しだったからなー。 そして、明日は今日よりも痛いんだろうな……ハァ。 利き腕と太股が痛いので、立ったり座ったりする度に 「よっこいしょ。……イタタタ」 主人からは 「婆さんか」 とか言われるし。 私が婆さんだったら、アンタなんてもう棺桶の中ですよ!
よっこいしょもそうだが、急激な気温の変化のせいか、顔が何だか皺っぽいのが非常に気になる。 せめて顔だけは若くありたいのに〜!
アパートの窓の外には、防犯のためか、砂利が敷き詰められている。 それでも草は生えるので、毎年管理会社から草刈り隊が派遣されていた。 しかし今年は一向に彼らが来る気配が無い。 管理費は毎月引き落とされているのにねえ……。
いい加減見苦しくなって来たので、自分でやってみた。 偶々窓から首を出すと、丁度雨が上がり、涼しくて(寧ろ肌寒い)お日様も雲に隠れて出て来なさそうだったので、今がその時だと思った。 もう秋だから、放っておいてもすぐ枯れるような気もしたが。 軍手をして庭に出て、しゃがみこんで、まあこんなもんかなーと思ったら、いつの間にか1時間半が経過していた。 でも、達成感はある。 綺麗になったよ。
しかし夜になってから、ずっと草むしりをしていた利き手の腕が、何だかおかしい。 いきなりの運動で疲れちゃったか。 草むしり自体、とっても久し振りだったからなー。 もしかすると、十数年振り……?
お盆が過ぎたら……と、気温が下がるのを夢見て生きて来た夏だったが、幾ら何でも、
16℃は下がり過ぎだろ。
まだ8月だというのに、長袖を引っ張り出して着ていますよ……。 そして急に寒くなったからか、酷い頭痛が。 ええ、例のやつです。 朝から不調で、痛みが増すと共に吐き気がして、3回吐いて胃の中を空にしたら今度は寒くて、横になっても余りの頭痛で眠れず。 うう……夏の間は汗疹が出来ても頭痛は無かったのに、久々に来たな。 前回の対処法を思い出し、温かい味噌汁を飲んでみた。
ピュー。
追加で2回嘔吐……アホか。 内側から温められないのなら、外側から温めるしかない。 ふらふらになりながら風呂掃除をし、お湯を張った。 はふーと湯船に浸かっていると、主人が帰宅。 「あれ、シオン?」 と浴室に来る気配がしたので、慌てて湯船に寄りかかり、死体のふりをする。 ドアが開いて、 「ただいま。お風呂に入っているの?」 と主人が顔を覗かせた(推定。見ていないから)。 それでもじっと死んだふり。 何回目かに主人が話し掛けて来た時、とうとう堪え切れずに答えてしまった。 「おかえりなさい!」 もしずっと死んだふりをしていて、私の身を案じた主人が風呂場に入って来て服を濡らしたら悪いと思って、生き返ってしまったのだ。 そう告げると、 「いや、最初から生きてるって判っていたから……」 だと。つまらん。 でも、お風呂に入っていた理由を述べると、ちゃんと私の身を案じて、晩御飯を作ってくれたのだった。
主人は今週いっぱいが夏休みなので、墓参りツアーが終わって現地解散した後、夫婦2人でぐるりと北東北を回ってみた。 噂には聞いていたが、実際凄かった。
至る所に蛾の卵が。
建物の外壁、海岸の手摺り、車止めの裏側にまで、薄黄色い塊がくっ付いている。 うちの愚妹なら発狂するレベルだ。(妹は蛾が大の苦手) うっかり寄り掛かったり出来ないよ。 私は潔癖症と言うほどでもないが、エスカレーターの手摺りにさえ触りたくない人間なのでまだいいが、無意識にあちこち触ったり寄り掛かったりする人はご注意を。 何故その塊が蛾の卵とわかったかと言うと、立ち寄ったコンビニに張り紙がしてあったのだ。 小学生が自由研究の発表で使うような大判の紙(名称忘れた)が貼ってあり、そこに、写真付きで蛾の生態と産卵の様子が書かれていた。 こんなの作るなんてコンビニの人も凄いなあ、と感心しながら、トイレ待ちの間にじっくり読ませて貰った。 潮風に吹かれながら、これ等が来年には孵化して、また蛾が大発生するのだろうか、と嫌な想像をした。 でも、蛾が増えるとそれを餌にする天敵も増えて、結局元の数に落ち着くんだとか。 我々が行った時には、もう蛾の産卵が終わっていて、夜に大量の蛾が飛び交っていてウギャーという事は無かったが、嫌なものは嫌だよねえ。 地元の人は大変だろうけれど、頑張って駆除して下さい……。
気を取り直して、遊覧船に乗ってみた。 最初は興味無かったのだ。 鴎が沢山飛んでいて、ヒッチコックの映画を髣髴とさせて怖いし。 しかも怖い。鴎の顔は結構強暴だ。 それが餌欲しさに寄って来るのだ。 突付かれるんじゃないかと、怖くなる。 さて、エンジンがかかり、しゅっぱーつ。 出航して間も無く、パンの車内(?)販売があった。 鴎の餌である。人間が食べても害は無いようで、美味しいと言って食べている人もいた。 金華山ではかっぱえびせんが鴎の餌だったが、パンの方が塩分少な目で健康的かも知れない。 こんなのにお金を出すなんて……と思って見ていたが、主人が買っていた。 鴎に餌をやる様子を、初めは怖々と見守っていたが、波に揺られて次第にテンションが上がる。 うひょー!とか言いながら、先ほどの怖さはどこへやら、デジカメを取り出して鴎を撮る私。 しかし鴎は常に動く。 シャッターを押してから、撮れるまでにタイムラグがあるので、確認してみると間抜けな写真ばかりだ。 横から主人が覗き込み、 「何でうちの車(海沿いの駐車場に停めてあった)なんて写してるの……」 と呆れたように言った。 そんな主人も、やはり間抜けな写真ばかり撮っていたが。 「シオンもやってみる?」 と主人からパンを渡され、ほい!と餌をやってみた。 私の投げ方が下手なので、餌は海に落ちてしまったが、鴎は目敏くそれを見付け、水面に漂うパンをサッと咥え上げる。 狙いをつけてホイっと投げると、鴎は上手に空中でキャッチしてくれる。 た、楽しい(笑)。 結局、主人のパンを全部取り上げ、ホイっ!ホイっ!と餌をやっていた。 何故か掛け声を付けないと、上手に投げられない私。一種の景気付けか。 傍から見るととってもヘンな人なんだろうな……でもテンション高いので気にしなーい! 船内では観光案内のアナウンスがかかっていたが、鴎に夢中で殆ど聞いていなかった(笑)。 折り返して戻る頃にはパンも尽き、鴎もいなくなってしまった。 ここまでなら餌を貰えると、学習しているのだろう。 行きは良い良い帰りは怖いで、復路は雨が降り、波が高くなって来た。 それでもウヒョーと往きのテンションを維持する私。(呑んでないよ!) 一寸肌寒いけれど、雨がかかるけれど、楽しいねえと言う私の前の席のご婦人が、何やら様子が変だ。 抱っこしていた子供を、前の席のご主人に預け、座席から降りてしゃがみこんでしまった。 そして、持っていた袋にリバース……あらー揺れに弱いのか。 戻すお母さんも、両手に1人ずつ子供を抱えるお父さんも、大変そうだった。 お父さんに抱っこされた2人の子供は、ずっと前から怖い怖いと泣きっ放しだし、一体この家族は何を楽しみにこの船に乗ったのだろう……。
船を降りて、大満足の私に、主人は 「シオンがこんなに喜ぶとは思わなかった。良かった良かった」 と言ってくれた。 また来ようね! 今度はケチらないで、ちゃんと餌を買うよ!
今年のお盆は、主人の実家の墓参り。 お墓と財産に関して色々と揉めた経緯があるらしいので、お参りのし甲斐が無いんじゃないかと私は思うのだが、それでも行くらしい。 主人を育てた人達だからお金に執着が無いと思われるのに、それでも相続で揉めたという事は、普通の人なら血の雨でも降ったかしら。 勿論、端から揉めないように手を打っておくのが1番なのだが。
お墓は遠く、日帰りするには厳しいので、宿泊は必須。 どういう風の吹き回しか、今年は皆で旅館に泊まろうと、主人の父が言い出した。 大部屋だったら断る覚悟だったが、主人の両親・我々夫婦・義妹一家の3部屋に分けてくれた。 毎年主人の実家に泊まる度に鬱々とする私のためか、実家にはちょこっと寄るだけで済んだ。お義父さん有難う。 お宿自体は普通だったが、お食事は美味しかった。紫煙に邪魔されないのもいい。 大人6人中私以外誰も酒を飲まないので、ここは私も遠慮すべきかと思っていたが、飲んだらいいのにと主人が勧めてくれたので、有難く飲ませて貰った。 日本酒のジュース割り……ストレートだと飲めない、邪道な酒飲みである。 アルコールが入った途端に上機嫌になる私(笑)。 翌日になったて、上機嫌過ぎただろうかと心配になり主人に訊いたところ、 「うちは誰も飲まないから、皆、不思議な生き物を見る気分だったと思うよ」 と言われた……それは、やっぱり、まずかったという事なのだろうか。主人はそうではないと言うが、やはり心配だ。
まあまあ楽しかったが、甥っ子の行儀の悪さには、毎度の事ながら辟易する。 一体どういう躾してんだよ……と呆れつつ、私には関係ないから、もう知らんわ。 流石に目に余る時にはビシっと言うけれどね。怖いおばさんなのだ。
「ねーねー、どうして私と結婚したの?」 と主人に訊いてみたところ、こんな返事が返って来た。
「うーん、ボランティアかな」
(´゚д゚`)何ですと!?
2008年08月10日(日) |
ハリー・ポッター最終巻 |
実家から借りて来た「ハリー・ポッターと死の秘宝」を読んだ。 ハード・カバーの上下巻で結構な重さだが、中身はそうでもない。 確かに要素は満たしているのだろうけれど、穴も多くて、どうしてこれがあれほど世界的大ヒットを飛ばしているのか、正直判らない。 以下、ネタばれの毒吐き。
「不死鳥の騎士団」もそうだったが、今回もハリーには苛々させられた。 ハリーって馬鹿なの? ゆとりなの? シリウスの時で懲りていないのかよ。 お前のせいでまた仲間が死ぬ所だったじゃないか。 今回は「不死鳥」の時とは違って、災い転じて福となす的な展開だったけれど、結局こいつのせいで死人が出ているし。 まあ結局、私はハリー・ポッターというこの少年が余り好きじゃないのだろう。同じハリーでも、キャラハンの方がましだ。 ハリーのお友達も好きじゃないかも……悪い子ではないのだけれど。 歳だけ大人になっても、中身が子供な男は駄目だ。 もっと大人になれ、ロンよ。
ボロクソにけなしているが、感動ポイントもある。 最後のプラットホームの場面とか、それはそれで良かった。 ただ、ハリー視点より、スネイプ視点の方が、物語としては良くなるのではないかなあ。 もうね、これはハリー・ポッターの冒険物語ではなく、セブルス・スネイプの永遠の愛物語に改題すべきだと思う。 しかも、本人も判っているけれど、決して報われない愛の物語。 そしてそれを平和利用する策士ダンブルドア。こいつが1番食えない。 いや、校長先生としてのダンブルドアは好きなんだけれど。でもイメージは初代@もう鬼籍で宜しく。
ところで、訳者はちゃんと納税したのかね。 太木数子にも言われていたが、日本で稼いだ日本人なんだから、日本で納税しろよ!
4日間の実家暮らしを終えて、帰宅した。 主人と同じ電車で帰って来る筈が、途中で通行止めがあってバスが迂回路を取ったため、1本遅れた電車になってしまった。 それでも一緒に晩御飯は食べられたので、まあ良しとしよう。
4日前、往きの電車で読もうと、駅前の本屋で文庫本を物色した。 読みたい本は一杯あった筈なのに、これだけ本があると、何を読みたかったか判らなくなってしまう。 何にしようか迷っちゃう〜♪ではないのだ。読みたい本が、判らない。 やっと「読みたい本」のひとつを思い出し、店員に「『死体は語る』(上野正彦著)はありますか」と訊くも、無いと言われてがっかり。 仕方ない、新潮45でも買うか〜と探しても、これまた無い。 お昼を過ぎていたので、ウロウロするうちにお腹が減って来た。 もう面倒臭い、何も買わずに飯食いに行くかとも思ったが、読み物が無いと電車の中で退屈してしまう。 平積みにされている文庫本を物色するも、本屋は夏休みのゆとり向けの課題図書ばかりで、どうにも食指の動く品揃えではない。 ああもう!と30分近くうろついた挙句、私が買ったのは東野圭吾の「手紙」だった。 古本屋に行けば、もっと安く買えるのに……と敗北感に塗れながら。
結論として、買って損は無かった。 本書は、強盗殺人という重い罪を犯した兄を持ってしまった弟の話である。 ついつい不遇な弟に肩入れして読み進めてしまいそうになるが、1番気の毒なのは、この弟ではなく、それまで平穏な人生を送っていたのに、悪い事をしていないのに勝手に泥棒に家に入られて殺されてしまった被害者なのだ。 強殺犯の弟は差別を受けるが、それは犯人に課せられた罰の1つである、という行には、嗚呼なるほどねえと思った。こういう考えは好きだ。 強制猥褻犯の部員を抱える桐生第一高校の甲子園出場問題のように、連帯責任など時代遅れで全ては個人の問題と片付けようとする向きがあるが、それでは個人はどんどん勝手な方向に進みかねない。 連帯責任を強化すれば、犯罪抑止も期待出来るのではないだろうか。 腐った高野連は兎も角、本書は切ない話である。主人公の境遇だけではなく、好きな男に袖にされても想い続ける女とか。 主人公の親友はいい奴だ。登場人物の中で、ダントツ好人物である。 実は、私が東野作品を読むのは、「白夜行」に続いてこれで2作目だ。案外読んでいないな。 「白夜行」もそうだったが、読むと結構引き摺る話を書く作家なのか?
先週は「BSアニメ夜話スペシャル とことんルパン三世」があったのに、私がそれに気付いたのは、水曜日になってからだった。 1日目と2日目は見逃してしまったため、慌てて実家に電話し、録画しておいた分は消さずに取っておいてくれと頼んだ。 そう、今回の里帰りの目的の中には、ルパンSPの鑑賞も入っていたのである。
1日目は既に消去されてしまっていたが、2日目から最終日にかけては、一部かけていたものの、大体は父が録画していてくれた。(昭和一桁生まれの父だが、漫画やアニメは結構好きらしい) 実家に滞在していた間は、毎晩ルパン漬け。いやあ、楽しい。 最初から全部観たくなった。レンタルで、あるかしら。 第1シリーズを観るのはこれが初めてだったので、オープニングとエンディングは私にとって新鮮だった。 しかし何故か、歳の離れた妹は「この歌知ってる〜」と……お前幾つだい? 私なんて、CDで聴くまで知らなかったぞ。 妹に訊くと、職場の人がカラオケで歌っていたんだとか。 悪くはないが、でもやはり、第2シリーズのOPには敵わないと思った。 絵も併せて格好いい。わくわくする。 同じ第2シリーズで、同じインストものでも、前期と後期とでアレンジが違うのね。どちらも素敵だ。 アニメだけでなく、座談会まで食い入るように見てしまった事だよ。リアルタイムだったら、私もメールで参加したかった。FAX無いから。 しかし、最終話の宮崎駿バージョンのルパンには萎えた。 宮崎アニメは概ね好きだが、ルパンにそのカラーを持ち込むなよ。 宮崎臭が強過ぎて、キャラの良さが全て消し飛んでしまっていた。 でも、チャーリー・コーセイに免じて許してやる。番組最後の、第1シリーズED@スタジオライブは非常に良かった。 消しちゃったり欠けちゃったりで全部観られなかったのは残念だが、録画していてくれた父に感謝。
それにしても、あの録画機いいなあ。 名称は判らないが、ハードに録画する奴。 我が家にあるのは、普通のビデオデッキと再生専用DVDプレイヤーだけなんだもの。 薄型TVも欲しいし、物欲は膨らむばかりだ。 ボーナスは焼け石に水だったし、先日初のロト6当籤は果たしたものの末等だったし、ここでドカンとサマージャンボでも当たらないかねえ。
私にとって実家は、居心地良いんだか悪いんだか。 色々と必要があって今回は里帰りしたが、自分の家の方が楽だなあ。
滞在2日目、今日は、一足先に里帰りをしていた幼馴染が遊びに来た。 子供を置いて来るから外で会おうかという話もあったのだが、外に出れば喫茶店などお金がかかる。 面倒だし家においでよ、という事になったのだが、
外にしときゃ良かった。
母親が会話に加わりたがって煩わしい。 2階にでも行ってくれよ、2人で話をしたいんだよ、察しろよ。 ウザイからどっか行ってくれ、と喉元まで出掛かった。 友人が席を外していれば、言っただろうな。 ウザイという言葉は嫌いだが、こういう時には遣ってしまう。 母は母でウザイし、父もウザイ。 ちゃんと躾けてくれたし、教育も受けさせてくれたし、可愛がってくれたのには感謝するが、自分の育った家庭が嫌になる。 結婚してからは、特にそう思う。 いや、勿論うちの子で良かったとは思うのだが、親の粗が見えるとほとほと嫌になる。
親はさておき、友人との時間は楽しかった。 自分が覚えてもいないような事を、「こんな事があったよね」と持ち出されるのは困るが、主人との会話とは全く違う楽しさがある。 特に彼女とは共通の趣味があるし、好きな本のジャンルも被っているので、色々と面白い。 但し彼女は友人が多く、共通の友人もいるので、彼女としては皆でわいわい話をしたいという思いがあるようだが、私としてはそれは勘弁願いたい。 友人と言っても中学や高校の頃の話だし、今では全く没交渉、知り合い程度の仲である。 彼女等の現在には私は全く興味が無いし、特に話をする必要性も感じない。 勿論、嫌いではないのだ。但し大好きでもない。 今度皆で会いたいね、という彼女の言葉には、まあ機会があったらね、と濁しておいた。
主人が今週末まで出張なので、それに合わせて私も里帰りする事にした。 実は、直前まで迷っていた。何故なら、現住所よりも実家の方が南に位置しているからである。 暑い夏が苦手なので、この時期には、なるべく南下したくないのだ。 しかし昨夜の天気予報で、6日の予想最高気温が34度と言うではないか。 32度でもしんどかったのに、34度て。死ぬ。 同じ気温なら、飯の心配をせずに済む実家の方が過ごし易い。 はじめは主人と一緒に、朝に家を出るつもりだったが、4日も家を空けるとなると、やっておかねばならない事が色々ある。 主人を駅まで送り、家に戻って支度を済ませ、今度は自分がお昼頃タクシーで駅まで行ったが、それで良かったのかも知れない。 主人を送っていく時に、忘れ物をした時の胸騒ぎがしたので、確認してみたのだ。 「忘れ物は無い? ハンカチ、鼻紙、時計、携帯電話」 「あっ、携帯忘れた!」 ……言ってみて良かったよ。 携帯嫌いの主人だが、今回の出張は携帯電話が無いとどうにも困るというので、すぐに家に取って返し、何とか電車に間に合った。 これが一緒に出かけたタクシーの中で気付いたのだったら、引き返した分料金もかかるし、夫婦喧嘩に発展した場合は非常にみっともない。 それに、朝洗って干したシーツとタオルケットも、お昼までには完全に乾いていたのも嬉しい。 掃除も済ませたし、これで、汚い部屋に帰って来て萎える事も無い。
実家は、思ったよりもずっと涼しかった。 庭に木があるからだと母は言うが、それは嘘だ。 2、3年前の夏は、こんなものではなかった。夜中中暑かった。 今年は涼しいのだろうか。夜になると風が冷たくなり、朝方は寒いぐらいだ。 今回の滞在中は何故か、夜明け頃に目が覚めるので、近所を少し散歩してみたのだが、寒くて長袖を着ていた。 朝早い分、夜はすぐに眠くなり、主人の電話を待っていられずに、おやすみメールを送るだけの日もあった。 飯は美味いし、早寝早起きで、健康的な生活を送る事が出来た。 しかし、この家に鼻炎はつきもの。 完全な健康体という訳には行かないのが、残念だ。
「汝、この女子を娶り、神の定めに従いて夫婦とならんとす。 汝、その健やかなる時も、病める時も これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、 その命の限り、固く節操を守らんことを誓うか」
松本サリン事件の被害者、河野澄子さんが死亡した。 事件の後遺症で寝たきりになって14年、享年60歳。 2つ年下のご主人河野義行さんは、言わずと知れた同事件の第一通報者にして、犯人ではないかと疑われていた人である。 当初から、押収された薬品からはサリンは作れないと言われていたのに、オウムの仕業と判るまで、マスコミは彼を犯人扱いしていた。 それが今では、「警察は河野さんを犯人扱いしていた」などと、完全に自分の事は棚に上げているのは、如何なものか。
河野氏が奥さんの看病をしている様子は、何度もTVで放送されていた。 それは、普段の介護は施設の人に任せていたとしても、奥さんの事を愛しく思い、大事にしているのだろうなあと思わせる様子であった。 世の中には、妻を蔑ろにしている夫も多いと聞く。 妻が重い障害を負った時、これほど妻を思ってその世話を出来る夫が、一体どれだけいるだろうか。 一緒にTVを見ていた主人が、こう言った。 「シオンがこうなったら、僕がおしめを替えて面倒を看てあげるつもりだけれど、僕がこうなっても、シオンは面倒看てくれなさそうだよね」 それ、前にも言われたけれど、やっぱり私は自信無いなあ。 献身的に介護してあげたいとは思うんだけれど、実際にやるのは大変だもの。 貴方を愛していない訳では、決してないのだけれど。
インタビューに応じる時も決して激昂せず、穏やかに話す河野氏を見て、同じ被害者家族でも地下鉄職員の夫人とはえらい違いだなあと、こちらには好感が持てたものである。 14年、河野氏も夫人もご家族も大変だったろう。 本当に、お疲れ様でした。
今週、主人の出張に合わせて、単身里帰りの計画を立てている。 しかし、2日前になってもテンションがちっとも上がらない。 実家の方が暑いのだ。 一足先に里帰りしている友人に言わせると、涼しいらしいけれど、そりゃ東京よりはね……。 夏なのに南下したくないべ。 家でお留守番していたい気もするが、そうすると私が干からびる可能性あり。面倒臭がりで、碌に食べなさそうで……。 ただ、実家に帰るのも面倒だったりする。 しかし、憂鬱なのはそれだけか? これはもしかして、
帰省前嫁症候群 ってやつか?
盆暮れ正月前に、亭主の実家に行きたくないあまりに鬱になるという。 私の実家から戻ってすぐに、主人と2人で主人の実家に行く事になっているのだ。 いや、1泊でいいし嫁なのに何もしなくていいし、他所の嫁様に比べたら極楽VIP待遇なのだが、やはり積極的に行きたいとは思えなくて。 うう、しかし主人の両親も先行き短い身、親孝行ぐらいはさせてやらないと、とも思うので、私も一緒に行きますよ。墓参りもあるし。 はあ。それにしても、溜め息しか出ない……。 やっぱり、
主人が仕事で忙しくて、なかなか構ってくれない
ってのが大きいと思うのー。 構って構ってー。
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