ライブドア前社長の堀江貴文容疑者が、3億円の保釈金を支払って保釈された。
画面に映し出されたホリエモンは、脂っ気が少し抜けたようで、大分すっきりして見えた。 東京拘置所での適度な運動と食事、そして規則正しい生活で、3箇月で8kgほど痩せたという。 「大体10日で1kgペースかあ。理想的なダイエットなんじゃない?」 と驚いていると、ダーリンがぼそりと言った。 「僕も、拘置所に入ろうかなあ……」 ぶははははは!! 「そんな事無いわよ〜」というような嘘を吐けない私は思わず大笑いし、 「それいいね! 貴方も3箇月ほど世話になって来たら?」 と言ってしまった。 しかしここで引っ込む(腹も)彼ではない。 「じゃあシオン、死んでくれるかい」 「貴方が望むならそれでもいいけど〜。でも私を殺すにしても、東京でやらないと東京拘置所には入れないわよ♪」 というか、殺人以外にも方法は幾らでもあるだろうが。
それにしても、大勢で夜遅くまで拘置所にへばりつき、ホリエモンが出て来ると追い回し、住居まで押しかけるマスコミには呆れる。 夜中に騒ぐ者がいると正義の味方ぶって番組で取り上げるくせに、自分達の行動は棚上げかよ。 夜遅くにフラッシュ焚いたりマイクを向けて騒いだり、普通に考えても充分近所迷惑だろうが。 麻原彰晃なら兎も角、ホリエモン程度の保釈なんて、いちいち中継する必要無いと思うんだが。 ああいう世界にいると、一般常識の感覚が麻痺しちゃうんだろうなあ。 嫌な世界だ。
子供の頃から言われていたが、ダーリンにも言われる。 「シオンは短気だなあ」 まあ、そうかもな。 少なくとも、ダーリンよりは怒りの沸点が低い。と思う。
今日も一寸した事でムキーとなったので、つい 「ねえ、私って短気?」 と確認してしまった。(何のために?) 「うん、とっても短気。どれ位短気かと言うと、こんな短気な人は見た事が無いってぐらい短気」 「嘘っ。幾らなんでもそれは大袈裟でしょう」 「いや、ホント」 ガーン……。 「僕が知っている限り、シオンが史上最短、世界最短だよ。僕の周りはいい人達ばっかりだったから」 「……それって、裏を返せば、まるで 私が悪い奴みたいじゃないか!!」 と叫んだが、皆まで言い終わらぬうちに、ダーリンの掌が私の口を塞いだので、最後はフガフガになってしまった。 「声がでかいっ。どうしてシオンはそうやって、声の限りに叫ぼうとするんだ!? ご近所への体面とかそういうのは無いのか」 とダーリンは笑いながら言うが、私はそれどころじゃない。 「私にとっては体面よりも、私の名誉の方が大切よ! 私に叫ばれたくなかったら、私を叫ばせるような事言わなきゃいいのにっ。それに私は、真夜中や早朝にギャーギャー騒いだりしないもん」 勿論これは、以前アパートの上の部屋に住んでいた夫婦の事である。 「ああ、あれは酷かったよな……。やっぱり別れたみたいだしね」 「えっ、そうなの?」 と私は驚いて訊いた。 「そりゃそうでしょ、2日に分けて、トラック2台だよ? 普通の家庭の引っ越しなら1日で終わらせるでしょ」 やはりそうだったのか……。 「でも引っ越して数日後、ご主人は挨拶にいらしてたじゃない?」 「来たのは旦那さんだけ。挨拶回りなら普通、夫婦2人でやるか、1人にしても奥さんがやるでしょ」 ダーリンはそう言うが、あの家庭では、町内会費を集めるのも、御主人が1人で回っていたので、私はよっぽど奥さんが忙しいのか御主人が優しいかなのだろうと思っていたのだ。 それをダーリンに言うと、 「あり得ない。どう考えてもあの奥さんおかしいよ。旦那は常識的な人みたいだけれど、あんな奥さんを貰ったという点で、駄目駄目だな。僕はシオンで良かったと思うよ、ホント」 ……ええと、それだとさっきの発言と矛盾するような気がするんだけれど。 気のせい?
お天気も悪くないし、今日こそ自転車で買い物に行こう。 そう思った私は、半日仕事から帰ってゴロゴロしているダーリンに 「今から買い物行って来るけれど、何か欲しい物ある?」 と声をかけた。 すると、スナック菓子が食べたいと言う。 「こないだはチリペッパー食べたから、今度は胡椒味がいいな」 「わかった。胡椒味ね……ええと、GABANだっけ?」 と私が言った途端、彼は笑い出した。 「ギャバンって何だよ、ギャバンって」 「え……そんな名前じゃなかったっけ?」 「ギャバだろ、ギャバ。ギャバン、シャリバンって言ったら、宇宙刑事だろ〜。全くシオンは面白いなあ」 そう言って、彼は益々楽しそうに笑うのだった。 あれ〜そうだっけ?? 確か、GABANって書いてあったような……違ったかなあ。 メモに書いた最後のNを消して、私はGABAという文字を見詰めた。 何だか違和感があるような気がするけれど、ダーリンは自信満々だ。 首を傾げながら私は出かけた。
「ただいま〜」 帰宅して居間に入ると、私は 「ありましたよ。多分これの事だと思うんだけれど」 と言って、買って来たお菓子をテーブルの上に載せた。
「でもこれ、どう見ても、GABANって書いてあるのよねえ。貴方は違うって仰ったけれど、本当にこれでいいのか私、自信無くってえ」 と私が意地悪げに彼の顔を覗き込みながら言うと、 「うん、仕方ないからこれで勘弁してやるっ」 と彼はそっぽを向いてしまった。 「一寸! さっきは宇宙刑事だのなんだの言って、散々人の事馬鹿にしておいてその態度は何よ? 私に何か言う事があるんじゃないの!?」 彼の頭を両手で鷲摑みにして、無理矢理こっちを向けさせると、彼は上目遣いをして言った。
「エヘ♪」
かっ…… 「カワイイ〜〜〜!! 萌えー!!」 思わず私が叫ぶと、彼に止められた。 「声がでかい! ボラギノールのCMか!?」 「ずるいよ貴方! 一寸可愛い振りをすれば、私の怒る気が失せるって判っててやってるんでしょ!」 「煩いから叫ばないでくれよ〜。わかった僕が悪かったよ。ハイハイごめんごめん」 初めから素直にそうやって謝りゃいいんだよ!
買い物に行かなきゃな、と思いつつ、結局行かず終いになってしまった。 今日はダーリンが車で出勤したので、買い物に行くには徒歩か自転車しか無い。 居間の窓から見える空はどんよりと暗く、今にも雨が降り出しそうだったので、どうしようかなあと思っているうちに午後になってしまった。 ところが昼過ぎに、反対側の和室の窓から外を見ると、空は明るく晴れていた。 しかし午後には着物屋さんが来る予定なのだ。 今から出かけたら、行き違いになってしまう。 着物屋さんが帰ってから買い物に行こうと思って待っていたのだが、なかなか来ない。 約束の時間をとうに過ぎてから、着物屋さんはやって来た。 着物屋さんが帰ってから外の様子を見ると、冷たい風が吹いて、寒くなってしまっている。 結局、私は買い物に出掛けられなかった。
何となく、出掛けたくなかったのかも知れない。
そろそろ晩御飯の支度をしなくちゃなあ、どうしようかなあと思っているうちに、玄関のチャイムが鳴った。 ダーリンが帰って来たのだ。 どうしよう。 いつもなら真っ直ぐ居間にやって来て鞄を置くのに、今日に限って彼はなかなか来なかった。 どうやら、トイレに行きたかったらしい。 どうしよう。 私はその場にスリッパを残して、そっと和室に移動した。 押入れの襖を開けて入り、内側から襖を閉めた。 ダーリンが居間の戸を開ける音がした。 いつこっちに来るかと、私はずっとドキドキしていた。
数分経っただろうか。 ダーリンが和室に入って来て、電気のスイッチを入れた。 襖の隙間から、明かりが見えた。 ドキドキ。 いきなり襖が動いて、私の足に当たったので、慌てて引っ込めた。 今度は反対側の襖が全開した。 「何隠れてんの」 襖を開けたまま彼が立ち去ろうとするので、私は押入れから身を乗り出した。 「待って〜ここから下ろしてよ」 「見付けに来てやらないと、シオンが可哀相かなーと思って探しに来たよ。ただいま」 「ええ〜。じゃあ知ってて放置してたの?」 「うん、パソコン開いて遊んでた」 酷いなあ! 押入れから下ろして貰いざま、そのまま首に抱き付いてうひゃひゃと笑い転げてしまった。 私は鬼がいつ来るかと思ってドキドキし過ぎて、押入れの中で不整脈まで起こしていたというのに〜。
晩御飯は、ダーリンが適当に作ってくれた。 適当な割には、美味しかった。
事件から7年。 山口県光市母子殺害事件の最高裁での弁論が、やっと今日行われた。 被告の弁護人はバリバリの死刑廃止論者で、その主張にはただただ吃驚するばかりである。 錦の御旗みたいに言われるけれど、人権って何だろうね。 何の落ち度も無い人を殺し、人権どころかその人生全てを奪った人間にまで、人権を認めなければならないのだろうか。 被害者遺族の本村氏は、 「賠償金が欲しいのではありません。加害者に死んで欲しいのです」 と言った。 「憎しみからは何も生まれない」というのはよく聞く言葉だが、それを殺人被害者遺族に当て嵌めるのは酷と言うものである。
死刑廃止論者は、自分の身内が殺されても、その主張を変えないのだろうか。
一緒にニュースを見ていたダーリンが言った。 「判決を言い渡す。弁護人は死刑」 うん、私もそれでいいと思うよ……。
今年もダーリンが発病した。 花粉症の季節である。 掃除をする時は流石に窓を開けるが、暖かくなって来たのに洗濯物を外に干せないのは、実に勿体無い。 仕方が無いから室内干しにしているが、この人の花粉症さえ無ければと思ってしまう。 勿論花粉症は彼のせいではない。 D東建託のせいだと私は思っている。 ったくあんな欠陥アパート建てやがって〜!
百貨店に行ってみたら、全国の美味しい食べ物を扱う催事をやっていた。 知らなかったが、一昨日から開催されていたらしい。 一昨日といえば、ダーリンが休みを取った日である。 食べ物大好きな彼と一緒に来たかったなあ。勿体無い事をした。 それにしても最近多いなあ、食べ物フェア。 ダーリンみたいな食べ物好きな人間が多いのか。 店内広告で見た美味しそうなお菓子に目を付けたのだが、残念な事に本日は売り切れていた。 開店と同時に雪崩れ込まないと入手出来ないようである。 ダーリンへのお土産に中華饅頭を、そして私のおやつとして黒糖入り饅頭を買って帰った。 緑茶を淹れて、わくわくしながらお饅頭を袋から取り出す。 私は、茶色い皮の饅頭が好きなのだ。 ぱくり、と齧り付いた私はショックを受けた。 ガーン。 饅頭の中身は、私の好きな漉し餡ではなく、粒餡だったのだ。 酷く騙された気がした。
齧り掛けの饅頭は、ダーリンの食後のデザートになった(笑)。
矢鴨やら矢鳩やら、野生生物に対する虐待のニュースを聞くようになったのは、いつからだったろう。 やってる奴は狩り気取りなのかも知れないが、食わないならやるな。それが野生のルールだ。
今日のニュースで見たのは、矢烏だった。 体に矢が刺さったままの烏は、それでも餌を探し、食い繋いでいた。 番組は「烏が可哀相」という姿勢で報道していたが、私は「酷い事する奴がいるもんだ」とは思っても、何でもかんでも「可哀相」で纏めようとするのには、違和感を覚えた。 だって、しょっちゅう「烏の被害」を報道するくせに、烏を傷付けるのは良くないと言うの? それなら、烏にどう対処しろと言うのだ。 まあ、民放のニュースなんてどれも偽善的なのだが。
ほんの20年ほど前まで、烏被害対策として、ごみ集積所に烏の死骸をぶら下げておく地区だってあったのだ。 (私は見ていないが、学生時代の友人が証言していた。子供の頃習い事に行く先生の家がある地区で、そういう事が普通に行われており、友人はカルチャー・ショックを受けたと言う) 流石に今はやっていないらしいが。 曲がりなりにも今や県庁所在地だし。 それでも、確実に行われていたのだ。 私の記憶によると、雀を獲ったり殺したりしてはいけないが、烏ならOKと法律で決められている筈である。 勿論法律が全てではなく、生き物で遊ぶのは倫理的に許せる事ではない。 それは解るが、烏に対するいつもと違う民放の態度に偽善の匂いを感じて、嫌な気分になった。
先日、飛んでいる烏が道路に胡桃を落としているのを目撃した。 噂には聞いていたものの、初めて見たので一寸感激した。 それと、我が家の軒先には、昨年末からずっと、新巻き鮭の頭が吊るされている。 「これ、どうするの?」 とダーリンに訊いたところ、 「えっ、シオンまだ捨ててないの?」 と言われた。 私の記憶によると、解体の時、頭は干しておいて後で鮭汁にでもして食べようという話があった筈なのに、ダーリンは最初から捨てるつもりだったと言う。 「捨てていいよと僕が言ったのに、シオンが『ごみ箱に入れておくと虫が付くから嫌!』って言うから、『じゃあ取り敢えず外に干しておいたら? それなら虫が付かないんじゃない』と僕がそうしたんだよ。シオン、覚えていないの?」 と呆け老人扱いされてしまった。 この間、窓の外でガタガタ音がするので、風が強いのかなあと思い、様子を見ようとカーテンを開けたところ、烏と目が合った。 虫は付かなかったが、烏が突付いていたか。 烏も驚いたのだろう、鮭の頭からさっと離れると、どこかに飛んで行ってしまった。 ああ、いつも捨て忘れるんだよな……何せ窓の外にあるものだから、ごみ捨ての時に気付かないのだ。 今度こそ捨てなければ。
3月9日「けものみち」と3月10日「憑き物落とし」を追加。
ダーリンが休みを取ったので、朝はゆっくり過ごした。 ゆっくりし過ぎて、目が覚めたら11時……ひえー! ダーリンは1時間ほど前に起きていたようで、朝食も摂らずにPCで遊んでいた。 どうやらブランチにするつもりで、私が起きるのを待っていたらしい。 レストランのバイキングに行こうと言うが、私はすぐには出かけられない。 着替えもそこそこに洗濯機を回し、洗濯の間に顔を洗う。 外出の支度が出来た頃に洗濯機が止まり、洗濯物を干し終えた頃には12時をとっくに回っていた。 遅くなってごめんよおお。
お気に入りのレストランなのだが、バイキングにしては品数が少なく、いつも同じようなメニューである。 美味しくて好きなのだが、流石に飽きて来たかなあ……今度は別のお店も開拓してみるか。 食事の後は、ダーリンのスーツを買う。 しかし、彼に合うサイズはそんなに数が多くないのだ。 しかも同じサイズ表示でも、メーカーによって微妙に違う。 柄の選り好みは言っていられないのが、可哀相である。 ワイシャツも難民というほどではないが、やはりそんなに多くない。 いいなあと思う柄・デザインでも、サイズが無かったりする。 痩せても肩幅は変わらないから仕方ないと彼は言うが、痩せたら肩のお肉も無くなるから、少しは変わると思うんだけどな……。 暗に、もう少し痩せろよと言ってみる妻なのだった。
今日は、夕食前に寒天を食べさせてみた。 初の試みである。 デザート用の牛乳寒天だったのだが、これが効果有り! 御飯はいつもの量なのに、途中で「お腹イッパイ」と言い出したのだ。 よーし、いいぞー! 但し、デザートを先に食べたみたいで何だか変だと言う。 ううむ、食前用の寒天メニューを考えないと駄目か。
2006年04月10日(月) |
教育格差の奥にある問題 |
関連記事という事もあって、3月8日分「格差社会」をアップしました。
夕方のニュースの特集を見ていたら、生活保護世帯が増えているという話をやっていた。 具体例として取り上げられたのは、離婚母子家庭2組。 1組目の母親は、 「子供を大学に行かせるために、私立中学に入れたい。しかしお金が無くて塾に通えない」 と言っていたが、まず部屋を片付けろよ。 そんなだから亭主にも逃げられるんだよ。 ごみの中で暮らしてて、幸運が舞い降りるとでも思ってんのか? 大抵の霊能者は、「部屋を綺麗にしなさい」と言う。雑霊が寄って来るからだ。 風水でも運気が下がると言うが、同じ事だ。 この家の子供は、将来、小学校の先生になりたいという。 夢や目標があるのは良い事だ。頑張れ。 でもな、塾に行かなくたって勉強は出来る。と思う。 そう思うのは、塾や家庭教師というものが存在しない田舎で私が育ったからだろうか。
2組目の母親は、26歳にして4児の母。 それはそれで大変だろうと思うが、生活が苦しいと言いながら煙草喫うなよ。取り敢えずお前の煙草代を教育費に宛てろ。 この母親は、子供を大学に行かせようとは思わない、子供の好きにしたらいいと言う。 それは賛成だ。 しかし、小学生のうちから「行きたくなかったら学校さぼってもOK」という考えは如何なものかと。 餓鬼のうちからさぼり癖を付けたら、将来「行きたくないから仕事さぼってもOK」な大人になるぞ。
他にも色々なパターンがあるのだろうが、財政を圧迫しつつある生活保護制度には問題があると私は思う。 特に今回紹介されていた2組の親子、彼等は離婚母子家庭である。 子供を抱えて大変だという彼らの主張は解るが、では何故離婚したのだ。 そもそも離婚するぐらいなら何故結婚したのだ。 結婚は当事者2人の問題とよく言うが(尤も私はこれには賛成しかねる。親兄弟を含んだ問題だと思うからだ)、離婚は2人だけの問題では済まされない。特に子供がいる場合は。 離婚しても生活保護があるから安心♪とでも思っているのか? 社会福祉の増大は、甘えた考えの人間をも増やしてしまう。
嘗てのアメリカの財政赤字の原因は、福祉費の増大にもあったと言われている。 そして、あの国は矢鱈と裁判が多い。それも原因の1つと言われている。 先月遊びに行った時、米寿になる大叔母が溜め息を吐いた。 「今の日本人はどうしちゃったのかねえ。『仕方ない』という言葉を知らず、何でもかんでも裁判にかけようとする人が多過ぎる」 と。 割り箸事件にしろ、ごみ収集車事件や花壇事件にしろ、親の責任だろと思うようなものまで裁判沙汰にして、他人の責任にしようという頭のおかしな連中が増えている。 今の日本は、アメリカと同じ道を歩んでいるとしか思えない。 何でもアメリカに倣えというのでは駄目なのだ。
起きたらお昼近かった……。
昨夜は、真夜中の最も眠い時間帯に起こされたのだった。 横で寝ているダーリンが苦しそうに魘されている声で、眠りの淵から無理矢理剥がされる様に、私は現実世界に引き戻された。 無視して寝ようとすると、また魘される声が。 「煩い!」 と言ってしまいたかったが、それでは本当の鬼嫁になってしまう。 「どうしたの? どこか苦しいの?」 と声をかけ、飲み物持って来ようかと訊くと、野菜ジュースが欲しいと言う。 ものすんごく眠たかったが、ふらふらと起きて台所まで行って、ジュースを注いだコップを持って来た。 それをダーリンに飲ませると、今度は大人しく寝てくれた。 そしてやっと、私も安眠する事が出来たのだった。
しかしお蔭で朝は起きられなかった。 9時頃仕事に行く彼を布団の中から見送ったのは覚えている。 10時間近く眠ったのか……? 流石に寝過ぎだろ。 もそもそ起き出して顔を洗っていると、彼が帰って来た。 お昼を食べて、午後から戦闘服を買いに行くと言っていたのに、 「やっぱ行きたくない」 などと言い出した……おい。 折角コンタクト入れたのに、無駄になったじゃないかよ。 昨日の疲れが残っているのだろう、仕方ないか。 私は買ったばかりの自転車で、1人でスーパーに買い出しに行った。 風がまだ冷たい。 桜はいつ咲くのだろう。
朝、カーテンを開けて驚いた。 外が真っ白だったんだもん。 タイヤ交換しようと言われていたが、待って正解だったかも。
「人生、幾つになってもやり直し出来る」
よく聞く台詞である。 しかしこれは飽くまで人生に失敗した人を励ますためのものであって、全く正しい訳ではない。 当たり前の話だ。 置いて来た過去は、何年経っても何十年経っても、人を苦しめる。
「シオンは僕の大仕事の前日には、必ず突っかかって来るよね」 と主人に言われた。 しかし私には心当たりが無い。 思うに、私はいつも通りに振舞っているのを、主人がピリピリしていて受け止め切れないのではないだろうか。 ……つまり普段からの私が悪いという事か。 彼の大仕事は、毎回見に行く。 見たいが、同時に見たくないものもあるのかも知れない。 病み上がりを理由に、途中で帰って来てしまった。 雪は雨に変わっていた。
漸く体調が戻って来た。ような気がする。 お粥がなくなったので、今日から普通食。
お天気がいいので、散歩に出かけた。 途中で思い立って、歩くには一寸遠いリサイクル店へ。 私はいつも、ここで自転車をチェックする。 欲しいのは27型、両側スタンドの自転車。 大抵の店で売っているのは、両側スタンドだと26型までで、27型になると片側スタンドになってしまうのだ。 しかし片側では不安定だし、26よりも車輪が大きい27型を欲しい。 だって、1粒300メートルじゃないけれど、ひと漕ぎで沢山進めるような気がするんだもん。 いつものように店内に入り、自転車を物色すると、あったー! 27型両側スタンド、理想の自転車である……色が黒なのを除けば。 私は赤が欲しいのにー。 しかし、ここで逃すと次はいつになるやら……。 逡巡する私の目に、お店のキャッチ・コピーが飛び込んだ。
「出会った時が買い時です」 解った。買えちゅう事ね。 防犯登録併せて、約9,500円。 まあ、いいよね。
自転車に乗って家に帰った。 風がまだ冷たい。
弁当作りのために一旦起きたものの、気分がすぐれなかったために2度寝して、次に気が付いたら昼過ぎだった。 頭痛は無し。 相変わらず食欲は無いが、服薬のためにお粥を食べ、掃除と洗濯。 そしてこんなにのんびりしたい時に限って洗濯物が多い……。 洗濯が終わると夕方だった。 ダーリンに頼まれていたので、仕方なく買い物に。 (病人に頼まないで欲しいとは思うが、彼は仕事で忙しいので仕方ない) ついつい立ち読みなんぞしてしまい、より気分が悪くなる。
帰宅したダーリンは、いつもの頭痛。 うわあん、何で私が快復しないうちにそっちも体調悪くするんだよ! はー……もういい加減普通の人間に戻りたい。 病人は辛いよ。
午前:頭痛は無いので、主人に弁当を持たせて送り出す。 食欲は相変わらず無いが、病人食を食べる。 毎日見ていた連続ドラマを見てから病院へ。 (今日が最終回だが、誰だよこの脚本書いたの(笑)。 今まで費やした時間返せって感じだった) 内科を受診。 風邪との診断は変わらず、追加で吐き気止めと整腸剤を出される。 他の病院に行き、主人の薬を出して貰う。滑り込みセーフ。
午後:お昼も病人食。 目が疲れない程度にTVを見るなどして過ごす。 部屋の片付けも少し。
夜:薬のお蔭か、吐き気も頭痛も無い。 久し振りに「お腹がすいた」という感覚が! 主人は飲み会でいないので、1人で病人食を摂る。 帰りは遅くなるかなと思ったが、早目に帰って来てくれた。ワーイ。
|