馴染みのクリーニング屋さんに言われた。 「コジキちゃんに似てますよね」 「は?」 『こじきちゃん』て……乞食なの? それともちゃん付けだから、新しいアイドルか何か? どういう反応をしたらいいかわからず、聞き直してみると、 「コユキちゃんに似ているって言われませんか?」 とやっと聞き取れた。 乞食じゃなくて、小雪だったのね……。 一寸ホッとした。
帰宅したダーリンにその話をした。 「小雪って誰だっけ」 「ほら、『プラズマにいらっしゃい』の人」 「ああ、あの人ね。似てない」 案の定、ばっさり言われてしまった。 「うむ……褒め言葉として言ってくれたんだろうけれど、私も自分で全く似てないと思うもの」 「似ていると敢えて言うなら、身長か?」 またそれかよっ。 着替えながら、ダーリンは言う。 「まあ、クリーニング屋さんも大変なんだよ。ブッシュのせいで石油が値上がりしているからな。あの手この手で客を捕まえなきゃならないだろうし」 ……何なのよそれ。
ある日の事、TVを観ていたダーリンが吃驚した声を上げた。 「何でこいつがこんな所にいるんだ……」 視聴者参加型の番組で、一般パネラーの中に同僚がいたのだ。 「この番組に出るって、上司に報告してないんじゃないのか。いいのか?」 と彼は頻りに言うが、 「別にいいじゃん。仕事サボって出てる訳でも内部事情を暴露する訳でもないんだし、一々上にお伺い立てなくても、そんなのは個人の自由でしょうが」 と、私は思った通りに言った。 実は私、この番組にはダーリンにこそ出て欲しかったのだが、仕事が忙しくてそれ所ではないという事は解っているので、涙を呑んで応募を見送ったのだった。 こっそりダーリンの名で応募しようかとまで考えたが、どうせ本人に知れたら私が叱られる事になるし。
ダーリンはすっかり同僚の事を「こいつ」呼ばわりなので、 「嫌いな人なの?」 と訊いたら案の定、 「飲み会で凹ませてやったら、それ以来向こうから全く話しどころか、挨拶すらして来なくなった」 のだそうで……そりゃただのお子ちゃまではないか。 他のパネラーと違う意見を述べる同僚を見て、 「ほら、こういう奴。特に信念がある訳じゃなくて、自分が目立ちたいがためにわざと他人と違う事を言うんだよな」 と鼻で笑うダーリン……そりゃ益々お子ちゃまだな。 「そういやさっき字幕に出てたけれど、この人私と同い年よね……私もこんな風にお子ちゃまなの?」 と訊いてみたところ、 「まあ、そういうお年頃なのかもね」 とあんまりな回答が。 それって私に対して酷くないかい? 番組の最後、全員で拍手しているというのに、唯1人拍手もせずにむすっとして腕組みする同僚がTVに映っていた……こりゃ愈々お子ちゃまですな。
翌日の職場では、「昨日のTV見た?」が合言葉になっていたらしい。 そして全員の見解として、「やっぱりあいつは駄目だ」だったらしい。 というのも、全く大した発言をしなかったから。 折角TV出演を果たしたのにも拘らず、彼は周囲から一目置かれるどころか、一目下に見られるようになってしまったのだった。
2005年09月28日(水) |
細木数子と100人の小娘達 |
「ズバリ言うわよ!SP」のお話。 100人の一般女子高生をスタジオに招き、細木数子の説教を受けさせるという番組であった。
案の定細木は、全身ブランド物に身を包んだ女子高生と、臍を出すなど露出度の高い服を着た女子高生を否定した。 それは大人として当たり前だとは思うが、彼女の否定の仕方は如何なものか。 駄目なら駄目で、どこがどう駄目なのかをきちんと説明してやらないと、否定される方は益々反発すると思うのだが。 細木のはまるで、「アタシが駄目って言ってんだから駄目なものは駄目なの!」と言っているようで、ありゃあ大人として駄目だろうと思ってしまった。
1人だけ、顔にモザイクのかかった女の子がいた。 番組の中でその子は、彼氏との間に出来た子供を堕胎したという話をして泣いた。 これは一体、どういう涙なのだろう。 堕ろされた子供を哀れんでいるのか、傷付いた自分を哀れんでいるのか。 或いは自分の愚かな行動を後悔しているのか、だとしたら彼女が後悔しているのは堕胎なのか、妊娠した事か、それとも妊娠に至るまでの事なのか、彼女の口からは出て来なかったし、細木も抉りはしなかった。 細木は彼女に対し、 「お父さんにもお母さんにも言わなくていい。ここで泣いて忘れなさい」 と言ったが、私は後半部分には賛同出来ない。 勿論それは彼女だけのせいではないが、彼女にも責任があるのだ。 被害者面して、自分が宿したくせに殺してしまった子供の事を忘れてはいけない。 忘れるな。そして2度と同じ過ちを繰り返すな。 そして私は、細木が他の女子高生達に、 「彼女は素晴らしい経験をした。皆で拍手しよう!」 と言ったのにも、とても違和感を覚えたのだった。 確かに彼女の話は他の女の子への警鐘になるだろうが、それは「素晴らしい経験」とは言えないと思うのだ。 ああ、微妙……。
2005年09月27日(火) |
タイゾー議員の謝罪会見 |
昨夜は、帰宅した主人が我が家の惨状を見た途端、 「夕食はどこかに食べに出掛けるか?」 と開口一番に言ってくれたので助かった。 窓を全開にしてもバルサンの匂いがなかなか消えないため、19時を回っても和室に荷物を運び込めず、行き場の無い布団や服が台所の床にまで散乱していたのだ。 当然そんな状態では、料理どころか食事の支度をする気すら失せる訳で、それを察知しての有り難い言葉だったのである。
さて、お腹いっぱいになって家に戻ると、TVでは新人議員タイゾー君の記者会見の様子をやっていた。 「何だ、とうとう辞職か。随分早かったなあ」 と早合点する主人……私もお昼に見た時はそう思ったが。 珍しくと言うか、一般視聴者にとっては初めて見る神妙な顔だったが、この記者会見は、 「僕はもう余計な事を喋る事が出来ません。上の人にきつうくお灸を据えられたのです。だから、どうか皆さん、僕に余り喋らせないで下さい」 という内容だと私は思った。 彼がこのような苦境に立たされたのは、半分は自分達が煩くしつこく取材したただからか(本人の責任とも言えるが)、マスコミ(特に民放ワイドショー等)は掌を返したように概ね彼に対して同情的な取り扱いをしていたのが印象的だった。 それにしても、今回タイゾー君の「お父さんとお母さん」は、今のままのお前で良いとは言ってくれなかったのかね。
タイゾー君について、私は 「頭も軽そうだし、ただの数合わせの使い捨て議員だろ」 と思っているのだが、ダーリンは違う。 「自営の片手間に国会議員をする訳でも、2世議員でも何でもないこういう普通の人が、議員を続けて普通の感覚で国会を動かせるようになったら、それはそれでいい事だと思う」 のだそうで。 確かに議員の世襲は禁止すべきだと私は思うが、ムネオちゃんみたいなとんでもない輩が出て来る場合もあるからなあ、それはそれで困る。 あ、でもムネオちゃんは「普通の人」じゃないのか……。 ところで、ムネオちゃんの選挙違反の件は不問で片付いちゃったのかしら。
2005年09月26日(月) |
大規模アップデート実施中 |
新しい箪笥がやって来た。 大きさの割りに、お店の小父さん2人がかりでもえっちらおっちら運ばねばならないほどに重い箪笥である。 昨日は何も家の事を出来なかったので、搬入までに大慌てで掃除、天気が良いので張り切って布団まで干した。 更に張り切って、一旦運び込まれた箪笥を独りでわざわざ部屋の外に出し(抽斗を全部外してもなかなか動かなかった。それほどに重い)、更には押入れの中の物まで搬出。 押入れを全開にして、害虫駆除に臨む。 去年はアースレッドで酷い目に遭ったので、今年はバルサンで勝負だ。 今度は説明書を隅から隅まで熟読し、窓の鍵は閉めず、外から開けられるようにしておく。
和室から1番遠い部屋で箪笥の中身を移し替えていたのだが、和室の前を通りがかってみると、何とドアの下から思い切り薬剤の匂いが漏れているではないか! 慌てて隙間にボロ切れを突っ込んだが、居間と台所にまで匂いが……。 換気扇を回し、居間の窓は全て全開にして、私は再び別の部屋に避難した。
2時間後、去年の教訓を生かし、私は外から和室の窓を開けた。1階で良かったと思った。 更に1時間後、和室の戸を開けたところ、まだ匂いは残るものの、だいぶ換気された様子である。私の学習機能万歳。 それでもあの匂いは嫌いだ。 もう2度と吸い込みたくないので、息を止めて掃除機をかけ、畳と壁まで雑巾をかけた。 勿論死なないように、しょっちゅう部屋の外に出て息継ぎをするので全然捗らないが、去年のように死ぬ思いをするよりは断然ましである。 ところが部屋の中はまだ良いが、押入れの中に匂いが充満してしまい、このままでは布団を仕舞う事が出来ない。 仕方ない、もう暫くこのままで換気しておくか……。
しかし、秋の日は釣瓶落とし。 16時半を回り、辺りは暗くなって来た。 取り外した序でに洗濯したカーテンを取り込んで元に戻したいのだが、薬剤の匂いが染み込んだらどうしようと思うと、どうにも出来ない。 しかも、風通しを良くしている分、居間にまで匂いがして来たような気が……。 箪笥はまだ出しっ放しだし、布団は仕舞えないし、今日中に片付くのか!?
学生時代の親友から、久し振りにメールが来た。 私からは何度かメールしているが、返事が無いので相変わらず仕事が忙しいのだろうと思い、こちらからは電話もしなかったのだが、何となく電話をかけてみようという気になった。 携帯からだとお金がかかるので、固定電話でかけてみたが、7度コールが鳴っても出ない。 連休だが今日も仕事かな……と思いながら携帯に電話してみたところ、あっさり「もしもし」の声。 仕事中かと問うと、違うと言う。 では家にいるのかと問うと、そうだと言う。 しかし今アパートに電話したが、誰も出なかったぞと問い詰めると、肯定も否定もしない。 様子がおかしい。 話を聞いてみると、実は休職中なんだとか。 彼女は今年の春、それまで馴染んでいた所から異動になったのだ。 「調子悪いながらも頑張っていたんだけどさ、夏休みに入ったら糸が切れたみたいに駄目になっちゃって」 と、彼女はぽつぽつと語った。 「そうか……。で、今度はどうするの」 実は彼女、数年前にも同じような事があったのだ。 今回もストレス障害と診断されていて、状況も前回と全く同じである。 「もう2回目だし、復帰は無理だろうね。私もあそこではもうやって行けないや。だからと言って、自分に合う所に異動させて貰える訳じゃないし」 厳しいが、仕方ないのだろう。 暫く休んで、後の事はそれから考えると彼女は言った。
それから学生時代の友人達の近況等で盛り上がり、電話を切ったのは2時間後だった。 しかし私は、電話料金よりも彼女の事が気になって仕方ない。 仕事から帰った主人にその事を話すと、彼は言った。 「2度目なら退職も已むを得ないな。こうなったら、親元に戻るのが1番いいだろう。シオン、幾ら仲良しでも、こっちに来たらとか安易に言わないようにね」 「流石の私もそんな無責任な事は言わないけれど。彼女も大事だけれど、今の私にとっては貴方が1番大事だもん。彼女、誰にも会いたくなくて暫く引き籠ってたんですって。それが少し回復したから、メールくれたみたいよ。今は旅行に行く気も起きないけれど、そのうちどっか行きたいとは言ってたけれどね」 と私が言うと、彼はすぐさま答えた。 「あーそれ危ない。鬱も入ってるんでしょ。何もする気が起きない時はいいけれど、能動的になった時に自殺の危険性が高くなるんだよ」 そう言えばそうだっけ……。 今のところ自殺願望は無いと言う彼女の言葉に、私は安心してしまっていたのだ。 「どうしよ」 「どうしようもないでしょ。冷たいようだけれど」 実際ダーリンの言う通りなんだよね、遠いし。 仮令近くにいても、今の私には、心配するぐらいしか出来ないんだろうなあ。
最終回を観た。 ネットでまとめサイトには目を通していたが、映画は勿論、ドラマで観るのはこれが初めて。 話の内容より、懐かしい曲(CCB、アース,ウィンド&ファイヤ)や懐かしい人々(なすび、岸辺シロー)に注意が行ってしまった。
一緒に観ていた主人は、かなり否定的。 「2ちゃんはあんなにほのぼのしてないぞ。もっと殺伐としてるだろ。万が一『2ちゃんって良い所なんだ〜』と勘違いした奴等が2ちゃんに行くようになったら、TV局は責任取ってくれるのか?」 「取らないでしょ、そんなの……。でも貴方、2ちゃんねるに否定的な割に、毎日入り浸ってるよね」 と私が突っ込むと、彼は咄嗟に否定した。 「違う! あれは情報収集だ。仕事の一環なんだよ」 ハイハイ、そうですか。
番組が終わり、10月からの新番組の予告が始まった。 それを見たダーリン。 「『鬼嫁日記』だって。シオンの話だ」 「ハァ!? 誰が鬼嫁ですって?」 「何でもない……」 悪いけどね、あれを観たらきっと貴方、私が天使に見えてよ。
主人は連休中も仕事で余り構ってくれないため、知人に誘われたお茶会に出席する事にした。 いつもの事だが支度に時間がかかり、家を飛び出したのはぎりぎりの時間。 直線距離だと街中を通る方が若干近いが、そちらは混むだろうと思ったので、国道からバイパスに出る事にした。
しかし、国道は渋滞していた……。 急がば回れと言うが、この場合、街中を行くのと遠回りのバイパスと、どっちが「回る」になるのだろう。 私は裏道も知らないし、一方通行も多い。 下手に抜け道を探すと、却って迷子になり兼ねない土地なのだ。 仕方なく、そのままゆっくりとした車の流れに身を任せる事にする。 休日だからか?と思っていたが、原因は車屋。 一車線を丸々使って、車の積み下ろし作業をしていたのだ。 そんな事に公道を使うんじゃない、馬鹿たれがっ。 展示場の敷地内でやれよ! そのスペースが無いなら車屋なんかやるな!!
バイパスに出るところで、またもや渋滞。 呪われてるのか? 今度は何かと思ったら、大きな十字路の真ん中で、前の拉げた車がそのままになっていた。 事故かよ……勘弁してくれ。 道端では、若者が警察官に事情説明をしていた。 先に車を避けてくれないかなあ。 確か教習所では、救護が終わったら、通行の邪魔にならないように事故車を退けると習った気がするんだが。
当然お茶会には大遅刻。 家を早く出りゃいいのだが、支度の為には和室を使いたい。 和室は寝室になっているので、ダーリンにはさっさと起きてさっさと出かけて欲しいのだが、なかなか起きてくれなかったのだ。 そして洗濯と平行して掃除やら後片付けやらしていると、時間なんてあっと言う間に無くなる。 縦しんば早目に支度が出来たとしても、出掛ける直前になってトイレに行きたくなったり、宅急便がやって来たりするのだ。 もうこれは運命なんだな。 私は遅刻の霊に取り憑かれているのだろうと思って、最近は諦めている。
昨日分「女王の教室」加筆。
秋は何故か、裁縫熱が高まる季節だ。 昨日は型紙を写した。 しかし何故か夏用ワンピース。 ワンピースなんて普段着る機会も無いのに、何故か作りたくなったんだよう! しかも夏物だから、出来たとしても着るのは来年か……。
ミシンを出したら、前回使った白い糸が付いたままだった。 そこで、糸を換えずに縫える、居間のカーテンを縫い直す事にした。 結婚した時にホームセンターで買った丈の長いカーテンだが、引っ越した時に買い直さずに裾上げして出窓に使っていたのだ。 1枚に繋がっているカーテンは、大きい窓で使う分には良いのだが、出窓だと真ん中で開けないのは不便である。 ここに越して来て2年、不便だと思いながらついそのままにしていたのだが、やっとその気になった。 椅子に上がってカーテンを取り外し、真ん中の縫い目をリッパーで解く。 適当に待ち針を打って、ミシンにセットした。 しかし生地が厚いので、端の4つ折部分が押さえ金の下に入らない〜。 ぎゅうぎゅうに無理矢理押し込んで、手回しで縫い始めた。
思いのほか解くのに時間がかかり、縫い始めてからも糸が絡まったりで、出来上がった時にはとっぷりと日が暮れていた。 通りに面した窓じゃなくて良かったよ。 微妙な縫い上がりだが、誰もそこまで細かく見やしないだろう。
最終回は90分拡大スペシャル。 「悪魔のような鬼教師に小学6年の子供たちが戦いを挑んだ、一年間の記録」という触れ込みだったが、結局鬼でも悪魔でもなく、自分の信念を貫き通した女教師と、彼女によって徐々に成長して行く子供達の物語だった。 優しさの欠片も感じられない彼女の言動に恐怖と不信感しか抱いていなかった子供達と一緒に、大抵の視聴者も彼女に対する見方が変わったのではないだろうか。
物事には裏がある。 彼女はそれを子供達に教えようとしていた訳だが、人によっては子供達に見せるのは好ましくないと言い、決して少なくない数の一部の視聴者は好ましくないと考えたのだろう、TV局に抗議した。 ドラマの途中、その抗議に配慮したらしい小細工のようなもの(実は優しい先生だったのよという夢や、エンディングに使われた撮影終了後の風景)が覗えたのは興醒めだった。 私はそこまでチェックしていなかったが、聞いたところによれば、何回目からか、「この番組は〜の提供でお送りいたします」というスポンサーのお知らせが出て来なくなったという。 つまり、スポンサーにまで文句を言う暇人がいたらしいという事だ。
世の中には裏がある。 世間に一歩出れば、汚い事や恐ろしい事が口を開けて待っているのだ。 TV局やスポンサーに抗議した人々は、表面的にしか物事を見る事が出来ない人々なのではないだろうか。 子供達を純粋培養したい親心は解るが、少なくとも、今の世の中は温室ではない。 いずれ子供は親元から飛び立つ。 勉強だけが教育ではない。 世の中の荒波の中でも生きて行ける逞しさや賢さを身に着ける事も、立派な教育なのだ。 「こんな酷い内容、子供に見せたくありません」 と言うのも解るが、詰まらぬ恋愛ドラマの方がよっぽど害悪である。
人間にも裏がある。 彼女の裏に隠された真意が、回を重ねる毎に明らかになって行くのが、私はとても楽しみだった。 最終回で彼女の実態が明かされたのだが、いやあ普通の教師はあそこまで出来ないだろう。 子供達に対する態度も仕打ちも裏のサポートも。 そりゃ過労で倒れるわ。 家庭を持っていたら絶対出来ないだろうな。 そして、これは結構危険な教育方法だ。 彼女の奥底には子供達に対する愛情があったとは思うが、それは表面からは非常に見え辛いものだった。 そして愛情は往々にして、与える側ではなく受け取る側の問題だったりする。 どんなに愛情をもって接しても、それが受け手に伝わらなければ、教育の意味が無いのだ。 彼女は偶々受け持った学級の中にそれを見抜いてくれる子供がいたから最後には「良い先生」だと理解して貰えたが、大抵の場合、「悪魔のような鬼教師」で終わってしまう。 尤も彼女は、他人の評価など全く意に介さず、それでも己の信じた道を突き進むだろうが。
初回こそ見逃したものの、私が今季唯一しっかり観た地上波ドラマであった。 ただ1つ不満なのは、最後にお母さんが働きに出てしまった事。 ある程度子供に手がかからなくなったし、外で働くのは一向構わないのだが、その動機が「いい女になるため」って何か違うだろ。 それじゃまるで外で働いていない女はいい女じゃないみたいじゃないか。 専業主婦として断固抗議するぞ!(と言いながら、家の中でも余り働いていない私☆アハハ!) まあ好き嫌いはあるだろうが、途中でリタイヤしてしまった人にも、出来る事なら最後まで見て考えて欲しいドラマである。
他に今季ドラマはBSしか観ていなかったが、今思えば「女系家族」と「ドラゴン桜」も観れば良かった。 「がんばっていきまっしょい」も面白かったらしいし。むう。 再放送があったら頑張って観よう。
民主党党首選に、小沢一郎は立候補しないのだとか。 じゃあ立候補じゃなくて推薦なら党首選に出るの?と一瞬思ったのだが、そういうのは無いのね。 前原さん(今まで顔も名前も知らなかった)対菅さんという事は、新旧対決って事なのかしら。 それにしても、菅さんって出たがりだなあ。 もしかして小泉並みに目立ちたがり屋? まあ、政治家なんてそんなものか……。 私の中では、一遍転けた菅さんは、既に過去の人なのだけれど。 そういやこんな川柳があったな。
かいわれを 食べてた頃が 花の人
もう潔く散ったらいいのに、まだ返り咲く気か。 こんなごたごたを見ると、民主党が政権取らなくて正解だったのかもと思う。 でもなあ、自民党で正解とも思えないんだよな。 最近TVで見かける、自民党の比例選出の1年生議員26歳を見ると、こんな奴が自民党の数合わせのために血税を貰っていいのか?と非常に疑問に思う。 「こんな馬鹿っぽい若造が代議士になっていいのか? こんなバカゾーなんかより、貴方が立候補したら良かったのに!」 と私が怒ると、ダーリンが言った。 「嫌だよ、国会議員なんて。家の中でさえ政権を取れないのに、国会議員になってもな」 まるで、私が尻に敷いてるかのような言い方である。 「そんな事無いでしょ。それに、貴方はこんな田舎で燻っているべき人じゃないわ。貴方には、救世主を探してサポートするという重大な使命があるんでしょ!?」(註:ヘンな宗教とかではない。なんかね、彼は若い頃に、そんな思いに駆られた事があるらしい/笑) 「いーやーだ。僕が国会議員になったって、自分の思い通りに国を作れる訳じゃない。それより、人を思い通りに作れる今の仕事の方が、ずっと遣り甲斐があるよ」 意外な返答に私は驚いた。 「あら、今の仕事が好きなの?」 「そりゃそうだよ。どうしてシオンは僕の仕事を辞めさせたがるんだ。第一、代議士の妻なんてシオンに務まらないだろ。うちの主人を宜しくお願いします、って色んな人に頭を下げなきゃならないんだよ? シオン、人に頭を下げるの嫌いだろ」 「うん、大嫌い。それにお辞儀は身体に良くないって、こないだの『本当は怖い家庭の医学』(9月13日放送分)でやってたもん。だから健康のためにも、頭なんて下げない方がいいのよね!」 と私がキッパリ言うと、彼は、 「シオン、それは違うぞ……」 とがっくりしてしまった。
青ジーンズなんてカジュアル過ぎると思い、ずうっと避けていたのだが、先日TVでラフな格好のチェ・ジウを見て、10数年振り(……)に青いジーパンが欲しくなった。 黒とベージュなら持っているが、数年穿いている黒は色褪せて来たし、ベージュのもだいぶ草臥れて来た。 ユニクロのコーデュロイのズボンは持っているが、夏は暑くて穿けないし、ジーンズ買ってもいいよね?
という事で、インターネットで探してみた。ネット万歳。 最近はローライズとかいう、半ケツ状態になりそうに股上の浅い物が流行っているし、ズボンは実際に試着しないと寸法が合うかどうかわからない。 カタログ通販で見かける物は、何故か短足用で長くても75cm、私にはつんつるてんでとてもじゃないけれど穿けない。 (私の場合、脚だけが長いのではなく、背が高いから全体的に縦長体型なのだ。勿論胴も長い……) しかし、今持っている物と全く同じ品番なら大丈夫な筈。 ビッグジョンのサイトに飛んでみると、通信販売もやっているではないか! 私に一番しっくり来るブラッパーズのLE203は、5色あった。 青色の物をクリックし、サイズを探す。 だが、無い……ガーン。 問い合わせてみると、何と、LE203はもう廃盤なんだそうで。 またまたガーン。 一番欲しい色で私に合うサイズは、もう永遠に穿けないのか。 もっと早くにここを見付けていればと、悔やまれて仕方なかったが、半額に値下がりしていたので、群青色と茶色の2本を買ってしまった。
今穿いている物と同じサイズを注文した事をダーリンに言うと、 「大丈夫? 入るの?」 ガーン……そんな。 「前もそれで失敗してたじゃん」 確かに去年だったか、同じブラッパーズをカタログ通販で注文したものの、サイズ表示に従ったのに、何故か膝上辺りでひっかかり、返品したのだった。 そういや、そんな事もあったな……。 「あれは同じ会社でも、型が違ったから失敗したのよ。でも今回は、品番が同じだから大丈夫!」 と胸を張ったものの内心不安だった私に、彼は、 「そう。でも新しいジーンズってきついからね。まあ穿いているうちに伸びるといいけれど」 と追い討ちをかけたのだった。
本日届いたので、穿いてみた。 あーら、スルリと穿けて、いい感じじゃないの! 裾上げして貰わなかったから一寸だけ長いけれど、踵の高い履物なら平気そうだ。 嬉しくて早速ダーリンに見せたが、「あーハイハイ良かったね」とどうでもよさげな反応……詰まらんな。 入らなかったら笑って大喜びするくせに!
いいのかそれで。
夕方のニュースを見ていたら、「安達祐実が出来ちゃった結婚」の報道が。 またですか……安達祐実は結構好きだったのに。 がっくりしながらトイレに行き、CM終了と同時にTVの前に戻って来ると、祐実ちゃんの隣りに見覚えのある顔が。
え。 ええええ〜〜!!
相手はお笑い芸人、「スピードワゴン」の井戸田潤。 「甘いよ小沢さん〜、PTA会長の娘の処分ぐらい甘いよ〜」 と言っている人である。 意外過ぎて釣り合わない。 安達祐実は産休育休は取るものの、その後は女優に復帰すると言っていたが、そうでないと食って行けないだろう。 確かにお笑いブームで、スピードワゴンもよくTVで見かけるから、TV以外の仕事も多いだろう。 しかしスピードワゴンはまだ駆け出しの部類だ。 今はお笑いブームだが、ブームは何れ去る。 その時スピードワゴンは生き残れるだろうか。 基本的に女は子供を産んだら家庭に入るのが1番だが、この場合、稼ぎのいい祐実ちゃんが働くのが無難な選択だろう。 稼ぎの多い女が稼ぎの少ない男と結婚すると大変だねえ。 と言うか、収入の不安定な男が家庭を持っちゃいけないよ。 きっと無計画にヤッちゃったんだろうなあ……馬鹿だねえ。 井戸田は、 「いずれ結婚するつもりだった。(妊娠の事で)何か言われても、全力で守って行く」 と言ったようだが、初めから、何か言われなくても済むようにすれば良かっただけの話だろ。 本当に相手を大切に思っているなら、そんなみっともない事にならないようにするのが、男の責任ってもんだろうが。
客観的に見て、井戸田の方が黒田アーサーよりましなのか? うーん……どっちも好ましくないなあ。 アーサーほどではないが、井戸田も彼女より結構年上か。 祐実ちゃんの年上好みは、父親に対する思いが根底にあるのではないだろうか。 確か彼女の母親は彼女の父親と離婚、今の父親は母親の再婚相手の筈である。 幼い頃に親の事情のせいで父親から離され、ファザコン的要素が強くなったのだろう。 幸せな結婚を、とは思うが、余り祝福する気持ちになれない。 彼女も自分の母親のように、子供が幼いうちに離婚なんて事にならなければいいが。
当選して欲しくない人々が当選してしまった事だよ。
<鈴木宗男> 北海道民の良識を疑うぜ……。 全国区でこいつ駄目だろの烙印を押されても、地方ではやはり、お金を持って来てくれる奴がヒーローなのか?
<石原3男> 親の威光で選挙に出るんじゃない! それと、顔が嫌い。醜いからだけじゃなく、何を志しているのか判らん顔。 でも、前回よりは1mm程度は良くなった? それとも、私の目が慣れただけ? ああでも、見かけで判断しちゃいけないのよね。 前の防衛庁長官だって、見た目知恵遅れ風味だったけれど、防衛に関しては確かにプロの発言だった。ごめんね石羽さん。
<藤野真紀子> 料理と政治って、何が関係あるんですか?
<永岡桂子> 弔い合戦って、アンタ……。 本当に弔い合戦するなら、小泉と戦ってみろよ。 お涙頂戴で選挙に出て来るんじゃない。
当選して欲しかった人
<城内実> 独裁者・小泉に切り捨てられ、無所属で出馬したのに片山さつきに惜敗。 この人のように、郵政民営化には賛成だがあの法案には反対という人もいるのだから、反対派というだけで一緒くたにして議論を尽くさずに切り捨てる小泉のやり方はおかしい。 奥さんと子供達がいるのに、無職になっちゃって、これからどうするのだろうか、他人事ながらちと心配。
当選して良かったね
<野田聖子> 郵政民営化法案について、小泉とやり合った国会中継を見た。 討論番組でも何度か見ているが、日本初女性総理候補と言われるだけあった。 今回の騒動で、日本初の女性総理からは遠ざかってしまったが、この人の言う事は筋が通っている。 小林興起よりよっぽど男らしい。 勿論当落に関係無く、その心意気や言動が。
落ちて良かった人
<米山隆一> 地元出身て言っても、地元にいたのは小学校だけじゃん。 中学は学区外の附属長岡(長岡近辺ではエリート校)、高校は灘高て、県外だし。 中学までしか地元にいなかったくせに地元出身とか言ってるバ加藤紘一より酷いじゃん。 ただ、比例で出なかった事は褒めてやろう。
<堀江貴文> 落選したものの、亀井静香相手に善戦。 若者に支持されたのか、それともしずかちゃんに嫌気が差した人々の票が流れて来たのか。 社長としてマネーゲームをする分にはいいが、利己的な人間が政治家になっては困る。 勿論その点ではしずかちゃんも微妙だが。 離婚して子供を捨てたところ、そしてその子供に未練も愛着も無いところや、自己愛が強いところが、小泉に良く似ている。
ところで、佐藤ゆかりの不倫メール疑惑って、真相はどうなの?
2005年09月12日(月) |
いい加減、目覚めなさい(阿久津真矢風に) |
昨夜はNHK教育とBS2を除いて、どこの局も選挙速報をやっていたが、民放は煩くて仕方ないので、ずっとNHKを見ていた。 20時になった途端、次々に自民党当確の嵐。 そして自民党の圧勝……見ていて、暗澹たる気持ちになった。
どうして皆、小泉・アドルフ・純一郎に騙されるかねえ……。 ありゃあ詭弁家だよ、扇動者だよ。
彼の国会での答弁、「人生色々!」を私は忘れない。 あんな巫山けた事言う奴が、首相でいいものか。 と私が怒ると、主人は 「でも、あれはあれでいいと思ったけどなあ。真正面から受けたら勝ち目は無いし、あの時は他にやらなきゃいけない議題があったでしょ。それはそれでおいといて、として次の事に取り掛かる。あれも政治家の手法の一つでしょ」 とケロリと言った。
人生色々発言だけではない。 国会での彼の答弁を聞いていると、酷く苛々して来る。 辻本清美の「総理!総理!」の時だって、そうだった。 辻本の質問に対し、小泉はきちんとした答えをせずに、わざと時間切れを狙ったのだ。 それで辻本が「答えて下さいよ、総理! 総理!」と連呼したのだが、どれだけの人がその経緯を覚えているだろう。
政治家としての手法? 冗談じゃない。 国会は議員だけではなく、その背後にいる国民に対しての説明の場でもある筈だ。 小泉は卑怯な手段で、国会を汚している。 そして言葉巧みに人を欺く事に長けている訳だが、皆、騙されちまったのね……あーあ。 ブッシュを支持するアメリカ国民を笑えないわ、これじゃ。
ところで、どこに投票したの?とダーリンに訊いてみた。 「小選挙区は自民党候補。比例は白紙」 「白紙って事は、どこの党にも入れなかったの?」 「そういう事。小泉自民党を支持する気にもならなかったけれど、民主も嫌だったから」 なるほど……そういう選択もあったか。 「で、シオンは? 新党大地にでも入れたか?」 「誰が入れるかっ」 志位さんの演説が思いのほか良かったから、共産党に入れようかとも思ったが、取り敢えず小泉に続投させる訳には行かないため、第2党の民主党と民主党候補に投票したのだ。 「でも勝てなかったわねえ、民主は。やっぱ岡田が駄目だったか。約束守って党首は辞めるみたいだから、今度は誰が出てくるのかしらね。小沢がずっと鳴りを潜めているのが却って不気味なんだけれど。貴方は小沢一郎好きだもんね」 「いや、好きって訳でも……。でも民主党内でもアンチ小沢は結構いるみたいだから、小沢が出て来たら揉めるだろうね」 「何で嫌われてるの?」 「さあ……」 「駄目じゃん、小沢好きならそれぐらい知ってなきゃ」 「いや、だから好きって訳じゃ……」 じゃあ何で普段小沢一郎に肩入れしてるんだろ。
社民党はCMを作ったものの、お金が無くて1回も放送出来ていないらしい。 じゃあ何のために作ったんだか。 CMのセンスも無いが、計画性も無い党に政権を任せられるだろうか。 それにしても、福島瑞穂は何故CMでも演説でもあんなに棒読みなのだろう。
創価学会ベッタリの公明党が改革と叫んだところで、全く信憑性を感じられない。 そうはイカンザキ!と公明党にこそ言ってやりたいぞ。
民主等CMの「日本を諦めない」の意味が解らん。 しかも岡田克也のイントネーション、訛っているし。 オウム真理教を髣髴とさせる「ネクストキャビネット」とやらは、まだやっているんだろうか。
自称保守派の人々が自民党支持と言って小泉自民党に賛成するのがよく解らない。 「造反者」のレッテルを貼って郵政民営化法案に反対した議員達を追い出した小泉自民党は、最早これまでの自民党ではなく、自民党という入れ物に入った全くの別物だと思うのだが。 しかも、自分に従って法案に賛成票を投じた議員を刺客として、縁もゆかりも無い選挙区に送り込む小泉純一郎のやり方は、彼の性格を彼の詭弁よりも雄弁に物語っている。 彼は自分に賛成してくれた議員達を、仲間ではなく、自分の持ち駒としてしか見ていない。 そんな人間が、自党の議員達より遠い所にいる国民に対して、正しい政を行えるだろうか。 それでも報道によれば、小泉自民党の支持率は他党に比べて高いらしい。 小泉はアメリカの言いなりになってイラクに自衛隊を派遣したが、中韓の横槍に負けずに靖国参拝を貫いて来たため、強気のイメージが先行する政治家である。 しかし今、国に必要なのは強い指導者ではなく正しい指導者なのだ。 小泉の支持率が高いという事は、その区別が付かない国民が多いという事か。
さて、私はどこに投票しようかまだ迷っている。 前回のようなおかしな事をしないように、よくよく考えて行かなければ。
秋ですね。 ブタクサの季節ですね。
久し振りの完全休日な週末だというのに、今日も主人から放置プレイの扱いを受けてしまった。 それもこれも、花粉症の薬の副作用で、主人がず〜〜〜っと眠っていたからである。 何だよー、どこも連れてってくれないのかよー!という不満を隠せず、 「眠いのは仕方ないもん、放っておいて欲しいみたいだからそうするね」 と言いつつ、 「眠いの? まだ起きられない?」 と主人の睡眠を邪魔する私。 「もー、放っとくって言ったんだからそうしてくれよ〜」 とキレた主人に逆切れして、私は1人で買い物に出かけた。
近所のスーパーに……。
うわあん、どうせなら2人で遠出したかったのにぃ。
家を飛び出したのが夕方だったので、帰宅した時にはもうとっぷり日が暮れていた。 やっと起きて来た主人が、 「明日は一緒に出かけようね」 と言ってくれたので私の機嫌も直ったが、 「投票に」 と付け足された一言にまた一寸ムッとしてしまった。 偶には遠くに連れて行ってくれよ〜。
また新しい玩具を買って貰っちゃった♪
香取慎吾のCMで御馴染みのカラダスキャンが、我が家にやって来た。 予め年齢や身長を入力しておき、体重を量る度に、体脂肪率やらBMI数値やらを出してくれる優れものである。 最近はこんな多機能な物でも、1万円あれば充分買えちゃうのねえ。 今まで家にあったのは安物で、500グラム刻みでしか表示されず、本当に正しいのかどうかいまいち信じられなかったのだ。 いい物を欲しい欲しいとは思っていたのだが、この夏余りの暑さに食欲が落ち、間食もしなかったために体重が減った事もあり、新しい物を買う決心が付いたのだ。 早速開封し、ダーリンに乗って貰った。 しかしBMI数値25.5、体脂肪率24.7%て……。 「はっきり言わせて貰うが、一言で言うとデブって事よね。体重の4分の1が脂肪だし」 と冷たく言い放つ妻に、 「いやあ、照れるなあエヘヘ」 と訳の解らない返答をする夫……頼むよ、何とかしてよそのハラ。 しかも「体年齢:49歳」って、実年齢より遥かに上じゃないの。 「じゃあ次、私ね」 BMI19.7、体脂肪率23.9%。 「私も4分の1が脂肪だわ……貴方よりはましだけどね!」 そして体年齢なんと28歳! 「見て見て! 実年齢より若く出たよ! 運動不足だから心配していたけれど、良かったあ♪」 と狂喜乱舞したところで、ハッと気付いた。 「一寸貴方、私が28歳で貴方が49歳って、実年齢は10も違わないのに体年齢は親子ほども違うじゃないの。貴方も運動するなり食事制限するなりして、自分で努力してみたら?」 「それじゃあシオンがちゃんと食事作ってよ。僕が作ると、自分が食べたい物しか作らないもん」 「ぐ……」 その切り返しは一寸勘弁して欲しい。
帰宅したダーリンに、早速報告した。 「ねえねえ、今日トラックが来て、上の住民が引っ越して行ったわよ。それで昨夜、夜中にガタゴトしてたのね」 「えー、本当に引っ越しだった? こんな時期に?」 「引っ越し業者のトラックだったもの、間違いないわ。でも時期的におかしいと思うでしょ? トラックも2台来てたし、とうとう離婚かしら」 「僕達もここに越して来る時、道が細くて4トントラックじゃ通れないから、2トンを2台使ったでしょ……シオンは覚えていないのか」 と、わざわざ溜め息まで吐いて呆れるダーリン。 「そ、そうだっけ……でもトラックの大きさが何トンかなんて、見たって判らないもん! で、離婚だと思う?」 「そんなの知るかっ。シオンは何が何でも離婚って事にしたいんだな……」 「違うもん。離婚なんてしない方がいいに決まってんじゃん。ただ、私は真実が知りたいだけよ。貴方は知りたくないの?」 「別に」 詰まんない男ねえ……この人は。 些か拍子抜けしたが、私は尚も言い募った。 「だって私達がここに引っ越して来た当日の夜に、いきなり『助けて〜!』でしょ? その後だって何度も夫婦喧嘩を聞いているし、跫だってドスドス煩くて、何度寝入り端を起こされたか。あれだけ派手な喧嘩をされたら、その後が気になるわよ。それに安眠を妨害されたんだもん、私達には知る権利があると思わない?」 という私の弁舌にも、彼はあっさり答えた。 「思わない」 がっくりする私に、彼は言った。 「シオンはHGだからなあ」 「何よ、HGて……ハードゲイじゃないでしょうね。それとも独逸語読みで『ハーゲー』……ハゲとか?」 「ハード・ゴシッパー・シオン。HGシオンと命名してあげよう!」 ご、ゴシッパーって……。 「それとも、ハイパー・ゴシッピストの方がいいかなあ?」 ゴシップ、ゴシッパー、ゴシッピスト……最上級みたいだな。 てか、どっちも嫌ですから!
何だか眠くなかったので、ごそごそと夜中に起き出した。 居間で家計簿を付けたりレシートの整理をしたりしていたが、天井からゴトゴト音がする。 上の住民もまだ起きているのか……と思っていたら、ドスン!と結構大きな音が。 ガトゴトと家具を移動しているような音に、ドタドタと人が歩き回る音。 こんな真夜中に模様替えか?と思って時計を見ると、2時30分……おいおい。 寝室のダーリンは、明日も仕事なんですけど。 物音で起きないといいけどなあ。
と思っていたら、朝、ダーリンは酷く眠そうに起きて来た。 明らかに寝不足の顔である。 「上が煩くて眠れなかった……昨夜は流石に天井蹴飛ばそうかと思ったよ」 「今日も仕事なのに、可哀相に……いっそ蹴っ飛ばしちゃえば良かったのに!(足が届くなら) 或いは私に言ってくれたら良かったのに。そしたら夜中でも文句言いに行くわよ!」 「だから我慢してたんだよ……シオンはどうしてそう波風立てたがるんだ」 いや、言うべき事はちゃんと言わないと!
辛そうに仕事に出かけるダーリンを見送り、洗濯物を干して掃除をしていると、駐車場に大きなトラックが停まったのが見えた。 少し離れた所にも同じトラックが1台あって、横にはTVCMで御馴染みの、引越し会社のロゴが書いてある。 銀行なら5月と10月に異動もあるらしいが、9月に異動の職種ってある? こんな半端な時期に、しかもトラック2台で引っ越すとは、もしやとうとう……離婚!? 自分達こそ半端な時期にここに引っ越して来たのも棚に上げ、荷物が次々にトラックの荷台へ消えて行くのを、私はカーテンの陰からわくわくしながら見守っていたのだった。
|