「暗黒童話」乙一 集英社文庫
乙一、初体験!!
読書家の評判はいつもよくて、前々から読んでみたかった作家さん。 なのに今まで未読だったのは、何となくとっておきたかった切り札的存在だからで しょうか。でもまあ、ちょっと縁がありまして、今回読みました。
力がある。そんでもって、この作品においては…騙された!
ミステリー仕立てなので多くは言わないけど(読んだひとにはいわずもがなでしょうが) こんな騙され方をしたのは、我孫子武丸「殺戮にいたる病」以来かと。 ただこの作品、やっぱりミステリーというよりファンタジーだよね〜とは思いました。
☆☆☆(星みっつ)
「ファイト! 3」 佐々木潤子 オフィスユーコミックス
地元商店街がスポンサーのバレーチーム「轟がんばり隊」が目指すのは、日本バレーの 最高峰・プレミアリーグ。 今回は、3回目の入れ替え戦に挑戦です。 チームを引っ張るのは、元全日本選手の桜田さくら。 桜の相棒だったセッターのアイちゃんはケーキ屋の若奥さん。 クラブのママとかお弁当屋さんとか、中学生や高校生も交え、体当たりで挑んでゆく様に、 とてもドキドキしました。 「頑張れば報われる」じゃなくて、「頑張ってなんとかなるなら、こんな楽なことはない」 ……がんばることは誰にでも出来るからかな。 最初からあきらめないから、可能性があるんだもんね。
現実は、なかなか気持ちを保つのが難しいとは思うけど。 (だからガンバルって、難しいのかな)
☆☆☆(星みっつ)
2007年06月25日(月) |
新曲奏界ポリフォニカ ビギニング・クリムゾン |
「新曲奏界ポリフォニカ ビギニング・クリムゾン」榊一郎 GA文庫
多角的に展開しているポリフォニカ、本書はクリムゾンシリーズの最新作。 でも、時間軸的には古いお話。主役コンビ、フォロンとコーティカルテの、はじめの物語 だから。既作の、キネティックノベル分を、加筆の上出版、ということらしいです。 ツゲ事務所の面々がわんさか出てて楽しかったけど、ボリューム的に…というか、 中身(内容)的にというか、物足りなさが残る読後でした。
そろそろクリムゾン以外も読んでみるかな?
☆☆☆(星みっつ)
2007年06月19日(火) |
ドリームバスター 4 |
「ドリームバスター 4」宮部みゆき 徳間書店
テーラから地球へ、犯罪者を捕まえに行くシリーズ第4弾。 4巻は、前巻・時間鉱山編の後編。
夢のようで夢ではない、心だけが迷い込む時間鉱山で、生きるための冒険をする DB(ドリームバスター)のシェン。 死にかけて心が迷い込んだ地球人3人(ユキオ、キエ、ヒロム)を、現実世界へ戻す ための冒険だ。 ユキオとキエは大人だけど、ヒロムはまだ小学生くらいの少年。そのヒロム少年が、 可愛いすぎ! こんな息子、欲しいなあ〜。 キエちゃんが自分を見つめ直して生き直す様には、ちょっと感動した。 自分は、自分の人生では主役で、だけどホントのフィクションのようには何もかも都合 良くって訳にはいかなくて。 そんな自分の格好悪いところを、自分で認めるのも難しいことだよね。
……なあんて。ちょっと自分のことも振り返ってみたりしました。
☆☆☆☆(星よっつ)
2007年06月18日(月) |
ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺 |
「ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺」田中啓文 集英社文庫
金色鶏冠頭のロクデナシ竜二が落語家になっていく様を追いかけるような、ミステリー 小品集。師匠の梅寿がこう考えてます……なんて代弁の形で、梅寿の内弟子・竜二が 事件の謎を解いていきます。
本人が思うより、周りの方が彼を認めていて、なのに自分は全然わかっていない。 そんなギャップが、読んでいて楽しかったです。 舞台となる上方落語の世界は、コミック「タマちゃんハウス」で最近親しんでいて、 入りやすかったですね。 なにごとも、巡り合わせですね。コミックで読んでいなければ、この本に興味を持たな かったかも知れませんから。 正直、落語自体は全然わからない。 でも、竜二の落語家話は、もっと読みたい!と思いました。 これ、続き、ないのかな?
☆☆☆☆(星よっつ)
「龍の館の秘密」谷原秋桜子 創元推理文庫
前作(天使が開けた密室)で人物設定などが頭に入っていたためか、読み出しはスムーズ。 主人公・美波と、隣人・藤代修矢との関係は、ちょっと微妙? 亡くなった修矢の祖父・水島老人が修矢に話していた美波像に、ちょっとグッとくる。 本当は心の真っ白な優しい美波が、自分には意地っ張りな面ばかり見せるのが、修矢は 本当は面白くないんじゃないかな…と思ってみたり。 それが「特別」ってことなんだと、まだわからないのかな。
☆☆☆☆(星よっつ)
2007年06月10日(日) |
真・イズミ幻戦記 暁の国3 |
「真・イズミ幻戦記 暁の国3」若木未生 徳間デュアル文庫
新シリーズ冒頭から影だけちらちらしてた最強ヒーロー、ついに出ました、イズミ!! どかあん、です。く〜、気持ちいい♪
少しずつ距離を縮める省吾と拓己。 体の奥のイズミの感覚が、少しずつ目覚めていくのを追えるのは、嬉しかったですね。 ふたりがイズミになってしまって、九州の残された大和組の人たちはどうするのかな。 特に、嵐は。 イズミになって戻った拓己は、きっともう五体満足で、嵐の知っている欠けたところだらけの「狼」ではなくなっていると思うし。
待て、次巻! なのが、ちょっとつらく感じます。
☆☆☆(星みっつ もっと早くイズミ出たらよっつだったのに)
2007年06月07日(木) |
封印 姉崎探偵事務所 |
「封印 姉崎探偵事務所」 新田一実 講談社X文庫WH
名前を変え続けてえんえん続いたこのシリーズ、次回最終回だそうで、展開もまさに そういう感じです。 前回に引き続き、前半は大輔が頑張っているけど、後半、特にラスト近くはいなくなって しまうので、竜憲が頑張ります。久しぶりで、嬉しい。 修一兄さんは、普通じゃないないと思っていたらやはりただものではなかったことが 判明し、ええ〜っって感じ。ほんと、驚かせてもらいました。
☆☆☆(星みっつ)
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