みかんのつぶつぶ
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「奥さん、人はね、病気で死ぬんじゃないんですよ、寿命で死ぬんです」
そういって慰められた病院の片隅。 あれから5年、何も解消されていない私のなかの悔い。
とぼとぼと歩いても歩いても、
どこにもたどり着かない気持ち。
幸せってなんだろうと聞かれても、
答えることの空しさで押し黙る。
「苦しまず眠るように逝きました」と聞かされても、
苦しまなくなったのではなくて、
苦しめなくなったのだろうと私にはわかる。
苦しめなくなるまでには、
それはそれはつらい治療や処置をされているのだということを、
知るひとは少ないだろう。
娘の泣き声と
息子の暗い顔と
眠っているような彼の死に顔
彼の骨が足元に転がってきた
今日はほんとうに穏やかな天気です。
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