みかんのつぶつぶ
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2003年04月24日(木) 我がよき友よ

変わらぬ笑顔と
変わらぬ会話のテンポ。

父のこと、
彼のこと、
私のこと、
すべての話しが通じるということに、
彼女との歴史を感じる。

ありがとう、
元気になったから。
大丈夫。







2003年04月22日(火) なみだちぎれて



戸籍謄本をとりに。

この戸籍謄本制度?は、日本人独特の習慣だと、フッと思う。
記録好き、系図好き。

出生から死亡まで、数行で終わる人生。

いつも、
この書類を貰う時には気が重く不機嫌になる私。
面食らうのは窓口のひと。
お気の毒に。


この空の下、
吹く風も
街の形に沿って移動する人の影も
ビルの隙間に射す陽射しも
何も変わらない。

いま、
ここでこうして生きている私のそばから
命がひとつ、ふたつ、

この街に存在していた人影が
ひとつ、ふたつ、
消えてしまったんだなあと
見下ろすPM1時42分の街角。



2003年04月19日(土) 女ともだち

古〜〜〜〜〜くからの友人からメールがきた。

いつも彼女から忘れた頃に連絡が入る。
私は筆不精出不精で疎遠になりがちなのに、
忘れず思い出したときにいつも変わりなく逢えるのは、
彼女のおかげ努力の賜物・・・許せ友よ。

彼女と話していると、
月日を飛び越えてあの頃に戻る・・・
というよりは、
あの頃から自立確立していた精神が、
この年月をかけて更に深みを増していると感心する。

彼女には、言葉多く語らずとも
何があったか察知認知できる相手であるという信頼感がある。

連絡、ありがとう。
私のブラック・ジョークをニヒルに笑ってくれる有り難き友よ。


2003年04月17日(木) はな



春の光のなか、
集まる人々は花を探し、
その表情は和らぐ。

変わらぬ季節が巡りきて、
いつの時代にも
だれの頭のうえにも
若葉薫る風が吹き過ぎ。

友よ、
そこへ佇み、
煙草の煙り燻らせていた友よ。

この花にも命があると説いた友よ。
その眠る土の上にも、
この光りと風が吹き注がれているのかと、

わたしはただ、
そこに集う人々を傍観し、

帰り道、
寂しくないように窓辺の花を買う。



2003年04月16日(水) 勿忘草

娘が入学した学校で教師をしている同級生と偶然再会したんだけど、
めちゃくちゃ厳しい教師と化していると娘からの情報で。
中学のときはスポーツマンのお坊ちゃん風だった印象しかないから意外だった。
この長い年月で何が奴を変えたのか(笑

で、卒業アルバムを見せろと娘が要求する。
先生がどんなだったか見たいから、と。
別に隠す必要はないが、あまり見せてもなぁ・・・
先生という立場を考えれば、見せて欲しくないんじゃないか?とか。

で、あると思っていたアルバムが、ないっ!
なんで〜〜せっかく引っ張り出したこの箱、どーしてくれるのー!(泣
と、開いた箱のなかを物色すると、一枚の通知表。
もうあちこち茶色に染まってしまった高校時代の通知表。
・・・いまは亡きひとの足跡

私の知らない彼の姿
若さにあふれ命満ち充ちて生きていたであろう日々の痕跡

こんなにはやく、
その生涯を終えるだろうなどと想像すらしなかった時代

命は、大切に。





こんなに空は蒼く野は光り輝いているのに、
どうして私はこんなに泣きたい気持ちになるのだろう

いつもこの季節はそう、
光りのなかに融け込めない自分を置かれている気持ちになる

いまも、
まるで罰を受けているように、
売られる子牛のように、
ノロノロと悲しい目をしてお昼間の道瑞を歩く

しゃがんで泣いてしまいたい。
タンポポの黄色い光りが目に痛い。

花屋の店先にある花束は病室を思い出す。
もう、買う必要もなくなったという虚無感と、
花びら落ちる病室のチューリップの姿、不安感が蘇える。




2003年04月08日(火) 毎日がスタート地点

仕事を探すのって楽しい。
こんな仕事あんな仕事、
こんな時給、あんな待遇。

先日、とある百貨店へ面接に行った。
販売ではなく事務希望で応募したのだ。
接客の仕事は長いので販売でもいいのだけれど、
いまはやりたくない。
ひとりで淡々と仕事ができればいいかな、とか。
ま、断られれば仕事をしなくてもいい言い訳になるし。

で、その返事待ちの間に立ち寄ったスーパーで求人があり。
POP室の募集だった。
私はずっと前にPOPライターになるべく通信講座を受講したことがある。
だが手書きのPOPを扱っている店舗などいまは少なく、
ほとんどがパソコンで流し出しているという時代だ。
応募用紙が置いてあったので電話番号と名前住所を記入して投函し帰宅。
2時間後くらいに電話がかかってきた。
次の日早速面接。
テストやらされたし(汗

ベテランの女性がひとり頑張っている部署だ。
そこで二人きりで仕事をするようになるという。
面接をしてくださった女性がしきりに、
気が合うかどうか、ということをね、言うんだよね(笑
それにそのスーパーで一番時給の高い場所だから
仕事もそれなりにキツイですよ、と。ほぉぉぉぉ
3日後くらいにお返事させていただきますとのことで帰宅。

百貨店のほうは面接が終わって早4日目。
電話がないとこを見るとダメなんだなぁーとあきらめていたところ。
ありました、電話。
しかも夜8時半。
どうやら二次面接をしてくださるとのことなのだが。うーん。
パソコンができるからということが仇になった感が(泣
希望する部署とは違うところに配属されるらしい。
そこって、きっと大変忙しいところなのよね(大泣

どーしよう・・・

ここでひとつ社会勉強になったこと。
流通関係の事務ってとっても時給が低い。
販売部門より100円も!!
生命保険の事務職が待遇良すぎだったんだなぁ。
やめなきゃ良かったかなぁー
でも仕事していたら看病はできない。
どうしても病人を一番後回しにしてしまうだろう、仕事を最大の理由にして。


2003年04月03日(木) 桜に想う

桜の花の下で力なく微笑んでいたひと

窓の外、
桜咲き乱れる診察室で苦悩したひと

桜咲く坂道を、
ゆっくりと踏みしめて歩くひと

桜の花濡れる病院を、
心重くあとにしたひと

桜咲く川沿いを、
タクシーの窓から二人、眺めた朝

桜の花散る頃、
その左腕が不自由になったひと

桜の葉陰蝉の声する頃、
車椅子の生活に心狂い

桜の葉散り落ちるとき、
空へ逝ってしまった


2003年04月02日(水) 美しい花

日記に書くことまでもなく、とりとめもなく日々を生き。

娘が原付免許受験。
合格しちゃったとの電話。
娘のその声の背景に聞こえるざわめきに、
がんセンターの日々を思い出していた。

あの場所は、道路を挟んで運転免許試験場とがんセンター。
夏の午後、
車椅子を押し横断歩道を渡り、試験場のベンチ、木蔭。
点滴をつけたその車椅子の姿は、
あきらかにがん患者だとわかり過ぎるほどだった。

だから、
二人無口になっていた。
その人々のざわめきの中にいながら、
とてつもない疎外感を味わっていた。
ここに来てはいけなかったな、と。

たった数メートルの道を渡っただけなのに、
ただ、悪性の病気に罹っているというだけなのに、
ただ、生きていたいと願うだけなのに。




がんセンターの病室で迎えた彼の最後の誕生日。
ケーキぐらいないのかと、憎まれ口だったのか、本音だったのか。
本当に、
ケーキくらい買っていけばよかったと後悔。

キミが生まれた日も、
こんな風に桜が咲いていたのだろうね?

散り落ちる花びらを見つめ、
がんセンターの帰り道、バス停。
涙なく泣いた日々。


生まれた日と、
死んだ日と、
知ってしまった辛さ。

なんともいえない気持ち。癒えない心。

この痛みは、
この世に生まれてご縁をいただいた証し。
大切に。大切に。
そっと、そっと・・・



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