みかんのつぶつぶ
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ゴトゴトと電車に揺られながらお墓参り。 ポカポカ日差しが窓から暖かくて。 休日の車内は行楽地へ向かう人で混雑していた。
環状8号線も大渋滞。 普段から混み合う道ではあるけれど、一層の渋滞ぶりだ。 みんな、何処へ行くんだろう。
いつもはポツンとひとりきりの墓地内も、 今日はあちこちの墓前に人影があり。 でも、 やっぱり寂しいことには変わりない。
花を供えお線香を焚き、煙草を一本点ける。 手をあわせながら、 こんなに早くキミがここに入るなんて、と心のなかで呟く。
去年は娘と一緒に、桜散る境内でお茶を飲んで帰ったのだった。 今日は、紅梅が咲き乱れる書院の庭を写し、 桜の蕾膨らむ加減を見上げながら日差しを浴びた。
静かに静かに。
帰り道、いろんなことを想いながら電車に揺られていた。 向ケ丘遊園前のホームを通過する特急の窓から、 家族4人でホームへ降り立った遠い日の姿を投影していた。 ここも、もう閉園してしまったのだよ。 キミが逝ってしまってから、世の中にはいろんなことがあってね。 キミが信頼していた息子は、高校を卒業したよ。 そして大切な大切な娘は、毎日明るく過ごしているから。
どうか、心安らかに眠ってください。 どうか、子ども達を守ってください。
キミと一緒にいた季節、 ただ噛み締めて、私は生きていく。
ありがとね。
卒業旅行へ3泊4日、息子が帰ってきた。ヘトヘトだ。 蔵王土産は温泉饅頭、ラ・フランスのキャラメル・くるみゆべし。
出発前夜のこと。明日から旅行だから、という息子に行き先は何処かと訊ねると蔵王だという。蔵王?蔵王って宮城だっけ、山形だっけ?という私の愚問に答えられなかった息子。しかも、バス旅行だから長野あたりじゃないのか、と。
あぁ、蔵王がどこにあるか知ってたら大学落ちなかったかもよ? しかし、蔵王までバスで行くって、気が遠くなるね(汗 と、ここに独白。毒こんもり。いひひ。
お土産といえば中学生のときの修学旅行で息子は、家族や祖父母のお土産を買い過ぎて自分のお土産を買えなかったというエピソードがある。なんてお馬鹿で可愛いヤツなんだっっ ・・・ はぁ、そんな時代を経て今のキミがいるのだねえ。
今日は彼岸の入リ。 彼を空へ送ってから2回目の春が来る。
「すべての者は暴力におびえ、すべての者は死をおそれる。己が身をひきくらべて、殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ」 お釈迦さまより。
大学合格速報!!とかいう塾のチラシを見た。 あ、お兄ちゃんの名前があるよ、と娘にいうと、 冷めた声でひとこと、
「そこ、行っときゃいいのに」
・・・そうだよねぇと、失笑する私。
昨日は、合格発表が読売オンラインで科別に合格者番号の掲示板が出る。 だけれど受験番号を聞いていない私には意味なし(汗 息子からも連絡が入らず。 どうなったものだか、と思いながら夜十時半過ぎ、息子帰宅。 パソコンの前にいる私にチラリと顔を向け、
「浪人決定だから」
フッと寂しげな微笑を浮かべた息子。 どこかで気を紛らせてきたのだろう。 とにかく無事帰ってきてよかったよ(泣
ま、ひとまずお疲れさまだね、と声をかける。
食べないといった食事をやっぱり食べるといいだし、 黙々といつもと変わらずの食事風景。 いつもとかわらない我家。 合格してもしなくても、特別なことは何もないのさ。
こんなとき、彼がいたらなんて云うだろう? 息子とどんな会話をするだろう? あまり、こんなこと思わないようにしているんだけどね、 会いたいなあと思い始めたら、涙が出てきた。 キリがないんだなぁ
とりあえず、代ゼミとZ会は無料になるらしい。 なぜか、とはそのうち聞いてみよう。 しかし、途方もなくまた勉強するのね(汗) こっちの気が遠くなりそうだわ。
友達が、 テレビで合格発表風景を見たけどなんだか複雑な心境だ、と 慰めだかなんだかわからないことを云う。 私は見ていないけどその怒涛の発表風景のなか、 自分の番号がない掲示板を見て息子は何を思ったのだろうと胸が痛む。
慶應の入学手続書類が封も開けずに机の上。 迷いはなかったということだね、息子よ。
ま、長い人生、こんなときもあるし。 母としてはまた一年、 キミが家にいる時間が増えたと喜ばしくもあるのさ。 とにかく健康に過ごしてくれたまへ。
まったりしているようで実は内面には激流渦巻く近況。
息子の何もやることなさげな姿が痛々しく。 今まで学校、部活、塾、受験勉強と朝から晩まで動いていたのに、 試験が終わったとたんのこの空白は、ホントにホントに残酷すぎるね。 私大、とうとう手続きしなかったけれど、 もっと気持ちを聞いてやったほうが良かったのだろうか? 浪人って、相当覚悟が必要じゃないのかしらん。
塾の先生から電話がきていた。 どうやら明後日の合格発表に備えて受験番号を確認された模様。 どうなんだろうね、こういうのって・・・
予備校からもたくさん案内書が送られてきているし(汗 それらの封書を開けて読んでいる息子の背中・・・うーん・・・ ま、これからのことに目を向けはじめたってことで良しとするか。
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