【読書記録】2007年総括

2007年総括
年末にとにかく作っとくぞ!と思って作ったので、整形もなにもあったものじゃありませんが、近年こんな感じになりつつあるので許してください;掲載内容は、
・今年の読本一覧/読書する指針
・ベスト5
・来年に向けて
です。しっかりレビューが書けたものは、やっぱり心に残っているものですねー。

こちらは、2008年も読書記録…になるのか、日記に戻るのかわかりませんが、とりあえず読書記録としてスタートしたいと思っています。

新年、あけましておめでとうございます。
皆様にとって、2008年がよりよい年になりますよう祈っています。
それでは、ことしもよろしくお願いしますv^^
2008/01/02
2007年12月31日(月)

【読書記録】井上夢人「The TEAM」

ストーリー:霊能者としてTVに出演する能城あや子。彼女の言葉は毎回ぴたりと当たり、それは時として事件解決の糸口にもつながった。しかし、実のところ能城は霊などこれっぽっちも信じていないいんちきだった。そこで登場する、草壁と悠美。彼らの行く先に待ち構えているのはいったい?

久しぶりに井上さんの醍醐味のある推理小説を読みたくなって借りてきたのですが、ふたを開けてみてびっくり。中身は連続する短編でした。けれど、慣れてしまえばこのさくさく進む感覚も良く、その割りに専門的なトリックが良く考えられていて、とても面白かったです。章立てもとても凝っていて、時系列で並べられた8つの短編なのにそれだけではない係わり合いが良いなと思いました。残念だったのが、草壁と悠美の出自。いったいどうして係わり合いになったのかなととても不思議だったのですが、作中では出てこず。コンビネーションの絶妙さにはあっと思うものがあったので、フットワークの軽い類似の作品が読みたいなと感じました。
NO.34■p316/集英社/06/01

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前々から少し書いておりましたが、年末の怒涛の更新になってしまって申しわけありません;一応、この本で今年の読書は終了です。この一年間、お付き合いしてくださった方々、ありがとうございました。
つくるつくると話しつつもいまだに出来ない読書サイトですが、毎年恒例の「今年のベスト○冊!」は行ったので、出来れば年内にあげたいと思っておりますゆえ、よろしければお付き合いくださいませv
それでは、来年もよいお年を!
2007年12月30日(日)

【読書記録】横山秀夫「クライマーズ・ハイ」

ストーリー:難攻不落の岩山「衝立山に登ろう」と約束したその日に飛び込んできたのは、御巣鷹山での飛行機墜落事故だった。本社に駐在していた悠木は突如デスクという任を受け、部下とともに突き動かされるように事件を追い始める。時間に追われ続け、おのおのの持ち場では記事に忙殺されるものの、そこには記者としての驚喜・苦悩・激昂が存在した。同時に、それは悠木にとって現在と過去が交錯する日々でもあり、人生の大きな山場となるのだった。

数年前にタイトルが飛躍的に知れ渡った噂の小説「クライマーズ・ハイ」。そんな認識しか持っていなかった私が、きっと…という正体不明の予感で手に取った本でした。普段は青春時代を謳歌する人間が主人公(もしくは30、40代)というパターンばかり読んでいたので、冒頭からとても年齢と職業、職場を感じさせられるシーンにくらくらしました。それだけその輪郭がはっきり感じられる、そして後半ではだからこその展開がある内容なのですが、あくまで無理にではなくゆっくりと、まるでジェットコースターに乗ってしまったかのような、なめらかな滑り出し。
けれど、始まってしまえばあっという間に動き始める。事件発生から数時間ごとに更新される現場の最新状況、そして明らかになる事実。とまることを許されない現場で働く人間と、それを思考し制御する人間が、立場の違いから生まれる意見の相違。リアルに動き回っているのが伝わってくるシーンは、
NO.33■p421/文芸春秋/0308

---記録が途中で切れていたので、そのまま掲載失礼します;
2007年12月29日(土)

【読書記録】森博嗣「落ちていく僕達」

絵の中にある絵。まさにそんなイメージを連想する短編集でした。森さんはファイになる等のシリーズを読んでみたいなぁとは思ったのの、まだ読めていないので手始めにとったのがこれなのですが、多分これが森さんの持ち味なのだろうなと感じるところがありました。短編それぞれは独立しているのに、つながり方、そして落ち方が独特。一冊という単位を意識しての仕上がりとなっていて、読みやすかったです。
NO.32■p258/集英社/0106
2007年12月28日(金)

【読書記録】村上春樹「海辺のカフカ 上・下」

そろそろ王道にいこう!と思って村上さん。むかしむかし、お勧めしていただいたのが村上さんの作品だったので、あわせて読みたいなと。
内容は、家出少年と読み書きの出来ないおじいさんが二本軸で進んでいく。それぞれが孤立しているのか、はたまたつながっているのか、どうなっているんだろ…これ?と思って読んだ記憶があります。おじいさんの人当たりのよさとか、丁寧語の使い方とか謙虚さとかすごく好きなのに、変な人と世間一般では呼ばれていて、しかも半ばからは終われる立場になってしまう。わけのわからない”何か”に引き寄せられるようにして、おじいさんはどこかへ向かう。
とにかく村上ワールド全開だなぁというのが読後の感想でした。世界観があります。
NO.30 NO.31
2007年12月26日(水)

【読書記録】歌野晶午「女王様と私」

ストーリー:典型的なオタクである数馬が知り合った女の子は・・・。

どういう傾向の人なのかしら?と思って引き続き借りてきた、歌野作品。これを読んで、「あ、なるほど!」と思いました。何気なくさらりと書いてあることが伏線で、それには必ず「ん…?」と引っかかるものを感じるけれど、それが何を意味しているのかまでは読み取れない、そんなもどかしさと”何が”を求めて読むのがこの著者の作品傾向のひとつではないかと感じました。少なくとも、葉桜〜とこの作品の共通点はそれだと思います。わかるのにわからない具合が巧妙。
それにしても、半ばあたりでそういう展開ですか!と放り投げたくなりました。苦笑 私は、追い詰められた人間がどうやってそれを回避するのかが楽しみなので、”ミステリーなのにトリックはSF”だったりするようなタイプの本がお好きではない方には、あまりお勧めできません。半ばまでの展開は、本当に登場人物にひっぱられてどう終結するのかが楽しみだっただけに、いくらエピローグをつけてもこういう展開はとても残念でした。「葉桜〜」が評価されたのは、こういうところの改善も含まれているのかなとも思ったこの作品。
ところでこの作品。よく考えると、設定の段階で結構嫌悪感を持つ方がいらっしゃるかもしれません。お気をつけくださいませ。
NO.29■p392/角川書店/05/08
2007年12月23日(日)

【読書記録】歌野晶午「葉桜の季節に君を思うということ」

ストーリー紹介でどう書けばいいのか悩んでいたら、感想を書きそびれた本。だけど、悩んだだけありまして、なかなかに面白かったです。03年の『このミステリが面白い!』(でしたっけ?)の大賞受賞作品(ランキング1位)でした。いい意味で著者の味が出ているし、なるほど・そういう!というエンディングに納得。スリリングのある展開にはとてもどきどきさせられたし、満足の一冊でした。
NO.28■p444/03/03
2007年12月22日(土)

【読書記録】佐藤多佳子「サマータイム」「九月の雨」

ストーリー:プールで見かけた男の子・広一には、左腕がなかった。けれど彼の輝かんばかりの生き生きとした様子に惹かれた進は、さらに楽しそうにピアノを弾く彼を見て、ピアノが弾けるようになりたいと思うようになる。姉の佳奈も彼女なりに広一と接するが・・・。

単行本の『サマータイム』が借りられなかったので、元の「サマータイム」と「九月の雨」を借りてきました。児童書だけあって文字も大きく、とても読みやすい内容になっています。私は、『黄色い目の魚』を先に読んでいるので、表現においてはやはりデビュー当時のまだかたい雰囲気を感じました。しかし広一の家庭状況、進が広一から受けた刺激、そして佳奈が垣間見せたものは佐藤さんの独自の色をしていて、この雰囲気が著者の魅力なのだろうなと思います。

NO.26■p108/偕成社/93/05
NO.27■佐藤多佳子「九月の雨」
2007年12月16日(日)

【読書記録】恩田陸「蛇行する川のほとり」

ストーリー:学内でもみなが憧れる先輩、香澄と芳野に夏の休みを一緒に過ごそうと誘われた鞠子。喜ぶ彼女の前に現れた少年は「行くな」と警告するものの、鞠子は合宿に参加する。絵を作り上げるという作業をこなす中で交わされる会話。そしてそれぞれが持ち合わせた過去の記憶。あの時何が起こったのかが、今少しずつ紐解かれる。

お勧めされていたものの、タイトルがどうしても堅くて近づけなかったのですが、いざ本を手にとって見ると、とても愛らしい少女が四人ほど。そしてピンクの表紙には綺麗なフォントで飾りまであり、いい意味で拍子抜けした記憶があります。
・・・わわ、記録が途切れておりました;とにかくタイトルからは連想出来なかった少年少女の夏のひと時がとても恩田さんらしく表現されており、そこに潜む過去との融合具合がとても素敵でした。だからこそ、読み終わったときにはこのタイトルにほぅっとため息が漏れ、すごく面白かったなとおもいました。何も前知識なく、手にとってみてほしい一冊です。

NO.25■p316/中央公論新社/04/11
2007年12月15日(土)

【読書記録】中野順一「クロス・ゲーム」

ストーリー:オンラインゲーム『ソロモン2』で知り合い、遠距離恋愛中の航太と優衣。しかし航太は真夜中の路上で殺されかけたり、仕事を追われたり踏んだりけったり。その一方で、ヤミ金事業を営む光彦と沙也加・小谷は、お金の回収に動き回るのだが…。

05年あたりに読んだ中野さんの作品を読んで、次に作品が発表されたら読んでみようと思っていたので手に取りました。うーん…前回もそれなりに描写はありましたが、今回は性表現を露骨に出すような登場人物にいささか疑問を覚えました。そこまでそういう人物設定にしなくてもよかったのではないかなと。
さて、問題の本編ですが、タイトル設定がいいなと思いました。中盤・終盤でタイトルから連想することが少しずつ捕らえ方に違いがあり、結果としてどういう意味があるのかなと思いつつ読めました。紹介文でいまいち表現できなかったのですが、航太ストーリーと沙也加ストーリーのまったく別のお話で進んでゆきます。結びつきを考えたりするようなタイプの小説ではなく、純粋にキーワードがどのように料理されるのかを楽しみながら読むタイプの小説だと思われます。
NO.24■p307/文芸春秋/04/07
2007年12月08日(土)

【読書記録-】五條瑛「愛罪

NO.23■p353/双葉社/06/04

”書きとどめる事が出来なかったけれど読んだ本”は読書記録-(マイナス)として残すことにします。これは、革命シリーズの第五作目。十作完結との事で、ちょうど折り返し地点の作品となっています。話もなんだかややこしくなり、だんだんストーリーが一人歩きをし始めた感じで、書きとどめるのにどうしたものかと悩んで結局そのままになってしまったもの。前述のとおり、これがああなってこっちではこうなって、そして思惑通りに行かないことも起こり始め…な内容でした。出版年月日的に、第六作が現在の最新だとわかって、これ以降は読んでおりません。どのように完結するのかなぁ。書評を見ると、このシリーズよりも別シリーズがいいとあったり、革命シリーズと平行して進んでいるシリーズがあるなどいろいろ見聞きしたので、また探してみたいと思っています。

2007年12月01日(土)

ワタシイロ / 清崎
エンピツユニオン