【読書記録】長野まゆみ「ぼくはこうして大人になる」

ストーリー:年の離れた双子に女だと思い込まされ育った一(はじめ)。成績も悪くはなく、両親の家業・医者という道を歩むのだろうかと漠然と考え、そして無難に中学時代を乗り切ろうと考える優等生。そんな日常にとつぜん現れた美少年・七月。”いっくん”ではいられなくなるときが、一にやってくる…。

巷で評判の作家さんでも、なかなか手を出せないタイプの方もいらっしゃるのですが、長野さんもそんな方の一人でした。
少年のやりきれない感じ、悩みや葛藤があるのに、それを優等生らしくなんでもないとでも言うようにこなす態度、そして何よりも全編を通してはじめの視点でしか語られない日常が、とてもリアルで、ああ、長野さんの作風がお好きな方はこういうみずみずしさに惹かれるのかなぁと思わされました。ん、だけどこれはボーイズ?明らかにそういう趣向が出てくるので、そういうのがあまりお好きではない方にはお勧めできません。
NO.18 p149/大和書房/00/10
2007年10月29日(月)

【読書記録】新津きよみ「彼女の命日」

ストーリー:運悪く通り魔に殺された葉子。しかし、気がつくと赤の他人の女性の体でこの世で目覚めた。その間一年の歳月がたち、そして葉子は自分の事件は、そして家族・恋人は…と思いをめぐらし、立ち返るが…。

殺された人間が現世に、というストーリーはよく聞きますが、これはパターンが面白かったと思います。ネタバレになるので言いませんが、プロローグ、第一章、二章…と続いてゆく続き方がポイントで。あまり語れないのが残念ですが、なるほどなぁと思ったのでほかの本にも手を出してみようと思いました。

NO.17 p243/角川春樹事務所/06/09
2007年10月20日(土)

【読書記録】亀岡修「天空の城ラピュタ後篇」

後篇は、ティディス要塞にとらわれたシータが幼いころに思いをはせるシーンから始まります。今回はパズーの心境にあっと驚きでした。まさかそう思ってのこの行動だったとは!と。あとは、前編同様描写での表現になるほどなーと思うところがあり、ラストには映画ではなかったエピローグのようなものがあります。短いのでどんどん読めますし、ラピュタが大好きな方にはちょっと物足りないかもしれませんが、ノベライズされてよかったと思います。
NO.16■p167/86/07/徳間書店
2007年10月13日(土)

【読書記録】五條瑛「断鎖

ストーリー:好青年を演じて人をだまし、密出国の手助けをしている亮司。しかし、何者かによる突然の襲撃により会社は空中分解してしまう。消えた社長とその主要メンバーたち。そして亮司が世話をしていた異国の女たち。なぜ襲われたのかもわからない亮司はその真相を見つけるために奔走するが…。

なんとなくこれはこう展開するかなと思っても、微妙に違っていたりで、すごく純粋にストーリーを楽しめました。思想云々のお話も半ば過ぎには出てきますが、現時点ではさほど重要ではないのでなんとなくで読み進められます。続くという事で、次が楽しみだなと思います。うーん、終結しないと感想って書きづらいですね。Eでは、一段落といったところだけど、次からどうなるのかまったくわからない。

NO.15 p375/双葉社/01/05
-----後日談と少し。
実はこのシリーズ、次々読み進めるうちにずぶずぶとはまっていきました。序章にしてはつかみが良く、書評を調べてもなかなかのものだとの声。お勧めですv
と同時に、最近の読書感想の質の低下に申し訳なさを感じておりました。もう少しましなものがかけそうだなぁと、毎回ここにあっぷする作業をしつつ感じていたのですが、時間の関係上メモ程度のものしか残せず心苦しいです。(- -;)
2007年10月06日(土)

ワタシイロ / 清崎
エンピツユニオン