闇の底に...Cuckoo

 

 

白の季節 (北海道旅行最終日) - 2003年11月30日(日)

あんなに伝えたい言葉があったのに
今はもう遠すぎて
キミの居た景色が
想い出に変わる瞬間はいつだろう


北海道最後の日
ホテルの窓のカーテンを開けた
ゆっくりとそれでいて悠然と
真っ白の雪が舞っていた
この冬初めての雪を
遠く離れた地で見た。

用意をして
部屋を出る
憧れていた北海道は
最後に白の景色を見せてくれた

駅まで歩く
突き刺さる寒さもこの地では
まだまだ寒くなる前なんだろう
空港に向かう電車の中
座れなくて出口の前で立っていたら
若いキャバ風の女の子が二人乗ってきた
大荷物と怒涛の話し声
しんみりとしたアタシ達は少し笑いを思い出す
話し掛けてきた彼女達は
座り込んで弁当を食べながら
東京に行くんだと言った
聞いたことも無い言葉はきっと
北海道独特の言葉
何度か聞き返して 意味を聞いて
その出会いが少し楽しくて。

東京のクラブで働くという彼女達は
住む場所も決めてなくて
でも希望に溢れていた
随分と遠くの自分と少しかぶらせながら
夢のあるこれからの日々をうらやましく思った
全てを捨てて自由に生きる彼女たちを
うらやましく思ってしまったんだ。

大きな空港の中を迷うことも無く
飛行機が飛び立つ5分前まで遊んで
走って飛行機に乗った
一時間と少しを眠って
見覚えのある場所に戻る

戻らなきゃいけないって分かっていたし
旅行なんてそんなものだけど
もう一度あの部屋に行きたくて
淋しくて

アタシは現実に戻ってきた
白の景色
冬の景色
もしかしたらそれは全て

夢だったのかもしれない



真っ白だったの
今年初めて見た雪は
穢れることも無く
けど
落ちたら消えてしまう
そんな儚く綺麗な白だった。


               水鳥。



...

白の季節 (北海道旅行三日目) - 2003年11月29日(土)

苦しめるだけなら
いっそ離れたほうがいいかしら
泣かせてしまってごめんねと
涙を流して言ってから
あぁアタシ
また泣けるようになったんだと
そう思ったの。


旅行3日目は札幌
大きな都市だからやっぱりショップばかり
それでもなぜか綺麗なのは
街全体が飾ってあるせいか。
ファクトリーに行って
4時からイルミネーションが光ると聞いて
時間を潰して
ロイズでお茶して
そしたら建物の中全体が
綺麗に光っていた。
すすきのまで行って夕食を取る
北海道の目的の一つ カニ
呆れるほどのカニを食べて歩いて駅近くのホテルに戻る
寒いのに
足も痛いのに
そんなの苦にならないくらい
最後の夜を味わう
札幌テレビ塔を見かけて登ってみることに
点在しているホワイトイルミネーションを上から眺めて
それが意外と小さいことに気が付いた

人は悲しいことがあると
それしか見えなくて
一番近くで苦しみを見上げて
大きな壁に見えて立ち尽くし泣くけど
離れてみると小さな事なのかもしれない
それに気がついたら後は
どう 離れてみるか なんだろうけど。

ホテルに戻り
最後の夜だねなんて悲しくなって
二人して抱きしめあって寝た
外は風が強くて
帽子が飛ばされそうになるくらいで
ほっぺたが凍りつきそうで
けど部屋は静かだった
暖かい部屋
風がなく
明るい
窓から眺める景色は冬の季節
そう
誰もが求める『部屋』
アタシだけの部屋はどこかしら?

幸せな時間はどうして
過ぎるのが早いのでしょうか


           水鳥。


...

白の季節 (北海道旅行二日目) - 2003年11月28日(金)

去年の今ごろはそうね
白に赤を美しいと感じていた
アタシは傷だらけだった。


朝早く目を覚ました
なんて言っても昼前なんだけど。
夜バイトをしだしてから 朝起きれない
それでも目が覚めたら一人じゃなかった
もうちょっとだけ
なんて甘えて寝ようとしたけど
そういえば今日は小樽だなんて思い出して
すぐベッドから飛び出す
少し肌寒いけどまだホテルの中だ
化粧をしてマフラーを取り出す
服を着替えてマフラーを彼氏に手渡すと
一生懸命アタシの首に巻きつける


電車に乗ってたどり着いた場所は小樽
びっくりするくらいの綺麗な町並みで
すべての建物が凝っていた
駅前が工事中でちょっと残念だったけど
歴史的建造物といわれる建物を眺めて
遠く昔の人の生活を考える
人って年月を重ねるに連れ便利さにとらわれて
情緒を忘れていくんじゃないかな
そうシミジミ思ったの
小樽運河の橋の上で
ひげを生やしたおじさんが
トランペットを吹いていた
その姿をアタシはなぜか
忘れることが出来ない


人は生きる上で
何を忘れてしまったんだろう

アタシは生きる上で
何を捨てていったんだろう



       水鳥。


...

白の季節 (北海道旅行一日目) - 2003年11月26日(水)

白の季節がやってくる
いつも思う
穢れ無きその色も
人の手にかかるとどす黒くなるって
道端に積まれた雪は
なんて人間色なんだろう


北海道に旅行に行きました
彼氏と。
すごく綺麗なその町並みと
すべてのスケールの大きさにびっくりしました
新しく出来たといわれるJRタワー
外から見た外観がかわいらしくて
大きな時計の数字が星になっていて
それがかわいくて嬉しくなった
ゴミも落ちてなくて
正面に見えた道のイルミネーションが
まるで歓迎してるかのように見えたの。

ホテルの部屋の窓は大きくて
窓にもたれて外を眺めた
誰も知らない土地が
居心地良く感じた

食事に行って
ビール園って所でジンギスカン食べてビールを飲んだ
店員のお兄さんが優しくておもしろかった
帰りにそのお兄さんに二人して手を振って
そしたら手を振り返してくれて
嬉しくなった
なんだか暖かい人達
寒い土地で暖かい人
部屋には小言を言う人も居ない
自己破産も引越しも
生活の苦しさも全部忘れて
アタシを抱きしめる暖かい腕の中で眠りにつく
シャワーを浴びて部屋に出たら
優しい顔して両手を広げてアタシを迎えるその彼の顔を眺めて
孤独を一瞬忘れる

寒いはずなのに
寒くない

外は風が吹いていた



                水鳥。


...

全てを捨ててしまえたなら - 2003年11月21日(金)

一番近くに居る人が
一番心を分かるとは限らない
頭ごなしに語る言葉は
心には届かない事を
どうして分かってくれないんだろう


朝から母親と喧嘩した
彼氏との事が発端
『子供を巻き込むな』
彼女はそう言った。
水族館に行くのも一緒に食事するのも
『子供を巻き込む』事になるらしい。
確かに子供心は繊細だ
母親が言う
思春期にどんな影響があるか分からない
ってのも分かる
今の彼氏と別れて他の男をまた連れてきて
子供がどう思う?
そう言われてしまうと悩む
けど母親は言う
『離婚ってそういう事でしょ』

どうやら離婚したアタシには
恋愛をする権利は無さそうだ

別々に暮らす?
そう怒鳴りながらいう母親を眺める
子供の学費にとためていた数十万
アタシの保険の満期の60万
その全てを自己破産した後の支払に渡してしまったアタシに
出て行く資金は無い
母親の店で最近は働いていないけど
それについても責められた
けど給料というものをもらっていないそこに行くより
給料が発生する今のバイト先に夜中や昼に行った方がいい

一人で生きるのはできる
けどアタシには子供が居る
資金も無い
彼氏とも居られない
そうしたらアタシはどうすればいい?

感情的になって涙が溢れる

アタシは
首を締められても
部屋の壁に穴を開けられても
数え切れないほどの言葉の槍に傷つけられても
じっと耐えていなきゃいけなかったのだろうか

アタシは離婚したから
もう幸せを夢見ちゃいけないのだろうか


全てを捨てて
アタシを捨てて
何も無い世界にいけたなら

行けたなら。


                水鳥。


...

トラウマ - 2003年11月20日(木)

見せたくない顔がある
見せたくない癖がある
見たくない顔がある
見たくない癖がある


アタシには癖があるらしい
人の顔を見る癖
顔色をうかがう

彼氏が急に不機嫌になる
それが怖い
冷たい目
言葉無き抗議
アタシの意見を黙殺する
それが遠く昔に苦しかったあの日々を思い出させる
最近よく思い出す
忘れてたはずの結婚時代
忘れるわけも無い

誰かを憎むために愛するのでしょうか
悲しい思い出を作る為に笑うのでしょうか
『強くなる』為に涙を流すのでしょうか
一人で生きる力をつけるために孤独になるの?

生きる上で必要なものは何?
愛されるためにどうすればいい?
泣かない人間が強いわけじゃない
けど泣けばいいってものでもない

おじいちゃんの足には
戦争で受けた銃弾の後が今でもある
身体に付いた傷が全て癒えるなんて事は無い
心に付いた傷はいつ癒える?

優しい笑顔の裏側で何を思う?
視線を外したキミの心の中には何がある?

怖い
全てが怖い
人が怖い
早く逃げ出したい
こんな世界から


               水鳥。


...

戻らない事 - 2003年11月19日(水)

手を離したのは
アタシだった。

あの人が居ないことには慣れている
だからもう忘れてしまったの
愛したことも
求めたことも
悲しいことも
嬉しいことも
もらった物も
あげたものも
最初から一人だったから
全然変わらないの
ならない携帯も
見ても残っていないメールも
あの人じゃないメールで
あの人じゃない履歴で
携帯が埋まって
心の中も埋まって


本当は
手を離したのはアタシかもしれない
本当は
手なんて繋げてなかったのに

考えちゃいけない
忙しくしていよう
愛して
求めて
抱きしめて
アタシが違うことを考えないように
ずっと傍にいて
もうどこにも行かないように
もう
戻らないように



           水鳥。


...

頭と心 - 2003年11月17日(月)

アタシはこれでいいのだろうか

不安な夜は眠れない
けど最近はよく眠れる
遠くのあの人のメールを
電話を待たなくていいから
気が楽で
ほんの少しでも想って欲しい
そう切実に願わなくてもいい
だから楽なの

本当に?

時々思い出したかのようになる携帯のメールが
アタシを引き戻そうとする


逢いたいと言えば逢える
淋しい夜は無くて
数え切れないメールと愛の言葉
全身で愛をくれる人が居る
アタシが求めた事かしら
淋しかったの
悲しかったの
孤独だったの




幸せだと
ちゃんと分かっている
頭では

心では?


...

儚い夢のような想い出は遠い - 2003年11月12日(水)

キミを忘れた日は無い
キミを忘れようと思った日なら
数えきれないくらいあるのに


誰にだって忘れられない人が居る
遠い記憶のその人は
いつも笑っている
いつも優しい目をしてる
現実はきっと
つらいつらい出来事があって
だから一緒に居ないのだけど
心に残ったその人は
美しくそして
手が届かない。

溢れ出しそうなほどの想い出は
実はコップの下に僅かで
甘い甘いケーキのような感情は
見かけほど甘くない


だからきっと
アタシに残っているこの想いも
もう一度戻ってみたら
食べてみたら
抹茶のように
ちょっぴり苦いんだろう


だけど
だけどさ
もし今口にしているものが
イチゴじゃなくて
イチゴ味 だったら?
入っているのは
本物じゃなくてジャムだったら?


人はいつも本物と偽者を
見分けれるとは限らない

でしょ?


               水鳥。


...

- 2003年11月10日(月)

どうしてでしょう
何が不安なんでしょう
アタシはうまく
キミを愛せてないのでしょうか?


まただ。

携帯のメールで連絡を取れなかった
それは携帯を彼が忘れただけ

朝から買い物に行った
昨日も帰宅が遅かったから
眠くて昼過ぎに寝た

目が覚めたら
2件の着信と数件のメール
彼だった。

最後のメールには
ごめんとありがとうが書かれていた。

・・…?

アタシには話が見えなかったから
すぐ電話をする
電話に出た彼の声は今にも消えてしまいそうな
頼りなくて
不安そうで
泣きそうな声だった。

午前中携帯を忘れて学校に行って
その間にアタシにレスをしなくって
それで怒って電話に出なくって
俺が嫌になったんだ
それで振られたんだ

彼の中で展開されたこの別れまでのプロセスに
すこし呆れたけど
常に不安に思ってる彼を知った

アタシはうまく彼を愛せてないのだろうか
真夜中にふとアタシの心の中に現れる
違う想い出が駄目なのだろうか


弱い彼と弱いアタシ
大丈夫かな
切った電話を眺めながら
雨の落ちる瞬間の地面を見る

幸せってどうすれば感じることができるのかな


       水鳥。


...

餓鬼 - 2003年11月07日(金)

飢えた餓鬼のように
キミの気持ちを貪り食う
足りないよ
どこまで食べても足りないよ


恋愛に置いて
相手を好きで好きで
でも相手が『重荷』になる場合がある
それはきっと
気持ちの要領が違うんだと思う。

きっと
料理を作る人と食べる人のようなもので

たくさんたくさん作って
ねぇあなたの好きなものばかりホラ
どんどん食べて
もっともっと食べて

でも食べている人はだんだんおなかがいっぱいに。

たくさん食べたよ
大好きなものばかりだからね
でももうおなかがいっぱいなんだ
もう何も入らないよ
だんだん苦しくなってきたよ
今はもう
何も食べたくなんか無い

作る人と食べる人
きっとそんな感じ
満腹感は人それぞれで
どうしても埋められないもの
愛する人の愛が浅く感じる場合
きっとそれはおなかがいっぱい
それでも愛しているのに
沢山愛しているのに
どうしてそれ以上を求めるんだろう
そんな感じ

できる事なら
与える量も得る量も
同じくらいの相手がいい

それがうまくいかないから
人は悲しくて
苦しくなるんだろうけれど。


きっとあたしのおなかは
こころは
底なしに求める


愛が欲しい
愛が足りない

おなかがすいた。





               水鳥。


...

黒い月 - 2003年11月05日(水)

墜ちた月は何を思う?
どこに向かう?


壊れたものを直すのには時間がかかる
だったら全てを0にして
新しく作り直したほうがいい
それは間違っているのだろうか
アタシはどこが壊れているのだろうか
壊れている場所がわからないから
直すことも出来ない
全てを壊してしまえば
新しく作れるのに



墜ちた月は何を思う?


明日の夜には
真っ黒な月が昇る




                  水鳥。



...

遠い記憶と幸せ - 2003年11月03日(月)

雨の降る夜はアタシを抱きしめて
冷たい雨で流されないように
星の綺麗な夜はアタシを抱きしめて
遠く手を伸ばしてどこかに行かないように。

3連休の中日
子どもと8歳も下の彼氏と
水族館に行った

悠然と美しい体をくねらせて泳ぐ
イルカの姿は
1年前と変わらなかった。

一緒に手を繋いで歩く人は違ったけれど。

二人で無くて四人
アタシは幸せだった

帰りにファミレスに寄る
アタシの憧れだった
おかしいでしょ?
ファミレスに行くのが憧れ。
行ったことが無いなんて当然無い
なにが憧れ?

元旦那はファミレスが嫌いだった
プライドが高い
外食は自分の好きな焼肉かラーメン
ファミレスは人がワイワイしてるから
嫌なんだって。

帰りに彼氏が聞いたの
食事どうする?
だから迷わず答えた
ファミレスに行きたい って
きっとおかしなヤツだって思ったでしょ
でもいいの
家族の振りしてみたかったの
昔憧れた世界に
少しだけ入りたかったの。


これから先
どうなるかわからない
一瞬の幸せを今は感じていたい


イルカが空を切る
キラキラ光るその身体には
まるで羽がついているかのよう
あの日
あの人と見たイルカと同じ
美しい姿。


            水鳥。


...




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