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2006年01月29日(日) オリバー・ツイスト

● オリバー・ツイスト
監督: ロマン・ポランスキー
出演: ベン・キングスレー/バーニー・クラーク/ハリー・イーデン


少年の善良な心が流転の人生に奇跡をもたらす 19世紀の英国。救貧院に連れて来られた、オリバー・ツイストは、粗末な食事に腹をすかせた孤児を代表してお粥のおかわりを要求し、追放処分になる。一旦は葬儀屋に奉公するが、不当な仕打ちに耐え切れず逃げ出してしまう。行く当てもない天涯孤独な身の上では、目の前に延びる街道を遥かロンドンまで、目指すしかなかった。7日間歩き通して、大都会に辿り着いたオリバーは、スリの少年に拾われ、食事と寝床にありつけるからとフェイギンという男に引き合わされる。
これまで何度も映像化されてきた、文豪ディケンズの名作に21世紀の今、ロマン・ポランスキー監督が緻密かつ大胆に挑戦した。ひたすら無力だが、無垢で善良な主人公像は、前作『戦場のピアニスト』にも通じる。愛されたことがないゆえに、どんな小さな親切も心に刻み、たとえ悪党であっても、自分を受け入れて面倒をみてくれたフェイギン(ベン・キングスレー)の恩義を忘れないオリバー。大抜擢された青白き少年バーニー・クラークがほろほろと静かに、涙を流して哀れを誘う。魔法使いや派手な仕掛け抜きでも、辛辣な批評性とユーモアを交えて人間性の本質を描く物語そのものに力があれば、時代を選ばず観客の心を掴むことができるのだ。



2006年01月28日(土) THE有頂天ホテル

主役級が勢ぞろいしたキャストや、
ホテルのフロアを丸ごと再現したセットの豪華さは、
間違いなく邦画最大級。しかし、これだけの
ヒトとモノを揃えながら物語はしょっちゅう横道にそれ、
その都度ナンセンスなギャグを挟みながら、
だらだらユルユルと進んでいく。

舞台劇によくあるくだけた構成で、いかにも三谷作品らしい。
要するに、「何も考えず、楽しく笑って帰ってね」
というわけだが、このノーテンキさ、テンポの良さや
抑揚のあるストーリー!のんびり観ることが出来る♪
(超映画評論より)

● THE 有頂天ホテル
監督・脚本: 三谷幸喜
出演: 役所広司/松たか子/佐藤浩市/香取慎吾/篠原涼子


三谷幸喜の監督第3作は、オールスターキャストで贈る<グランド・ホテル形式>ドラマ

物語の舞台は大晦日の大ホテル。そこに集ったそれぞれの人々に起こるそれぞれのハプニング。彼らに、幸せな新年は訪れるのだろうか?“ホテルアバンティ”の副支配人である平吉はなんとか今日、大晦日を無事に終えたいと願っていた。しかしなぜだか総支配人は行方知れずになり、ホテルにはワケありの人物たちが続々集結。彼の願いもむなしく、トラブルばかりが発生していく。おまけに別れた妻と遭遇。働いていると言えなかった平吉は、授賞式に呼ばれて来たのだと嘘を付いてしまうのだった。

現在、日本で最も支持されていると言っても過言ではない脚本家、三谷幸喜。監督としてもたぐいまれなる才能を見せる彼が、『ラヂオの時間』『みんなのいえ』に続き3作目となる極上のエンターテイメント作品を完成させた。高級ホテルで繰り広げられる物語は、三谷お得意の群像劇。気になるキャラクターがこれでもかと登場し、さまざまなドラマを展開させていく。畳みかけるような怒濤のストーリーに翻弄される登場人物たちに、素晴らしいキャストがズラリ勢揃い。ホテルの副支配人、平吉役の役所広司をはじめ、松たか子、佐藤浩市、生瀬勝久、伊東四朗など舞台経験豊富な役者も多く、三谷脚本を十分に活かせる豪華な面々がそろった。多彩なカメラワークも見もの。


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