:::排出系列:::




俺が明日死んだって、地球は回っているんだから。





2004年06月12日(土)  臭華

騙してくれたら良いじゃあない?
あたしの事 不細工と罵ったなら
早く御家に帰って下さい
そうして明日も待って居るから
 
ガタガタの煉瓦が積み重なって
嘘みたいな愛想を振り撒いて居るのは
果たして本当にあたしなのかしら
時々時間と軸がずれてしまって
大切な事を忘れてしまって居るの
誰に聞けば良いのかしら?
其れすらも もう判断が付かないわ
 
嘘でも良いの
ママの腕みたいな腕が欲しいわ
大事にめでて抱きしめ続けて居て
行かないで
あたしだけのダッチワイフ
 
華が狂い咲いて 勝手に咲き誇って
冗談じゃないわ
何時か枯れるのに 苦笑いばかり
空の青さと反比例した茶色く変色して
厭な臭いを放つ華を女の人が
今日も又買って帰るわ
 
あたしはまた気付かれない様に
急いで枯れた華を毟り採る
醜い物が耐えられないと
汗ばんだ手のひらが気持ち悪くて
目を閉じて居ようと思う
忘れてしまえば空はもう 
 
誰に何を求めて居たのかしら
一人暗闇を造って嘘を使って居ただけなのに
 
もう 如何でも良いような気がして居る
御辞儀草の葉が全部閉じたら
夢を見に帰ると決めたわ


2004年06月11日(金)  追体験

泣きすぎて顔はむくみ
涙声で巧く喋れず
やたら酷い顔をしていた
 
「こわい」と思った
未来に何も無い事を知らされた
あたしには明日すら闇だった
 
「大丈夫」と何度も確かめた
嘘だと云ってくれれば其れでもう良かった
あたしは悲しい程独りだった
驚く程地面を突き抜けて暗い場所へ
落ちてしまって居た
 
捨てられる事を見ない様に
毎日を繰り返して居た
其の先を識る事が 視る事が恐ろしく
知らない振りを通す事に
しがみついて居た
 
一度ならず二度
追体験は追い込んだ
あたしは遺体に成りたいと思った
生じた総てが無くなる事を
望み 何時か崩れた
 
泣き崩れ膝を抱く
明るい場所が酷く辛く
引き留める正しい術が消えた
あたしの消失を願ったのに
あたしは何時迄も残る
 
顔がしょっぱい水で汚い
貧弱に汚れたあたしが居る
事実を 改変しないで下さい
あたしを此処に引き留めて欲しいのです
 
其れはイケナイ事ですか?


2004年06月02日(水)  父

私がなにもできない
ダメな子供だから否定されているんです
ごめんなさい
私が悪いんです
いつもあなたが言う通りに動いてた頃の
私じゃないからいけないんです
すべてをできない私が足りないんです
信頼の欠片もないんです
生かされているんですか?
私が生きて居るのではなく
あなたに生かされているのですか?
 
だからですか?
 
私になにを求めるんです?
私が悪いのは知って居るんです
私が悪いんです
 
言う通りにします
明日からは
あなたに従います
だからもう打たないで下さい
だからもう蹴らないで下さい
だからもう怒鳴らないで下さい
あなたを私が恐れ始めるより先に
すべてを無に帰す方法を考えたいんです
私はもうなにも知らないあの頃の
右手を引かれて歩いていた
私じゃないんです


2004年06月01日(火)  塩化微にいる

道路脇の小さな小部屋に収拾されたんです
あたし 時間の感覚を思い出したくて
腕時計を何回も見ているのに
変化があるようには見えません
今日と明日と明後日と
実際につながっているなら
今日も昨日になってしまって
明日は今日になるのだろう
 
ぐんぐん数え切れないくらいの車が
ひたすら眼の前を通り過ぎてく
人影のかけらもない情景に
まるで世界の隅に落ちてきたような錯覚が見えた
 
欲しいのは眼の前の眩しいオレンジ色の花じゃない
生きながらえる理由は?要素は?
答えられるほどの語彙がないから
また今日も泣きたくなった
 
どんどん空が暗くなる
世界の終焉が近づいているからなのか
あたしに理由付けをするより早く
見て、この眼に焼き付けるべき
何かがあの雲の切れ間にあるような気がしている
明日も続け
ずっと続け
終わりなく 泣いて


kei ☆メール ☆少女カタルシス



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