:::排出系列:::




俺が明日死んだって、地球は回っているんだから。





2003年05月31日(土)  コントラスト

此の目が 光を持って居て
此の声が 望むべき人に届いて
此の手で あなたに触れられて
此の身体で あなたを包めて
本当によかった
 
空が見てる
緩やかな光は いつまでもあたしを照らす
嗚咽だけ 溢れさせても
言葉が 頭の中で旋廻していても
あたしは ただ 流されたりはしない
 
此の声が あなたを呼べて
此の腕が あなたを抱けて
此の空が 其処にあって
本当に よかった
 
孤独ばかりを抱いていたら
あなたの声を
此の器官で受け止められなかったから
多くのものを 抱いてきて よかった
 
此の腕で、此の声で、此の身体で、この目で、
あたしの総てで、
あなたを抱けて 本当によかった。


2003年05月30日(金)  コクハク。

冷静さが足りないのです
ジッポのオイルは切れてしまった
けれど
あたしの身体をなぞった、
あなたの指の感触にまた
あたしは悶えていたい
 
ねえ、あたしは間違ってないよ、ね。
ねえ、答えなんかどこにもないよ、ね。
ねえ、信じてくれていいんだよ?
ねえ、すきなんだよ。
すごく、すきなんだよ。


2003年05月29日(木)  絡めた身体。

ふれあう肌がここにあって
わたしを満たして
溢れだして
どこにもないとあきらめかけたものを
提示してゆく。
 
いつもいつも
抱かれながら、
あなたが消える幻視を見ていた
しゅるしゅるとわたしの手も
わたしの身体も
すり抜けて、
居なくなってしまう
幻視を見ていた
 
机の下にも
戸棚の中にも
便所を見ても
あなたが居なくて
迷い子みたいにわたしが泣き出す
幻視を見ていた
 
ふれあう肌がここにあって
あなたに絡まる
安心が嘘みたいに
幻視を消し去る
しゅるしゅるとわたしの手も
わたしの身体も
すり抜けて
幻視を消し去る
 
希望も絶望も何もない
ここにあるのは
他人から見れば滑稽に映るであろう
絡まるわたしたち
 
感じた言葉だけを
感じていたい言葉だけを
選び抜いて
交わし合う、わたしたち
 
そして照り映える、午後の日差しだけ。
 
滑稽に絡まるわたしたちを
誰か笑ってください
最善の策を講じてください
これらの憤りを鎮静してください
午後の日差し、絡めた身体


2003年05月28日(水)  ごめんね。

君に告げた、『サヨウナラ』
君が残した、『枯れた花』
 
閉じられた景色の蓋を
開けば、なくしたはずの
ふたりが溢れだした
自由を与えられた蝶が
羽ばたきをおごそかに
地に降り立つように。
 
どうしても消えなかった
どうしても消せなかった
君に告げた『サヨウナラ』が
どんな種類の『サヨウナラ』かを
知らないまま。
君が告げた『アイシテル』が
過去に返る。
君が残した『枯れた花』を
捨てられたから、もう泣かないと思っていたのに。
嗚咽を嘔吐し続けた。
 
見つからない言葉の屑を掻き集めたら
在り来たりの別れが見えて
はかなく火の粉を散りばめた
 
どうしてココに爪痕だけをおいていったの?
 
どうしても見えなかった
見えたら、破壊しそうで
泣いてしまいそうだった
君の顔がどこにもないから、
言いたいことはすべてぶつけた
 
あの疑心暗鬼に終止符を与えられたのは
君がいなくなったからだった
 
君に告げた『サヨウナラ』
再会だけはしたくないから
君が残した『枯れた花』
屑籠に投げ捨てた
 
見えなくていい
聞こえなくていい
君の顔も君の声も。


2003年05月27日(火)  手首切り。

満足度は、ない。
苦しいのよ、腹がたつし…
手首を切ってなくちゃ、窒息してしまう。
こわいわけじゃあないのに。
 
この血液が、後から後から溢れだして
あたしの肺を満たせばいい。
知にまみれた日常。
あたしが壊れるはずはない。
だって、もう壊れているのだから。
 
息の仕方を忘れたら、
流れ出す血液で満たされたくて、
満たされたくて、
壊れかけた言葉を汚れた水に流した。
 
赤い涙が手首を滴ったとしたら、
それは何かの合図なのかな?
 
もう、いいの
もう。
あたしはこれが好きなのよ。
切れば安心できるのよ?
悲しそうな顔をしないで!
あたしは本当に落ち着けるのだから。
痛みなんて、感じていないのだから、
ねぇ、だからお願い…
『ソノ剃刀ヲ返シテ?』
 
安定剤は要らないの。
ここ、切ればそれでいいんだよ。
後から後から溢れ出す血液で
あたしの肺を満たして。
あたしのここ、切り刻んで。
 
『剃刀ヲ返シテ』
 
あたしの涙が手首を滴り、
やがて呼吸を始めたら、
この手首を切り落として
きっとあなたに投げつけるから。


2003年05月26日(月)  濡れた声。

朝から何も食べていません。
空腹感も特にないから
問題はない、と思われます。
 
蜘蛛が這い廻ります。
わたしは蜘蛛が苦手です。
空襲警報、すなはち、逃れよ、眠れ、の警告です。
回れ右、右向け右、わたしにはわかりません。
苦しさも、静けさも、さして関係ありません。
今日くらいは独りで泣いても良いのかな?
笑えない夜、健全の定義が知りたいのです。
 
水分補給は必要です。
空腹感はありません。
しかし、喉は乾くのです。
126円分の水分でわたしが満たされるなら、
それで全く構わないのです。
 
避難勧告、すなはち、形骸から脱出せよ、
睡眠不足を解消すべきなのです。
ハンガーにかかった黒いコートも
書棚で眠るきれいな表紙の本ですら、
わたしに答えを与えないなら、
それはそれで構いません。
 
満たされても、たぶんすぐに不足するなら、
満たされなくて構いません。
足りない何かが欲しいのです。
足りない、だから望むのです。
 
蜘蛛がいます。
そろそろ逃げ出す時間です。
オヤスミナサイ。
虹色の夢に逃げ出します。


2003年05月25日(日)  嫌煙家の彼女。

小刻みに震える、タバコを挟んだ指先。
嫌煙家の彼女の前、ひっきりなしに
タバコに火をつけた。
 
遊びながら、笑いながら、
僕はまだ震えている。
欲しいものは沢山あって、
委ねたことが山ほどあるのに、
笑ってばかりでよいのだろうか?
 
嫌煙家の彼女があからさまに
嫌悪の表情を浮かべたら
(こいつはお前じゃない)
と、初めて気づく。
 
明るい日溜まりに暗闇を、
賑やかしさに、静けさを、
なぜ僕はこんなことをしてるんだろう?
 
声が届かないのなら、この喉には
意味がないのだから、この喉を潰してみせよう
もう必要のない声は
もう届かないこの声は
どんな可能性も産めないのだから。
 
君がどこにも見えないなら、
この光にも意味はない
角膜を取り出して、
誰かに移植しよう。
 
懸念ばかりが膨らめば
未来はもう思いつかなくなるから、
だからもう、
僕の命に意味はない
嫌煙家の彼女の前、
息を紡げずに
喘いだ。


2003年05月24日(土)  Make me hungry for you゜

ゆるやかに流れる時に
願いを投げた、六歳の頃。
世界はいつも歪んでいて
だから僕も歪んだのかと笑った。
 
頭の中で虫が飛び回っている。
羽音が僕を嘲るように
笑いながら飛び交う虫たち。
 
忘れてしまうことほど
残酷で残忍なことはなくて
忘れられないことほど
苦しくて寂しいことはない
生温い風に身を委ねて
静かに言葉を刻んでく。
響きわたる弔いの鐘を君に捧ぐ。


2003年05月23日(金)  五月病、逃避行。

意味はない、理由もない、
期待はない、答えはない、
黄緑色だけ深まって、ゆらゆらゆらゆら。
煮詰まることで、報いに答えよう。
 
安心か?平等か?
病的か?奇異か?
子供か?
 
一概に安心させられるような能力が
備わりはしないと、馬鹿げた影絵を壊せたら。
擦り切れて、込み入って、
意味のない言葉を発し続け、
君を惑わす俺は子供か?
 
手錠はない、足枷もない、
気持ちはない、暇もないままに
ここに留まって、真実に許しを乞う。
 
見あたらなくとも、かまわない。
 
心外か?真実か?
虚実か?差異か?
奇怪か?原則か?
 
逃避行はどこまで続けようと、
終着地を見せず、
イカれた俺を嘲り笑う。
 
だから、五月は嫌いなんだ。
こんな恐怖を産み落とし、
ただ俺を浸食し続ける
…五月病。


2003年05月22日(木)  COME ON!

「だから、つまりあたしにはその資格は、ないのよ」
 
伏し目がちに呟いた少女
背中には膿んだ翼の痕
熟れきれない肉体は熱を持て余し
処刑台への階段をゆっくり昇り始める
 
少女は今、吸い込んでいる
腐乱した空気の答えの逸話
冷めた欲望、奏でた嘘を
混ぜ込みながら、空へと投げる
 
死と性と生が同義の世界
壊れ始めた呪縛の渦
 
見えるはずない罪に縛られ
少女は今、震えだして
昇り始めた階段の途中
とどまっている
振り向くことに戸惑い隠せず
 
大丈夫、もう戻ってこいよ
罪などないさ
君は悪くない
俺は待ってる、ドアの向こうで
君がくるまでずっと待ってる
罪から逃れ走ってこいよ
 
COME ON!


2003年05月21日(水)  蜘蛛の意図、君の糸。

芽生えだした言葉のつぼみが花開く。
君はいなくなるのかい?
 
低温に目覚め、低音を愛し、君の音を追った日々。
嘘だよ。
そこまで依存はしていない。
 
悔やまれた意識の破片や
慰めをくれた理性の欠片に
サヨウナラを告げても
何も変わらないんだね。
 
垂らされた蜘蛛の意図。
残忍なその糸を昇って言葉を作る
 
君の低音に言葉を乗せたら
何か変わっていたのだろうか
 
守りきれない罪の意識を、
計り知れない罰の重みを、
きっと忘れてしまうだろう。
 
何も、何も、何も―
 
独りじゃ背負えなくなるとしたら
きっと君が見つめた先を思い出すのだろう。
何時か、何時か、何時か―
 
こわばった指先を温めて
君の低音を紡ぎ
君の低音に言葉を乗せたら
何が変わっていたのだろうか。
 
何も変わらない、
ずっと、ずっと、とわに―


2003年05月20日(火)  抱いて。

水を飲み干して、
潤う喉が嫌悪を誘う
 
抱きあって恐怖が薄れるのは
一瞬の出来事だと知っているのに
飽きもせずにあなたを抱き続けてる
 
壊れやすいものばかりが渦を巻いても
生優しい気持ちなどが薄れても
飽きもせずに、
あなたはあたしを抱いてる
 
あなたの声が降ってきて
あたしを潤す。
 
この時間が永久ならば
何も見あたらなくてもいい
この時間が真なら
壊れてしまうのも悪くない
 
永久を望めば壊れるならば
あたしはたぶん永久を望む
 
あたしはもう、過去も未来も抱かない。
あたしはあたしという真だけを抱いて
あなたに抱かれる
飽きもせずに。


2003年05月19日(月)  あまのじゃく。

あの声が聞こえる。
マルボロに火を着けて
脳が笑い始める。
時間だけはただすぎて
焼き付くしたはずの何かは
苦しみに悶え、と笑う。
 
ああでも動じず、
まだ僕は前転している
暢気さも取り柄になればいい
弱小だろうがかまわない
焼き付け歯なんかに惑わされずに
空気を吸い込んだ。


2003年05月18日(日)  存在証明。

感情を持たない物質に
あんた、なりたかったんだろ?
くだらねぇことを
すべて放棄するために
感情を持たない物質で
いたいんだろう?
 
だけど、
何がそんなにくだらねぇんだ?
学校も、人間も、家族も、ダチも、
あらゆるもんが、
あんたにはくだらねぇんだろうけど、
そういうあんたが一番くだらねぇ。
 
つまんねぇ、くだらねぇことで
溢れ返ってるんだから
その中で、楽しいこと探しもしねぇで、
物質になりたいとか言ってるあんた
くだらねぇよ。
感情の起伏があるから、
あんたはここまできたんだろう?
 
物質になりたいなんてくだらねぇこと言わずに
もっと模索しろよ。
イヤならテレビなんか見なくていい、
学校なんかどうでもいいんだ。
あんたは人間なんだから
自分の道は自分で選ぶ権利が
あるはずだろう?
 
物質になんてなれやしねぇ。
あんたはここでいきてきたんだ。
あんたがそれの証明だ。
 
あんたは今、くだらねぇとかいう感情を
持ってるんだろう?
それでいいじゃねぇか。
あんたは立派な生き物だ。
 
生きる意味を模索するには早すぎるだけさ。
あんたは立派にいきてきたんだ。
それでいいじゃねぇか。
じゅうぶんさ。


2003年05月17日(土)  ココニイテ。

物憂げなメロディがわたしを夢から呼び覚ませば、
そこは確かに現実世界。
 
腐乱した言葉の渦も、腐り果てた心も、
確かにここにある。
うずくまり、言葉を失い、背中で泣いた。
 
何かになりたくて、何にもなれなくて、
行き詰まっては空を見上げた。
頬をくすぐる淡い風。
すりぬける暗闇。
 
そっと手を叩いて、何かを呼んだ。
淡い口溶けを望んだ、崩れゆく口づけ。
鏡越しに映った、見あたらない君。
すべてを、待ち続け、答えを探した。
用意された答えを蹴飛ばし、道筋を広い集めた。
 
夕焼け雲がわたしを連れ去れば、月は赤みを増す。
ひどく悲しい空を認めても、
なにも変わらないように。
わかりきっている答えを探して、
わたしは歩む。
 
うずくまり、背中で泣きながら。


2003年05月16日(金)  長い、長い、思いへの終止符。

一人を二人とは言わないように、
二人を一人とは言えないように…
 
泣いて、壊して、蔑んでる。
心地よさも、なくした。
この頃、あなたの影が居なくなって
あたしは「あたし」で一人になった。
二人分の記憶を
背負えはしないと知っていたから、
二人分の記憶を
降ろして、身軽になれた。
あなたは生きているのだから。
あなたにもう二度と会わないとしても。
 
なくしたはずの欠片が、
ここにあることに少々の畏怖。
あたしには新しい「あなた」が居るように
あなたにも新しい「あたし」が居ればいい
 
同じ形の「あなた」と「あたし」は
もうないけれど、
確かに実在していたいくつかの「あなた」と「あたし」は
なくならない。
 
壊して、叫んで、笑えるよね?
 
失えない「あなた」と「あたし」の形。
サ・ヨ・ウ・ナ・ラ。
 
やっと、区切りが着く。
長い、長い、思いへの終止符。


2003年05月15日(木)  気丈

砕け散ったって
くたばったって
あたしは、あたしで居たいと思う。
 
見えなくても
これがうそっぱちでも
みつけたい。
 
空がなくても
探していようと思う。


2003年05月14日(水)  センチメント

高く昇りゆく香煙に 祈りを捧ぐ。
 
僕が僕でありますように。
君は君でありますように。
 
砕け散った 進嬢描写の欠片たちが、僕らを見上げている。
 
「君たちが、嘘だとしたら、すべてが嘘だ。」
 
心地良いだけの関係。
君と僕が、見つけた答え。
僕が1人で探した矛盾。
 
君が僕じゃない。
僕は君じゃない。
 
香煙が、細く、細く、立ち上り、
細い糸となって、僕らに巻きついたとしても、
僕が君じゃない。
君は僕じゃない。


2003年05月13日(火)  散文詩×史的唯物論。

大事なもの
(身近に感じたくて
 ポケットに詰め込んでいた)
を、一つ失う。
 
それから、電車やバスの座席に座る度
何かを落としてしまったような錯覚に落ちる

 
実際のところ
(何も落としていないと
 頭では理解していたとしても)
途轍もない喪失感だけが残って
それも いつか座席に置き去りにしてしまう
 
大事なもの
(小さな大切な記憶や
 いつかの空想)
は、
いつも座席に置き去りにしてきたのだろうか?
 
物理的な問題を
気にかけていたはずが
いつしか
内面的な問題となる。
 
まとわりつく喪失感まで
置き去りにした日々が
空想
(現実とかけはなれた考え。)
は、再び空想を産みだし
喪失感は消え去ることを
忘れてしまうのだろう。
 
そうして、また僕は
途絶
(塞がり絶える。)
を、思い起こし、
螺旋階段を落ちてゆくのだろう。


2003年05月12日(月)  ゆびさき

花壇が崩れたら、また笑った―。
 
あいつの合図は苦笑い。そいつのサイズは小さいね。
此れがすべて偽りだったら笑ってね(笑)
 
結局何かを守りたくて
彼女はヤツになりたくて
辻褄、帳尻、合わせたら
何かを見失う。
 
苦労も苦悩も持ち合わせても
立ち上がる気力がなくても
少女はそこから立ち上がるはずさ。
 
砂漠に季節風が吹き付けたらまた笑える―。
 
此れがすべて偽りだったら
たぶんもう笑えない。


2003年05月11日(日)  不安神経症。

暖房が、音をたてて僕の脳を溶かしてゆく。
半年ほど前から、原因不明の不安が僕を縛り付けている。
複テくなっても、酸素が足らずに喘いでいても、誰にも助けを求められずにいる。
 
こんな無様な姿を晒すことには耐えられない弱虫の僕。
いつからだろう。
 
強迫的に迫りくる恐怖は僕を溶かす。
安定力をなくした僕は、隔離病棟にいる病人だ。
 
ああ、誰か助けてくれないか?
僕は、もう…どうしようもなく怖いよ。
苦しい。
 
ある時夢をみた。
不可解で残酷な夢は、疑心暗鬼を産み落とし、暗闇に僕を放り投げた。
 
どこにも行けないと嘆く弱い僕。
誰も僕を必要としないと泣いた僕。
 
一人になるほど一人で迷い、硬直し始めた時間を殴りつけた。
僕はまだだめじゃない。
 
原因不明の不安が僕を食べ尽くす前に、
すべての時間が硬直してしまうより先に、
この部屋から抜け出し、一人の僕に別れを告げる。
 
いつか消え去る、その前に。


2003年05月10日(土)  破壊者。

窓ガラス 庭の犬
午前4時 懐中時計
白い息 壊せない
 
天の邪鬼 コーンスープ
いずれ わからない
 
奇跡を望んで何を待つ?
希望を笑って空が割れた。
壊れやすいミステリアスな嘘も
あたしがぶち壊す。
 
忌々しく抱いた感情の刺を抜いて自由を与える
暴れ出した白い蝙蝠
 
何にも縛られずに
何にも壊されずに
呼吸を紡ぐ
ガラス窓にはびこる狂気
今だけを委ねた 嘘の夢
意図した事柄 崩れた残像
こんな狂気の矛先は 空を射止めるのだろうか?
あたしが望んだほど 狂気の数は増えたとしたら
醜悪な残像だけ 引きずり歩く
 
早く…
夢想を抱き殺めなくては
早く…早く…
いずれ 壊れる
 
破壊者たちが空を舞い
心地悪さをここに置く
目を閉じれば 浮かんだ言葉が消えてゆく
いずれ 思い知らされ
あたしがここに『いずれ』を捨てる。
支配者たちは 仮定に守られ
割れた空に 苦悶を捨てる
 
もうこれ以上乱さないで。
汚れないで。汚さないで。
 
希望を望んだほど腐り果てるならば
入り乱れた夜空の割れ目に
希望を捨てよう。
それからすべて壊してしまえ。
すべて。


2003年05月09日(金)  召使い。

好きにして。
もうあたしなんかどうでもいいよ。
真実なんてどこにもないじゃん?
皮肉を云いたいわけではないし…
でも知ってほしくて。
望んだけれど…
あたしなんかは誰にもわからない。
なんだかもう、泣きそう。


2003年05月08日(木)  ゴミバコ。

暗澹とした世界に落ちてく。
吐き出した言葉は新しい空想を産み落とす。
みなしごたちは空を見上げて、指折り数えて春を待つ。
混雑している記憶はまた、途切れ途切れに記憶を作る。
 
交配の矛盾、解き明かして汚れた景色を語ろうか?
 
原色の夢に光は指すの?
僕がみた景色が壊れ始める。
空は明るくあなたを照らす。
こんな勇気を持ったばかりに
それは嘘を吐き出した。
 
散会した光線。
崩壊した暗澹。
換算した弾丸。
 
差し込む光に、上の空。
何の変哲もない壊れた空想。
揺るぎない言葉も、僕が吐き出せば。
いきずりの約束。
済世の構造。
快晴の狂騒。


2003年05月07日(水)  哀愁家の暇乞い。

「アンタ、頭おかしいんじゃないの?
 ナメてんじゃないわよ?
 アタシがアンタを捨てないと思っているのなら
 見当違いもいいところだわ!」
 
お得意の自己否定投げ捨て、
ただあんたを詰るあたし。
そんな目で見ないで!
 
あたしがあんたを捨てたとしても
あんたはあたしを捨てないで。
約束して?
約束して?
 
拘束しないで。
あたしはあんたを縛り付けるけど
あんたはあたしを自由にさせて?
約束して?
約束して?
 
「アンタのその哀願するような目が嫌いよ!
 懇願しても哀願しないで!
 アタシはアンタの背もたれじゃないのよ!
 バカにしてるね?」
 
無口なあたし押しやり、
ただあんたにキレるあたし。
バカにしないで!
 
あたしはあんたに寄りかかっても
あんたは絶対崩れないで。
契りを結んで?
締結して?
 
あたしがあんたに埋もれていったら
あんたもあたしに埋もれていいよ。
あたしがあんたをどこかに捨てても、
あんたはあたしを捨てないで。
約束して。
約束して?
「約束したよ?」


2003年05月06日(火)  濡れた御髪。

濡れた御髪が乾かぬままであろうとも
わたしはここから飛び出します。
風も厭わず、冷たい雨すら厭わずに、
わたしはただ駆けて行くのみ。
流した涙は乾きます。
濡れた御髪が乾かないといえども…
見開いた存在は消えませぬ
流した涙が乾いてしまえども。
 
ああ 冷たい雨は止む気配を見せませんね。
夕刻歩いた道筋は雨色に染まり行けばいいのです。
 
濡れた御髪が乾こうとも、
その存在は乾きませぬ。
今がどこかに駆け出そうとも、
わたしは冷たい雨すら厭わずに…
流した涙は乾きます。
この雨があがらぬままでも。
再会の夜更けに開いた白百合も、
いつかこの手で壊します。
冷たい雨があがらぬままでも。


2003年05月05日(月)  紛失物ヲ…?

衰えた時が、笑う。
「無様だな、散々僕を虚仮にして衰えているのはあんたじゃねぇか」
 
こだまする、言葉がどこか欠けているようで
災いの元を探している
中途半端な日々の欠片が沁みてきて心酔する
 
壊れ欠けた神経たちが、駆け抜ける。
揺れたら揺れたで動じて良いのか?
問えば笑って「好きにしな」
 
首都高速の渋滞が果てしない
停滞する気持ちの破片は、かき集めたか?
 
はじめからなかったものが、欲しくなる
許しを乞えば無様に写る
悲しさだけは渦を巻く
予感を越えれば君を待つ
 
何かをなくした羊の群が
「此処までこい」と呼んでいる
チープな欠片広い集めて、差し出してこう言った 
「捜し物はこれだろう?」
 
少し泣けた。


2003年05月04日(日)  覚醒・幼児性

覚醒…
悲しき倦怠、カナリヤ緩怠、恋しき相対。
 
見当たらない言葉だけ溢れ返る現実
欲情の対象に見返りを求めた六枚羽の天使
 
幼児性…
混戦 解体 有名 減退 声帯 声帯 性感帯
 
名前を呼べば振り返るのか?
声をかけたら付いてくるのか?
 
煮詰まっているのか?
 
融解された言葉の渦が過去形になって行く
解体された勇気の空が曖昧に消えて行く。
 
望まぬ景色が渦巻いて 僕らの肺を満たして遊ぶ。
完成されたものが どこかに何かあるとすれば、
それはたぶん「  」
 
別離 公開 細線
覚醒…
幼児性…
午前二時四十分。


2003年05月03日(土)  肌に触れて

暗闇で吸う久々の煙草の味
少し冷たい春の夜がわたしを虜にしていた
見当たらないのはお月様。
 
寂しさなんて持ってない。
苦しみなんて抱かない。
痛みは空に返しましょう。
くやしくても辛くても、ホラ わたしは此処で息をしている。
星が見おろす、小さなバルコニー。
 
なくしたものはどこにもないから、
だから、諦めもつくはずで、
壊した言葉も
此処にはないね。
 
「入ってこいよ」
あなたの声で呼び戻してね。
毎日みてる、あの夢からも。


2003年05月02日(金)  awake from a dream...

足首に絡みついた 糸がもつれゆく
あなたの影がわたしを抱いた
 
「君の“好き”が、忘れられないんだ」
 
(嘘吐き…)
心の中で毒づいてあなたの影を押し返す
 
「今度はもう離さないから」
 
(…できない)
頭をよぎる誰かの影はわたしの知る大好きな誰か
 
夢から覚める…その前に
あなたは悲しく微笑んだ
ゆっくりわたしをとき放ち 螺旋階段を下り行く
 
夢から覚めるとあなたは消えて
蟠りだけ、わたしに残った
 
頭をよぎった誰かの事を
“大好き”なわたしには あなたを抱けないままに
 
裏切りも、嘘も、そこにはなくて、ただ、それは夢だった
ただの、夢だった。


2003年05月01日(木)  Boys,Be Ambitious!

アンビバレンスな感情が
僕の周りを徘徊し始める
夜空が溶け出す 午前五時
 
僕には友達も兄弟も居ない
そんなことはどうでもよかった
 
救急車のサイレンが僕の狂気を呼び覚まし
ようやく僕は自由になるだろう
こんな「嘘」の戯れ言から。


kei ☆メール ☆少女カタルシス



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