:::排出系列:::




俺が明日死んだって、地球は回っているんだから。





2003年06月30日(月)  ユメオイビト

用意されている道筋を辿ることが
わたしにかせられた「罰」だったとしても
わたしにはその道筋を歩めない
バカにされても 蔑視されても
わたしはわたしの思いを汲もう
わたしは人には流されない
用意されている道筋がたとえ正解だとしても
わたしにはその道筋は必要ない
 
あきらめきれない「夢」を追う
「夢追い人」とわたしはなろう
きっと空で歌えるから
 
今ここにある何かを持って
何かを捨てて
そうしてわたしはわたしの選んだ道をゆく
流れの早い道筋に流されないで
わたしはわたしの道を開拓する
どこに続いているかはわからないけれど
わたしはわたしの選んだ道筋を…
 
声に出して
言葉にならない景色を掴め
たとえいつか倒れても
わたしはわたしの道筋を
選び抜いてみせよう
遠く果てしない時代を越えて


2003年06月29日(日)  あの日の雨

舞い上がるたばこの煙が咲いてた
こんなにも君を探しているのに
あの傷がまた疼き出すから
瞬きを忘れて僕は座り込んで
可能性に命を吹き込んだ
 
壊れ始める曇り空が
そっと僕に結果を残してた
もう少しこの空の近くまで
この腕がのばせたら
君を捕まえて離さずにいられるだろう
 
あの日、あの時
僕は何かを手にしていたけど
それはまた
あの日、あの時
僕の手からすり落ちたのに
寂しさだけが僕の手から
離れずにいるままで
きっと僕はまだ…
 
 
あの日の雨を受け止めるから
君の背中が見あたらなかった
すべての結果を巻き戻せないか?
あの日の雨を受け入れるから
君の手紙が君とすれ違った
すべての答えを巻き戻したいよ


2003年06月28日(土)  行き違い

どんな風貌を、どんな知識を、どんな景色を、望まれますか?
わたくしが、ここまでこうして歩いた中で
取得した、風貌、知識、景色、それはまったく、不要でしょうか?
 
あなたのお傍に寄りたいけれど、迷惑そうなその表情が
わたくしを、遠くに追いやります
いつからか、不安、倦怠、疎そう等、見当たらなくもなるのでしょうか?
 
待てど暮せど、此処にあるのは嘘で固めた偽善の笑顔
息を紡げど、此処には見えないあなたのお顔
笑い声が、響かぬ空は遠くに遠くに流れて行きます
わたくしひとりを 此処に置き放して


2003年06月27日(金)  あの夜

なぜ?
あの夜が終焉を迎えられないのだろう
心配そうなあなたの顔が
僕の脳裏に焼き付いたままで
まったく離れてくれやしない
息苦しいと感じても
酸素の供給が消え去るように
 
あの夜、間違いだらけの二人に
ヒビを入れたから
きっと簡単に壊れたのかな
 
僕の中
いつまでも終焉を迎えられないあの夜が
狂い始める
蝕みながら
刻み続ける
忘れられなく
なってしまう
もう、遠すぎるあの夜が
忘れられなく
なってしまう


2003年06月26日(木)  変わらないこと

いつまでもいつまでも
この声が響くのならば
いつの日かいつの日か
すべてはすべてへ辿りつくかな
 
変わりながら、変わらずにいられるように
僕にも何かが見えるかな
はかなく消える粉雪が降る冬を
真夏の夜空に描けるならば
きっと変わらずにいられるよね
 
ここにいない君を
僕の隣に描けるならば
きっと変わってゆけるよね
 
変わりながら変わらずにいて
ところどころ消したはずの落書きが
僕の隣に座っている


2003年06月25日(水)  特記事項

特記すべきは髪型である
過去の自分は踏みつけてみせる
わたしは過去に振り回される
生きているから
だけど
過去の自分は踏みつけてみせよう
 
過去にいまを笑わせはしない
笑い出す前に
踏みつけてみせよう
過去の産物を


2003年06月24日(火)  溶け出した夜空

僕の心を解凍しはじめた
君のアレもコレも全ては
嘘だったんですね
 
泣きながら僕に救いを求めて
笑っていた君は 何処へ?
あぁ結局は嘘で繋がれていただけだったのでしょうか
 
君のように笑えないから
夜空が降りつもった
いくつかの答えがもうどこかへ
消えてしまったのでしょうか
 
それは違うよと答える君が居ないのが
事実となり果て 降りつもった
あの全ての嘘がここから
消えていくのが目に見えて
あぁ僕の心を解凍していった
大好きな君が吐く嘘が
ここから消えていくのが
泣きたくなるほどの現実ならば
 
行き着く筈の答え
もう見あたらない
再び凍り付き始める
解凍しかけた僕の心
もう 笑えないから
もう わからないから
降りつもった夜空が
溶け出し始めた
 
もう なにも のぞみませぬ
君が見あたらない
溶け出した夜空
荒野の果て 正解はない


2003年06月23日(月)  終わりのない夢

やがて眠りに誘われ
終わりのない夢に落ちてゆく僕ら
 
宝石を散りばめたように
今宵二人は踊り出す
巧く働かない頭
まともに言葉が紡げぬほどに
疲れ果てては笑うから
 
テンパッたままに
自由に空想も描けず
悲劇だけを君は待つのか?
チリチリと焼けた髪の毛が
何かを僕に教えてゆくから
 
やがて眠りに誘われ
終わりのない夢に落ちてゆく僕ら
散り往けるなら壊してみせよう
今宵二人は無意味な会話を紡ぐから
巧く働かない頭
自由に空想も描かせてはくれず
迷い込んだ道筋に
終わりは来るのか?
 
やがて眠りに誘われ
僕らは夢に落ちてゆくなら
擬態の実態をここにみせよう
巧く言葉を繋げて!


2003年06月22日(日)  偶然という名の必然性

偶然という名のタイミングは
わたしたちに再会をもたらしはしない
いつかどこかで会ったとしても
まるで他人となっているのでしょう
 
偶然という名のタイミングは
わたしたちに別々の運命を辿らせ始めた
これが用意されていた結末であるなら
いつか必ずこうなっていたのでしょう
 
「あのときああしていれば」とか
奇妙な回帰は止めましょう
わたしたちが離れてしまったのは
偶然という名の必然であったのだから
 
取り出して見つめ直せる思い出が
この手の中にあることが
偶然という名のタイミングで
新しい夢を発掘させることもあるんです
いつかどこかで会える日に
わたしたちが他人となっていたとしても
偶然という名のタイミングで
再会をもたらされたとしても
偶然という名の必然性が
もたらしてしまった再会なのであるならば
わたしたちはきっと他人となるのでしょう
 
奇妙な回帰を止めたとき
すべての偶然と必然がつながるのであれば
いつかどこかでわたしたちが
交わしたすべての偶然が
必然と成り代われるはずなんです


2003年06月21日(土)  透明が行き着く嘘

どれも嘘だよ、本当に。
真実は、ないんだよ、本当は。
あれは、いつかなくしたはずの可愛いお人形。
いつの間にか消えかけていた、君に似ている。
 
寂しさが覆した常識の概念は、どこに行ってしまったのかな?
言葉より本当は。
言葉より真実は、
言葉より幻想に。
 
どれも嘘だから
どれもが真実だから、
どこまでも行けるだろう。
触れ合いより本当は。
触れ合いより真実は、
触れ合いより幻想に。
 
嘘なんてどこにもないから、
真実なんてどこにもないから、
いつかまた信じ合えるだろう。
嘘だけが真実だから、
真実だけが嘘だから、
こうしてまた抱き合えるだろう。
言葉より本当は。
言葉より真実は、
言葉より幻想に。
 
透明に消える夢は本当に。
透明に返る夢は真実を、
透明が行き着く嘘を、
真実に。


2003年06月20日(金)  アオゾラ

強さ、弱さ、優しさ、卑劣さ、憎しみ、愛しさ、切なさ
多くの感情がわたしに降りかかり
多くの感情がわたしを形成し始める
 
どこか壊れた像を結び
あなたを作り出した
溢れかえる在り来たりの言葉や
なくしかけた生まれかけの感情
嘘で埋もれたままのわたしの真実
 
告げられなかったあの感情が
泣き出しそうな笑顔を作って笑った
悔やまれた記憶たちが
作られた後悔の屑を
捨て去りに駆け出す
 
強さ、弱さ、優しさ、卑劣さ、憎しみ、愛しさ、切なさ
欠くことはできない気持ちが
わたしを空高く突き上げる
高く、どこまでも遠く


2003年06月19日(木)  優しい泣き顔

あの日から止まったままの時計が
再び時を刻み始めた
息を吹き返したかのように
幼い心を吹き消して…
 
いつしか壊れ始めた「何か」を
ここに置いておくよ
迷わず君が辿り着けるように
 
最後の言葉が描き出される
見つからないままだった
「二人」の末路を
僕の脳は描き続けられるから
 
どんなに時間が経っていたとしても
僕の中の君はかわらずに泣いているから
 
止まったままの時を
再び動かし始めながら
僕のすべてを青空に託そう
あの日二人で止めた時間よ 動き出せ
僕らが犯した過ちが
すべてを青空に描き出されるなら…
 
生まれ落ちて
君に出会い
傷つけあって
狂い始めた時計が
動き始める
 
広すぎる空に
狭すぎる世界
 
戻ることのない
優しい君の泣き顔


2003年06月18日(水)  悲しい予測

飛び出して 今すぐに
居なくなってしまうなら
ここから消えてしまうなら
何も残さずに 行って
 
夜毎の諍いに疲れはて
壊れた頭振りながら
リズムを刻んでいた
それほど巧く使えぬ小技は
いつまで経っても結果を生まず
君が僕から離れていく
それだけは僕の前に立ちはだかる
 
越えられず壊すことも
できない壁を見上げていた
解答はどこからも見いだせずに
君がここから居なくなる
そんな未来を案じ始めた
 
飛び出して 今すぐに
居なくなってしまうなら
ここから消えてしまうなら
君の証拠は残さずに行って
 
あれだけの痛み
堪えきれない涙だけ溢れだした
 
君が僕から離れていく
それだけは僕の中にある
唯一の予測だといえる
悲しすぎる予測は
もう帰らぬ君を思い続けていくから
どうか それだけは許してくれないか
 
出口のない迷路
入り口にすら戻れない僕


2003年06月17日(火)  教室

行きたい場所も
行くべき場所も持たずにいるから
こんな風な自由を温めていられるのに
この自由は忌まわしい
ふるえる指先、不安の剣を振りかざし
行きたい場所を
探し始める
 
これから
何をすればいい?
いつまでも
何かに甘えていてもいい?
教室の窓辺
曇り空から降り立つ名を持たない曇り鳥
 
一人で迷い
答えを探し
いつからか
可能と不可能への
定義を生む
 
行くべき場所を提示されても
きっと行きはしない
教室の安全性
孤独とは無縁の八方美人を
演じ続けるだけ
行きたい場所を見つけても
きっと行けはしない
教室の夕暮れ
孤独を演じる悲劇のヒロインを
刻みつけるだけ
 
本質的孤独を
教室から追い出して
動かないままに逃避を続ける


2003年06月16日(月)  約束の坂道

最後の望みが事切れて
夢見がちのわたしは
お外へ弾き出される
 
泣き叫ぶことも
願い続けることも
誰にも許されないまま
 
あなただけには
わたしの願いを伝えたい
あなただけは
わたしの願いを知っていて
万人からの理解は望まないから
せめてあなただけは…
 
どれだけ許しを乞えば
わたしの罪は消え去るのだろう
叶うことの無かった
最後の望みは事切れたまま
あなたにすら
伝えられなかった望み
 
孤独を噛みしめて
お外へ弾き出されたわたしが
泣きやんでも
壊れていても
誰にもわからない
 
あなただけには
わたしの願いを伝えたい
あなただけは
わたしの願いを知っていて
 
あなたにすら
届かなかったわたしの望みが
空高く舞い上がる
壊された望みは
見えない雲に吸い込まれたままで
消えてゆくの
 
泣き叫ぶことも
死にゆくことすら
許されないままのわたしは
あやまちを償うために
ここに留まり続ける
 
あなたにすら
届かなかったわたしのすべてが
あなたに
届く場所で、約束の坂道で
待っていて
泣きやんだら 歩き出す
過去のあやまちが
あなたの中の
わたしのすべてになる前に…


2003年06月15日(日)  痛いよ

遠くに見えた
小さな灯火が痛いよ
涙声が壊れて
限界は限度を無くした
灯台から
振りまかれる光に照らされる景色
消去法で決めた選択は果たして正しかったの?
 
かわりゆく僕は
やがて見えなくなるから
かわらない君が
欲しくなるのは高慢だろうね
 
あんな風に笑えたらと
羨望と劣等が僕を支配し始める
忘れ去るまで声をあげて
君の名を呼び続けたら
聞こえない声は遠くの闇に沈む
滲んだむさらきいろが
僕をただ支配しても
僕はもうどこへも行けない
 
夜のドレスを身に纏って
どこか遠くに飛んで行けるならと願いを投げる
かわらない現実だけは
ここにうずくまりながら
見失った答えをかき乱す
 
君はかわらないと思っていた
君はかわらないでと願っていた
かわっていく君が怖くて
臆病になっていった
やさしい空気を失うまで
望みに気づかぬ僕は泣いた
限界は限度を越えて
遠くに飛び始める
小さな灯火が消える前に
あやまちを取り戻せるのだろうか
見失ったまま
見つからない
あの小さな灯火が 痛いよ


2003年06月14日(土)  待ち伏せ

解読不能
詰まったのは呼吸だけではないようだ
回り道
果てしないのに果敢無さは亡霊のよう
つきまとうな
キレイゴトほどヨゴレモノはないんだから
 
君の嘘だけは×2
真実であって欲しかった
泣き顔は無防備でないほうが有り難い
期限付きの嘘は
今日で終わりか?
 
この立ち位置はどうやら不安定を乗り越えたらしい
まだ消えないストレスの渦は
どこかでまた待ち伏せる
嘘を吐きながら
組み立てた言い訳
解体しないか?


2003年06月13日(金)  空想旅行

喧噪が大きく大きく膨らんで
わたしごとかき消してしまいそうに思う
痛みがわたしを現実に繋ぐ唯一無二の手段であるなら
この痛みが消え去れば
わたしも消え去るのだろうか
 
どこか遠くに泳いでいけるならと
小さな声は約束を果たせないまま
空想旅行を下降する
認めた現実を覆せるならと
小さな光は闇をときはなってから
まるで胎児のように夜を認める
 
声が届かない
この声はもう君に
あの時言えなかった言葉が
脳の中沸き立ち始める
見えなくなる
聞こえなくなる
判らなくなる
否定はやがて肯定を産むなら
熟れた欲望は
どこに放てばよいのだろう
 
カトレアが香気を
リリィが空を
未知の憂鬱が
すべて痛みに換算する
 
痛みが消え去ることはない
痛みにあふれた現実は
老いがわたしを支配するまで
つなぎとめる
泣き出しそうな空が
痛みに溺れた海の声を
ふらせる
良心の呵責、あうんのこきゅう
 
痛みに溺れた現実が
わたしを永久に縛り続ける
果てのない約束を背負って
ここに縛り続ける


2003年06月12日(木)  生と死の境界

こみ上げる涙が新しいものを開発するのです
壊れかけたお人形、なくしかけた感情の破片、
忘れかけていた思いの事実
開発された新しいものたちの
土台を形成する古い記憶は
君の中に確かに存在しています
こみ上げる涙を抑えることなく
流したとしたら虚しさだけが
精一杯の熱意を込めて流れ出す
それもまた新たな事実となりうるのです
 
感情のキィを開けるときは
常時、そばにひっそりと潜んでいるのですから
こみあげてくる涙を一概に
美しきものと形容することはできませんが
常時、排出すべき水分が
君の中に潜んでいることを忘れないでください
君は孤独ではないのです
生きながらえるべき理由が見あたらないとしても
冷たい雨にただ濡れているだけであっても
君が存在する、それだけで
新たな事実はここに在るのです
忘れないでください
君は決して孤独ではない
 
生と死の境界が見あたらないとしても
君が生きる理由を見いだせないとしても
君は決して死んではいないのです
生きながら死んでいく
それもまた何かしらを産み落とします
君に理由付けなど必要ないのです
 
今を思い、今を生き
呼吸を続ける君
傷跡からでしか生を知り得ない君
君は生きているのです
理由など求めなくても
気づかないところに
君をもとめる人が在るのです
 
こみあげてくる涙が新しい何かを開発するように
君の中の葛藤が
常時、君への答えを用意しているのです
いつの日も続いてゆく
新しい何かは確かにそこで君を探すのです


2003年06月11日(水)  空白の意識

すべて擲っても失ったとしても
その腕に抱かれたくて
恥じらっていることを悟られないように
無理して笑い顔を作る
わたしのものより
ずいぶん広い背中にてのひら
細い首に腕を絡めた
こみあげてくる思いが
爆破しそうに膨らんで
いつしか空白の意識を共有する
 
崩れ落ちる理性の壁
高く、高く、そびえる空
こんな気持ちがわたしの中に存在するなら
求め続けたすべての定義は
もう要らない
 
柔らかな髪をそっと撫でて
優しく微笑んでわたしを強くはかない腕で抱いて
優しく笑えるわたしが在るのは
優しく笑う君がいる証拠となりうる?
言葉を失う
安堵の吐息
それがすべてにわたしを抱いている
それのすべてで君を抱いている


2003年06月10日(火)  壊れた境界線

わたしだけが赤く染まる
壊れた境界線をまたいで
破れた手紙に苦痛を見いだす
わたしだけが赤く染まりながら
泣き出しそうな夜空を笑って
幾年も前の輝きに悲しみを見いだす
意気地なしのままわたしだけが見あたらない
この幸せが、この辛さの裏返しならば
幸せも、辛いも同義になれる
わたしがここから動かないのが
間違っているというなら
証拠を出して。
証明してみせて。
 
わたしだけで赤く染まりながら
溺れそうな月日に弓を射ろうか?
眠らないことへの言い訳が必要なら
眠れないことでの苦痛をあなたは受け入れられるの?
わたしだけが赤く赤く赤く
見えなくなる
 
この幸せが、この辛さの裏返しならば
幸せも、辛さも同義になれるね
卑劣さも、取り柄になり得るならば
言い訳はもう要らなくなるね
どうしてこんなに悲しいのかな?
わたしだけが赤く染まる
 
空の色が見えなくなる
何もかもがわからなくなる
赤く、赤く染めかえながら
すべての定義を覆そう


2003年06月09日(月)  本当の嘘

待つことは苦痛を呼んだ
望むことは悲しみを知らせた
立ち止まり、わたしは空を見上げる
行き詰まった青い鳥が
うそぶきながら、本当の嘘を吐いた
痛みが舞い散る、花のように
曖昧に望んだ永久の憂鬱が
容易に優しく雨を落とす
 
正解はない
事実も歪めば、世界が血に滲む
淀んだ空気をかき消して
退屈な享楽を探し出そう
境界はない
虚構を口説いて、事象が熟み始める
曇りガラスを砕き割り
歪んだ直線を描いてみよう
 
舞い上がった午前の苦痛が
午後の安堵を生み出せば
 
容易に濡れゆく、忌むべきこの眼が
享受すべきを見捨てたままに
教室の曇った空気を
歪ませた
 
行く先を見失った青い鳥が
うそぶきながら本当の嘘を吐く
作り出した温かな世界で
冷たい頬に触れるまで
すべてをなくしても構わないと
うそぶいた青い鳥が
わたしを夢から呼び戻す
本当の嘘で


2003年06月08日(日)  かぜのうた

待っているだけで いいのかな
駆け出したら 抱きとめてくれるの?
僕の中に正解はない
噤んだ口から溢れ出すかぜのうた
ゆびさきから溢れ出したかなしみのメロディー
 
正解は何?
流れ出したかなしみだけで
僕を満たして吹きすさぶ風
泣きわめいていた回想から
流れ出したかなしみが痛いよ
僕を壊す答えないままで
いつまでも紡がれるかぜのうた
 
許しを乞うほどの悪が在れば
いつからかこんな風に笑い始めた
僕はここに立ちすくみ
吹き抜ける風に願いを飛ばそう
 
上手に言葉を選べないまま
泣き出しそうな僕がいて
吹き荒れる風に過去を飛ばそう
呼吸が在って意志を紡いで
言葉がここにうつむきはじめ…
 
やり直しは要らないね
最初に見いだした答えは
むしばみ続けた回想を壊す
慈しみもゆがんで見えるから
ここで探す
かぜのうたが僕を吹き抜けて
どこか遠くに見えなくなっても
僕が歌を紡ごう
うまく選べない言葉を
かぜのうたにして誰かに渡そう
どこか遠くに流れ出しても
誰かの胸で泣けない夜も
吹きすさび続けた かぜのうた


2003年06月07日(土)  幻の冬

例えば
眠れないまま朝がきたとしたら
晴れすぎた空を憎むかな
例えば
聞きたくない言葉を選び抜いて
知らぬ振りを決め込んでいたら
悩まずにすんだかな
例えば
迷子になりかけた気持ちが
ニセモノだと知ったら
帰っていってもいいのかな
 
壊れかけた
重なる二つの影に
色がつく
あか しろ きいろ
あお くろ みどり
白黒映画に
迷い込んだのは
昨日の夢
無彩色の景色に
迷い込んだのは
あかいつめ
誰かの頭を抱く
その手の爪だけ
真っ赤に色づいた
 
例えば
もう少しだけ近付けたなら
もう一度だけ抱けたならば
例えば
悲観すべきことは何もないまま
宝物みたいに優しく
めでていられたら
例えば
うそぶいた言葉は風に吹かれて
どこか遠くに見えなくなったら…
 
幻の 冬 現実が 夢


2003年06月06日(金)  プラグマチズム

要らなくなったら捨てればいい
愛着 それはあながち錯覚
こんな夜には何もないから
優しい夢を与えて欲しい
 
剥げかけたマニキュアに悲しみを見いだして
泣き出したあたしに
剥げかけたマニキュアに優しさを見いだして
あたしを抱きなぐさめた人
優しい夢は時に牙をむく
 
生まれたての感情に名前をつけるなら
理性と狂気の狭間に生じた
この感情に名前をつけるなら
気まぐれに紡がれた
大胆不敵にうそぶく祝詞
 
見いだすべきものは
どこにもないから
目の前の景色が
鮮明にあたしを
無力に染めていく
気づけばそらんじていた呪文を忘れて
惜別への発禁を朋友のように抱き始める
 
感じるままに生きられず
策略ばかりを練り続けよう
優しい夢が見えないならば
どうかすべてのリビドーに蓋をさせて
あたしがもう見あたらないなら
きっとそれが新たな事実
 
剥げかけたマニキュアに悲しみを見いだせたら
不協和音を響かせて
高尚な夢を与えて
プラグマチズムにあたしを変えて


2003年06月05日(木)  本当の気持ち

答えは 簡単だったのでしょうね
僕が 愚鈍なだけで
きっと君には はじめから判っていた
だけど愚鈍な僕がかわいそうで
同情して知らぬ振りをしていた
違いますか?
 
本当の気持ちじゃないなら
そんな君を僕は泣きたい気持ちで見つめて
笑いだしたい午後に
まだ見いだせない答えを
僕にそっと教えて下さい
暮れかけた夕陽が
いつか僕らを助長するから
笑い声をこだまさせて
いつか答えを囁いて下さい
 
本当の気持ちじゃないなら
泣き出しそうなそんな顔で
僕を見ないでほしくて
本当の気持ちじゃないなら
何ももうしないで欲しいから
本当の気持ちを
暮れかけた午後に
僕にそっと囁いて下さい
忘れてしまう前に
笑い声を捨てて囁いて下さい
僕が笑えるように


2003年06月04日(水)  暮れかけた今日

汚れてしまったわたしへの言い訳だけを 組み立てて
組みかえられてしまった 真実を 組み立てなおしましょう
 
まだ遅くはないでしょう?
 
見捨てられたと思いこんだ 午後。
照りかえる光に 恐怖を抱いて
「ここから出して!!」
叫び続けた。
祈りがはかなく散りゆくのを認識させる 朝の光。
冷たいのに あたたかい光が
深くに眠っていた 溶け出す前の感情を
呼び覚ましている。
 
待っていて まだまにあうかな?
 
あの腕を掴めなかった事への言い訳で わたしを納得させて
壊れかけていた 言葉のくずを 優しく包みましょう
 
暮れかけた今日は 優しくわたしを呼び戻すから
泣くことすら できなくなって
わたしは一人 蹲っている
「行かないで!!」
どうして それが言えなかったのかを
わたしはもう 思い出せない。
 
こんな気持ちを生み出した事に 責任も持てないけれど
言い訳を組み立てる事すら できなくなってしまえば
すべてが 消えると 錯覚するけれど
愛憎を孕んだ 憂鬱の闇夜が わたしに静寂を 与えてゆく。
 
「そんなんじゃない」
と、うそぶくわたしと、泣き叫ぶわたしの
どちらが正しいわたしかを わたしは認識できずにいるのに
そんなわたしを 証明できる?
 
朝靄だけが 真実を 紡ぎ始めたら
わたしは 真実を翻して 言葉を紡げるのでしょうか。
今度は「行かないで!!」と 叫べるのでしょうか?
 
汚れてしまったわたしへの言い訳だけを 組み立てて
組みかえられてしまった 真実を 組み立てなおしましょう


2003年06月03日(火)  跳ね返る心音

悲しくて悲しくて悲しくて
やり場がなくならないのは
どうしてでしょうね。
小刻みに震える指先
それから多少チック気味に
揺れ動く僕は無様ですよね
 
ただ少し臆病なふりをして
君を待っているなんて言うと
きっと君は笑うのでしょう
 
嫌いにならないで
 
痛みだけ膨らんで
僕が僕じゃなくなったら
きっと君は僕を嫌うでしょう
痛みがどんなに膨らんでも
はじけ飛んだりしないのは
どうしてでしょうね
ひとりが寂しくないなんて
いつからこんな嘘を知っていたのでしょう
それは問題ではなく
 
悲しくて悲しくて悲しくて
溢れ出したりしないのは
どうしてでしょうね
君が欲しくて痛みを何かに換算してしまうのは
僕の悪い癖なんでしょうね
ベッドの中
跳ね返る心音
暗闇、無音の部屋
 
泣き出しそうなことへの
言い訳だけを組み立てている
 
会いに来て会いに来て会いに来て
結局はそれだけなのでしょうね
君が ここに いない
それだけなのでしょうね


2003年06月02日(月)  現実主義、空想否定

好きなことも好きな人も
たくさんできっといつか
忘れるのだろうけど
いつも、大切にしていたい事柄だらけで
なのに、見放してしまうわたしがいる
 
惨めな自分に花を捧げて
夕焼け空を睨みつけた
悪意を持てば朽ちる事柄を少しだけ憎んだ
いつも誰かの体温が欲しくて
一人になることだけを恐れた
何人かの『誰か』をいつも望んでいる
 
バカげた空想を多く抱きすぎて
現実が逃げ出してしまった
現実主義の真っ赤なマニキュア
空想否定のリムーバー
空想主義者のわたしを笑え
 
夕焼け空に願いを投げた
誰かの体温よここにあれ
願いを遠くへ投げすぎて
わたしの願いはかき消された
強がっても、寂しさが水みたいに流れて
それだけでわたしを満たしてく
 
いつからだろう
いつから?
いつからここまで狂気を携えて?
バカみたい、苦笑いが溢れ出す
ぶくぶく泡になって
わたしの肺を満たしてく


2003年06月01日(日)  理想・モラリスト・現実・デリケィト

暗いキッチンで水を飲んだ
そしたらまた、死にたいと思って階段を駆け上った
煮詰まってる、身体が
熱だけをとめどなく排出してゆく
口ずさむメロディはBOYS DON’T CRY
 
ワタシハナカナイ
 
予測もなく、劣情を催されもしない
ただ何かに飢えている
何かが何かをわたしは知っているけれど
何かを求めることは、したくない
 
暗闇で口ずさむ歌はLULLAY
震える声、泣けないわたし
いつか、誰かが言っていた言葉が
脳を浸食しても、きっとわたしは動じはしない
見返りさえ求めなければ
悲しむことなどないのだから
 
誰かの笑顔に縛られることも
誰かの眼差しに誘われて歩きだしたとしても
何の見返りも欲しくはない
 
裏切りも痛くはなくなる
何の見返りも要らないのだから
裏切っても 裏切られても
わたしは動じないなど言えるのだろうか?
 
すべての声がわたしのために響いていたら
すべての人がわたしのために存在するなら
 
それが嘘でしかないと
わたしはずっと知っていたから
わたしはこうして生きてきた
 
想い描く理想と、
かけ離れた惨めな自分を
少しも悲しむことなどないけれど
 
暗い部屋、また少しだけ
死にたいと想った。


kei ☆メール ☆少女カタルシス



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