としょかん日記
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異動して約1ヶ月が経ちますが、いやー、この図書館忙しいわ。すげーわ。この職場に使えねー奴が来たら運営できなくなるな。と言うわけで毎日緊張しっぱなしです。
ふと思うと図書館7年目。役所に入ったときは図書館なんて考えてもいなかったものが、今ではできれば一生の仕事にしたいとも思っている。
正直そんなに本を読んでいたわけではないのだが、思い返すと本との出会いは確かにあった。まずは確かあれは小学2年生か。3年生かな。図書館へ通う事自体がクラスの流行だったし図書館通いはしていた。それでも借りていたものは薄い本ばかり。多分そのままだったらそのうち本から離れていっただろう。ある日、友達がこう言った。内容から考えるにまさに丁度今頃のはず。 「連休で時間がたくさんあるから、おれちょっと難しい本も読むわ」
すぐ影響されたね。じゃあおれも、と手に取ったのは「サーカスの怪人」というタイトルだったと思う。江戸川乱歩ですよ。正直内容はあまり覚えていないのだが自分が他人から見えなくなってしまうというトリックはよく覚えている。そしてこれが第一のターニングポイントだった。そこから江戸川乱歩にはまった。子供向け江戸川乱歩全集は全部読んだはず。ご多分に漏れずホームズやルパンも読んだけど外国物はやっぱりあまり好みではなかったと思う。江戸川乱歩はよく読んだ。それでいて、今現在内容をあまり覚えていないのが悔しい。結果的には小・中と図書委員もやっていたし、確かに本は読んでいたのかも。
中学生の時には三国志ブームもあって歴史小説に入っていった。あのとき中学校の図書館にあった「封神演義」にはまり何度も読み返した。自分でも買った。それがマンガになった時はちょっとびっくりした。ここで吉川英治にも出会った。陳舜臣の「小説十八史略」もすごかった。もう一度読み返したい。今思えば日本の歴史小説も読んでおけばよかった。
高校に入りここで第二のターニングポイントを迎えることとなる。今となってはちょっと恥ずかしいのだが、赤川次郎である。母方の叔父が本をよく読む人で、たまたま遊びに来ていたときに本を何冊か出して「1冊だけお前にやる。読んでみろ」と言った。自分が適当に指差したのは「三毛猫ホームズの追跡」だった。すごいおもしろかった。それから赤川次郎は読んだ。当時は図書館なんて知らないものだから古本屋で買い漁った。シリーズ物を順々に読んだ。赤川次郎だけに次から次とシリーズに出会えた。これが推理小説なんだと幼心に思った。それはそれで間違いではないと思っている。
久しぶりに新刊として買った本として「バトルロワイヤル」がある。この本もすごかった。その時臨採として小学校に勤務していたが、続きを読みたいという理由で早く家に帰ろうとした事を覚えている。残念なのはいつか読み返そうと思ったのだが、あまりにも内容を覚えているために読み返す気が無い事。もしかしたら生涯自分の好きな本の1位にあげてもいいのかもしれない。
そして図書館勤務。図書館に入って最初に読んだ本として覚えているのが「私が彼を殺した」である。東野圭吾。ここで東野圭吾を手に取ったのがもしかしたら運命なのかもしれない。当時遠距離恋愛していた今の嫁さんに会いに行く途中、電車の中で「え?これどうやって終わるの?謎解きは?」と思っているうちに「犯人はあなたです」で言葉で締めくくられた。衝撃的だった。わたしにとっての本当の意味で最初の推理小説がこれである。
結局小説、しかもミステリばかり読んでいるのだが、そういう意味で自分は天職につけたのではないだろうか。一応誤解を解くために言っておくが、仕事で本に近いから読んでいるのであって、本を読めるから今の仕事についているわけではない。ましてや仕事中に本を読めると思っている輩がいるのだが、そんな図書館員は今現在で生存しません。
図書館と言う仕事にいろいろ思う事はあるだろうが、少なくてもわたしは誇りを持って今の仕事に就いている。ただそれだけ。
うちの図書館は公園とつながっている。だから子どもたちもよく来るし、突飛な行動もしてくれる。
今日は女の子二人が虫取り網いっぱいにごみを入れてカウンターへやってきた。「公園のごみ拾いをしてきたので、これ捨ててください」と空き缶だのうまい棒の袋だのをだしてきた。その心意気やよし。よしだけど、よしだけど…。まあいい事しているからいいのか。問題はマナーやモラルの欠片も持ち合わせていない大人の方か。
土曜日、前職場の歓送迎会。無難に一次会を過ごし、気の合う仲間のみで二次会。んまー、次から次へとでるわでるわ、職員に対する悪口。いや、悪口って言っても働かない、働けないってことです。けして人間性について議論しているわけではありません。使えない人が二人もいるんですよ。七人しかいない職場で。
今の職場が忙しくて前職場を心配している暇は無いのですが、正直かなり気になる。現在図書館の意識と地位を高めようと暗躍しているのでますます心配。愚痴を聞くべき飲みに行くだけがわたしにできるせめてものことです。
50代くらいのおじさま相談カウンターに登場。クラシックのCDを何点か探しており、それは無難に答える。突然ふと思いついたかのように「上戸彩のテネシーワルツはないかい?」
それ明らかにどちらか間違っているでしょ。上戸彩もCD何枚か出しているだろうけどテネシーワルツは歌わないだろう。それでも一応検索機で探してみるも上戸彩で探しても「インストール」しか引っかからない。当然だわな。なんとかレファレンスインタビューを試みる。
「ほら、結構有名でピアノ弾いているしょ、上戸彩って」ピカーン。閃いた。「あー、ジャズシンガーの人ですよね。上戸彩じゃなくて、あや…、綾…。なんだっけ?」それでもとっかかりができたので「ジャズ 綾」でネット検索。引っかかりました!
「綾戸智絵ですね?」 「あーそうそれそれ」
全然違うやんけ!
新しい職場、これがイイ!なんていっても忙しい。働いているって感じ。図書館で忙しいって言ってもたかが知れてるでしょ、と思われた御仁。あえて否定はしません。それでもわたしたちは誇りを持って仕事をしています。図書館の地位向上のため、なんてえらそうに言っていますが何よりも図書館を利用してくださるお客様のためわたしたちは文字通り粉骨砕身の意気で働いているのです。とりあえず図書館は利用しつくすに越した事はないですよ。
やっぱり新しい職場は忙しいらしい。わたしまだ担当の職務持っていないのでカウンターと配架だけなのに、なんでこんなに忙しいの?カウンターにあんなに人並ぶのはじめてみたよ。旧職場では並んでもちょっとがんばればすぐにはけたのに。でも忙しいと働いている気がしていいよね。
旧職場と言えば以前の職場の同僚からメール。「館長と働くとイライラします。まだ4月なのに」そう、前の職場の館長は全然ダメな人だった。いろんな意味で。前の職場はそれが気がかり。図書館に興味ない人は図書館に来なければいいのに。心の叫びでした。
引継ぎ期間を経て新しい職場に異動。5日の午前中に新しい人が来たので直接あって仕事の引継ぎ。いやー、仕事の引継ぎって結構難しいものね。そして午後から職場にお別れ。曲がりなりにも6年間ここで働きました。もう愛着たっぷり。定年前にもう一度戻って来たいくらいですよ。それでも正直マンネリ化からの仕事のミスがここ最近顕著なのでまあいい機会と捉えて新しい職場にお引越し。
午前中はカラッと晴れていたはずなのに、なぜか午後から悪天候。北海道の悪天候はすごいんだよ。だって雪降ったもん。だれがわたしの門出を祝ってくれているの?着任早々思った事はこの職場若いなーということ。それもそのはず臨職含めて3人が大学卒業したばかりだって。約10も歳違うのか…。何話せばいいんだ?なんて考えがおっさんです。
まーとりあえず異動しちゃったし、図書館勤務の継続は希望通りだったし、とりあえずがんばります。願わくは図書館業務を一生の仕事に仕事にしたいんですけど、この願いはだれにしればいいの?
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