としょかん日記
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この時期恒例の人事異動がやってきました。図書館は専門職だと思っていますが、うちは全く関係なく役所内を異動します。窓口とか水道局とかそっちのほうにいかされる可能性は大きいのです。そうなるとこの日記はどうなるのか?タイトル変わるのか?水道料金払わない人が話題に上がるのか?とまあここ3年ほどこの時期は思っていました。そしてでました。
わたくし、6年目にして初の異動です。そしてその異動先。現在とは違う地区図書館へ異動となりました。めでたくこの日記も続けられるという事です。問題は、異動先がめちゃめちゃ忙しいらしい事。先月いろいろ問題があって異動する図書館に応援に行ったのだが、いやーこりゃ忙しい忙しい。今までぬるま湯で働いていたんだと深く反省。そんな図書館で働く事となりました。とりあえずがんばります。
なんだか最近良い具合で本が読めているのでここらでまとめでも。
「一応の推定」広川純 多額の保険金がかかっている老人が駅のホームで転落死。難病の孫を思っての自殺かそれとも事故か。定年間際の保険調査員村越が探り当てた真実とは? 松本清張賞受賞のいわゆる社会派ミステリー。いや落ち着いて読めました。良くも悪くも。しかし心が枯れてきたのか、こういうのを読むと「この真相にたどり着くまでこのページ数を使う意味ある?下手しりゃ短編ですむことじゃないの?」と思ってしまう自分が嫌。 とはいえやっぱりいい意味で落ち着いて読めるというのがよろしいのではないでしょうか。粗はないのだが輝きもないといった優等生的なミステリ。いやこれは褒め言葉で。
「パパとムスメの七日間」五十嵐貴久 列車事故がきっかけでよりによってパパと体が入れ替わってしまった!大事な先輩とのデートがあるのにいったいどうなるの? サラリーマンのパパと女子高生の娘の体が入れ替わってしまうというべたな設定。パパが学校に行くのはまだ何とかなるとしてムスメが会社に行ってもそりゃ無理だろ!と思うのだが、パパの「サラリーマンとはこういうものだ」という言い回しになんだか男って何のために働いているのだ、ともしみじみ思う。 でもやっぱり設定がべた。パパの会社は化粧品の会社でターゲットを高校生に絞った商品を開発するプロジェクトのリーダーだっていうから、あー入れ替わったら娘が活躍するのね、となっちゃうよね。まー、最後に「なるほど、そうきたか」と思う事件も起きるけど、最後までべたを貫き通している。 ただそれがだめかというとそうでもない。そうでもないのはわたしが実際にムスメ二人の父親だからだろうかと思うと読書って環境次第で評価が変わるもんだという結論にたどり着く。 なんだかんだ言っても意外とべたべたな設定が好きな自分としては、ましてやムスメもちとしては結構好きだったりする。困ったもんだ。
「誘拐の誤差」戸梶圭太 もーいきなりだまされた。だって帯の惹句には「誘拐された子どもの死体が見つかった。しかし犯人からは身代金のメールが届いた。いったい犯人の意図は何?」見たいなことが書いてあったんですよ。 「えー戸梶ってそんな小説も書けるの?」なんて期待していたらいつもの戸梶の小説でした。帯の話本編とそんなに関わりないだろ!というのが本音です。 いや、でも戸梶の書く小説はおもしろいね。人間の本質を書いているんだけど、おもしろいね。こんなに壊れた人間ばかりの世界なんて嫌だよと思うけど、実際こんな人間ばかりなのではないでしょうか。あーやだやだ。 久しぶりに一気読みした小説でした。でも残念ながらまったくもってミステリーとは正反対にある小説なのです。結構予約が入っていただけに、みんな騙されたんだろうな、と思うと戸梶の心配をしてしまう図書館員がここにいます。
読み返しただけど、感想にも批評にもなってないこんな文でいいもん?と思った。ただそれだけ。
本来ならば、今現在も飲んだくれているはず。 職場の嘱託が中央に取られるので少人数でささやかな送別会という大義名分もと、飲み会。図書館員の飲み会は日曜日が多いんです。そして居酒屋の休みは日曜日が多い。「不定休」ってあるのにほとんど日曜日やん。
そんな苦労してとったお店は食べ飲み放題のお店。もうやる気満々で昨日なんて11時に寝ましたさ。どうせ日曜なんだしお客もそんなに来ないだろうと高を括っていたら意外と図書館にやってきた。いそがしいそがし。
なんて仕事をしているとどうも頭が痛い。なんじゃこりゃ?夜に備えて(笑)配架をあまりせず座った仕事をしておく。それでもなんだか調子が良くない。しまいにゃ吐き気も覚える。
どうにか仕事を終わらせ、帰宅の途につくのだがここが一番つらかった。震動が来るたびにダイレクトに頭にくる。おまけに右斜線から左折した勇敢な人もいて調子は下がる一方。
家に着き、出かけるかどうか熟考する。これ絶対どこか調子悪い。こんなんで酒飲んで大丈夫か?でももしかしたら最後の飲み会になるかもしれんし、何より楽しみにしていたしなー。1次会で帰ることを堅く決意してバスに乗る。そのバスがけっこうつらい。
こんな時に限って食べ放題だしね。でてきたチキンを一口とパスタ約3本食べてもうだめ。体と舌が受け付けないの。みんなうまいうまい言って食べてるけど、自分には全くおいしくない。とりあえずいっぱいくらい飲めるだろうと頼んだビールも進まない。おいしくない。結局長い飲み会人生で初の1次会で中座。それぞれ一口食べて3000円。どんなセレブの夕食会なんだ。
自宅について安静にしているうちに具合悪いのが嘘のように消える。おまけに食欲も復活してきた。おなかと相談してお茶漬けをいただく。3000円のお茶漬け…。どんな宮廷料理なんだ。
うちの図書館も築13年でいよいよ棚が飽和状態となってきた。いままでだましだましどうにか過ごしてきたが、いよいよ大改革が必要となった。
まずは特別整理期間を用いて、閉架のスペースを広げる。閉架に下げちゃったらお客さんの目に触れないので貸出されることがほとんどなくなるのだが、背に腹は変えられないと自分に言い聞かせる。だって、毎週50冊前後の新刊がやって来るんだよ。それを入れるスペースを作らないとね。
さて、着手すべきは日本の小説の棚。一般書は情報の古さや類書の数などを理由にざっくざく抜いたのだが、小説ばかりはそうはいかない。古くてもおもしろい小説は数多くあるし、なんたら賞受賞作なんてものは年代関係ないしね。
とりあえずあ行の作家でまずは古そうな本を抜いていく。「とりあえず人気作家でもどうにか1冊抜いてみよう」を合言葉に棚から抜き去る。大江健三郎だって容赦しない。内田康夫だって気にしない。個人的には好きでも綾辻行人や歌野晶午だってかまわない。とりあえずは「古さ」をキーワードに棚から引っこ抜く。
今度は抜いた本の貸出冊数をチェック。10年間で150回の貸出されるとさすがにひるむ。内田様ほんとにすいません。棚へお戻りください。それでも基準を高くして、がっつがっつ除籍または閉架に下げてやる。こういう仕事していると毎回思うのだが、こんなぺーぺーがこんな大事なことを決めてしまっていいのだろうかという思いが頭を駆け巡る。どうせわたしは3月で異動するだろうと、どうせ他にやれる人がいないんだよと二つの理由で心を鬼にする。いいんだ、これで。いいはずだ。
とりあえず今日はさ行の途中まで終わった。除籍・閉架ともに100冊ずつくらいにはなったはず。全てはこれから入る新刊のために。そう新刊のために。とは思うんだけど、ホントにこれでいいんかね。
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