としょかん日記
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図書館って純真無垢な子どもや、おじいちゃんおばあちゃんが来てゆっくりとした時間の中で本を読んでるだけで仕事になるんでしょ?なんて思われがちな図書館勤務です。はっきりいってそんなことはありません。注意しても平気で話し続ける携帯女や鬼ごっこをしだす子どもなんかに手を焼いております。雑誌オリコンの切抜きにも日々対応策を考えている次第であります。先日はタッキー&翼のタッキーのみ切り抜かれてた。
今日もなんかしらんけど変な客来てた。事務室にいたので最初の事情はわからないんだけど、怒鳴り散らしているおっさんがいた。こちらの対応が悪かったのかもしれないけど、この世は自分の思い通りに物事が進むはずだと思っているらしい。図書館だってできない事はあるのです。法律で決められているのでできないものはできないのです。自分が知らないからと言って怒鳴っているのは自分は無知ですって言ってるようなものじゃないの?
部下らしき人が二人ついていたけど、ちょっと困った感じだった。この人いつもこうなんだろうな。状況から批判的な目しか持てないけど、部下に慕われてないんじゃないの?わたしは今の館長の下で働けて幸せです。
いや、レファレンスがくるくる。もうどんどん来ちゃってよ。
まずは電話で。「ブレイクする」ってどこからきたの?壊れるのbreakには辞書引いてもそんな意味がない。はーはーはー。なるほどなるほど。
まずは英語辞典ででbreakをひいてみる。たしかに人気が出るという意味はないね。「切り開く」とか「圧倒する」などの意味はあるけどちょっと違うか?カタカナ語辞典や外来語辞典もチェック。のってねー。現代用語の基礎知識には「にわかに人気があがる」という意味で載っていたけど由来までは載っていない。ちなみに「ブレークする」が正しいらしい。ネットでチェックするもいい情報はみつからず。同僚は旭化成のCMを思い出し「ブレイクスルーじゃない?」と大胆発言も決定打にはいたらず。breakthroughには「大躍進」という意味もあるけどそこから来ているかどうかは不明。結局現代用語の基礎知識と和製英語の本を見てもらって満足してもらった。自分としては不満足。
もう一つ電話で。節分の由来について、鬼が昔神様であって、その鬼を追い出したことが節分の始まりだという説を聞いたことがある。そんな本を見たことがあるらしい。まじっすか?
行事の由来の絵本を見に行くけどさすがにシーズンで借りられっぱなし。ひな祭りとかしか残ってないよ。物のはじまりの本十二ヶ月も1月2月が貸出にでてる。それでも由来が載っている本はたくさんあるけどそんな話が見つからない。中央へ協力要請。敢え無く「ないですー」の回答。他館のカリスマ図書館員にお願い。やっぱり見つからない。とっかかりもないよー。結局「見つかりませんでした」の回答をする。こんな回答しかできない自分がとっても惨め。悔しい。
最後はわたしをごひいきにしてくれる方から。よく相談事を持ちかけられる。その時は事務室で仕事していたけど、カウンターから要請されて駆けつける。百科事典を調べていたらわからない単語が多々出てきた。教えてくれ。
見てみるけど良くわからん言葉が並んでる。どうやら昔の検地帳かなんかの話のよう。でもどっかで引っかかるものがある。「肝煎」ってなんか聞いたことあるわ。たしか「きもいり」って読む?「水呑」って水呑百姓のこと?お、とっかかり発見。こりゃ日本史の問題ですね。一応百科事典を引くけどひっかからず。歴史の参考図書に「近世史用語辞典」なんて素敵な本を発見。いやでてるでてる。「肝煎」「水呑」「免二ツ八分」「付荒」などなど。こりゃ完璧に答えられました。
本日の成績は大目に見て一勝一敗一引分くらいです。しかしながら「わからなかったです」なんて答える自分がふがいない。
2005年01月24日(月) |
「陽気なギャングが地球を回す」 |
今日は家族3人でカラオケに行ってみた。おいおい、1歳に満たない子どもを連れてカラオケなんぞ行くな!とお叱り言葉を受けそうですが、これがまたうちのゆずも楽しそうにしてましたよ。最初は状況がわからずママにぴったりだったけど、そのうち余裕が出てきたのか、画面に映る歌詞の色が順に変わっていくのが楽しいらしく釘付け。ママのストレス解消にもなったみたいだしね。
伊坂幸太郎「陽気なギャングが地球を回す」 嘘を見抜く男、スリの達人、演説の名人、体内時計を持つ女の四人組の銀行強盗。強盗に成功したと思ったがまた違う強盗とであって・・・。 みたいなお話。いや、これよかった。軽快でコミカルで読むのが止まんないよ。レポート書かなきゃいけないのに何度中断したことか。伏線の張りようがもう素晴らしい。あそこにでてきたものとあそこにでてきたものが最後にこうなってこうなっていくのがまあ、おもしろいおもしろい。伊坂作品のトップに上げたいね、これ。このシリーズまた書いてくれないかな。
なんとなく職場で新年会をしてみた。職場近くに新しい居酒屋もできたことだし。韓国風居酒屋なんだけど。メニューの5割に「韓国風」てついてるし、メニューの4割に「ピリ辛」てついてる。韓国ってそんな感じなの?どうでもいいけど韓国風玉子焼きはしょっぱかった。
帰りのバスで降りるときに100円落とした。どこに落としたかわからずうろうろしていると、座っていた人は無言のままある一点を指差してくれたし、後ろの人はそれを見つけて拾ってくれた。ほんとに些細なことだけど、とても心暖まるお話。そして裏のテーマはこういう話が「暖かい」と思えてしまうほど世間は冷たくなってしまったというお話。
大学時代、ゼミの仕事するのは2年目の役目だった。一つ後輩の今でも飲み仲間のKはよく「信々さんは僕の中で永遠の2年目です」とよく言う。てっきり褒め言葉だと思っていたけど、今日テレビでカンニングを見ていて、「永遠の若手芸人」という表現を唐突に思いつきちょっと複雑な心境になった。
西澤保彦「生贄を抱く夜」 超能力を用いた謎に「チョーモンイン」神麻嗣子たちが対峙するシリーズ第7弾の短編集。今回あとがきでも書いているようにシリーズの主要キャラクターではなく事件の当事者の視点から書かれているのでちょっと物足りないかも。いつものやり取りがないのはさびしいねえ。
そしてロジックとトリックのほうもいまいちじゃないですか。論理よりも人間性を前に出しちゃった作品となっています。西澤作品を期待して読んでたからちょっと残念。さすが西澤保彦と唸らせてくれるようなものを期待していたのですが。この前読んだ「パズラー」のようなものをね。
というわけでちょっと不満。シリーズ物としてとりあえず読みました、という感じになってしまいました。
貸出予定日を見てしばらく来ないであろうとふんで予約を入れた本が早速来てしまった。そんなときに限って返却が遅れていた人が返しに来たようで、忘れかけていた予約本も来た。2,3日前は読む本がなくて暇していたのに。
東野圭吾「さまよう刃」 不良少年たちに蹂躙され死体となった娘の復讐のために、父は仲間の一人を殺害し逃亡する。「遺族による復讐殺人」としてマスコミにもセンセーショナルに取り上げられる。世間の考えは賛否が大きく分かれ、警察内部でも父親に対する同情論が密かに持ち上がった。はたして犯人を裁く権利は遺族にあるのか?社会、マスコミそして警察まで巻き込んだ人々の心を揺さぶる復讐行の結末は…。
とまあいかにも東野圭吾作品です。もうこの不良少年が本当に人間の屑みたいな奴で同情の余地がない。こんな人間が実際にいるのだろうかと思ったけど、多分確実にいるんだろうね。この点に関しては後味の悪さしか残らないです。
どこかの書評でも言ってたけど、理不尽な殺人、復讐劇、同情する人々というストーリーでさほど目新しいことはない。とんでもない結末でも待っているかと思えば、十分予測できる範疇ではある。だからといって平凡でつまらないという意味ではありませんが。
とはいえ東野圭吾の書く人間は素敵。不良仲間の少年、その父親、不良少年の母親、犯人に同情的な警察、犯人と同じ境遇の父親、雑誌の記者などなど泥臭いっていうか人間くさいっていうか。
テーマがテーマだけにちょっと暗すぎたかも。まあ今年も東野圭吾には期待します。今年こそ直木賞とってね。
趣味の読書ははかどるくせに、勉強としての読書は遅々として進まない。もうすぐ30になるっていうのに高校生みたいなことを言ってます。
今朝の新聞を見ながら嫁さんとセンター試験の日本史対決をしてみた。わたしは日本史を選択していたけど、嫁さんは地理選択。負けるはずがないと思いつつ、熱き戦いが繰り広げられる。いや、なんか懐かしい。はっきり言ってほとんど忘れているのに、単語や人の名前なんかは結構覚えている。長屋王ってたしかにいたなーと記憶をたどりつつも回答としてはしっかり間違っている。あんなに勉強していたのにね。とりあえず日本史対決はわたしの圧勝におわったけど(当然だろ)、こんどは嫁さんのホームである地理対決もする予定。こっちは惨敗だな。
芥川・直木賞が決定しました。阿部和重と角田光代と何もサプライズも無い人選でしたが、選ばれるべき人が選ばれて良かったんじゃないっすか(どっちも読んだことないので良くわからないので)。角田光代なんて芥川・直木通して11回の候補になったんだって。そりゃあそろそろあげなきゃね。そう考えると東野圭吾なんてまだまだですわ。伊坂幸太郎なんてあと10年は引っ張れるね。まあ「グラスホッパー」で受賞しなくて一安心。伊坂作品にはもっとおもしろいのがたくさんありますから。ちなみにわたしの去年のマイベスト1は「アヒルと鴨のコインロッカー」です。これは読んでおくべし!
朝、あまりにも寒いので早めに車のエンジンをかけとこうと思ったらかかからない・・・!寒すぎるから?昨日休みだったから一日車使っていなかったから?なんにせよかからんものはかからない。バスで仕事に行くにも時間通りには間に合わないのでとりあえず遅れることを電話で報告。
うちは車は二台あるのだけど、縦列に停めているのでリードしようにも届かない。車を押すにもさすがに一人の力では動かない。全てを投げ打って魅惑の3連休にしてやろうかとも思ったけど、さすがに連休あとの、しかも学校が冬休みのこの時期に休むのは気が引ける。仕方ないので近くに住む父に電話をして助けに来てもらう。
どうにか父の車とリードしてエンジンはかかった。ゆずはパパを探して玄関までハイハイしてきたくせに、父ちゃん(ゆずから見ればじいちゃん)の姿を見つけるとパパの前をスルーしてじいちゃんに一直線なのが朝からショック。
一時間遅れで仕事に行ったら子どもがきてめちゃめちゃ忙しいわ、館長は微熱があるといって早々に帰るわで休まないでよかった。帰るときおそるおそるエンジンかけてみたものの好調な様子。明日の朝こそかからなかったら不貞寝しよう。
2005年01月11日(火) |
「野ブタ。をプロデュース」 |
鏡開きなので雑煮を作ってみた。これがなかなかヒット作品!来年にも期待だ、と思ったけどもう来年の今頃までには作り方を忘れているでしょう。まあ、だいたい勘で味付けしているからもう同じ味は出せないんだけどね。嫁さんはわたしのカレーを食べるたびに「前回と味が違う」という感想をもらす。全く持って同感です。
白岩玄「野ブタ。をプロデュース」 舞台は教室。プロデューサーはオレ。イジメられっ子は果たして人気者になれるのか!?(帯より)
これ、面白かったよ。巧みにキャラクターを演じることにより波風立てない高校生活を送る主人公。そのクラスに編入してきた、気持ち悪いほどオドオドしたデブ。このデブ(=野ブタ)の登場シーンが秀逸じゃないっすか。編入生という一大イベントに誰もが甘い期待をしている中に見事な裏切りをやらかした感じ。場面が場面だけにサーッという引く音すら感じられる。
登場人物どれもが必ずクラスにいるようで、それだけで舞台がわかりやすくなってるんじゃない。自分のかわいさを自覚している女子、女のことしか頭に無いお調子者の男子などなど。もちろん野ブタみたいなタイプも必ずいるんだよねー。ただまあ主人公みたいなタイプはどれくらいいるんだろう。
ちょっとしたことで昨日とクラスの雰囲気ががらっと変わってしまうのもなんだか高校っぽい。それほどの希薄さと、逆説的の濃さがとても高校っぽい。ラストは正直ありきたりな感じはしますが。
文中の主人公によるお調子者トークにセンスが感じられないのは、多分著者のせいではなく自分の方に責任があるのだろうかとちょっとしたジェネレーションギャップを感ぜずにいられなかったのがショック。
今年の成人式は比較的静かだったらしいですよ。あーそうですかそうですか。わたしはとっても不毛な気持ちで働かせていただきました。成人式のお手伝いを。
いやまあいるわいるわ。人が。猿の着ぐるみ着てる子はいなかったけど、それにしてもまあね。どこぞのママみたいな人から、実際に歩ける子どもをつれているママまで。精一杯背伸びしている子や毎日お仕事で頑張っていますという子まで。トータルテンボスのボケの方みたいな人からトータルテンボスのつっこみの方みたいな人。でもよく見るとだいたい5パターンぐらいしかいない気がしますよ、君たち。
わたしは受付をしていました。記念品を渡す役割だったわけで。「おめでとうございます」といって渡すとこわもて君も「あ、ありがとうございます」なんかいってくれるとなかなかかわいい。そればかりは好感が持てる。
さて、事件は式典も終了後、昼休みにでもはいろうかという頃合。酒飲んでたらしく一人が意識をなくした模様。酒の飲み方も知らんのにおだつからなんだよ。返事もしないようなので救急車まで呼び出す始末。友達と称した野次馬が倒れている奴の周りに集まってくる。担架が運ばれてくるのでそいつらをよかそうと思ったら、「友達の心配して何が悪い!」とかすごんでる。あなたが友達想いなすばらしい人格者なのはわかりました。ですがあなたの博愛精神のおかげで一人の尊い若者の命が消えようとしてるんだよ。他の野次馬が押しかけてきて担架は全く進みません。かとおもえば先ほどの人格者はまさに手のひらを返したように「酔いつぶれんのはだせーぞ」というびっくり発言。ええー、あなたが周りを感動させたその友達への想いはどこへ?その短時間でどこへ失くしてしまったの?
もう勘弁してください。本当に不毛な仕事でした。何よりも、最後に大人になったはずの人たちが出したごみを拾うことが一番悲しいのです。ビールの空き缶、割れた一升瓶、「禁煙」と書かれた紙の下にある吸殻多数、噛んだガム・・・。報道機関にはここを一番記事にしてもらいたかった。
いまだ正月気分が抜けていないのか紅白気分が抜けていないのか、返却本を配架しているとき♪オーレー、オーレーとマツケンステップで棚から棚へ飛び回っております。このフレーズ耳から離れねー。
ミーハーなものなのでとりあえず「野ブタ。をプロデュース」を借りてみました。いや、前から気にはなっていたのですがいかんせん北方謙三の水滸伝が面白くって。6巻をなかなか返さない奴がいるのでちょっと浮気です。
本日またも図書館に忘れ物がありました。その名もたまごっち。去年の終わり頃にも一つ忘れられておりました。とりあえず誰か取りに来るかと思ってカウンターに放置しておいたら小生意気にもメロディー音でなんか要求してきた。職員がたまごっちを仕事中にやってるとおもわれるからやめてください。でもどうやって操作していいかわからなくてなおも放置プレイしていたら、バイトの方(主婦)が「とりあえず・・・」とフンをキレイにしていた。娘さんがやってるらしい。
同僚Mは前回の忘れ物の方に「ヒロシ」と名づけたはいいけど結局2時間で死なせた。図書館でたまごっちは飼えません。
いまさら年賀状届いてもちょっとしらけますよね。それでも今年一発目なのでやっぱり言っておきます。 あけましておめでとうございます。 いやん、なんかちょっと恥ずかしい。
もう正月という言葉すら懐かしい響きを帯びた頃になって来ましたが、いやなんか疲れたよ正月休み。とりあえず親戚と友達に会って酒を飲んでばっかりいただけのような気がするのはどうよ、これ。
わたしの親戚のルールとして1月1日までに子どもが生まれてさえいればお年玉がもらえるというものがある。一昨年の12月にうちの兄貴のとこに子どもが生まれたので、1歳のその子は既に今年で2回目のお年玉。
そして今年はうちもついにもらえるようになった。親戚の数は多いからいやぽち袋が多い多い。結局全部あわせて3万ちょいもらった。正月一番お金持っているのは来年30のわたしよりまだ8ヶ月のゆずだっていうからこれぞ正月。だれか間違えてわたしのところにもお年玉くれないだろうか?どうせ酒代にかわるんだけどね。
てなわけで今年もよろしくお願いします。
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