日記でもなく、手紙でもなく
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2003年07月30日(水) |
千両箱入り金貨、売れているらしい |
今どき、千両箱というのは、なんとも時代錯誤のような感じがしないでもないが、その千両箱に、ウィーン金貨を詰めて売っているのが、田中貴金属。 ウィーン金貨は、現在一枚5万円程度らしいのだが、100枚〜500枚、詰めてある。100枚入りだと500万円。
今年の1〜6月上期で、千両箱入り金貨の販売量は3万3千枚弱に達し、発売1年半で、この金貨の販売は10万枚を突破したことが発表されていた(本日付日経朝刊)。 しかも、この販売総量の10万枚強のうち、千両箱入りで売れたものが、全体の48%、ほぼ半分はまとめ買い、ということになる。
一時期、金というのは、かなり底値を這いずっていたような気がするが、最近はまた人気が出てきているようだ。長い不況期には、この金というのは、必ず見直されてくるようなところもある。 なお、金貨500枚入り(約2500万円)の千両箱は、合計29個売れたという。やはりお金は、あるところにある、こればかりは疑うことのできない昔からの真実。
もうずいぶんここに来ていなかった気がする。 地下鉄の駅を下り外へ出てみると、なぜかそんなふうに実感してしまう。
別に、すごく変わったということではない。古書店は相変わらず多い。昔よく探しに来た佐々木レコードも健在。<さぼうる>などという名前の喫茶店もまだある。集英社と小学館のビルも記憶の中にあるままだし、神保町の交差点のキムラヤの看板も、(かなり古びてきているような印象はあるものの)そのまま。 新世界菜館という、縦書きに書かれた店名が、なかなか中国風なのも変わらない。
ただ、すずらん通りなどを歩いてみると、食べ物やの風情が昔とは全般的に変わってきているようだし、その食べ物やが増えているような感じもする。
すずらん通りの南側のエリアに、比較的背の高いビルが2つ並んでいて、地下鉄の駅から見て右側のビルには、いかにも今風の店の装いをした店が、ずらっと並んでいたりする。 左側の三井ビルの東側には、タリーズのかなり大きな看板が見える。
何か、神保町界隈、基本的なところが変わってきているような印象を受けてしまって、それで一層ずいぶん来ていなかった、というような実感を持ったのかもしれない。 その基本的な部分というのが何かは、どうも説明し難いのだけれど、以前はもっと本を(真剣というか、必死になって?というか、そんな雰囲気で)探しに来ていた――ような人が多かった、そんなふうにも思える。 その辺が希薄になっているような.....
ちょっとした用事の後、ほんの少しだけ、神保町をぶらっとしてみた感想。
2003年07月27日(日) |
イタリア&フランスのポップスを扱うCD店:カーザビアンカ(高田馬場) |
金曜日に高田馬場のCDショップ、カーザビアンカの福田さんより、フランス盤が入荷していて、今回の目玉はニコル・クロワジールの4枚組セットだという。 クロワジールといえば、映画<男と女>のメイン・テーマのスキャットが、有名すぎるくらいの歌手ではあるが、それ以外の曲というのは、(以前1枚か2枚ベスト盤が出たような記憶はあるが)なかなかまともに聴ける機会が少ない人の1人。
最近は、福田さんが電話してくるよりも、そこの若いH氏から電話をもらうことが多かったので、ちょっと「おや?」、という感じもあったのだが。
夕方店に着くと福田さんがいて、今回入荷のものの特徴を聞いて、取っておいてもらったクロワジール以外に、ジャクリーヌ・フランソワやダニエル・ダリューの1948〜52年頃に録音された編集盤、新しい録音でオススメの盤などを数枚ピックアップする。
ヴァレンテの盤がVocalionと国内盤で出たという話などをして、ちょっと横の壁面を見ると、(この店の)営業権売却のお知らせが目に入る。 ええ!? そのあたりのことを尋ねてみると、やはりご本人の目のことや、親御さんの介護のことなどで、いろいろあって....と。 それで、誰か引き継いでやってもらえれば、嬉しいと思って、あまり期待してはいないのだけれど、とりあえず掲示している、という話。
もうこの店、17年になるという。その初めの頃から知っているだけに、一瞬コトバも出ない。
恐らく日本で、イタリアとフランスのポピュラー系CDを扱う店で、ここ以上の品揃えをしている店はない。外資系大型CD店の場合、新しいアーチストは別としても、80年代までに活躍していた人のCDになると、途端に少なくなってしまう。 その意味で、比較的長くそのジャンルの音楽を聞き続けている人にとっての、この店の存在価値は大きい。
こういうジャンルを絞った店だと、それなりの知識がないと、やっていくのはなかなか難しい。自分のことを考えても、好きな歌手のことは別としても、そのカテゴリー全般となると、とてもそれは難しいだろうことは良く分かる。 趣味と仕事の分かれ目というのは、そのあたりのことだ。福田さんくらいの人を見つけ出すのは、まず無理だろうという気もする。
何も連絡せず店を閉めるより、来てもらっている人には少しわかってもらってということで、年内いっぱいは続けたいとのこと。 この店で、教えてもらった素晴らしい歌手は、本当に多い。
目の話は、長く付き合っていた割には、実は初めて聞いて知った。やはり、そのへんの話を聞くと、なかなか辛いものがあることがよくわかる。
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外へ出ると、昼間よりも空気の温度がかなり下がっている。
土曜日だが9時くらいには起きる。昨日、テープが入って出なくなったVTRを直してもらったので、以前録画した番組を見る。 ただ、どういうわけかなんとなく体がだるくて、寝転がって見ていたら、うとうとしてしまい、これはどうも睡眠が足りていないと思い、布団に入りなおしてぐっすりと寝る。
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夕方近くから新宿まで出て、ディスク・ユニオン4Fとヴァージンを覗いてみる。
ユニオンのほうには、BMGからアンヘリカ・マリアの25曲入りベスト盤が入荷していた。メキシコ(だったと思うが)のボレロ系歌手。今までにこの人のCDは見かけたことがなかった。
ヴァージンのほうは、またまたセール中。輸入盤のかなりの店頭ストックのものが30%引きのシールが付いている。しょっちゅうセールをやっている感じがするが、今回はかなりおおがかり。
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家に帰ってから、アンヘリカ・マリアのCDを聞く。1968〜88までの曲が収録されているが、やはりピークは70年代前半くらいまでに録音されたものが大半を占めている。90年代以降、ほとんど見かけなくなったはずだ。
聞いてみると、マンサネーロの曲や(マンサネーロとのデュエットもあるし)、M.アレハンドロの曲、あるいはカンツォーネやブレルの<行かないで>などもスペイン語で歌っている。 比較的ソフト・タッチで歌う人ではあるのだが、<行かないで>は情感を込め、結構しっかりと歌っていて、少し見直してしまう。考えてみれば、メキシコの歌手なら、(この人の場合あまり聞いたことはないが)ランチェラあたりも歌えないことはないのだろう。その雰囲気が、この<行かないで>に、ちょっと感じられて面白かった。
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宮城北部で強い地震。午前0時13分と午後4時56分にそれぞれ最大震度6弱、午前7時13分には最大震度6強。震度3程度の余震は、それ以外にも起こっている。時間が経つと、やっと情報が整理されてきて、被害が大きくなるのはいつものこと。
2003年07月25日(金) |
スタン・ケントン<Lush Inerlude & The Kenton touch> |
昨日の会社の帰り道、銀座山野の2Fと3Fを覗いてみる。
2Fのほうは、これというものがなく、3FのJazz VocalとBig Bandのコーナーを物色していたら、スタン・ケントンが弦楽器を加えて録音した(タイトル表記の)2種類のアルバムを収録したCDが入荷していたので購入。(Collectors' Choice Music/EMI-SpecialMarkets CCM-356-2/72435-81725-2-2) 今日、それを聴いてみる。
ケントン楽団のオリジナル・アルバムは、ぽつぽつCD化されてきてはいるものの、このストリングスを加えたアルバムは、なかなか登場してこなかった。Big Band好きの人だと、イージー・リスニングのように弦楽器を加えてやるなどというのは、邪道と映るに違いない代物なので、CDになって出てくるかどうか、あまり期待はしていなかったのだが。
この弦楽器を加えたアルバムが、一部の人に待たれていた、たぶん一番大きな理由は、<Lush Interlude>のアルバム3曲目に入っている"Opus in Pastels"という曲だろう。 現在は使われているかどうかわからないが、かつて夜少し遅めの(午後9時〜10時過ぎの)時間帯に、FENなどを聞いていると、この曲の出だしのラッシュ・ストリングスが、番組の切れ目などによくかかったものだ。
この曲はいったい誰が演奏しているのか、本当に気になったのだが、それがあのジャズ・バンドのスタン・ケントンだと知って、結構驚いたことがある。 キャピトルのオリジナル盤は、手に入れようもなかったが、70年代あたりには、弱小レーベルからストリングスを加えたケントンのLPアルバムが再発されていたこともあるらしい。
コレクターズ・チョイスから再発されたこのCDは、2アルバムon2CDsのスタイルで、どうも時間的にぎりぎりCD1枚には収まらなかったようだ。オリジナル・アルバムが発売されたのは、どちらも1959年、ステレオ初期に出た盤。 編曲はこの2枚ともPete Rugoloが担当。曲はやはり2枚とも大半がケントンやルゴロの作品。下手なムードものの楽団よりも、弦のセクションは立派で、しかも単に甘ったるい弦で終わることのない編曲をしているところがミソと言えるだろうか。
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夕方から、かなり強い降りの雨。深夜になってやっと少し小降りになる。
2003年07月18日(金) |
東京都庁舎と電通ビル |
建築家の隈研吾氏が、東京の<ビルディング十選>を日経朝刊文化欄に連載。その最後の9回目と10回目には、それぞれ都庁舎と電通本社ビルが選ばれた(17日&本日18日)。 90年代の<官のバブル>の時代に建った都市の負債として、東京庁舎を位置づけながらも、時代の墓標にはふさわしいデザインとも評価したり、電通本社ビルは、自己消去を狙いながらも自己消去のデザインほど実はよく目立つと断じていたりするところなど、なかなか強烈な皮肉を飛ばしていて、特に面白かった。
今年の7月の夏日というのは、まだ1日しかないそうだ。 確かに、今年はまだ、カッと照りつける陽射しには、ほとんどお目にかかっていないし、夜も比較的涼しい日が多いので、窓を閉めて寝ていたり、掛布団をしっかりかぶって寝ていたりもする。
2年前は本当に暑い夏だった。そんなことを歩きながらふと思い出す。
2003年07月12日(土) |
カテリーナ・ヴァレンテ&ルイス・ボンファ |
久しぶりにまあまあの天気。天気が良くなるとかなり暑くなる。 府中まで行った帰り、京王線府中駅から新宿まで。
新宿駅東口を出たところにある高野では、本日のオススメが白桃のジュース。見ると飲みたくなる。一口飲んでみると、白桃の甘さが口の中いっぱいに広がる。
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ディスク・ユニオン本店の4F、ラテン・ブラジルのフロアを物色すると、今までどこの店でも見かけなかったスペイン盤のスペイン&ラテン圏の2枚組ヴォーカル盤が10点ほど、平台に置かれている。 マシエルVol.2、ロシオ・デュルカルVol.2(どういうわけか、どちらもVol.1は、ない)、あるいは初めて名前を見るようなスペイン風の衣装の女性の盤などがあって、つい手元に確保してしまう。
レジのところで、このシリーズ、出してないのが他にもありますが、と店のお兄さんが出してくれたものの、その中には欲しいものがなくて、少しホッとしてしまう。 そのフロアの小さい入り口を出て、エレベーターに乗ろうとして、何気に右手の壁に貼られた新譜の案内の中に、国内盤で「カテリーナ・ヴァレンテ&ルイス・ボンファ」のタイトルが目に飛び込んできた。 一瞬、どきりとする。
このアルバムは、宮坂不二生・監修「ボサノヴァ・レコード事典」(ボンバ・レコード刊)の中に出ていて、何しろ一度は聞いてみたいと思った盤。(<いつか聴いた歌>のページ、2002年4月17日付の項参照)
慌てて店内に戻り、レジのお兄さんに尋ねてみると、6/28発売予定だったのですが、少し遅れている、とのこと。すいません、という表情としぐさで答えてくれる。 これが出てくるとは思わなかった。
家に帰って、CDジャーナルの7月号を見直してみると、これからの発売予定CDのページに確かに出ていた。しかし、分類項目が<ジャズ>の項目に入っている。(どうも、それで見落としたらしい。) また、楽しみがひとつ増えた。
2003年07月08日(火) |
Cha cha cha |
−−−と書くと、そのリズムが聞こえてきそうだが、茶・茶・茶と書くと、今年も茶飲料の壮絶な戦いが始まったという感じになる。
コンビニの棚に、新製品と定番が混ざり合ってくる。
今年飲んでみて一番感心したのが、緑茶系ではDYDOの<葉の茶>。静岡産深蒸し茶と宇治玉露の抹茶を混ぜたものだが、香り・喉ごしの良さは今まで飲んだものの中では一番。喉にすっと通っていき、しかも味や香りの良さがわかるものは、なかなか出てこない。 湯で抽出すると茶のエキスの30%しか摂取できないが、抹茶というのが「食茶」のひとつで、こうすると茶に含まれる体に良い成分を取り込める、というところが大変わかりやすい。「まるごと食茶仕立て」である。 問題は、コンビニではまず見かけないこと。DYDOの自販機の中だけにしかないことで、しかもその自販機も、コカコーラ、キリン、アサヒなどの飲料メーカーの自販機と比べると、かなり数が少ない。
逆に、ちょっとこれはひどいのではないか、と思ったのが、キリンの<日本伝承「釜の茶」>。一口飲んでみたら、どうも自分には合わない味だということがすぐわかった。500ml入りのお茶で、4分の3は捨ててしまうことになった。
キリンの<生茶>は、どこのコンビニにも入っている定番中の定番。強者伊藤園を抜くくらいの勢いがある。 この生茶だが、一番最初飲んだ時は、悪くない感じで、茶の茎の青っぽさみたいなものが、とても新鮮な印象があった。しかし、数回飲んでみると、どうも自分に合わない味だと思い、それ以来ほとんど飲むことはない。 苦味感よりも、酸味感を強く感じてしまうので、ダメなのかもしれない。これは、口どけ生茶にしても、ウーロン茶の聞茶や烏龍聞茶にも、どうも共通しているような感じも持つ。 ということで、キリンの場合は、午後の紅茶くらいしか、茶飲料では飲むことがない。
ウーロン茶では、JT飲料の紅烏龍のことを以前書いたが、既に2003年紅烏龍新茶というのが登場。ただ、紅烏龍を最初に飲んだ時に感じたほどの感激はまったくない。かなりおとなしい感じ。 今日コンビニで、<青烏龍>というのが並んでいた。水仙・色種という二種のウーロン茶葉のブレンドによるもの。紅烏龍よりも、もともとのウーロン茶の味イメージは、こちらのほうが強い。ただ、比較的これもおとなしい味になっている感じがする。
今年のウーロン茶では、伊藤園の<烏龍新茶>がなかなかしっかりとした味・香りを出していて、ペットボトルでここまでの水準にしているところ、少し感心してしまう。恐らく定番でトップシェアのサントリーの<烏龍茶>対抗商品か、という感じがしないでもない。
しかし、今年の茶飲料のダークホースは、何といっても花王の<ヘルシア緑茶>だろう。容量が少ない割に高い。しかし、しっかり売れているようだ。 一般的な緑茶飲料の3〜4倍もの茶カテキンを含み、3ヶ月程度飲み続けると体脂肪を10%程度減らすことができる、というのが売り。
茶飲料というよりも、機能性飲料カテゴリーのほうに近いが、他の緑茶飲料よりも何しろ苦味が強いので、まろやかな味わいとか、すっきりした味わいを求める人には辛いかもしれない。それでも、体脂肪が気になる人なら、一日一本、他の飲料の代わりにこれを飲む、というのはさほど辛くはないだろうし、比較的苦い茶が好きな人には、ほとんど抵抗感なく飲めてしまう。 変なペットボトルの茶より、こちらのほうがおいしいという人も中にはいるくらいだ。
緑茶飲料市場というのは、伊藤園によると、1990年に100億円程度だったものが、昨年は2800億円近くに急成長したという(日経産業6/12付)。恐らく、花王のヘルシアというのは、このマーケットを更に大きくするのではないか、という感じもする。
以前にも書いた気がするが、自分が気に入った味の飲料というのは、なかなか定番になってくれないところもある。どうも、他の人と味覚が違うところがあるのかもしれない、とも思ったり.....
2003年07月06日(日) |
横木安良夫<サイゴンの昼下がり> |
昨日、家に戻る途中で読み始めた写真集&エッセイ、あっという間に今日の行きの電車で読み終わってしまう。
アオザイというのは、現地の発音では<アオヤイ>となるそうだが、これが実は結構薄手で、下着が透けて見えるという。この本の中にも、横木氏がそのような写真を撮っている。 気候から考えて、やはり厚手のものなどは、避けられるのだろうし、薄手であるからこそ、体の線が出てセクシーな感じも出てくるのだろう。
写真展や、この本の表紙に使われている白いアオザイ姿の女性も、その写真をよくよく見ると、腰のあたり下着が透けて見えている。なるほど。 だから、若い女性たちは、アオザイを着る時には、かなり下着に気をつけるのだ、ということも書かれている。 ちょっと、ベトナムに行ってみたい気にもなる。
日本(だけに限らず各国)の中古バスが、まだ使われていたりして、行き先が漢字表示のままになっているバスの写真があるかと思うと、海辺の砂浜のようなところで、雪が降っているような写真もあった。 一瞬まさか、と思い、最後のほうのページに記載された(とても小さいフォントで印刷されていて、えらく読みにくいのだが)それぞれの写真の解説・コメントを読むと、石英の砂がそこに大量にある、ということだった。 やはりこれほど、砂の色が違ってしまうものか、と思う。
cf. http://www.alao.co.jp/saigon/index.htm
国立近代美術館を出て、まだ時間的な余裕があったのでサントリー美術館のポスター展でも見ておこうと思ったのだが、地下鉄で行こうとすると大回りになる。タクシーだと、さほどでもないだろうと思い、どちらから回っていくかよくわからなかったので、近代美術館前でタクシーを止める。 赤坂見附まで、と言うと、ここでUターンしますので、と運転手。
工芸館の方向へ向かい、平河町へ出る。ここへ出てくるのだった。坂を下って左折すると東急ホテル前。
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サントリー美術館を出て、Café de Crieでお茶でも飲もうと思い、田町通り(ベルビー赤坂の裏手の通り)に入る。
その通りに入ってすぐのところにあるビルの1F入口に、写真展覧会の小さいリーフレットが案内板に貼られている。 リーフレットの写真は、見覚えのある、白いアオザイを着た若い女性が通りを横切っている写真。麦わらで作ったと思われるような帽子をかぶっていて、小さな庇に造花があしらわれている。 はっとするほど、女性の全身から感じられる美しさを捉えた一枚の写真。
このビル(紀陽ビル)の4Fに東京写真文化館のサロンというのがあり、そこで横木安良夫写真展が開かれている。 ちょっと覗いておこうと思い、エレベーターでそのサロンまで。さほど広くないスペースに、A4くらいに引き伸ばされた写真が、かなりぎっしり展示されているのが、エレベーターを下りてすぐわかる。
受付の手前横の壁には、この白いアオザイを着た女性の一連のカット5枚がかけられている。 これだけ見て、中には入らずに帰るのなら、入場料は要らないし、結果的にはそれでも良かったのかもしれない。
小さいテーブルを置いただけの受付で、入場料650円。テーブルの上には<昼下がりのサイゴン>という、エッセイと写真集を合わせたような本、絵葉書のセットなどが置かれている。 ちょっと入場料は高いかも、とは思いながら、入ってみる。
横木氏らしい人とまだ少し学生っぽい女性が、小さなテーブルで話をしている。 入ってみて、ああ、そうだったNHK−BSの「わが心の旅」で、この横木氏がヴェトナム再訪をしていたのが、確かにあったことを思い出した。番組の中で、なかなかきれいなモデルも出てきたし、留学してロシアでバレーをやっていたのだが、ヴェトナムに戻されたという少女なども出てきた。 その時に、このアオザイ姿の女性の写真が、番組の一番最初に登場していたのだった、そうだった。やっと思い出した。
出る時に、10枚入り絵葉書セットと、「昼下がりのサイゴン」を買ってしまう。 絵葉書のほうは、そのほとんどが、今回の展示では少なかったヴェトナムのモデル嬢などを撮った写真。
Caféで冷たいものを飲んで時間を少し潰した後、そこからもう少し通りを先に行ったところにある、創作中華の店へ向かう。 地下1Fの店へ入っていく入口には、まだ<仕度中>の札がかかっている。まさかまだ開いていないのだろうか、と思いながら、階段を降りていくと、掃除をしている。 まだ入れませんか?と尋ねてみると、どうぞというので、カウンターの席に。 餃子は変わらず、やはり美味しいと思う。海鮮刀削麺は、どういうわけか、麺の量が多くて食べきれず、残してしまう。
2003年07月01日(火) |
キャサリン・ヘプバーン |
6/29午後(日本時間30日未明)に、米国でアカデミー主演女優賞を4回(現時点では最多)獲得した、キャサリン・ヘプバーンがコネチカットの自宅で亡くなったというニュースが流れていたことを知る。 1907年5月12日生まれ、96歳。大往生である。
<First Lady of Cinema>と言われ、演技派の右代表でもあった−−と書きながらも、実際に映画館でこの人の作品を見たのは、2回目のアカデミー賞を受賞した(招かれざる客/1967)年の翌年、3度目のアカデミー賞を獲得した<冬のライオン/68>と、もう少し若い時の作品であるデビッド・リーン監督作品である<旅情/1955>くらいしか記憶にはないのだが。
それでも、<旅情>は一回こっきり見ただけなのだが、夏の長期休暇でヴェニスを訪れたハイ・ミス役の心の動きが見事に表現されていたことが、眩しいヴェニスの夏の風景と、美しいテーマ曲の「ヴェニスの夏の日」のメロディとともに、心に染み付いた映画だった。
心理学博士の学位をもっていて、舞台でも活躍した俳優だったということも知る。 なお、最初のアカデミー賞は、1933年の<勝利の朝>、最後(4回目)のアカデミー賞作品は、1981年の<黄昏>。後者は、ヘンリー・フォンダの遺作となった作品。 なお、1933年の<若草物語>で、ジョー(四姉妹のうちの次女)の役を演じ、ベネチア映画祭最優秀女優賞も受賞している。
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