東行庵の軒下で

1996年02月20日(火) ペイジ&プラント

「ペイジ&プラント」を見に行った。
ボンゾ亡き今、再結成はありえないのだが、どうしても「ツェッペリンば見て来たとよ」と言ってしまう。ジョン・ポール・ジョーンズにも失礼にあたるんだけど。

会場は私たちより随分と年上の方々が結構おられた。


「トイレ、並んでないです〜!凄い、初めてですよ〜!!」
と,友達はズレた所に感動をしていた。

このアル中の友人N(ここだけ読むと、何だか「闘病生活ーアルコール禁断症状を越えてー」っていう手記みたい)は、洋楽、いわゆる外タレさんを見たことがなかったから、
「何か決まりの、振り付けみたいなのがあるんですか?どうすればいいんですか?ボーっと見てても良いですか?」
と、まるで、予防注射のときに「痛かった?どの先生が痛くない?」と必死で情報収集をおこなう小学生のように、私に質問を浴びせ掛けてきた。
「リズムに乗ってればいいよ、どうせMCも何言ってんだか分からんしさ〜拍手してれば間違いないよ〜」
と、貿易摩擦をおこすような鎖国的返事をして席についた。

その席がこともあろうに最前列!ということを知ったとき、Nは半ベソ状態だった。よほどうれしかったのだろう。

ノレるかどうかは、自分の感性に任せるしかないし、誰が悪いわけでもない。だからノッテているフリする必要なんて、これっぽっちもナイ。感性に押し売りはできないからねぇ〜。でしょでしょでしょ?


やがて、ステージ上では「香」が焚かれ、「Babe,I'm Gonna Leave You」で開演した。その香の香りが、なんともいえず良いカンジで、一気にリラックスする二人であった。
客席を形作るフェンスにもたれかかって、ラクチン状態。
ステージには、タブラなどの民族楽器や、四弦琴の奏者もいた。
エスニックなのねぇ〜。二人だからかなぁ〜・・

そんな素人のような疑問がわくのを、彼らは知っていたのでろう。後でパンフレットに書いてあった。
「オリエンタルな音楽との融合は、レッドツェッペリンが真剣に取り組んでいたテーマだった。ただ、余りにもハードロックのイメージが強かったために、そういった点が見過ごされてきただけだ」と。

目からウロコの17万1673枚も落ちるようだった。オイラも決め付けていたうちの一人だった。ごめんね。


「ねえねえねえ!ロバートプラントは、Nちゃんに手を振ってくれたの?」
「・・わかんないけど・・そういうことにしとく!!(瞳ウルウル)」
と幸せな勘違いで喜ぶ私たちと、彼らの「魂」までの間は、銀河を離れイスカンダルへ行くぐらいの距離がある・・と確信したのである。








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