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メロディの無い詩集        by  MeLONSWiNG


メロディの無い詩集        by  MeLONSWiNG
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経歴書 2004年01月15日(木)


それでも心配したり
それでも愛してたり
それでも一緒にいたり
それでも気にしていたり

コワイこと
そんなこと言えないって

それでも
優しくしてる
冷たいと
自分で言ってる

それでも心配したり
それでも愛してたり
それでも一緒にいたり
それでも気にしていたり

優しいと言われることも
本当なら
聞かないフリして
撫でられない顔して

そのまま
このまま
でも
わかってる


TO LOVE 2004年01月14日(水)


誰かを想えることは
素敵なことだと
想う人が存在するのは
素晴らしいことだと
寒い夜の
スープが
僕に語りかけてくれた


誰かを想えることは
凄いことだと
想う人が存在するのは
感動的なことだと
眠ったままの
猫が
僕に教えてくれた


誰かを想えることは
自然なことだと
想う人が存在するのは
誠実なことだと
透き通るような
君の瞳が
僕を溶かしてくれた


ミルクティー 2004年01月13日(火)


オレンジ色のキャップ
はずして身体に流し込んだ
沈黙とミルクティー

流れてゆく日々に
ただ疲れてゆく夜
届いた言葉にささえられながら

環状2号 止まることなく
光の線に吸い込まれながら
抱きしめるための
そばにいるための
今を過ごしていること
喉からしみて
眠らない夜に
沈黙とミルクティー


NIGHT-TRAIN 2004年01月12日(月)


シュッシュポッポ
シュッシュポッポ・・・

閉店後のビュッフェの厨房で
僕は1人デミグラスソースを作る
窓の外には空飛ぶイルカと彗星
音の悪いラジオを持ち込んで
玉葱の皮をむく

NIGHT−TRAIN
シュッシュポッポ
シュッシュポッポ・・・

ドアの向こう小さな人影
眠れなくて寝台車から
抜け出してきた女の子が見てる
帰ってベッドにお入り
今はお子様ランチも出せないから

NIGHT−TRAIN
シュッシュポッポ
シュッシュポッポ・・・

夜汽車は走る
街を抜け鉄橋渡り
ギャンブルに取り憑かれた
男達を乗せて
山を越え
谷を越え
進むよ進むよ煙を吐いて。。。。

NIGHT−TRAIN
シュッシュポッポ
シュッシュポッポ・・・


2004年01月11日(日)


本当はわかってるけど
知らないフリをした方がいい
君が身を包んでるのは嘘じゃなく
自分の嫌いなプライド

認めることはきっと
全てを否定することになり
今 そこにある君の庭を
荒れた砂漠にしてしまうから

閉じようとする扉
消そうとしている記憶
優しくないのは真実で
暖かい心は現実

誰にも気付かれないような
ほんの一瞬の愛を交わそう
ちょっとだけ笑えれば
全て手渡しできる

僕は君にとって味方じゃなくても
それでも君が好き
君がいつか僕に
愛を告げてくれたように


不幸的苺パフェ 2004年01月10日(土)


忌々しい女
腹立たしい女
足を組んで
煙草くわえて
怒鳴りまくってた

見下した目で
ふんぞり返って
世界中のすべては
自分のためにあると思ってる

苺パフェですね
承知いたしました

6778個の苺
たまには腐ってる物もあり
ポリバケツに山盛りのアイスクリーム
箒をサカサマに立てて
苺パフェ
苺パフェ
寝室に届けたい
足がすべって
転んでしまって
クリームだらけのフロアで
苺を
苺を
あわててかきあつめて
知らん顔して
ベッドの下に押し込めてしまえ


意地悪箪笥 2004年01月09日(金)


嫌味な言動したい気持ち
皮肉を沢山届けたい気持ち
箪笥の中から取り出して
不特定多数の人の前で
誰かを晒し者にしてしまうの
意地悪DANCE
意地悪DANCE
所有物へのプライド
公平という名の嘘

冷蔵庫の中でキンキンに冷えた
さわれないほど低温の刃物
ぼうっとしているウサギに投げたり
眠ってる猫にぶつけたり
優しい女神の仕業には思えない
意地悪DANCE
意地悪DANCE
下着姿の謀略
公平という名の罠

シカトしてよもっといっぱい
はちきれる冷凍おっぱい
氷柱になったミルクを喉に
突き刺して男は死を選ぶ

無視しっぱなしの笑顔から
真夜中のヒステリイまで
健康フェチをあざ笑いながら
錆びた過去を箪笥にしまって
DANCE


quiet drive 2004年01月08日(木)


quiet drive
響くことのない声
1人の夜をとばす
quiet drive
無人の倉庫街
満ちきれない月が浮かぶ

どこかで言葉を無くした
物憂げな夜の鳥たちが
オイルにまみれた翼を
水で洗い流す街

発信音のラプソディ
常夜灯 音を曇らせて
誰も知らない扉に
もう一つの夜が
浮かんでは消える
quiet drive


quiet drive
ムード優先の独裁者
剥がれたメッキの爪痕
quiet drive
器用に綺麗に逃げ出す
夜に紛れた子猫たち

あからさまな記憶喪失
涙も自由に流してる
か弱い温もりに帰る天使
汚れを清める闇

後に遠く消えてゆく
街の夜は 秘密の色
誰も知らない扉に
もう一つの夜が
溶け込んで滲む
quiet drive


BOYSIDE MOON 2004年01月07日(水)


朝の光におこされて
1人の生活が始まる
すぐに馴染むだろう

聞き慣れた声に
耳をすましてるの?

君の温もりに変わりはないさ
たとえ沈んだ顔をしていても

人はどうして
あの優しさを忘れないの
胸を痛めてる間だけ
無くしてしまってもいいのに

見慣れてる毎日に
押し流されるように
昨日と同じ夢を紡いで
少しずつすり減ってく

君は眠ったフリで
真夜中の告白を
知らないことにして
生きてきたから

今までよりずっと
今までよりもっと
やさしくなると
信じてるよ
もうひとつの詩とともに

thank you
for all smiles


GIRLSIDE STAR 2004年01月06日(火)


眠るベッドサイドで
守る星の光は
まだ弱く暗いから

暗闇で流す涙
見えないかもしれない

君の声は相変わらず
明るく朝を歌うのに

人はどうして
サヨナラと出逢ってしまうの
あがった雨のように
乾いてしまえばいいのに

君のチョコレート
食べかけのまま
寒い朝には
溶けることもない

赤いレモンは
涙の匂いを
かき消して
明日を輝かせるかな

今までよりずっと
今までよりもっと
綺麗になると
信じてるよ
もうひとつの詩とともに

thank you
for all smiles


林檎発酵革命 2004年01月05日(月)


その握力で
握りつぶせないでしょう
じゃあ
腐ってしまうまで
我慢我慢

きみの
か細い手のひらで
腐ったAPPLEが
グシャグシャに
潰れるのを

待とう

そのうち崩れるほど
ダメになってしまうから

APPLE

匂いを放って
色が変わったら
握った手のまま
高温の部屋の中へ
放り込んで

君と一緒に
発酵するのを待つ

キイキイキイと
空回りする
古い小屋の
ドアの取っ手
古い樹の匂い
甘い砂糖の焦げた匂い

APPLE
君と一緒に
発酵して崩れていく

革命は
君を神隠しにした
少しイヤラシイ
デザートの犠牲者たちの
真夜中の祭
真夜中の祭


MUFFIN 2004年01月04日(日)


階段を駆け下りながら
香るヴァニラにうっとりしてる
もう少しダッシュ
手当たり次第にプッシュ

ジグザグ走って
人混みの中から
甘い甘い無法地帯へと

MUFFIN
驚きの染みわたる
フカフカの冒険へ
MUFFIN
たったひとつの合図
カンガルーの隠れ家へ
ジョンレノンのラベルの
カスタードクリームを
挟んだら明日の3時も
MUFFIN

チェットベイカーのスナック
もうすぐ2月に垂れるシロップ
せめて今ダッシュ
手当たり次第にプッシュ

ジグザグ走って
彼女も行きたがってた
甘い甘い無法地帯へと

MUFFIN
ジーニアスは一滴
隠し味リキュールで
MUFFIN
たったひとつの合図
カンガルーの隠れ家へ
オードリーの名前は
おあずけでもケーキはそこに
甘い匂い明日の3時も
MUFFIN


想い出の断片 2004年01月03日(土)


僕の愚かな言葉が
ひとつまたひとつ
今を説明する
過去の記憶が
全てを解き明かす

どこかで見たような
風景を何度か
くり返したまま
結末を見る前に
カーテンを閉めていた

終わらない
全ては明日に繋げるために
僕は生きていく
だからあの日に出来なかったこと
思い出しながら
乗り越えながら

掴もうとしてる


光 る 男 2004年01月02日(金)


森の中を駆け抜けて
国道を横切る
光る男

蛍光色のからだ
振り向いても
表情は見えない

遠くから見ても
識別可能な
輝く身体

光る男
走り去って
森の中へ姿を化した

笑っているように
感じた
怒っているように
感じた

欺いているように
復讐するように
沈黙の中に
笑い声が響くように
叫び声が響くように

光る男

闇の中に
確かに浮かんだ
光る男


WHO LOVES MY SONG ? 2004年01月01日(木)


そろそろ扉に鍵をかけて
誰も入れない状態にして
首を吊ってしまおうかなあ
などと考える

そろそろ海に身を投げて
プランクトンに食べられて
悪魔に会いに行こうかなあ
などと考える

WHO LOVES MY SONG ?

あなたの好きな言葉や
あなたの思い通りの言葉で
綴られなければ
この心は理解できないのでしょう?

自分を憎めば
ほうら呼んでいる
どこでも死神が

笑わずに生きていれば
簡単に不幸になれるはず

WHO LOVES MY SONG ?

ノックもしないで
いきなり僕に愛を告げればいい
それであなたは
何を僕に求めるの??


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