紅い猫の落とす影 生きた記録|夕方|明け方
誰か僕に「貴方は幸せだ」と言ってください。 その一言で救われるような気がします。
遠くから聞こえてくる雑音にも邪魔されず いつものあの場所で いつものようにあの遠くの遠くに居る青空を見つめる。 知っている人がうじゃうじゃして たくさんお喋りして楽しくて みんながみんなに気を使い うそつきな笑顔を振りまいている空間よりも あの場所が僕の居場所。
左を見て 前を見て 後ろを見て 誰か知っている人は居ますか? この中の一人くらいはきっと 何処かですれ違ってたかもしれないね。
喋り声 エレベーターの音 雑音が絶え間なく僕の耳を通り抜ける。 だけど僕はひとり。 窓から街を見下ろし空を見上げる。 傾きかけた陽がビルの窓に反射して 街中がキラキラ輝いて綺麗で 今すぐ飛び出したいと思った。 そうすれば楽になれる? でもね 分厚い防弾ガラスの窓だけじゃない 何かが僕を邪魔して逝かせてくれないの。 何だろうね。 たぶん僕は きっとまだ生きたいんだ。
裏切られた時 怒ることは当たり前なことで 人に怒りをぶつけることは簡単なことで でもだんだん興奮が冷めた時後悔する。 言わなきゃ良かったって。 相手が本当に悪いと思ったのなら謝ってくる。 でも相手が開き直ってしまったら そこで相手との関係は切れてしまうから。 知っている人が他人になるのは嫌だ。 今日久しぶりに友達に対し怒りの感情を見せました。 たぶんもう連絡は来ないでしょう。 こういう時 自分は悪くないと思っていながら プライドを捨て 謝るべきなのでしょうか。
僕は気付いたけれど相手は気付かなかった。 僕のことなんて忘れてしまったのだろうか。 それとも無視しただけ? 記憶違い・・・? 同級生ではなかったのか。 慌ててアルバムを開いてみる。 君が居た。 何となくほっとした。
自分一人じゃ何も出来ないくせに 仲間を見つけ 人の見られたくないものを 人前で悪気もなく暴き嘲笑う。 貴方のように一人では何も出来ない卑怯な奴にはなりたくないです。
お日様は出てこないし 誰も慰めてくれる人が居ないから 一人目を瞑って 現実逃避。 僕の中の何処かで たぶんいちばん正常に機能しているところが言う。 「現実から逃げられることなんてないんだよ。」 そうかな? 僕自身が居なくなってしまえば・・・ 「君がいなくなることも現実だよ」
傀儡
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