紅い猫の落とす影 生きた記録|夕方|明け方
居心地が良い と言ってくれるのはすごく嬉しいけど 僕は君と居ると ものすごく疲れるんだ。 顔には出さないように頑張っているけど すぐに傷つく心が 君の一言一言に反応して 僕は笑いながら いつも逃げ出したいと思っているんだ。 だけど僕は 僕のこと好きな人は大好きだよ。
君の間違えを正してあげることが出来ません。 だから君にとって僕は不必要だけど 君の広い視界の中の ほんの一部分だけ僕に下さい。 ほんの少しだけ僕を映していてください。 僕の狭い視界の中は 君の姿でいっぱいです。
どんよりしてて寒いから。 今日は久しぶりに綺麗な青空を見た。 気分がいいや。
そこから見える人間は 指で弾けば飛んでいってしまいそうなくらい小さいくせに 僕はどんな奴の前でも勝てない もっともっと小さい人間で 相手の言葉にとりあえず笑って頷いて 相手が僕を嫌いにならないように そっとそっと扱って だけど僕は 「扱ってる」 「構ってやってる」 そんな考えで 小さな小さな優越感 僕は小さくて情けない人間だけど 僕は頑張っているから これからも下劣な人間として
小さい頃を思い出す。 近所の広場で唯一登れた枇杷の木。 高いところにたくさん成っていて 必死にとって必死に食べた。 なにより友達と笑い合って居られることが とても嬉しかった。 今はもうないんだ。 枇杷の木も 笑いあえる友達も。
どんなに時を速めてとお願いしても 何も変わらず時は普段通り1秒1秒を刻む。 君と会えたあの時 とても速い時間の流れがすぐに君と僕を離ればなれにした。 離れた後 君に会えずに時は経ち 思い出もすこしずつ僕の脳裏から剥がれ落ちてきて・・・ 悲しいと思い寂しいと思う 僕はまだ 君を忘れることは出来ないけど 君はもう 僕の存在を全て消してしまったのですか? 少しでも寂しいと思う気持ちが 君の中にあるのなら 少しでも僕のことを思い出す時間が 君にあるのなら 僕はすごく嬉しいよ。
傀儡
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