紅い猫の落とす影 生きた記録|夕方|明け方
誰かに助けて貰いたかったの。 泣きたかったの。 怖かったの。 でも死にたくは無かったの。 いつものあの屋上で お空を見上げて話しかけた。 だけど何も返ってこない。 夕刻の空は 僕を支えられるほど 強いモノでは無かったみたい。 僕は今日も独り 悲しみと戦いながら それでも必死に生きようとしている。
甘くて甘くて美味しいはずだけど 僕には感じないんだよね。 君が青い飴を舐めた。 苦くて苦くて不味い飴。 僕は欲しくて欲しくて堪らなくなった。 僕は 君が一度口に入れたモノが 欲しくなります。 君が口に入れたご飯。 グチャグチャに噛み砕かれて 君の唾液にまみれた姿を考えると 壊れそうになります。 君の口に指を突っ込み 胃の中のモノを全て吐かせ 全て戴きたいです。 最近気付いた僕の性癖。 冷製に考えると 自分でも少し鬼畜と感じます。
気持ちよく飛んでいたのに。 翼ははじめから無くて 翼が無くても飛べたんだよ。 現実は飛べることすらないから 堕ちることもない。 夢の中くらい 受け入れてくれても良いんじゃない?
お人形さんが着ている レースのついた可愛いお洋服。 そのまま首を絞めて殺してしまえたら 本当に君は 僕のお人形さんになるのに。 本棚の上にそっとおいて ずっとずっと見ていたい。
一日が過ぎて欲しい。 今の自分には 明日を夢見ることなど出来ないから。 ゆっくりと 時の流れに身を委ねて生きてゆけたら それが僕の幸せ。
白い傷跡となって僕の腕に残っているけど 君のために流した涙は もうすっかり乾いた。 あとは君が僕の前から居なくなってくれるだけ。 そうすればきっと 君のことを忘れられるから。 でも君は いつも僕の近くにいる。
僕に平凡な幸せをください。 今年もできるだけがんばろ。 無理は嫌いだから 静かな一年だといいな。
傀儡
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