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ベジタリアンな木曜日


有機栽培の野菜ボックスを、週に一回届けてもらっています。
きっかけはお野菜ではなく、牛乳と卵だったのですけどね。

というのも、私は低温殺菌牛乳が好きなのですが、いつも行くスーパーでは、人気商品なのか品切れになっていることが多く、また運良くGETできたにしても、その牛乳は瓶に入っているので、持って帰るのが重たいのがネックだったのです。お米も一緒に買って帰らなきゃいけない日なんてもう(泣)

卵も、その当時は一日に2個はあたりまえ、というほどよく食べていたのですが、卵は栄養がぎゅっと凝縮されている故、その安全性がとても気にかかっていたのですね。平飼いで自然な飼料を与えられている安心な鳥の卵を食べたいと思っていたのですが、なかなかないんですよ…。

ということでネットなどで色々探していたところ、野菜と一緒なら、オプションで牛乳や卵を届けてもらえる某会社の存在を知り、ためしにお試しパックの野菜をお願いしたところ、有機栽培のほうれん草のあまりのおいしさにびっくりして、以降週に一回、野菜と牛乳と卵のお届けをお願いしているのですが、本音を言えばここ最近、毎回毎回届く野菜に多少うんざりしていたのです。

お届け日は木曜日。仕事から帰ってくると、玄関の前に野菜の段ポールと牛乳の入った発泡スチロールの箱が“どん”と置いてあって、まぁ、牛乳と卵くらいならそのまま冷蔵庫に入れておくだけでいいのですが、野菜がね…。

葉物やら根菜やらは取れたての状態で段ボールに納まっているので、まず泥を落としたり、痛まないよう野菜保存袋に入れて野菜室に入れたりしなければなりません。その手間暇がね、仕事で疲れて帰ってきた体にはとても面倒で…。

冬場なんか「部屋の中は寒いから痛まない痛まない」と自分に暗示をかけ、土曜日まで箱を開けずに放置したりしていました。

最初のうちはものめずらしくて、葉物はゆでて冷凍したりとかいろいろしていたんですが、毎週毎週、食べきれないほどの野菜があとからあとから来るんですよ…。冷凍庫も野菜でぱんぱん、野菜室もいっぱいとなると、古いものは捨てるしかないんですよね…。

そんなわけで、毎週木曜日が来るのがちょっと憂鬱だったりしていたのですが、断食後、驚いたことに、お野菜が届くのが楽しみに変わりました。木曜日に届くお野菜で1週間分の常備菜を作っておくのが面白いんですよ。

常備菜は即お弁当のおかずになるので、ふふ、明日のお昼ご飯楽しみだ〜、などと思いながら、せっせと葉物をゆでておひたしを作ったり、切り落とした大根の葉っぱと油揚げを甘辛く煮てみたり。

ただ今日は、フキが葉っぱつきのままどさっと入っているのを見た瞬間、一瞬ひいてしまいました。あぁ、なんだってこんな面倒くさいものが入ってきたのかしら…。

とりあえずの処置でこれをこのまま冷蔵庫待機にすると、この子達はせっかく届けられたにもかかわらず、冷蔵庫からゴミ置き場へ直行の運命を辿るのは目に見えています。うーむもったいない。フキの煮物はおいしいんですよね。

少し悩んだあげく、料理までは手が回らないにせよ、下処理だけは済ませておこうと、茎を板ずりにして、ゆでこぼして水にとり、皮をむいて再び水につけてアクをぬく、などという意外と手がかかることを、気がつけばけっこう楽しんでやってました。

薄皮をむいて水に放つと、フキの緑が、まるで光を透過する翡翠のように美しいのです。おしょうゆで甘辛く煮付けようかと思ったのですが、これはお出汁で炊いた方が、見た目もよくて美味しいかもしれません。

そんなわけで、届く野菜をせっせと食べるべく努力していると、お肉やお魚が献立に入ってくる余地が、なくなってくるんです。野菜がメインのおかずになり得るなんて、断食前は思っても見なかったことでした。

今日は野菜の下ごしらえなどしつつ、ゆであがったばかりの葉っぱやふきの味見をし、届いたばっかりのきゅうりをぽりぽり囓っていたらそれだけでおながが一杯になってしまって、夕飯を食べる気にならず…。

届く野菜を楽しみに帰宅できる木曜日が、あと何回あるかな。すぐに飽きそうな気が、すでにしているのが問題…。

2004年05月20日(木)

玄米な日々


断食効果がちょっと薄れてきました。
といっても、目の疲れと肩こりに関して、という但し書き付きですが。

というのも、断食中に会社のホームぺージを立ち上げる予定だったのですが、断食一日目にして、そんな無謀なことは出来ないと悟りをひらいて放り出してしまったため、現在にしわ寄せが来ているのです。

保養所に行く前には、とにかく時間はたっぷりある事だし、サイトを作った上、コンテンツもいくつか作れるのではないかと踏んでいたのですが、断食中のぼやーっとした頭では、CSSやタグと格闘できるはずもなく…。

というわけで、断食を終えて体力も気力も充実の現在、パソに向かって、あーでもない、こーでもないと、一進一退を繰り返しているのですが、一体いつ出来上がるんだか、といった情けない状況が続いています。脳内に血が巡っていても、私の能力はこの程度なのね…、となんだか悲しくなってきました。くすん。

ところで先日、家から二駅ほど先にある自然食品のお店にお買い物に行ってきました。雑居ビルの3Fにあるお店に入ると、なにやらアジアのローカルスーパーマーケットの店内と同じような匂いがする怪しさでしたが、商品は充実。米やら味噌やら醤油やらを買い込んで参りました。

私は今まで、某メーカが出している発芽玄米のパックご飯を、お昼時などたまに食べていたのですが、

「玄米こそお米を丸ごと食べるのだから、白米以上に、有機栽培や無農薬にこだわっているものを選ばなくては危険です」

と保養所で教えて頂き、早速そのメーカーさんにお米の履歴を問い合わせたのですね。そうしたら、

「国の安全基準をクリアしたお米を使用していますので、どうぞ安心してお召し上がり下さい」

という丁寧な返信を頂いたのですが、国の安全基準って、かなり甘いような…、という気がどうしてもしてしまいまして…。

発芽玄米は、玄米と違って炊飯器で普通に炊けるので、この際自分で炊くかと、件のお店で無農薬の発芽玄米をGETして炊いてみたんですが、これがね、すっごくおいしいんですよ!!!

炊きあがりは「これってもしかして香り米?」というほど甘いの良い匂いが立ち上って、ご飯自体は玄米ほどもちもちしていないのですが、でもつぶつぶ感がほどよくって、甘みがあって…。

パックご飯はけっこう米粒がぱらぱらしていたので、発芽玄米ってそういうご飯なのだなと思っていたのですが、自分で炊いたものはしっとりつやつやとしていて、いくらでも食べられる美味しさです。

「白米を選ぶときには、こしひかりだ魚沼産じゃなきゃだめだとうるさい人でも、玄米だと何もこだわったりしないものだが、玄米にもおいしいものとそうでないものがある。玄米だから美味しくなくて当然、というのは思いこみ」と保養所の方がおっしゃっていたのがよくわかりました。

そうそう、保養所で購入した玄米の粉ですが、毎朝の青汁+豆乳に入れて飲んでみたところ、けっこういけることが判明。
いつもの味が、ちょっと香ばしくなる感じです。朝は血糖値を上げる必要があるので、これに少し蜂蜜を足しているのですが、なんだかスペシャル健康ドリンク!という感じで、朝から元気はつらつです。

かなり好き嫌いがはっきり分かれると思うので、人様にお勧めは致しませんが…。

2004年05月18日(火)

コーヒー解禁


保養所から戻ってきて7日目となりました。

帰り際の食事指導で、とにかく今後1週間の食生活には充分気をつけて、というアドバイスを頂いていたため、なるべく刺激物をとらない、自然食を食べる、ということに主眼をおいて生活していたこの1週間。

積極的に取りたいとは思わなかったものの、ぼんやりしている時に脳裏に浮かぶ飲み物、それがコーヒーでした。

外を歩いている時など、ふとコーヒーの匂いが鼻先をかすめることがあり、その度に、犬のように鼻をひくひくさせて、香りの軌跡を追っかけて行きそうになっている自分がいましたよ…。

そういえば断食中も、お酒は結構早くあきらめがついたのですが、コーヒーだけは、朝起きると飲みたくてたまらないときがありました。ご飯を食べていないときって、血糖値が下がって思考能力が平時の半分くらいになるんですね。そういった時、コーヒーさえ飲むことが出来れば、一発で頭の中がすっきりとするのになー、あぁじれったい、とか思っていたんですよ。

断食をする前までは、
朝、会社についた後にまず1杯。
お昼ご飯の後に1杯。
その後は、仕事の区切りごとになんとなく。

というパターンで、少なくとも一日5杯くらいは飲んでいたでしょうか。今から考えると、明らかにカフェインの取りすぎです。

で、今日の朝のこと。
1週間経ったし、そろそろコーヒーくらいは飲んでもいいんじゃない?という悪魔の囁きがどこからともなく聞こえてきたその途端、もうね、我慢ができなくって…。

即座に、一杯ずつパックされている簡易ドリップ式のコーヒーの袋を開けて、肺の奥底まで、香りを吸い込んでいましたよ。

1日に5杯以上も飲んでいた頃は、フィルターをカップにセットすると、要は飲めればいいとばかりに、いきなりどぼどぼとお湯を注ぐという暴挙にでていたのですが、今朝は、コーヒーの粉をふっくら湿らす程度にお湯を注ぎいれ、まずは少し蒸らしてから、なんていう殊勝な事をしていました。

1〜2分経ってコーヒーの香りが立ち上ってきたところで、少しずつ、お湯を注いでいきます。漂う香りに幸せを感じつつ、ドリップの終わったコーヒーを、おそるおそる一口。

うう、この苦味。大人の味だ…。

一杯20円もしないコーヒーなのに、まるで、水を使ってゆっくりと時間をかけて抽出されたもののような、そんな雑味のない味わい。以前、眠気を覚ますためだけに無理やり流し込んでいた液体とは、あきらかに違う飲み物です。

飲み終えてから15分くらいすると、きたきたきた〜、という感じで、すこし霞がかかったような頭の中が、みるみるすっきりしていくのがわかりました。歯が痛いときに飲む鎮痛剤のように、効き目がリアルに感じられます。久しぶりに飲んでせいでしょう、視界までクリアになっていく感じ。

カフェインの覚醒効果ってすごい…。

これはやっぱり、水代わりにぱかぱか飲んではいけない代物だったのかも。こんなのを一日に何杯も飲んでいたら、そりゃあお酒の力でも借りないと眠れないはずです。なんで気がつかなかったんだろうな…。

2004年05月14日(金)

その後の食生活


自分でもびっくりなのですが、最近、毎日おべんと持参で仕事に行っています。一体どうしちゃったんだ、私…。

とは言っても、ごはんは保養所で買ってきたレトルトの玄米ご飯。おかずは作り置きのものを、かわりばんこに詰めているだけなので、朝の5分でぱぱっと用意出来る程度の代物。

ひじきの煮物とか切り干し大根とか、菜っ葉のゆでたのとかタケノコの煮たのとか、なんだかいきなりベジタリアンのような食生活…。お肉とかお魚とか、あまり食べたいと思わないのです。

断食の帰りに買ってきたお刺身は美味しく頂いたんですが、それでもあじを二きれ、鯛を二きれくらい。それ以後、動物性タンパク質をとっていないような?あ、おみやげにしたアジの開きは焼きましたが、それっきりだ…。

というのも、なんだかやたらと味覚が鋭くなっているのか、お豆腐を食べればお豆腐そのものが美味しいし、タケノコなんて、別に味なんかつけなくても充分いけるし、ゆでたての菜っ葉最高だしって、そんな感じなんですよ。

玄米のご飯はもちもちっとしていて美味しく、そういうご飯には、素朴なおかずが合うんですよね。今までは、メインには絶対に肉か魚、野菜は付け合わせ、と思っていたのですが、お野菜だけでも、充分に満足できる体に変わってしまったらしいです。

とか言いつつ、そのうち反動で、お肉とかがつがつ食べ始めないとも限らないのですが。

今まで、仕事が終わって帰ってきたら、台所に立つ余力なんて残っていなかったのですが、次の日のお弁当のことを考えると、冷蔵庫を開けて、あ、わかめとしらすが余ってる、きゅうり入れて酢の物にしたら一品になるな、とか、明日は久しぶりに卵焼きが食べたいな、朝作ってる時間はないから、今作っちゃおうかな、とかで料理をしている自分が不思議です。(酢の物と卵焼きが料理なの?という方向のつっこみはなしでお願いします…)

自分のために料理をする、というのがとてもめんどうで、そのくらいなら外で食べて帰るか、出来合いのものを買って帰るかしていたんですけどね、今までは。

たった3日の断食くらいで、人間変われば変わるものです。問題はそれがいつまで続くのか、ってことですね。まだ帰ってきて1週間、食生活が改善されていて当然なのでしょうか…。

2004年05月13日(木)

断食その後…


保養所から帰ってきて4日が過ぎました。ありがたいことに、まだ食欲大魔王は空から降ってこないようです。
というか、やっと昨日の夜あたりから、1膳のごはんが食べきれるようになりました。本当に胃が小さくなっていたのだな…。

で、今の体調についてですが、快調です。カラダが軽いんですよ、どうしちゃったの?ってかんじ。

体重が減ったから、というわけでもなく、腰が軽くなったというのでしょうか?とにかく動けます。一番驚いたのは、家事をするのが億劫ではなくなった、ということでしょうか。

今年に入ってからというもの、週末は体が重たくて、掃除をしたり、洗濯をしたり、ご飯を作ったり、という最低限のことをするのにも、自分を叱咤激励したあげく、やっとのことでこなしていた、という感じだったのですが、昨日なんて、午前中から家中に掃除機をかけてまわるわ、洗濯機回してるわ、洗濯物もちゃんと干してる(←干す気力がないときが多々あって、翌日もう一回洗濯機回したりしてたんですよ…)

お夕飯の買い物にもすんなり出かけてるし、楽しんでご飯作ってるし…。食後すぐに立ち上がって茶碗を洗っている自分が信じられないですよ、びっくりだ。

これが、この先も続いてくれるようなら嬉しいんですけど。

その他の断食の効果としては

1・お酒、コーヒーなどをあまり飲みたいと思わなくなった。
2・肌がキレイになったような気がする。
3・寝付きが良くなった

という3点があげられるでしょうか。

お酒、コーヒーについてはまだ口にしていないので、1回飲み始めたらどうなるかな?という疑問が残るところですが、今のところ飲み会などの予定もないので、行けるところまで行ってみようかなー、という気がしています。

帰宅したら、まずビールのプルトップをブシュっとひっぱりあげたり、そうでなければグラスに氷を入れて酒を注ぐ、というのが習慣だったので、なんのストレスもなく禁酒出来ているのが不思議で仕方がない。この先飲み始めるようになっても、週に2日の休肝日は守れる酒飲みになれそうです。

肌がキレイになる、というのは、保養所にいる間話には聞いていたのですが、半信半疑だったのです。
でもね、う〜んスベスベ、と実感できるほどではないのですが、明らかに、化粧のノリが以前とは違う…。私はクリーム状のファンデーションの後にパウダーを使っているのですが、ファンデは吸い付くように肌に密着、そしてパウダーをはたいても、粉浮きしない。うわー、化粧するの楽しい!!!って感じなんですよ。

出勤前の化粧なんて、塗ってあればいいや〜、という感じでぱぱっと済ませていたのですが、そうなると嬉しいもので、なんだか急に丁寧にファンデとか塗り始めたり。

寝付きが良くなったというのは、多分カフェインをとっていないのが良いのだと思います。眠れないのが嫌さにお酒で誤魔化していたのですが、寝れなかったのって、昼間にコーヒーを飲み過ぎていたせい?という単純な事に気がつきました。

もしかして今まで、不毛な連鎖を繰り返していたのでは…。

2004年05月09日(日)

7日目


長かったようで短かった断食体験も今日でおしまい。11:00にはチェックアウトをしなければなりません。荷物の整理が完璧ではなかったため、昨日のように寝坊するわけにもいかず、6:50にアラームをセットして目覚めてみると、今日も外は雨でした。

お天気とはいかないまでも、曇天ですむようなら、チェックアウトの後、外の温泉に寄って帰ろうかと思っていたのですが、やめておこうかな。雨にうたれながら露天風呂に入って風邪を引いてもつまらないしな、などと思案しながら朝の支度、そして荷物のパッキングにとりかかります。

8:00から最後の気功体操。その後の理学療法はパスして、部屋に戻って荷物整理の続き。9:45から朝ごはんです。退所日の朝ごはんは豪華ですよ〜、とうわさに聞き、楽しみにしていたのですが、予想以上にすてきな朝ごはんでした。

542キロカロリー
酵母パン・わかめのスープ・だいこんのごまドレッシングサラダ・豆腐ハンバーグ・かぼちゃと人参のグリル・お花とハーブのサラダ・リンゴのコンポート

席に着くと、厨房の方からパンの焼ける良い香りが漂ってきます。早くも胃が反応して、くるくるいってますよ。最初に運ばれてきたのは、かぼちゃ、ごま、くるみ&レーズンの焼きたて天然酵母パン。食欲をそそるこうばしい香りをお届けできないのが残念です。




最初にかぼちゃのパンを手にとって二つに裂くと(黄色いやつです)外側の薄い皮はぱりぱり、内側はしっとりふわふわです。早速賞味してみると、うー、おいしいよーむしゃむしゃむしゃ、というかんじであっという間に平らげてしまい、二つ目のパンに手を伸ばそうとしている自分に気づいてはっとしました。しまった、すっかり断食前の食べ方に戻っている…。

いかんいかんとお茶に手を伸ばし、次にわかめたっぷりのスープをひとくち。その後で大根の千切りのサラダをいただきます。ごまのドレッシングがいける。大根はみずみずしくてしゃきしゃき。

メインディッシュは、お豆腐のハンバーグえのきソース大根おろし添え。かぼちゃのスライスとにんじんのグリル、ハーブとお花のサラダです。




このお豆腐のハンバーグなのですが、食べるまで私、ずっとお肉だと思っていたんです。そう思い込んだまま一口飲み込もうとしたところ、胃が一回、大きく収縮するのがわかりました。やっと入ってきた消化しがいのあるものに対する準備運動だったのか、まだそれは重たいからやめてくれという合図だったのかちょっと解らないのですが、食べ物に対する素直な反応が面白かったです。

今まで過重労働をさせていてごめんよー。少しでも負担が軽くなるよう、これからはきちんと咀嚼してからそっちに仕事を回すようにするから、今後ともよろしくねと、心の中でつぶやいてみました。

写真を撮りあったりしながら最後のお話に花を咲かせているうちに、いつのまにかおなかがいっぱいになり、結局パンまでいきつけず…(涙)
断食の後でこの朝食を完食できる人は少ないらしく、無理しないでねーと、アルミホイルがまわされ、残ったパンはお持ち帰り。でも、まだ手付かずのりんごのコンポートはお持ち帰り不可、なんとしても胃におさめて帰らねば。



別腹OPEN!

チェックアウトを済ませると、スタッフの方が駅まで車で送って下さいました。1週間、本当にお世話になりました。保養所の皆さんの励ましに支えられて、なんとか初志を貫徹することができました。またよろしくお願いします、ってあら?

駅の窓口で帰りの電車の確認をすると、特急踊り子号の指定席、すべて売りきれ。GWの最終日ですものね。在来線で熱海まで出て新幹線のこだま利用で東京に帰ることにしました。出発時刻の確認後は、お魚屋さんへ直行です。近海物のあじと真鯛とあわびでお刺身を調整していただき、ついでにお土産用のあじの干物なども物色。冷蔵バックをいっぱいにして帰路につきました。

…ここまで書いておいて何ですが、まだ書き足りない部分があるので、断食話題もう少しひっぱります。それで?効果はあったの?みたいなことも含めて、帰ってきてからの経過報告をする予定でおりますので、おつきあい頂けると嬉しいです。

2004年05月06日(木)

6日目


「8時から、気功体操が始まります」という館内放送で目が覚めました。

ベットの中で時計を確認してあらびっくり、あと5分しかありません。いつもは15分前に放送があるんだけど、とか言っている場合じゃありません。
とりあえず洗面所で髪をぬらしてとかして歯を磨いて顔を洗ってお手洗いに行って部屋に戻って着替えてお水飲んで。
…人間、いざとなれば起きて5分で身支度整えられるんだな。

気功体操が終わると、昨日夜半から今日にかけての大雨の影響で、電車が止まるおそれがあります、というお知らせがありました。
いざとなったら、電車の動いている修善寺まで車でお送りしますからご安心下さい、と言ってらっしゃいましたが、私の帰る明日は大丈夫でしょうね?やむんだ雨!私には駅近くの魚屋さんで、刺身を買って帰るという使命が!!! 

体操の後は施術室で、20分ほどマッサージを受けてから部屋に戻ります。雨を眺めながらぼんやりしていると、やがて朝ご飯の時間です。


337キロカロリー

今日の朝食はおうどんです。普通のお店屋さんで出てくる食べ物みたいです、やったー!!!
具は油揚げとにんじん、まるごとのしいたけ、ほうれん草、お麩、長ネギ。どれから手をつけたらいいのか迷ってしまいましたが、とりあえずはつゆを一口。ふぅ、おいしい。
このお椀の中の物、全部食べていいんですよ。つゆも飲んじゃっていいんですよ。思わずにんまりです。

具をそれぞれ一口ずつ囓り、最後に人参をつまみ上げます。
1.5センチほどの厚さがあるのですが、すごくやわらかく煮込んであります。いい仕事してますよ。でも、どうしよう…。

実は私、にんじんがあまり好きではなく、普段は大抵残します。1000円くれれば食べてもいい、という程度の嫌いさなので、たいしたことはないのですが。

加熱したにんじんの、変な甘さが嫌なんですよ。にんじんジュースとかは飲めるんですけどね。残すのも悪いし、と思って一口囓ってみると、あら?私、これなら食べられますよ。なんだろう、生のにんじんに近いような自然な甘さで、これ美味しいですよ?ここのにんじんが特別なんでしょうか?

さて、具の下に隠れていた平たい麺を引っ張り出してみると、それはきれいな緑色をしていました。聞けば春菊を練り込んであるそう。あまりにもったいなくて麺を啜るということが出来ず、もちもちとした歯触りを楽しみながら咀嚼していると、草のよい香りが鼻腔に広がります。5月ですね(違)

おうどんを食べ終えて、お茶を一口。次はグラスのヨーグルトに手をつけます。これも自家製で、味は市販の物と比べると、かなり酸っぱい感じ。私は好きだな、こういうの。
その後でお気に入りの緑のデザートに手をつけます(←毎食出るみたい☆)お腹がいっぱいすぎて、途中で口にスプーンを運ぶ手が止まりそうになりますが、食べたいんだよ〜。出でよ、別腹!

午後からは理学療法。その前に、体重、体脂肪を測定し、診察室で良道検査です。数値的結果を言うと、今回の断食では、体重2.5キログラム減、体脂肪率変わらず、といったところでした。

良道検査の結果も良好で、最初の検査では肩と目の部分が高かったのですが、それもだいたい他の数値とそろい、グラフは平坦に。あなたの場合は嗜好品(酒・コーヒー)に気をつければ、まぁ、大丈夫でしょうとのことでした。そう、その辺が問題なのは、重々承知…。

保養所を出て三日間くらいは胃が小さくなっているので、食べようと思ってもそんなに入らないので良いらしいのですが、3日目以降1週間以内くらいに、なんと空から食欲大魔王が降りてくるそうなのです。うわ〜、耐えられるだろうか…。その時に、きちんと食欲をコントロールできれば、断食の効果は続くらしいのですが。

その他の注意事項としては、断食の後の1週間というのは、腸が入ってくる物を余すことなく吸収するので、この時期の食生活がとても大切だとのこと。

飢餓状態開けに、たとえば甘い物や、脂っこい物、化学調味料をふんだんに使った物などを食べてしまうと、脳がそれを体のために必要な物だとインプットしてしまい、それらを食べていないと落ち着かない体にしてしまうそうなのです。気をつけなきゃですね。

とりあえず、あと1週間くらいは禁酒・禁コーヒーを貫抜いてみようかと思います。ありがたい事に、今は全然飲みたいと思わないんですよね、酒もコーヒーも。娑婆に出てみたらどう感じるかはわからないですけどね…。

理学療法の後は、長々と1時間も昼風呂を楽しんでしまいました。雨音を聞きながら入る温泉というのも、それはそれでけっこう落ち着く…。

3:00過ぎに部屋に戻って、明日の帰り支度など。洗濯物をコインランドリーにつっこんだのは、家に帰ってからの仕事を少しでも減らそうという魂胆。だいたいの物を片づける目星をつけると、お部屋の中、急にがらんとなりました。一週間なじんだ部屋とも、明日でお別れです。

そうこうするうち5:00になったので食堂へ。お楽しみの夕飯です。


213キロカロリー、朝より少ない…

わかめがたっぷりのおみそ汁に、玄米のおかゆ。おかゆは昨日より濃いめになってますよ。そして野菜の白和え、緑のデザート。

おみそ汁のわかめはけっこう肉厚で、噛みごたえあり。おかゆも、つぶつぶをきゅっきゅっとかみつぶすと、更にうまみが染み出ます。
特筆なのは白和え。私、今までこんなに美味しい白和えを食べたことありません。うす〜く切った、にんじん、しいたけ、ほうれん草などが入っているのですが、お豆腐がぎゅっと濃縮されたクリーミーな味とからんで、大変美味しゅうございました。お話ししながらですが、結局1時間くらいは、食べながら食堂にいたでしょうか。

食事が終わり、部屋に戻ろうとしたところ、廊下の向こうの方でみなさま何か見ながら、立ち話をされてます。なんだろうと思って近づいてみると、そこはお買い物コーナーで、この保養所でも実際に使用されている、お勧めの食品が陳列されていました。

…弱いんだよな、こういうの。ついつい買ってしまうんです。

結局、断食中にお気に入りになってしまった酵母液と、明日からの食生活に備えて玄米ご飯の真空パックを購入してしまいました。あと、玄煎粉というやつ。玄米から作られたきなこみたいなものです。牛乳などに混ぜて飲むと良いらしいのですが、うちで毎朝飲んでいる青汁+豆乳に、これを加えてみようというのは、無謀でしょうか…。

2004年05月05日(水)

5日目


夜中に、ぐるぐる、ぐー、ごろごろごろという音がうるさくて目が覚めてしまいました。もう、なんなのうるさいな〜と思って確認してみたら、なんと自分の胃やら腸やらが鳴っている音でした…。

久々に入ってきた食事に、はりきって仕事をしているようですが、あれを食べたの、夕方の5時頃で、今、多分夜中の3時過ぎなんですけど…。あれっぽっちの食事、もうとっくに消化し尽くしちゃってるんじゃないのかなと思うんですが、私の内蔵、3日も休んだので働きたくてしょうがないのかしら?

朝はいつも通り8時に気功体操、その後続けて理学療法があり、その後は待ちに待った朝ご飯です。お腹が空いたよ〜。
食堂に行って、いそいそとお茶を入れて待っていると、運ばれてきましたよ、私の朝ご飯。



127キロカロリー

おかゆの中にごはんの粒が見えます。おみそ汁なんて久々に見た気がします。ほうれん草と油揚げが浮かんでる〜。緑色のものが入っている小鉢は、ケールとにんじん、りんご、お酢、酵母をミキサーですりつぶした物だそうです。久しぶりに、人間らしいお食事ですよ。嬉しい〜

思わずがっつきそうになる自分を戒め、まずはお茶を一口、そして、おもむろにおみそ汁を一口。
………おいしいよ〜、胃の腑にぎゅっとしみるよ〜(感涙)
ものすごく薄味なのですが、鰹節でしょうか、だしの味がとてもよく効いているのです。

ほうれんそうを一枚つまんでぱくり。葉っぱの部分と茎の部分とで、歯触りが大分違います。次に玄米のおかゆに手をつけます。ほのかな甘みと穀物っぽい香ばしさが口の中に広がります。何回か咀嚼して、喉の奥に送り込みます。
あぁ、幸せだ〜

緑色の物は、見た目はなんですが、リンゴの甘みとお酢がほどよく調和して、ケール独特の青くささもあまり感じられず、デザートみたいで美味し〜、とわたしは思ったのですが、賛否両論だったようです。ビネガー酵母液がダメだった方は、やっぱりこれも苦手みたい。でも、難色を示していた方も、結局は残さず食べていらっしゃいました。ちょこっとでも、お腹の足しにしとかないとね。酵母も入っているし、すっごくヘルシーですよ。

おみそ汁があまりにも美味しかったので、調理の方にだしのとり方を聞いてみたところ、鰹節と昆布と干した小魚でとっているとのことでしたが、「いいもの、つかってるわよ」と、ちょっと得意そうでした。ちなみに鰹節はパックに入っている物ではお話にならないそうで、その都度削りたてのものを使っていらっしゃるそうです。

でも、きちんとしただしが取れれば、おみそをほんの少し入れた程度で、ちゃんとしたおみそ汁になるんだ。家に帰って、研究してみようかと思います。早速、鰹節削り機を買わなくっちゃ(←1回使ったらその後出番なし、という気がちょっとする)

部屋に戻って、一日何しようかと考えるのですが、昨日はお散歩をはしょってしまったので、今日はどこかに行かねばなるまい。雨降っているのにやだな〜と思っていたのですが、そういえば、この近くには立ち寄り温泉が何ヵ所かあるのでした。補食2日目から外の温泉に行っていいことになっているので、お散歩がてら、片道30分のところにある温泉に行ってみることにしました。別荘地内を通り抜け、国道に出てみると、車渋滞中で、上下車線とも動いていません。立ち寄り湯の駐車場も満車で、入りたい車が長蛇の列をなしています。あ、失敗した、温泉、人がいっぱいかも。

お金を払って女湯に行ってみると、空いているロッカーを探すのも一苦労な混み方でしたが、内湯も露天も広いので、そんなに混み合っている感じではなく、ゆっくりとお湯に浸かることが出来ました。露天風呂からは、お天気が悪くて霞んでしか見えないものの、目の前に海を一望することもできて、あぁ、やっぱり大きいお風呂っていいですね。自分の体力と相談しながら、短い時間で、出たり入ったりを繰り返しました。料金分の元はとったと確信したあと、保養所へ戻ります。

出かける前は、雨の中を歩くのは嫌だなと思っていたのですが、帰り道の別荘地内、そぼ降る雨に空気はしっとりと落ち着いていて、マイナスイオンが充満しているのでしょうか、なんだかとっても気持ちがよくて、少し遠回りをして帰りました。



1日雨でした…

部屋に戻って窓を開け、外の気持ちのいい空気を部屋いっぱいに入れてみると、微風と一緒に流れ込んできた藤の花の甘い香りが部屋の中にふわっとひろがります。小鳥のさえずりも聞こえますよ。

とりあえずこの後は読書の続き。ちょっと疲れて目を上げると、雨に濡れた木々の緑が、目を休めるのを手伝ってくれます。気分だけは、高原の別荘で、優雅に読書をする私、です。

外はまだ明るかったので油断していたら、もう5時過ぎ。お夕飯の時間です。食堂に行かなければ。



221キロカロリー

どうしたんですか?多いですよ、品数が。普通のご飯みたいですよ?
メニューは、朝と同じ玄米のおかゆ、じゃがいものだし浸し、お豆腐とお麩のだし浸し、そして朝も出てきた緑のデザート(←勝手に命名)です。
うわ〜、何から食べよう…。

よし、最初はじゃがいもからいくぞ、ぱく。
……ちょっと待って、じゃがいもってこんなに美味しかったですか?口に入れてちょっと歯をあてると、ほろっと崩れるほくほく感から広がる甘みが、何とも言えません。おだしが染みてるという程でもないのですが、口の中でほろほろのじゃがいもに、影ながらうまみを添えてみました、という控えめな感じが、素材の味を更に引き立てていて、ちょっと感動の一品です。

お豆腐はお箸で一枚をを8等分にわけ、ひとつひとつ、美味しく頂きました。だしの染みたお麩も、食べてしまうのがもったいなくて、ちびちびゆっくり食べていたところ、なんとお食事を半分と少し食べ終わったところで、満腹中枢から「もうおなかいっぱーい、食べるのやめー」の指令がだされました。

やだ、もっと食べたい!!!(←食い意地が張っている)というわけで、結局全て完食したのですが、はっきり言って満腹、おなかぱんぱんです。あ、まだこの後、緑のデザートも食べなきゃですが、甘酸っぱく美味しい物は、別腹でいけそうです。

部屋に戻って日記を書いて、8時半を過ぎた頃にお風呂へ。昼間浸かっているにもかかわらず、またけっこう長い時間、お湯を楽しんでしまいました。この後は読書の続きなんですが、今、いいところなんです。夜更かしをしてしまうかも…。

2004年05月04日(火)

4日目


き、気持ちが悪い〜、私、昨日そんなに飲んだっけ?と思いつつ目が覚めたのは、まだ夜も明けきらない早朝のことでした。もちろん断食中に酒など飲んでいるはずもなく、すぐに断食反応だと気がついたのですが、だすものもない空えづきはとてもつらく…。

明かりをつけて、事前に教えられていたとおり薬草茶を少し飲んで、梅干しを口に含んでいると吐き気は徐々に落ち着いてきました。が、それがやっとおさまると、今度は動悸が激しくなって、冷や汗が…。

すぐにベットに横になり、大丈夫、大丈夫、大丈夫と自分を落ち着かせていると、だんだんと心臓の鼓動も落ち着きを取り戻してきたようだったので、安心してうとうとし始めると、襲ってきた激しい頭痛と右目奥の鈍痛に目が覚め、結局朝まで寝付くことが出来ませんでした

そうこうするうち、8時の気功体操の時間になり、ふらつく足で手すりにすがりながらよろよろと階段を降ります。
これが断食反応か…。確かに、すごくつらいです。

単に手足をぶらぶらさせていただけの気功体操後、部屋に戻り、ビネガー酵母液を飲むと、やっと少し気分が落ち着きました。頭痛も、我慢できないほどではありません。まだ力は沸かないものの、朝ご飯のことを考えると、少しづつ、気分が高揚してきます。

そう、今日は夢にまで見た、補食開始の第一日目なのです。うれしいよ〜!!!(小躍り)

時計の針が10:00ジャストを示すと、いそいそと階段を食堂へと下りてゆきました。階段の途中から、もうすでに、暖かい、いい匂いが漂ってきています。食堂の扉を開けた途端記憶によみがえってきたのは、子供の頃に泊まりに行った朝の、おばあちゃんの家の台所の匂いでした。ガラガラってする引き戸が似ていたせいかもしれません。

指定された席について待っていると、やがてお盆の上に載せられた朝ご飯が運ばれてきます。


断食ブレイクの1食目は、重湯、野菜スープ、梅干し一個。
48キロカロリー


食事を目の前にして、思わず手を合わせそうになりました。が、なんだか気恥ずかしくて結局そうすることはせず、重湯のおわんのふたを取り、まずはゆっくりと心ゆくまで香りを楽しみます。

これ、本当に食べてもいいんですよね?

あわてるなと自分に言い聞かせ、まずはお茶で気分を落ち着けます。そのあとに、野菜スープを一口。野菜だけで煮出された、混じりけのない滋味を含んだ甘みが舌の上に広がります。その瞬間、全身の細胞が一斉に反応したような気がしました。磁石に砂鉄が吸い付くような感じ。

その後で頂いた玄米の重湯は、とろっと淡泊でほのかに甘く、口の中は、ほとんどワインのテイスティング状態です。

一さじずつ時間をかけて、ゆっくりと頂きます。少し遅れていらした隣の方は、運ばれてきたお椀を前にとても自然に手を合わせ、一礼してからお椀のふたを取っていらっしゃいました。

普通に3食とっている方から見れば、そんなの食事じゃないよというメニューにもかかわらず、同じテーブルについていらっしゃる方達と、おいしいですね〜、生き返る心地がしますよね、などという言葉をかけあいながら、大切に大切に味わいます。

私と同じテーブルに着いていたのは全部で6名で、この方達とは同じ日に断食を始めていたのでお顔は知っていたものの、いままで親しく話す機会もなかったのです。それが、食べ始めると同時にすっかりとうち解け(ものの3分ですよ…)その後は、にぎやかにおしゃべりが始まりました。

断食中のつらかったことや、今まで自由時間に行ってみた観光地のこと、断食が終わったら食べたいもののことなど、話題が尽きないのです。会話って、食事をさらに美味しくさせる大切な要素なのだなと、しみじみ。

お食事をおえて「お先に〜、また夕食の時に」(夕食、なんて素敵な言葉!)と声をかけ、部屋へ戻りました。今日の理学療法は午後からなので、それまでの時間を、本を読むことに費やします。

理学療法を受け、部屋に戻るともう2時半。日中はお散歩が奨励されているのですが、5時からのお夕食に遅れてしまうと困るし。というわけで、この後はコインランドリーに洗濯物をつっこみ、戻ってくると持参したキリンジビデオを鑑賞です。あぁ、心がうるおう……。(←興味ない方、この辺読み飛ばして下さい)

その後は、朝の続きの読書を開始。はっと気がつくと、5時を少しまわっていて、あわてて食堂へと降りてゆきます。

夕食のメニューは、朝と殆ど同じですが、梅干しが2個に増えていて、野菜スープにはお麩が2つ浮かんでいます。あぁ、具が入ってる…。


お麩二つと梅干しが1個増えて、60キロカロリーになりました


冗談かと思われるかもしれませんが、同じテーブルについているメンバー、このご飯を30分近くもかけて食べてるんですよ。

このお夕食を食べながら、歯の役割を久々に思い出していました。お麩をお箸の先で小さくちぎって、その一片を口に運び軽く奥歯で押しつぶすと、まず野菜スープがじわ〜っとにじみ出て、そのスープの味がなくなると、お麩そのものの味が、口中に広がるんです。それをきゅっ、きゅっ、きゅっと噛んでごっくん。私、今までお麩なんて殆ど噛まずに飲み込んでいたかもしれません。

テーブルにお一人、リピーターの方がいらっしゃって、今回はお食事の間、その方に色々と質問が飛びました。どうしてもう一度来ようと思ったんですか?断食の後に、体重がリバウンドしたりしませんでしたか?まだ実感がないんですけど、肌がキレイになるって本当ですか?などなど。どの質問にもその方は丁寧に答えて下さり、聴き入る断食初心者一同。

前回の断食の体験から、家に戻った後のことや、断食後に気をつけなければならない事等、いろいろと話して下さいました。

部屋に戻ってしばらく日記を書いた後はお風呂にGO!今日ものんびり長風呂堪能です。

お風呂の後は、まだそこはかとなく続いていた頭痛もすっかりとれ、久しぶりにすっきりとした気分。これから眠たくなるまで本を読んで、寝て起きたら朝ご飯ですよ。嬉しいなぁ。

2004年05月03日(月)

3日目




山道お散歩途中の木漏れ日


「おはようございます。お元気そうですね」
気功体操が始まる前のことでした。昨日の指圧講習の時にペアを組んだのが縁で仲良くなった方から一言。

…そうなんです、困ったことに私、元気なんです。食べてないってのに朝から活力漲っちゃってるんです…。

声をかけて下さった方は、明け方に断食反応が出たとのことで、おう吐感がひどくて眠れなかったとおっしゃってました。お顔の色も悪く、だるくてつらいとのこと。これは体が毒素を排出しているというサインなのですが、では元気いっぱいの私の体からは、毒素は排出されていないのかしら…。

気功体操の後、理学療法のため施術室に入ってみると、担当の先生に「あら、お元気そうですね?お顔の色すごくいいですよ」と言われました。
断食なんかに負けないと、体が頑張っているのかと思いきや人間の体とはよくしたもので、断食が進んで体脂肪が燃焼される段になると、ケトン体という代謝物質が出来て、それが脳に働きかけ、高揚感に見舞われることがあるそうです。

“断食ハイ”ですか…。
つらいよりはいいんですが…。

なんか体力も大丈夫そうだし、ということで理学療法後はお外にお出かけ。近くにある自然研究路というウォーキングコースを歩いてみることにしました。
海沿いの道といっても、海側はがけが切り立っているので実際は山の中を歩くそうなのですが、受付で聞くと全部歩いて3時間半くらいということで、ちょっときつめですがまあ大丈夫でしょうと歩き始めたのですが…。

これがけっこうな山道で、落ち葉が積もった細い道は勾配もきつく、ちょっとした坂道を上がるだけで息が上がります。無理をしないように休み休み歩を進めました。3時間半で歩き通すのは、絶対無理だ。いくら自分で体調がよいと感じても、そりゃあ食べてないのですから体力はかなり消耗しているんだという事に、遅まきながら気づきました。でも森の中は風もここちよく、木漏れ日がきらきら輝いてとてもきれい。とりあえず行けるところまで行ってリタイアしようと亀の歩みを進めます。


山道はこんなかんじ


途中で吊り橋を渡ったり、階段を降りて海辺にでてみたり。
やがて川にぶつかると、川縁には遊歩道が整備されていて、とても歩きやすいのです。これなら歩き通せるかもと気持ちが軽くなったところで、目の前の遊歩道、いきなり消失。その先にあるのは、ごく普通の車も通る一般道です。あ、あれ?なんで?

地図とにらめっこでよ〜く考えてみると、海沿いの道をずっと行くためには、川を遡ってはいけな〜い、ということに気がつきました。川沿いの道は、町中にでるための遊歩道。ぼーっとしていたため、行かなければならない道を見失っていたわけです。

どうしようかと悩んだのですが、最初の山道のような自然路、その時まだ四分の一くらいしか歩いておらず、引き返してその後の行程を行くのは、体力的にとても無理だろうと判断しました。後日のリベンジを誓って、おとなしく駅に向かって歩きます。

駅前は、初日に降り立ったとき、あまりの食べ物屋の多さに辟易したところなのですが、今日は果敢にチャレンジです。大丈夫、もう何をみても心は揺るぎません。羨ましくはありますけどね。途中にあったお魚屋さんをのぞくと、
“今日水揚げされた魚で、お持ち帰り用のお刺身調整致します”とあるのを発見。
東京に帰る日までそこで待ってろよ〜、絶対持ち帰ったる!!!

こまごました買い物をして(久しぶりにお金使いました…)保養所へと戻る途中に、大きな干物屋さんを発見。おみやげのあたりをつけておこうと立ち寄ったのですが。

教訓:試食コーナーのあるところに近づいてはいけない

ふらふらと試食物に手を出そうとしている自分に気がついてはっとしましたよ。まったく、食欲ってやつは…

断食中に下手に固形物を胃の中に入れてしまうと、胃けいれんをおこして救急車で運ばれてしまうこともあるということを聞いていたので、少し青ざめました。

頑張るんだ、私。と思うものの、ちょっと食欲に目覚めてしまったばかりに、途中のドライブインではためいている「サザエ定食」という文字をみて、あぁ、伊豆は魚介類の宝庫なのに、美味しいものも食べないで、私は一体何をやっているんだろうと少し遠い目になってしまいます。

余計な食べ物を目にすることがない安全な保養所へ帰り着き、汗を流すためにお風呂へ。小さいですが温泉です。断食中に湯船につかるのは「倒れると危険なので3分以内」という規則を破って、ながながと昼風呂を楽しんでしまいました。

この後はマッサージ。施術室へと向かいます。

腰が重くてだるかったので、その事を先生に告げると「事務職でしたよね、やっぱり腰痛でましたか」と言われました。断食中はその人の弱いところが、痛みになって現れるらしいのです。
「どうします?お灸試してみますか、効きますよ」
というわけで、生まれて初めてお灸をすえられるという体験をしました。絶対に跡がつかないという保証付きだったもので。

「火がつきます。ちょっとちりちりしてきますが、我慢できるようだったら我慢して下さいね」といわれ、あぁ、ちりちりってこの事か、この程度だったら大丈夫とのんびりかまえていたら、熱い、熱いですよ先生?

「どうします?もうちょっと我慢できますか?」
しますよ我慢…、あぁ、でももうダメ限界〜、と音をあげるまでに要した時間は、多分1分、よくて1分半くらい。すごく長く感じられたんですけど、多分そんなものでしょう。根性なしだ…。

その後の指圧はとても心地よく。
私が通っている整骨院の先生は、笑顔で、ここ痛いですか?痛いですね〜ぐりぐりぐりという鬼のような治療をするので、指圧と聞きちょっと身構えていたのですが、あぁ、これだったら毎日でも通いたい。

体が軽くなったところで部屋に戻り、その後は読書三昧を楽しみました。23:00に眠気に負け就寝。健康的なことこの上なし。

2004年05月02日(日)

2日目




お散歩中に見つけたお花
タンポポでしょうか?ピンクだけど


「8時から気功体操を行います、トレーニングルームにお集まり下さい」

布団をはねのけ飛び起きるなり、げーっ、あと15分、と思いながら大急ぎで身支度を整えて階下に向かいます。

気功体操は15分ほど。ゆっくりとした滑らかな動きで、体の隅々までのばすのはとても気持ちよかったです。曲が大仰な中国らしいメロディーなのが、笑えましたけど。

この日の朝の空腹レベルですが「腹減った〜!!!」という段階はすでに超えてしまったのか、胃が重たい感じがするものの、べつにつらいという程ではありません。

ビネガー酵母が甘くて美味しく、それを飲むだけでも、結構しのぎやすいのです。あとは、口が寂しくなったらお茶を飲んで、といった感じです。水は、気がついた時にコップ一杯。

この日の理学療法は12:00過ぎからだったので、午前中、少しお散歩に出てみることにしました。この保養所は温泉郷内のとても広い別荘地内にあり、この中をぐるっと歩くだけでも、けっこうな運動量です。

受付で地図をもらい、まずは海岸に向かって歩き始めたのですが、地図の通りに歩いているはずなのに、どうしてつかないのかしら?徒歩10分って書いてあるのに、かれこれ30分は彷徨っているんですけど。なのにまだ、海の気配すら感じられないんですけど…。

道を聞こうにも人通りもなく困っていたところ、向こうの方に、犬を散歩させているご夫婦の姿が見えたので、このチャンス逃すまじと走ってゆき(息が切れた…)道を尋ねました。親切に説明してくださったのですが、え〜と、私、なんだか全然違うところに現在いるんですけど…。

この別荘地内、やたらと道が曲がりくねり、枝道があり、一本間違えるとえらい方向へ行ってしまいます…。やっとの思いで海岸にたどり着き、潮風堪能。徒歩10分なら、体操前の朝のお散歩に丁度いいかなと考えていたのですが、次回、自力でたどり着く自信がありません。やめとこ。



迷っている途中で見つけたあじさいのつぼみ

その後も別荘地内をさまよい歩きましたが、陽光に木々の緑が美しく、写真など撮りながら初夏のお散歩を楽しむことが出来ました。自分では、食べてない割には元気かもと思っていたのですが、写真をとるためにかがみ込み、急に立ち上がったりすると、やはり少しふらつきます。気をつけないといけません。

保養所に戻り、お昼からは理学療法を1時間半ほど。
いろいろあるのですが、基本は、とにかく体を内側から温める。断食をしていると、体って冷えるそうなのです。5〜6種類の機械にかかりましたが、その気持ちよさに殆ど熟睡状態でした。

病院で断食、もしくは道場などで断食、という場合には、断食以外にはけっこう放っておかれる事が多いそうなのですが、(何?頭痛?断食してれば当たり前でしょう、みたいな)こちらの保養所では断食に伴う不快な症状を、この理学療法でとにかく軽減させてくれるので、安心して断食が楽しめます。(←無理矢理ポジティブ)

理学療法のあとは、自然食講座、難しいので名前を忘れてしまいましたが、二人一組で行う、足踏み指圧(?)の講座に参加しました。

自然食講座は、玄米を中心とした食生活への見直しが、いかに大切かということ。現在の食生活は、戦後海外から入ってきたもので、歴史から言うと、わずか数十年で食生活が激変したこと。そしてその食生活は、日本人をはじめとするアジア人にはなじまないのだということ
(一例として西洋人と東洋人の腸の長さの違いが何を意味するのかと言うことを話されました。長くなるので割愛)
などを話されました。

わかる、わかるんですよ。私も玄米ご飯とか雑穀ご飯とか大好きだし、肉と魚、この先一生どちらを食べるか選べ!といわれれば、迷わず魚を選ぶと思います。でもしかし…。

ケンタッキーフライドチキンをこよなく愛している私は一体どうしたら、TVの前でのサッカー観戦にはやっぱドミノピザが一番よね、という私は、一体どうしたらいいでしょう。やめよう、これ以上食べ物のことを考えるのは…。いきなり胃がきゅ〜っと反応を始めてしまいました…。

まぁ、そうしょっちゅう食べているわけではないので、いいとは思うのですが、自然食への道は遠く険しいです…。

この日は夕方お風呂に入った後、日記などちょこっとつけて念願の持参小説に没頭。しかし眠気に負けて24:00には就寝してしまいました…。読み終わるんだろうか、不安だ〜

2004年05月01日(土)
FIRST NEW INDEX MAIL BBS