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GW前日のことなど


夜、旅行の為の荷物を小さいスーツケースにパッキングしていたら、自分で決めたこととはいえ、ちょっと暗澹とした気持ちになってしまいました。これに水着とサンオイルをプラスしてパスポートを持てば、このままリゾート旅にも行けるのに…。今更ながらに後悔が募ります。

今回のゴールデンウィーク、向かうのは成田空港ではなくて伊豆の高原。目的は断食です。

4月30日を休めれば7連休も夢じゃないという、たいへんに暦のよい今年のゴールデンウィーク。ピーク時の旅のご予約はお早めにということで、冬もまだ寒い頃に色々と行き先を考えてみたのですが、いまひとつピンと来ないというか、混雑の成田空港と飛行機での移動を想像するだけで、その時はなんか疲れてしまったんです。

「機上の人になる」のが何よりも好きな私が、一体どうしちゃったのかしら?

で、GWに何をしたいのか考えてみたところ、単純にだらだらしながら本を読んで過ごしたかっただけなのに気がつきました。それなら家でもできるじゃない、と言われてしまいそうですが、ちょっと違うんですよね。あくまで非日常空間に身を置いてだらけたい、というのが希望だったのです。なので、南国リゾートはいつもなら最良の選択なのですが。

それじゃあ国内でも、とも思ったのですが、温泉旅館で出てくるあの多量な料理を想像するだけで、なんか疲れる。食事なしという選択もありですが、GWの観光地で、一人外に出かけてわびしい食事を取るのもなんだかな、どうしようかと思い悩んでいたときに目にしたのが、とある女性誌の、断食特集でした。

保養施設に宿泊して、東洋療法を受けながら3日間断食をして、同じ日数をかけて徐々に普通食に戻していく、というプランが紹介されてたんです。。初夏の伊豆、緑の高原、しかも温泉付き。これってリゾートですよね?断食をするだけなので、日中も夜もものすごく暇そうです。食べることすら考えず、だらだら本だけ読んでいればいい生活、それってすごくいいかも〜、と思った瞬間に深く考えることなく予約を入れてました。

でもね、ここにきて…。
もし、海外旅を選択していたら、明日は機内で昼間からお酒が飲めたのにな〜(←結局それですか…)と思うとね、なんだかなぁっていう気分になってしまうんです。酒はおろか、明日からなんにも食べられないんですよ?

そんなことを思うのも、想像力が欠けていたと言ってしまえばそれまでなのですが、出発が近づくにつれ、3日もご飯を食べないという事が、急に恐くなり始めたのです。

1週間くらい前から、食べることに対してすごく卑しくなっている自分を発見。体が防御態勢に入っていたのかもしれないのですが、食べる量が、急に増えたんです。私は元々、ある一定の量を食べてしまうとそれ以上箸が進まず、ごちそうさま、となるパターンが多いのですが、この時期の私の胃袋、まるで底に穴の空いたバケツのよう。食べ物、いくらでも入る。満腹感が来ない。これってどういう事〜?過食という言葉が頭をかすめ、少し恐くなりました。

それほど空腹感も感じていないのに、突然、“肉が食べたい〜!!!”と、取り憑かれたようになり、一人でステーキハウスに行ってしまったりもしましたよ。パンかライスかと言われて選んだのは、油ぎとぎとのガーリックライスです。どうしちゃったんだ、自分…。

私は3日間物を食べない、ということを、たまには内蔵の休憩にもなるし、いいんじゃない?と、ごくごく軽く考えていたのですが、1日ご飯を食べないのと、3日間ご飯を食べられないのとでは、全然違うと思うよ?という知人の言葉を聞いたり、「どうしてまた断食なんか?」という質問を多々受けているるうち、だんだん怖じけずいてしまったのかもしれません。それでもまあ、キャンセル料を払うのももったいないし、何事も経験だし、と自分に言い聞かせ、前日の夜は就寝。

ちなみにこの日の夕食は、冷たいおうどんに、納豆、やまいものとろろ、オクラ、温泉卵をのっけた物。
暴飲暴食で最後の晩餐、というのも考えないことはなかったのですが、どうせ断食するなら、効果を最大限に出したい、という姑息な気持ちが勝ったようでした…。

2004年04月29日(木)

1日目





保養所の部屋の窓から見える景色
小さすぎてなにがなんだかわかりませんが


朝起きて布団を抜け出すと、いつものように寝ぼけまなこでまず冷蔵庫へ。
野菜ジュースを取り出し、ストローをつっこもうとしたところでいきなり目が覚めて気がつきました。
…これって飲んじゃいけないんだよな。

断食は、まだ家にいる今日の朝から既に始まっているのです。
ご案内頂いたハガキには、「入所日は朝から何も食べないでください。水(ミネラルウォーター)はお飲み下さい」と書いてあったんでした。忘れてた。

仕方なく冷蔵庫からミネラルウォーターを出して飲んだのですが、なんか、気分が一気にずーんと盛り下がります。私、朝ごはんはいつも殆ど食べないのですが、そのかわりに、

野菜ジュース(もちろん市販のパック入り)
青汁の豆乳割り(馴れれば美味しい)
黒酢の炭酸水割り
各種サプリメント
+たまにバナナ・気が向けばコーヒー

というようなものを、毎日ほとんど何も考えることなく自動的にとっています。その流れがしょっぱなから切断された私は、あやうくパニックに陥りそうになりました。いやまじで。だってね、気がついてみれば、家中、敵(=食べ物)だらけなんですよ。
突然、台所に転がっていた生のままのタマネギに、かぶりつきたい心境に駆られました。食べてはいけないって、すごいストレスなんだ…。

仕方なく水を飲みながらTVをつければ…。いままで考えたこともありませんでしたが、食べ物のCMって意外と多いのですね、というか、わたしがそういう状態なので異常なまでに反応しているだけなんですが、か、かんべんして〜!!!って感じです。

あまりにいらいらと落ち着かないので、予定を一時間繰り上げて家を出ることにしました。

東京駅へ出ると、丁度よく伊豆へ向かう踊り子号があったので、乗り込んだのはいいのですが…。どうして乗り込んでくる客、客、みんな弁当買ってくるかな〜(←すでにやつあたり)
電車が走り始めると、どこからともなく車内に食べ物の匂いが広がりますよ。途中駅で止まるたび、手に手に弁当の袋をぶら下げた方々が乗ってくるんです。つらいんですけど…。

そこのおっさん、朝っぱらから車内販売でビールなんか買わないように、きーっ!!!

降車駅で降りてみれば、名物の海鮮弁当とか、ソフトクリームとかが目の前で売られていて、もう見ない見ない、というわけで荷物重いのにコンコース内をだだだっと走り抜け、タクシーに飛び乗りました。ふぅ、これで一安心。

保養所にたどり着き、名前を告げると、すぐにお部屋に通してくれました。
8畳ほどのお部屋に、ベットが二つ。小さな机とスタンド、洋服ダンス、ビデオ付きTV。すごく簡素な作りですが、一人で使うにはこれで充分。

渡された問診票にいろいろと記入して、楽なスウェット上下に着替え、治療室へと向かいます。おそるおそるドアを開けてみると、さすがにGW、芋の子を洗うような状態で人がたくさんいらっしゃいます。療法を受けていらっしゃる方を含め、20名弱くらいかな?この人達、みんな断食の人なんだ〜、と思うと、なんだか嬉しくなってしまいました。ひとりじゃないんですよ、つらいの。

体重と体脂肪、内臓脂肪量を計った後は、東洋療法。手と足をお湯に浸して温めたり、赤外線を照射してもらったり、「吸い玉」(真空浄血法)にも、挑戦してみましたよ。真空のガラスのコップを背中にぱこぱこくっつけると、真空が流れの滞っている古い血液を表面に吸い上げてくれるそうなのです。弱点は、あとが残る、って事。早い人で1週間、遅いと1ヶ月くらい跡が消えないこともありますが大丈夫?と聞かれ、なんの躊躇もしなかった、っていうのは、やっぱまずかったでしょうか?

いくつかの療法を受けた後、診察室へ。問診の後、自律神経の働きを調べる“良導絡”というもので、全身の機能のバランスを調べます。私の場合は、内蔵などの数値は適正範囲内だけれども、肩のあたりと、目の数値が高いとのこと。はい、自覚してます…。こんな日記、つけてちゃいけないんです…。

その後、少し部屋で休憩した後、3:30からオリエンテーション。断食中の注意事項等や施設の説明などを受けます。断食中は、血糖値が下がってぼーっとしやすくなるので、くれぐれも気をつけて、などの説明を受け、ビネガー酵母液(玄米から作られた自然酢と酵母液をブレンドしたもの)を渡されます。

また、断食反応(頭痛・おう吐感など)が現れたときに、症状を軽くするもとして梅干しが渡されたのですが、私、この梅干しを見た瞬間、パブロフの犬のように、よだれがだだ漏れになるかと思いました。私の意思じゃありません。脳が唾液を大量に分泌させているんです。食べたくて食べたくて、死にそうになっちゃいました。

この後、食堂に薬草茶を取りに行ったのですが、回復食を食べていらっしゃる方の料理の匂いにダイレクトに直撃され、つらかったです。脳と胃が、即座に反応しますよ。

断食中に飲んでいいのは酵母ドリンクと水、薬草茶のみ…。特に水は1.5〜2リットルほどは摂取しないと、断食で濃くなった血液を薄めることが出来ないのだそうです。

この日は、夕方を過ぎ辺りから、断食反応なのか頭痛が出始めました。水を大量にとるしか対処方法はないのですが、すでに、水で、おなか、たぷたぷだよ〜。というわけで、意外なことに空腹感を感じる余裕がなかったのが救いでしょうか。

日記なども書き始めたのですが、低血糖のせいか、とにかく集中力が続かず思考がまとまらず、効率悪いことこの上なしです。この施設は無線LANが使えるので、PCさえ持ち込めば、断食しながら仕事が出来ないこともありませんが、やっぱり、無理なような気がしますよ…。

持参した小説も、内容が頭に入ってこないので、読むのは取りやめ。ということで、この日は図書コーナーにあった「ファンシーダンス」岡野玲子著を読み始めたのですが、頭痛くても、まんがって読めるものですね。昔、大好きだったんですよこの作品。というわけで、だるいの、頭痛いのいいながら、結局夜中の1:00までかかって9巻全部読み切っちゃいました。

寝ないと…。明日は朝の8時から体操です。

2004年04月30日(金)

2日目




お散歩中に見つけたお花
タンポポでしょうか?ピンクだけど


「8時から気功体操を行います、トレーニングルームにお集まり下さい」

布団をはねのけ飛び起きるなり、げーっ、あと15分、と思いながら大急ぎで身支度を整えて階下に向かいます。

気功体操は15分ほど。ゆっくりとした滑らかな動きで、体の隅々までのばすのはとても気持ちよかったです。曲が大仰な中国らしいメロディーなのが、笑えましたけど。

この日の朝の空腹レベルですが「腹減った〜!!!」という段階はすでに超えてしまったのか、胃が重たい感じがするものの、べつにつらいという程ではありません。

ビネガー酵母が甘くて美味しく、それを飲むだけでも、結構しのぎやすいのです。あとは、口が寂しくなったらお茶を飲んで、といった感じです。水は、気がついた時にコップ一杯。

この日の理学療法は12:00過ぎからだったので、午前中、少しお散歩に出てみることにしました。この保養所は温泉郷内のとても広い別荘地内にあり、この中をぐるっと歩くだけでも、けっこうな運動量です。

受付で地図をもらい、まずは海岸に向かって歩き始めたのですが、地図の通りに歩いているはずなのに、どうしてつかないのかしら?徒歩10分って書いてあるのに、かれこれ30分は彷徨っているんですけど。なのにまだ、海の気配すら感じられないんですけど…。

道を聞こうにも人通りもなく困っていたところ、向こうの方に、犬を散歩させているご夫婦の姿が見えたので、このチャンス逃すまじと走ってゆき(息が切れた…)道を尋ねました。親切に説明してくださったのですが、え〜と、私、なんだか全然違うところに現在いるんですけど…。

この別荘地内、やたらと道が曲がりくねり、枝道があり、一本間違えるとえらい方向へ行ってしまいます…。やっとの思いで海岸にたどり着き、潮風堪能。徒歩10分なら、体操前の朝のお散歩に丁度いいかなと考えていたのですが、次回、自力でたどり着く自信がありません。やめとこ。



迷っている途中で見つけたあじさいのつぼみ

その後も別荘地内をさまよい歩きましたが、陽光に木々の緑が美しく、写真など撮りながら初夏のお散歩を楽しむことが出来ました。自分では、食べてない割には元気かもと思っていたのですが、写真をとるためにかがみ込み、急に立ち上がったりすると、やはり少しふらつきます。気をつけないといけません。

保養所に戻り、お昼からは理学療法を1時間半ほど。
いろいろあるのですが、基本は、とにかく体を内側から温める。断食をしていると、体って冷えるそうなのです。5〜6種類の機械にかかりましたが、その気持ちよさに殆ど熟睡状態でした。

病院で断食、もしくは道場などで断食、という場合には、断食以外にはけっこう放っておかれる事が多いそうなのですが、(何?頭痛?断食してれば当たり前でしょう、みたいな)こちらの保養所では断食に伴う不快な症状を、この理学療法でとにかく軽減させてくれるので、安心して断食が楽しめます。(←無理矢理ポジティブ)

理学療法のあとは、自然食講座、難しいので名前を忘れてしまいましたが、二人一組で行う、足踏み指圧(?)の講座に参加しました。

自然食講座は、玄米を中心とした食生活への見直しが、いかに大切かということ。現在の食生活は、戦後海外から入ってきたもので、歴史から言うと、わずか数十年で食生活が激変したこと。そしてその食生活は、日本人をはじめとするアジア人にはなじまないのだということ
(一例として西洋人と東洋人の腸の長さの違いが何を意味するのかと言うことを話されました。長くなるので割愛)
などを話されました。

わかる、わかるんですよ。私も玄米ご飯とか雑穀ご飯とか大好きだし、肉と魚、この先一生どちらを食べるか選べ!といわれれば、迷わず魚を選ぶと思います。でもしかし…。

ケンタッキーフライドチキンをこよなく愛している私は一体どうしたら、TVの前でのサッカー観戦にはやっぱドミノピザが一番よね、という私は、一体どうしたらいいでしょう。やめよう、これ以上食べ物のことを考えるのは…。いきなり胃がきゅ〜っと反応を始めてしまいました…。

まぁ、そうしょっちゅう食べているわけではないので、いいとは思うのですが、自然食への道は遠く険しいです…。

この日は夕方お風呂に入った後、日記などちょこっとつけて念願の持参小説に没頭。しかし眠気に負けて24:00には就寝してしまいました…。読み終わるんだろうか、不安だ〜

2004年05月01日(土)

3日目




山道お散歩途中の木漏れ日


「おはようございます。お元気そうですね」
気功体操が始まる前のことでした。昨日の指圧講習の時にペアを組んだのが縁で仲良くなった方から一言。

…そうなんです、困ったことに私、元気なんです。食べてないってのに朝から活力漲っちゃってるんです…。

声をかけて下さった方は、明け方に断食反応が出たとのことで、おう吐感がひどくて眠れなかったとおっしゃってました。お顔の色も悪く、だるくてつらいとのこと。これは体が毒素を排出しているというサインなのですが、では元気いっぱいの私の体からは、毒素は排出されていないのかしら…。

気功体操の後、理学療法のため施術室に入ってみると、担当の先生に「あら、お元気そうですね?お顔の色すごくいいですよ」と言われました。
断食なんかに負けないと、体が頑張っているのかと思いきや人間の体とはよくしたもので、断食が進んで体脂肪が燃焼される段になると、ケトン体という代謝物質が出来て、それが脳に働きかけ、高揚感に見舞われることがあるそうです。

“断食ハイ”ですか…。
つらいよりはいいんですが…。

なんか体力も大丈夫そうだし、ということで理学療法後はお外にお出かけ。近くにある自然研究路というウォーキングコースを歩いてみることにしました。
海沿いの道といっても、海側はがけが切り立っているので実際は山の中を歩くそうなのですが、受付で聞くと全部歩いて3時間半くらいということで、ちょっときつめですがまあ大丈夫でしょうと歩き始めたのですが…。

これがけっこうな山道で、落ち葉が積もった細い道は勾配もきつく、ちょっとした坂道を上がるだけで息が上がります。無理をしないように休み休み歩を進めました。3時間半で歩き通すのは、絶対無理だ。いくら自分で体調がよいと感じても、そりゃあ食べてないのですから体力はかなり消耗しているんだという事に、遅まきながら気づきました。でも森の中は風もここちよく、木漏れ日がきらきら輝いてとてもきれい。とりあえず行けるところまで行ってリタイアしようと亀の歩みを進めます。


山道はこんなかんじ


途中で吊り橋を渡ったり、階段を降りて海辺にでてみたり。
やがて川にぶつかると、川縁には遊歩道が整備されていて、とても歩きやすいのです。これなら歩き通せるかもと気持ちが軽くなったところで、目の前の遊歩道、いきなり消失。その先にあるのは、ごく普通の車も通る一般道です。あ、あれ?なんで?

地図とにらめっこでよ〜く考えてみると、海沿いの道をずっと行くためには、川を遡ってはいけな〜い、ということに気がつきました。川沿いの道は、町中にでるための遊歩道。ぼーっとしていたため、行かなければならない道を見失っていたわけです。

どうしようかと悩んだのですが、最初の山道のような自然路、その時まだ四分の一くらいしか歩いておらず、引き返してその後の行程を行くのは、体力的にとても無理だろうと判断しました。後日のリベンジを誓って、おとなしく駅に向かって歩きます。

駅前は、初日に降り立ったとき、あまりの食べ物屋の多さに辟易したところなのですが、今日は果敢にチャレンジです。大丈夫、もう何をみても心は揺るぎません。羨ましくはありますけどね。途中にあったお魚屋さんをのぞくと、
“今日水揚げされた魚で、お持ち帰り用のお刺身調整致します”とあるのを発見。
東京に帰る日までそこで待ってろよ〜、絶対持ち帰ったる!!!

こまごました買い物をして(久しぶりにお金使いました…)保養所へと戻る途中に、大きな干物屋さんを発見。おみやげのあたりをつけておこうと立ち寄ったのですが。

教訓:試食コーナーのあるところに近づいてはいけない

ふらふらと試食物に手を出そうとしている自分に気がついてはっとしましたよ。まったく、食欲ってやつは…

断食中に下手に固形物を胃の中に入れてしまうと、胃けいれんをおこして救急車で運ばれてしまうこともあるということを聞いていたので、少し青ざめました。

頑張るんだ、私。と思うものの、ちょっと食欲に目覚めてしまったばかりに、途中のドライブインではためいている「サザエ定食」という文字をみて、あぁ、伊豆は魚介類の宝庫なのに、美味しいものも食べないで、私は一体何をやっているんだろうと少し遠い目になってしまいます。

余計な食べ物を目にすることがない安全な保養所へ帰り着き、汗を流すためにお風呂へ。小さいですが温泉です。断食中に湯船につかるのは「倒れると危険なので3分以内」という規則を破って、ながながと昼風呂を楽しんでしまいました。

この後はマッサージ。施術室へと向かいます。

腰が重くてだるかったので、その事を先生に告げると「事務職でしたよね、やっぱり腰痛でましたか」と言われました。断食中はその人の弱いところが、痛みになって現れるらしいのです。
「どうします?お灸試してみますか、効きますよ」
というわけで、生まれて初めてお灸をすえられるという体験をしました。絶対に跡がつかないという保証付きだったもので。

「火がつきます。ちょっとちりちりしてきますが、我慢できるようだったら我慢して下さいね」といわれ、あぁ、ちりちりってこの事か、この程度だったら大丈夫とのんびりかまえていたら、熱い、熱いですよ先生?

「どうします?もうちょっと我慢できますか?」
しますよ我慢…、あぁ、でももうダメ限界〜、と音をあげるまでに要した時間は、多分1分、よくて1分半くらい。すごく長く感じられたんですけど、多分そんなものでしょう。根性なしだ…。

その後の指圧はとても心地よく。
私が通っている整骨院の先生は、笑顔で、ここ痛いですか?痛いですね〜ぐりぐりぐりという鬼のような治療をするので、指圧と聞きちょっと身構えていたのですが、あぁ、これだったら毎日でも通いたい。

体が軽くなったところで部屋に戻り、その後は読書三昧を楽しみました。23:00に眠気に負け就寝。健康的なことこの上なし。

2004年05月02日(日)

4日目


き、気持ちが悪い〜、私、昨日そんなに飲んだっけ?と思いつつ目が覚めたのは、まだ夜も明けきらない早朝のことでした。もちろん断食中に酒など飲んでいるはずもなく、すぐに断食反応だと気がついたのですが、だすものもない空えづきはとてもつらく…。

明かりをつけて、事前に教えられていたとおり薬草茶を少し飲んで、梅干しを口に含んでいると吐き気は徐々に落ち着いてきました。が、それがやっとおさまると、今度は動悸が激しくなって、冷や汗が…。

すぐにベットに横になり、大丈夫、大丈夫、大丈夫と自分を落ち着かせていると、だんだんと心臓の鼓動も落ち着きを取り戻してきたようだったので、安心してうとうとし始めると、襲ってきた激しい頭痛と右目奥の鈍痛に目が覚め、結局朝まで寝付くことが出来ませんでした

そうこうするうち、8時の気功体操の時間になり、ふらつく足で手すりにすがりながらよろよろと階段を降ります。
これが断食反応か…。確かに、すごくつらいです。

単に手足をぶらぶらさせていただけの気功体操後、部屋に戻り、ビネガー酵母液を飲むと、やっと少し気分が落ち着きました。頭痛も、我慢できないほどではありません。まだ力は沸かないものの、朝ご飯のことを考えると、少しづつ、気分が高揚してきます。

そう、今日は夢にまで見た、補食開始の第一日目なのです。うれしいよ〜!!!(小躍り)

時計の針が10:00ジャストを示すと、いそいそと階段を食堂へと下りてゆきました。階段の途中から、もうすでに、暖かい、いい匂いが漂ってきています。食堂の扉を開けた途端記憶によみがえってきたのは、子供の頃に泊まりに行った朝の、おばあちゃんの家の台所の匂いでした。ガラガラってする引き戸が似ていたせいかもしれません。

指定された席について待っていると、やがてお盆の上に載せられた朝ご飯が運ばれてきます。


断食ブレイクの1食目は、重湯、野菜スープ、梅干し一個。
48キロカロリー


食事を目の前にして、思わず手を合わせそうになりました。が、なんだか気恥ずかしくて結局そうすることはせず、重湯のおわんのふたを取り、まずはゆっくりと心ゆくまで香りを楽しみます。

これ、本当に食べてもいいんですよね?

あわてるなと自分に言い聞かせ、まずはお茶で気分を落ち着けます。そのあとに、野菜スープを一口。野菜だけで煮出された、混じりけのない滋味を含んだ甘みが舌の上に広がります。その瞬間、全身の細胞が一斉に反応したような気がしました。磁石に砂鉄が吸い付くような感じ。

その後で頂いた玄米の重湯は、とろっと淡泊でほのかに甘く、口の中は、ほとんどワインのテイスティング状態です。

一さじずつ時間をかけて、ゆっくりと頂きます。少し遅れていらした隣の方は、運ばれてきたお椀を前にとても自然に手を合わせ、一礼してからお椀のふたを取っていらっしゃいました。

普通に3食とっている方から見れば、そんなの食事じゃないよというメニューにもかかわらず、同じテーブルについていらっしゃる方達と、おいしいですね〜、生き返る心地がしますよね、などという言葉をかけあいながら、大切に大切に味わいます。

私と同じテーブルに着いていたのは全部で6名で、この方達とは同じ日に断食を始めていたのでお顔は知っていたものの、いままで親しく話す機会もなかったのです。それが、食べ始めると同時にすっかりとうち解け(ものの3分ですよ…)その後は、にぎやかにおしゃべりが始まりました。

断食中のつらかったことや、今まで自由時間に行ってみた観光地のこと、断食が終わったら食べたいもののことなど、話題が尽きないのです。会話って、食事をさらに美味しくさせる大切な要素なのだなと、しみじみ。

お食事をおえて「お先に〜、また夕食の時に」(夕食、なんて素敵な言葉!)と声をかけ、部屋へ戻りました。今日の理学療法は午後からなので、それまでの時間を、本を読むことに費やします。

理学療法を受け、部屋に戻るともう2時半。日中はお散歩が奨励されているのですが、5時からのお夕食に遅れてしまうと困るし。というわけで、この後はコインランドリーに洗濯物をつっこみ、戻ってくると持参したキリンジビデオを鑑賞です。あぁ、心がうるおう……。(←興味ない方、この辺読み飛ばして下さい)

その後は、朝の続きの読書を開始。はっと気がつくと、5時を少しまわっていて、あわてて食堂へと降りてゆきます。

夕食のメニューは、朝と殆ど同じですが、梅干しが2個に増えていて、野菜スープにはお麩が2つ浮かんでいます。あぁ、具が入ってる…。


お麩二つと梅干しが1個増えて、60キロカロリーになりました


冗談かと思われるかもしれませんが、同じテーブルについているメンバー、このご飯を30分近くもかけて食べてるんですよ。

このお夕食を食べながら、歯の役割を久々に思い出していました。お麩をお箸の先で小さくちぎって、その一片を口に運び軽く奥歯で押しつぶすと、まず野菜スープがじわ〜っとにじみ出て、そのスープの味がなくなると、お麩そのものの味が、口中に広がるんです。それをきゅっ、きゅっ、きゅっと噛んでごっくん。私、今までお麩なんて殆ど噛まずに飲み込んでいたかもしれません。

テーブルにお一人、リピーターの方がいらっしゃって、今回はお食事の間、その方に色々と質問が飛びました。どうしてもう一度来ようと思ったんですか?断食の後に、体重がリバウンドしたりしませんでしたか?まだ実感がないんですけど、肌がキレイになるって本当ですか?などなど。どの質問にもその方は丁寧に答えて下さり、聴き入る断食初心者一同。

前回の断食の体験から、家に戻った後のことや、断食後に気をつけなければならない事等、いろいろと話して下さいました。

部屋に戻ってしばらく日記を書いた後はお風呂にGO!今日ものんびり長風呂堪能です。

お風呂の後は、まだそこはかとなく続いていた頭痛もすっかりとれ、久しぶりにすっきりとした気分。これから眠たくなるまで本を読んで、寝て起きたら朝ご飯ですよ。嬉しいなぁ。

2004年05月03日(月)

5日目


夜中に、ぐるぐる、ぐー、ごろごろごろという音がうるさくて目が覚めてしまいました。もう、なんなのうるさいな〜と思って確認してみたら、なんと自分の胃やら腸やらが鳴っている音でした…。

久々に入ってきた食事に、はりきって仕事をしているようですが、あれを食べたの、夕方の5時頃で、今、多分夜中の3時過ぎなんですけど…。あれっぽっちの食事、もうとっくに消化し尽くしちゃってるんじゃないのかなと思うんですが、私の内蔵、3日も休んだので働きたくてしょうがないのかしら?

朝はいつも通り8時に気功体操、その後続けて理学療法があり、その後は待ちに待った朝ご飯です。お腹が空いたよ〜。
食堂に行って、いそいそとお茶を入れて待っていると、運ばれてきましたよ、私の朝ご飯。



127キロカロリー

おかゆの中にごはんの粒が見えます。おみそ汁なんて久々に見た気がします。ほうれん草と油揚げが浮かんでる〜。緑色のものが入っている小鉢は、ケールとにんじん、りんご、お酢、酵母をミキサーですりつぶした物だそうです。久しぶりに、人間らしいお食事ですよ。嬉しい〜

思わずがっつきそうになる自分を戒め、まずはお茶を一口、そして、おもむろにおみそ汁を一口。
………おいしいよ〜、胃の腑にぎゅっとしみるよ〜(感涙)
ものすごく薄味なのですが、鰹節でしょうか、だしの味がとてもよく効いているのです。

ほうれんそうを一枚つまんでぱくり。葉っぱの部分と茎の部分とで、歯触りが大分違います。次に玄米のおかゆに手をつけます。ほのかな甘みと穀物っぽい香ばしさが口の中に広がります。何回か咀嚼して、喉の奥に送り込みます。
あぁ、幸せだ〜

緑色の物は、見た目はなんですが、リンゴの甘みとお酢がほどよく調和して、ケール独特の青くささもあまり感じられず、デザートみたいで美味し〜、とわたしは思ったのですが、賛否両論だったようです。ビネガー酵母液がダメだった方は、やっぱりこれも苦手みたい。でも、難色を示していた方も、結局は残さず食べていらっしゃいました。ちょこっとでも、お腹の足しにしとかないとね。酵母も入っているし、すっごくヘルシーですよ。

おみそ汁があまりにも美味しかったので、調理の方にだしのとり方を聞いてみたところ、鰹節と昆布と干した小魚でとっているとのことでしたが、「いいもの、つかってるわよ」と、ちょっと得意そうでした。ちなみに鰹節はパックに入っている物ではお話にならないそうで、その都度削りたてのものを使っていらっしゃるそうです。

でも、きちんとしただしが取れれば、おみそをほんの少し入れた程度で、ちゃんとしたおみそ汁になるんだ。家に帰って、研究してみようかと思います。早速、鰹節削り機を買わなくっちゃ(←1回使ったらその後出番なし、という気がちょっとする)

部屋に戻って、一日何しようかと考えるのですが、昨日はお散歩をはしょってしまったので、今日はどこかに行かねばなるまい。雨降っているのにやだな〜と思っていたのですが、そういえば、この近くには立ち寄り温泉が何ヵ所かあるのでした。補食2日目から外の温泉に行っていいことになっているので、お散歩がてら、片道30分のところにある温泉に行ってみることにしました。別荘地内を通り抜け、国道に出てみると、車渋滞中で、上下車線とも動いていません。立ち寄り湯の駐車場も満車で、入りたい車が長蛇の列をなしています。あ、失敗した、温泉、人がいっぱいかも。

お金を払って女湯に行ってみると、空いているロッカーを探すのも一苦労な混み方でしたが、内湯も露天も広いので、そんなに混み合っている感じではなく、ゆっくりとお湯に浸かることが出来ました。露天風呂からは、お天気が悪くて霞んでしか見えないものの、目の前に海を一望することもできて、あぁ、やっぱり大きいお風呂っていいですね。自分の体力と相談しながら、短い時間で、出たり入ったりを繰り返しました。料金分の元はとったと確信したあと、保養所へ戻ります。

出かける前は、雨の中を歩くのは嫌だなと思っていたのですが、帰り道の別荘地内、そぼ降る雨に空気はしっとりと落ち着いていて、マイナスイオンが充満しているのでしょうか、なんだかとっても気持ちがよくて、少し遠回りをして帰りました。



1日雨でした…

部屋に戻って窓を開け、外の気持ちのいい空気を部屋いっぱいに入れてみると、微風と一緒に流れ込んできた藤の花の甘い香りが部屋の中にふわっとひろがります。小鳥のさえずりも聞こえますよ。

とりあえずこの後は読書の続き。ちょっと疲れて目を上げると、雨に濡れた木々の緑が、目を休めるのを手伝ってくれます。気分だけは、高原の別荘で、優雅に読書をする私、です。

外はまだ明るかったので油断していたら、もう5時過ぎ。お夕飯の時間です。食堂に行かなければ。



221キロカロリー

どうしたんですか?多いですよ、品数が。普通のご飯みたいですよ?
メニューは、朝と同じ玄米のおかゆ、じゃがいものだし浸し、お豆腐とお麩のだし浸し、そして朝も出てきた緑のデザート(←勝手に命名)です。
うわ〜、何から食べよう…。

よし、最初はじゃがいもからいくぞ、ぱく。
……ちょっと待って、じゃがいもってこんなに美味しかったですか?口に入れてちょっと歯をあてると、ほろっと崩れるほくほく感から広がる甘みが、何とも言えません。おだしが染みてるという程でもないのですが、口の中でほろほろのじゃがいもに、影ながらうまみを添えてみました、という控えめな感じが、素材の味を更に引き立てていて、ちょっと感動の一品です。

お豆腐はお箸で一枚をを8等分にわけ、ひとつひとつ、美味しく頂きました。だしの染みたお麩も、食べてしまうのがもったいなくて、ちびちびゆっくり食べていたところ、なんとお食事を半分と少し食べ終わったところで、満腹中枢から「もうおなかいっぱーい、食べるのやめー」の指令がだされました。

やだ、もっと食べたい!!!(←食い意地が張っている)というわけで、結局全て完食したのですが、はっきり言って満腹、おなかぱんぱんです。あ、まだこの後、緑のデザートも食べなきゃですが、甘酸っぱく美味しい物は、別腹でいけそうです。

部屋に戻って日記を書いて、8時半を過ぎた頃にお風呂へ。昼間浸かっているにもかかわらず、またけっこう長い時間、お湯を楽しんでしまいました。この後は読書の続きなんですが、今、いいところなんです。夜更かしをしてしまうかも…。

2004年05月04日(火)

6日目


「8時から、気功体操が始まります」という館内放送で目が覚めました。

ベットの中で時計を確認してあらびっくり、あと5分しかありません。いつもは15分前に放送があるんだけど、とか言っている場合じゃありません。
とりあえず洗面所で髪をぬらしてとかして歯を磨いて顔を洗ってお手洗いに行って部屋に戻って着替えてお水飲んで。
…人間、いざとなれば起きて5分で身支度整えられるんだな。

気功体操が終わると、昨日夜半から今日にかけての大雨の影響で、電車が止まるおそれがあります、というお知らせがありました。
いざとなったら、電車の動いている修善寺まで車でお送りしますからご安心下さい、と言ってらっしゃいましたが、私の帰る明日は大丈夫でしょうね?やむんだ雨!私には駅近くの魚屋さんで、刺身を買って帰るという使命が!!! 

体操の後は施術室で、20分ほどマッサージを受けてから部屋に戻ります。雨を眺めながらぼんやりしていると、やがて朝ご飯の時間です。


337キロカロリー

今日の朝食はおうどんです。普通のお店屋さんで出てくる食べ物みたいです、やったー!!!
具は油揚げとにんじん、まるごとのしいたけ、ほうれん草、お麩、長ネギ。どれから手をつけたらいいのか迷ってしまいましたが、とりあえずはつゆを一口。ふぅ、おいしい。
このお椀の中の物、全部食べていいんですよ。つゆも飲んじゃっていいんですよ。思わずにんまりです。

具をそれぞれ一口ずつ囓り、最後に人参をつまみ上げます。
1.5センチほどの厚さがあるのですが、すごくやわらかく煮込んであります。いい仕事してますよ。でも、どうしよう…。

実は私、にんじんがあまり好きではなく、普段は大抵残します。1000円くれれば食べてもいい、という程度の嫌いさなので、たいしたことはないのですが。

加熱したにんじんの、変な甘さが嫌なんですよ。にんじんジュースとかは飲めるんですけどね。残すのも悪いし、と思って一口囓ってみると、あら?私、これなら食べられますよ。なんだろう、生のにんじんに近いような自然な甘さで、これ美味しいですよ?ここのにんじんが特別なんでしょうか?

さて、具の下に隠れていた平たい麺を引っ張り出してみると、それはきれいな緑色をしていました。聞けば春菊を練り込んであるそう。あまりにもったいなくて麺を啜るということが出来ず、もちもちとした歯触りを楽しみながら咀嚼していると、草のよい香りが鼻腔に広がります。5月ですね(違)

おうどんを食べ終えて、お茶を一口。次はグラスのヨーグルトに手をつけます。これも自家製で、味は市販の物と比べると、かなり酸っぱい感じ。私は好きだな、こういうの。
その後でお気に入りの緑のデザートに手をつけます(←毎食出るみたい☆)お腹がいっぱいすぎて、途中で口にスプーンを運ぶ手が止まりそうになりますが、食べたいんだよ〜。出でよ、別腹!

午後からは理学療法。その前に、体重、体脂肪を測定し、診察室で良道検査です。数値的結果を言うと、今回の断食では、体重2.5キログラム減、体脂肪率変わらず、といったところでした。

良道検査の結果も良好で、最初の検査では肩と目の部分が高かったのですが、それもだいたい他の数値とそろい、グラフは平坦に。あなたの場合は嗜好品(酒・コーヒー)に気をつければ、まぁ、大丈夫でしょうとのことでした。そう、その辺が問題なのは、重々承知…。

保養所を出て三日間くらいは胃が小さくなっているので、食べようと思ってもそんなに入らないので良いらしいのですが、3日目以降1週間以内くらいに、なんと空から食欲大魔王が降りてくるそうなのです。うわ〜、耐えられるだろうか…。その時に、きちんと食欲をコントロールできれば、断食の効果は続くらしいのですが。

その他の注意事項としては、断食の後の1週間というのは、腸が入ってくる物を余すことなく吸収するので、この時期の食生活がとても大切だとのこと。

飢餓状態開けに、たとえば甘い物や、脂っこい物、化学調味料をふんだんに使った物などを食べてしまうと、脳がそれを体のために必要な物だとインプットしてしまい、それらを食べていないと落ち着かない体にしてしまうそうなのです。気をつけなきゃですね。

とりあえず、あと1週間くらいは禁酒・禁コーヒーを貫抜いてみようかと思います。ありがたい事に、今は全然飲みたいと思わないんですよね、酒もコーヒーも。娑婆に出てみたらどう感じるかはわからないですけどね…。

理学療法の後は、長々と1時間も昼風呂を楽しんでしまいました。雨音を聞きながら入る温泉というのも、それはそれでけっこう落ち着く…。

3:00過ぎに部屋に戻って、明日の帰り支度など。洗濯物をコインランドリーにつっこんだのは、家に帰ってからの仕事を少しでも減らそうという魂胆。だいたいの物を片づける目星をつけると、お部屋の中、急にがらんとなりました。一週間なじんだ部屋とも、明日でお別れです。

そうこうするうち5:00になったので食堂へ。お楽しみの夕飯です。


213キロカロリー、朝より少ない…

わかめがたっぷりのおみそ汁に、玄米のおかゆ。おかゆは昨日より濃いめになってますよ。そして野菜の白和え、緑のデザート。

おみそ汁のわかめはけっこう肉厚で、噛みごたえあり。おかゆも、つぶつぶをきゅっきゅっとかみつぶすと、更にうまみが染み出ます。
特筆なのは白和え。私、今までこんなに美味しい白和えを食べたことありません。うす〜く切った、にんじん、しいたけ、ほうれん草などが入っているのですが、お豆腐がぎゅっと濃縮されたクリーミーな味とからんで、大変美味しゅうございました。お話ししながらですが、結局1時間くらいは、食べながら食堂にいたでしょうか。

食事が終わり、部屋に戻ろうとしたところ、廊下の向こうの方でみなさま何か見ながら、立ち話をされてます。なんだろうと思って近づいてみると、そこはお買い物コーナーで、この保養所でも実際に使用されている、お勧めの食品が陳列されていました。

…弱いんだよな、こういうの。ついつい買ってしまうんです。

結局、断食中にお気に入りになってしまった酵母液と、明日からの食生活に備えて玄米ご飯の真空パックを購入してしまいました。あと、玄煎粉というやつ。玄米から作られたきなこみたいなものです。牛乳などに混ぜて飲むと良いらしいのですが、うちで毎朝飲んでいる青汁+豆乳に、これを加えてみようというのは、無謀でしょうか…。

2004年05月05日(水)
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