Missing Link

2006年02月26日(日) 馬鹿にしない


言葉は ただ言葉で

それ自体が
君の手を引いたり
君を抱きしめたり
君の問題を払い除けてあげたりする訳じゃないけど

それでも言葉は

幾重にも閉ざされた
鍵も扉もない世界に入り込み
灯りを
点すことも出来るのだ




2006年02月16日(木) 雨のち晴れ

彼はお店に、
「どしゃぶりだよ!」
と言って入って来た。

それから1時間後に、彼女は、
「傘いらなかったわ」
と言って入って来た。

彼はちょうど席を立つところだった。

お釣りを渡しながら、
『雨やんで良かったですね』
と言いかけてやめて、
「傘、預かっておきましょうか?」
と言った。

彼は驚いた顔をして、そして苦笑いを浮かべて
「・・・じゃ、頼もうかな」
と言った。

扉を開けた彼は
「星だよ!」
と言って振り返った。

私も近づいて空を見上げる。
ところどころ残る雲の切れ間から、
この街にしてはたくさんの星が見えた。

「キレイですね」

私がそう言うと、
彼は照れくさそうに、でも嬉しそうに笑って、
手を振って家路についた。

私はその背に向かって、一度頭を下げ店に戻った。

ありがとうございました。
幸せにしてくれて。

心の中でつぶやいて。





2006年02月13日(月) アップダウン

落ち込みやすい
自分の為にするのなら

落ち込んだ記録でなく
立ち直った記録を付けるべきなんだけど

きっかけがあったらそれどころじゃないし
きっかけがなければどこから書きとめるのか分からない


沈んだ時は大抵静かで
思う事も口に出してしまう事も
支離滅裂で美しく

つい
書き残してしまうのだ

夜明けの遅いのを
キレイな言葉で
呪いながら




2006年02月04日(土) わらの中身

神の啓示とまではいかないけど
通りすがりに
『これには何かの意味があるのではないか?』
と思う事がある。

でも所詮それは解釈次第だから
そこから導き出される『教え』は
元から自分の中にあったものなのだ。

心の声を
神の名に代えて
自分に課すというのなら
どうせ
正解のない道ならば

せめて
やりたい事を選ぼうと思う。
つらい道でなく。
楽な道でなく。


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翠 [HOMEPAGE]