夜の終わりに
離れても
いとおしい貴方
泣かないのではないの
泣けないのよ
涙を失くしてしまったの
遠い遠いあの頃に
くちづけなどいらないの
抱擁などいらないの
ただ
あなたの心が欲しい
無限の森
埋まらぬ心の隙間と
一方的な愛
それを
無償の愛だと言えば
嘘になる
溢れる想い
涙に変えて
星の瞬きを失くした
深い夜の谷間へと消えゆく
夢で逢えたら
心などいらないの
幾千の日々に
あなたを想う心など
結ばれぬまま
終わってゆく恋なら
どうか密やかに
ただ
あなたの笑顔に
夢で逢えたら
眠りつづけていたい
このまま
さよなら
千のキスを
あなたに
冷酷な神の支配するこの世界に
たった独りで生きることなど
苦痛でしかない
あなたを失うことが
私の最大の贖いだとするなら
運命とは
なんと残酷なのであろう
散る桜とともに
消えゆくあなた